No.677238

『真・恋姫†無双 ~時の外史~』 第2話

七詩名さん

いらっしゃいませ、七詩名です。

今回は、すこし短めでお送りいたします。

その理由は、あとがきにて。

2014-04-08 00:21:29 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2012   閲覧ユーザー数:1922

 

 

 

 

 グオオオオオォォォ・・・。

 

 

 

 うねる空間、流れゆく何か―――。

 

 青から紫、そしてまた青へとグラデーションのように、くりかえし色を変えながら蛇行する光が、俺とクロノの周りを通り過ぎていく。

 

 千年祭・・・ルッカ親子のショーで突如として起こった出来事。そしてそこに現れた”歪み”。

 

 その”歪み”に飲み込まれたマールと桃香、愛紗、鈴々を助けるため、俺とクロノは自ら”歪み”に飛び込み、後を追った。

 

 はたして、この先に待つのは―――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双 × クロノトリガー

 

『真・恋姫†無双 ~時の外史~』

 

 

 

 

 

第2話「仲間を追って!帰ってきた王妃」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギュイイイィ・・・ン!

 

クロノ「っと。着いたみたいだな。」

 

一刀「ああ。しかし、ここはどこだろう?」

 

 ”歪み”に流され、着いた場所は、まったく見慣れぬ場所。

 

クロノ「どうやらここは山みたいだな。ほら、この先がずいぶん下がってる。」

 

 クロノが指さす方を見てみると、たしかに山を思わせるほど斜面が多い。

 木々も生い茂ってるいるし、山で間違いはなさそうだ。

 

一刀「じゃあとりあえず、山を下りて場所を把握しておくか?」

 

クロノ「そうだな。」

 

 そう言って、俺たちがその場を離れようとした、そのとき。

 

 ガサガサッ!

 

??「ケケーッ!」

 

クロノ「!?」

一刀「!?」

 

 草陰から謎の青い人型の生物が三匹現れた。

 

??「ケケケッ。」

 

一刀「なんだ、この生き物は・・・。」

 

クロノ「わかんねぇ・・・とりあえず、友好的ではなさそうだけど・・・。」

 

 見たことのない生き物に、驚きと戸惑いの表情を浮かべていると。

 

??「ケケッ。”ニンゲン”ダ。」

 

??「”ニンゲン”ダ。」

 

??「”ニンゲン”。」

 

クロノ「しゃべった!?」

 

 と、さらに驚いたのもつかの間。

 

??「ケケーッ!!」

 

 三匹は、突然襲いかかってきた。

 

クロノ「うわあっ!なんだこいつら!?」

 

一刀「わからんっ!けど襲いかかってきたんなら敵じゃないのかっ!?話して分かりそうな雰囲気でもないし!」

 

クロノ「だなっ!」

 

 飛び掛かってきた三匹を避けながら、話し合いでの解決は早々に除外することを決めた。

 そして三匹に囲まれる形になったところで、俺とクロノは互いに背中合わせに立ち、武器である”刀”を抜いた。

 

クロノ「お?お前も刀を使うのか?」

 

一刀「え?ああ、まあね。腕はまだまだだけど。」

 

 俺が抜いた”刀”。

 この世界に来たときは持っていなかったのだが、実は千年祭にて”ボッシュ”との別れ際に餞別としてもらったものだった。

 いわく、「まあなんとなくお前さんたちが気になるんでの。」とのこと。

 

クロノ「しかもその刀、”白銀剣(はくぎんけん)”じゃないか!?いいなぁ。」

 

一刀「っていうかクロノのそれ、”木刀”?」

 

クロノ「ああ。さすがに祭りじゃ真剣は必要ないと思ったんだけどな、って来るぞっ!」

 

??「ケケーッ!」

 

 再び謎の生物たちが襲ってくる。

 そのうちの一匹が、クロノに向かって石を蹴り飛ばしてきた。

 

クロノ「大したことなさそうな奴だし、木刀でも十分・・・だろっ!」

 

 ガン・・・ゴッ!

 

 クロノは飛んできた石を、木刀で打ち返した。

 それが蹴った奴に当たり、見事倒した。

 

一刀「そうだな。たぁっ!」

 

 ズバッ!

 

 俺もまた、一匹を斬り倒した。『元の世界』で人を斬ったことはなくはないが、いくら化け物相手とはいえ、人型をしているそれを斬ることの抵抗感は大きい。

 しかし、そうもいってられないのが現状だ。

 

クロノ「これで、終わりっ!」

 

 ガッ・・・!

