No.677476

【コラボ】新・恋姫~『虎と狐』×『空駆ける翼』~

ツナまんさん

コラボの後編です!簡単な戦闘でも伝わるチートっぷり…

2014-04-09 02:11:03 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1080   閲覧ユーザー数:979

 【コラボ】 『 狐と千里眼・後編 』

「訪ねたい事だと?」

「はい」

「聞くのは構わんが、初対面の相手には先ずは名乗ったらどうだ?」

突然話しかけてきた二人組みに少々警戒しながらも麗異はそう切り返す。

「あっ、失礼しました。僕は蘇業(そごう)、字を白貴(はっき)と言います。それでこっちが…」

玉輝凜(ぎょくきりん)です」

「…朝史(ちょうし)だ」

二人の名、特に蘇業の名に妙な引っかかりを覚える。彼の字は白貴と言った。蘇白貴…考えすぎだろうか。以前の――聞仲として生きた俺から全てを奪った元凶であるあの女と目の前の青年を…似てもいないはずの彼と彼女をどうしても重ねてしまう。

「それで、いいですか?」

「んっ?ああ、すまんな。それで?何が聞きたいんだ?」

「えっと、此処がどの辺なのかって事なんですけど」

「可笑しな事を聞く奴だな。仮にも此処まで来たのだろう?まあいい、此処は洛陽の近くだ。今はゆ…じゃ分からんな、董卓が治めている」

答えてやるなり何か考え込んでいる。本当に変な奴だ。

 

 

洛陽、朝史さんは確かにそう言った。という事は雪蓮が居るであろう場所とはまるで正反対に居ることになる。だが本当にそうなのだろうか。雪蓮と出会った頃とはまるで違う雰囲気。それを考えると直ぐには雪蓮の場所を目指す気にはなれなかった。

「どうかしたか?」

「いえ、その、ありがとうございました。それじゃあ僕達は「うわあぁぁ」」

これで、と言い終わる前に誰かの悲鳴が聞こえた。

「これは!?邑の中から!?」

「ちっ!」

悲鳴を聞いた朝史さんは悲鳴のした邑の中へと駆けて行ってしまった。というか凄く足早っ!

「ご主人様!」

そうだった。そんな事考え得る場合じゃない。

「タマは邑の人達をお願い。僕は朝史さんに加勢しに行くから」

「分かりました」

本当なら雪蓮に逢う前からこんな所で面倒は起こしたくない。でも、きっと彼女ならそんな事考えずに助けに行くだろうとそう思った。

 

 

駆けつけた時、邑には既に賊が入り込んでいた。数はまだ入り込んでいない奴等まで合わせりゃ精々百位。その程度ならどうとでもなる、が…あまりにも場所が悪い。既に邑に侵入している賊もそうだが、今此処を離れれば更に賊は邑へと侵入して取り返しがつかなくなるなるだろう。なら、すこしでも早くこいつ等を片付け、侵入した賊を殲滅するしかない。

「なんて事考えてる暇があったらとっとと潰すか」

手にした浅葱弓で近場にいる賊の首を刎ねる。その光景に賊の足が止まる。当たり前の事だが弓とは矢を放つ為の物であって首を刎ねる為の物ではない。だからこそ、その常識外れの事実に賊は足を止めてしまう。そして、その隙を逃すつもりは無い。

「うらあぁ!」

一気に賊の群れに突っ込む。

「朝史さん!」

「その声…蘇業か!?」

今は賊に集中している為、声だけで判断する。

「邑はタマに任せてあります。此処を凌げば大丈夫なはずです!」

「…タマ?」

一瞬何の事かと思ったが、そういえば一緒に居た少女が玉輝凜と名乗っていたのを思い出す。ということはタマとは彼女の愛称なのだろう…まるで飼い猫みたいではあるが。

「仙法…『掌壁(しょうへき)』」

聞きなれない技と共に蘇業が掌打を放つと賊が纏めて吹き飛ぶ。というか掌打にしては明らかに威力も範囲もおかしい。恐らくは氣を使っているのだろうがそれでもだ。ついでに言えば、蘇業の持つ武器…柄から伸びる刀身は光に満ちている。形状は曲刀といったところだろうか、何にせよ千年や二千年どころでは追いつけないような代物であることは間違いない。俺のRWのような物だとしたら、コイツも転生者か、或いは…。

 

 

それから、程なくして賊は殲滅できた。その時の朝史さんはといえば弓なのに首を刎ねるわ、矢の代わりとばかりにその辺の剣やら槍やらを放つわでおよそ僕の知ってる弓の使い方ではなかったけど、只一つ言えるのは『強い』とそれだけは分かった。それはもう僕なんか別に加勢する必要はなかったんじゃないかってくらいに。

そして、僕にとってはこれからが問題だ。仙術やら宝貝を使ったのだ、このまま何事も無くとはいかないだろう。もちろん最初はそれでもいいと思っていたけど、こうして朝史さんの強さを目の当たりにしてそれが失敗だったと感じる。

「蘇業、加勢してくれた事には感謝する。だが、貴様は一体何者だ?正直に答えろ」

朝史さんの目は本気だ。変にはぐらかせば間違いなく命が危ないと、そう思わせる程に。

「分かりました。お話しますから武器は下ろしてください」

僕は観念して話すことにしてそう言った。

「僕は仙界の道士です。そしてタマ、彼女は霊獣です」

「ほう…、だが、それだけか?」

僕の答えに軽く驚きはしたものの朝史さんはそう聞き返してきた。

「僕は妖仙でもあり、母は…蘇妲己です」

「なっ」

 

予想外の狐燐の正体に麗異は言葉を失った。

あとがき

 

ツナ「【コラボ】前編と合わせ、後編いかがでしたでしょうか?」

斑 「のう、わっちの出番はまだかの?」

ツナ「斑様の出番があるわけないじゃありませんか。そもそも『虎と狐』の本編前ですよ!?その頃あなた何してましたか!?」

斑 「庵でマタタビ酒を飲んどった!」

ツナ「ダメ幼女ですね~(笑)」

斑 「(笑)とか言うでないわっ!というか聞仲の転生者に妲己の倅とは次回は決戦かの?」

ツナ「どうでしょうね~。まぁ孫縁様から麗異君に関して軽く情報は貰ってますからそこまで酷くはならないでしょうけど…」

斑 「うぬ…メタイのう」

ツナ「そこは…ねっ…しょうがないよね?というわけでこの【コラボ】恐らく次回がラストになります」

斑 「早くないかえ?」

ツナ「お互いの外史に影響が少ないように配慮しての事です。あまり狐燐が長居して月やらと会っちゃうと大変な事になりそうですしね」

斑 「既に大変な事とやらになっていると思うのぢゃが?」

 

ツナ「・・・では!また次回!」

斑 「とりあえずマタタビ酒とスルメを用意せい!」


 
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