 

 そうこうしているうちに、クロノが最後の三匹目を倒した。

 

クロノ「ふう。冒険が始まって早々に化け物とは、まるで”おとぎ話”だな。」

 

一刀「冒険って。俺たちは遊びに来たんじゃないんだぞ?」

 

クロノ「そうだけどさ。でもさ、”さらわれた姫を勇者が助けに行く”って考えれば、”おとぎ話”みたいでワクワクしないか?」

 

一刀「へえ、そういう話があるんだ?」

 

クロノ「ああ。『悪い竜の王にさらわれた姫を伝説の勇者の血をひく勇者が助けにいく話』なんだ。」

 

 ん?またなんかどっかで聞いたことのあるフレーズが出たような・・・。

 

一刀「それってさ・・・テレビゲームかなんか?」

 

クロノ「てれびげーむ?なんだそれ?有名な絵本の話だけど?」

 

一刀「あ、絵本・・・絵本ね。」

 

 まあ、深く考えないようにしよう。

 

クロノ「そんなことより、山を下りてみようぜ?」

 

一刀「あ、ああ。」

 

 

 

 

 

 

クロノ「あれ?」

 

一刀「どうした?」

 

 山を下りてすぐ、クロノが立ち止まって首をかしげていた。

 

クロノ「いや、なんかさ・・・この辺に見覚えがあるんだよな。」

 

一刀「そうなのか?」

 

クロノ「ん~~~~~・・・あっ!わかった!」

 

一刀「どこだ?」

 

クロノ「俺の住んでる町だよ!トルースの町!」

 

一刀「え!?」

 

 クロノの発言に俺も辺りを見てみると、なんとなく『この世界』に来たときに見た景色と似ていた感じがした。

 草原もあるし、山とその麓には城もある。

 

一刀「でも、祭りなんかないよなぁ?」

 

クロノ「そうなんだよ。そもそもこんなとこに山もなかったしな。」

 

 そう、俺たちが下りてきた山は、ちょうど千年祭が催されていた場所にそびえていたのだ。

 

クロノ「しかも町にある家の数も少ない・・・どういうことだ?」

 

一刀「とにかく何かしら情報は必要だ。誰かに聞いてみないか?」

 

クロノ「そうだな、宿屋か酒場があれば手っ取り早いんだけど・・・お、それっぽいのがあったぞ。」

 

 少し遠く離れた場所に、町(?)の宿屋を見つけ、俺たちはそこへ向かった。

 

 

 

 

 

 

客「トルースの町?そんなでかいワケないだろう、ここはトルース”村”」だよ。

 

クロノ「・・・え?」

 

 宿屋に着いて、中にある酒場で早速聞き込みを開始したのだが、早くも予想外の事態に混乱する。

 

客「え、って兄ちゃん達よそ者か?どこで聞いたか知らんが、ここはれっきとした”村”だよ。」

 

一刀「え、じゃあ、ガルディア王国の千年祭は・・・?」

 

客「はあ?千年祭ぃ~?」

 

クロノ「そうそう!王国歴千年を祝ってのお祭りだよ!」

 

客「あっはっはっは!兄ちゃん、ちと気が早すぎないかぁ?今はまだ”王国歴600年”だろう?」

 

クロノ「ろ・・・ろっぴゃくねん?」

 

客「おいおい、ホントにこの国のことを知らないなんて相当遠くから来たんだなぁ。いいかぁ?この国はガルディア王国。600年続く由緒ある王国だ。しかし今は魔族の王”魔王”の軍勢と10年にも及ぶ戦争を続けている。」

 

一刀「ま、魔王?」

 

客「おうとも。この国は、10年前に突如として侵攻を始めた魔族の軍勢と、日夜戦いを続けているんだ。」

 

クロノ「・・・・・・。」

 

一刀「・・・・・・。」

 

 ・・・・・・・・・。

 

 ・・・・・・。

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 

 宿屋の客に話を聞いたあと、混乱した頭の中を整理するため、一旦外へ出ることにした。

 

クロノ「なあ一刀、これってもしかして俺たち・・・。」

 

一刀「ああ。どうやら”過去”にきてしまったみたいだな。」

 

 ”タイムスリップ”―――。

 時空の歪みや天災など、不可思議・不可解・不慮の事象によって起こる”時間移動”のこと。

 ”タイムトラベル”や”タイムリープ”と呼ばれるものもあるが、前者は”タイムマシン”などの機械的なものを用いた場合、後者は”超能力”などの精神的な力を用いた場合に使われる言葉なので、先のそれとは異なるものである。

 さらに言えば、”トラベル”と”リープ”は基本的に”任意の時間に移動できる”のに対し、”スリップ”は”移動先が予測不可能である”という違いもある。

 

クロノ「王国歴600年、魔王軍との戦争。たしかに400年前にそんな戦いがあったのは知ってたけど・・・ここがその400年前とはなぁ。」

 

一刀「じゃあ、さっき山で襲ってきた化け物も・・・。」

 

クロノ「”魔族”・・・ってやつか。」

 

 そんなものはゲームにしかないものだと思っていたけど、実際”違う世界”に移動してしまってる俺でもビックリだ。

 

クロノ「マールもここに飛ばされたんだとしたら、大丈夫だったのかな?」

 

一刀「あ、それは心配ないと思うよ?」

 

クロノ「なんで?」

 

一刀「俺の仲間、特に関羽と張飛の二人はめちゃくちゃ強いからね。たぶんさっきの”魔物”くらいなら100匹相手でも一人で勝てると思う。

 

クロノ「・・・マジかよ。」

 

 ある程度、状況を整理して落ち着いてきたとき、宿屋(というより酒場だろう)に向かってくる兵士らしき二人が近づいてきた。

 

兵士1「いやぁそれにしても”王妃様”が無事に見つかって良かったなぁ?」

 

兵士2「ああ。まさか”裏山”にいたとはなぁ。」

 

兵士1「さすがに王妃様ともあろうお方が山にいるなんて誰も思わなかったもんなぁ。」

 

 王妃?裏山?裏山っていうと、さっき俺たちが”歪み”から出てきたあそこのことだろうか?

 などと思っている間も、兵士二人の会話は続く。

 

兵士2「しかし、王妃様はいつまでも美しくていらっしゃるよなぁ。」

 

兵士1「それなんだがよぉ。見つけたときの王妃様はさらに美しくなられていて、”まるで若返っていた”ような感じだったらしいぞ?」

 

兵士2「そうなのか?」

 

兵士1「ああ。まあ、王妃様とて人。たまには羽目を外したいときもあるだろうからなぁ。気分がスッキリして、若返ったように見えるほど元気になられたに違いないだろう。」

 

兵士2「なるほどなぁ。俺たち兵士には分からない苦労があるだろうしなぁ。」

 

兵士1「あ、話は変わるんだけどよ?”王妃様の世話をした”って奴の話。」

 

兵士2「ああ、裏山で迷われた王妃様を助けたって”女たち”か?」

 

兵士1「そうそう。なんか見たことのない服装で、”魔王の手先”なんじゃないかって疑ってる連中もいるらしいんだよ。」

 

兵士2「マジかよ!?・・・いやぁ、さすがにそれはないだろう?」

 

兵士1「だよなぁ?だって俺、ちらっと顔見たんだがよ?」

 

兵士2「あ、お前も?俺も見た見た。」

 

兵士「「可愛かったよな~~~。」」

 

兵士1「特にあの”胸の大きな二人”!たまんねぇよな~。」

 

兵士2「いやいや、あの”元気そうなチビっ娘”のがたまんねぇよ~。」

 

兵士1「え、お前そういう趣味?うわぁ。」

 

兵士2「あ、お前いまバカにしたな?わからんかなぁ、あの守ってあげたくなるような幼い存在・・・あ~抱きしめたいっ!」

 

兵士1「え~・・・結構付き合い長いけど、それは意外すぎだわ。」

 

兵士2「引くなよっ!仕方ない、お前には幼女の素晴らしさをたっぷりと教えてやる!朝まで!呑みながら!」

 

兵士1「うわ~。なんか変なスイッチ入っちゃったよコイツ・・・。」

 

 ギィ~バタン。

 

 最初の兵士らしさはどこへやら、二人は宿屋の中へ入っていった。

 

クロノ「え~っと?つまり・・・?」

 

一刀「多分”胸の大きな二人”と”元気そうなチビっ娘”ってのは俺の仲間のことだな。」

 

クロノ「あ~やっぱり?」

 

一刀「王妃様の世話をした、とか言ってたな。てことは城にいる可能性があるな。」

 

クロノ「マールも一緒かな?」

 

一刀「わからない。ただ、”若返った王妃様”ってのは気になる。もしかしたらそれが彼女のことかもしれない。」

 

クロノ「王妃様、ねぇ。たしかに可愛かったけど・・・もしかしたら、”俺たちの時代の王女様”だったりして?まさかな。」

 

一刀「とにかく城に行ってみよう、手掛かりが少ない以上、動くしかない。」

 

クロノ「そうだな。じゃあ行こうぜ?城の場所は知ってるからさ。」

 

 そうしてクロノの案内の下、俺たち二人は一路ガルディア城に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...Continued to the next time⇒

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<After Word>

 

 

 

 ご来読ありがとうございました。七詩名です。

 

 初の後書きでございますが、今回はまだお伝えしていない作文設定などを発表したり質問したりしようかと思います。

 

 

 

 まずひとつめ――。

『クロノ・トリガーから出演するキャラクターのイメージボイス(通称:iv)。』

 恋姫キャラは一刀以外、ボイスはついているのでファンの方々は脳内再生余裕かと思われますが、

 クロトリキャラは当然、ボイスなんてありません。ので、

 脳内再生を可能にしやすく、それに伴って当物語をより楽しめるようにする趣向として、この”iv”を付けさせていただいた次第でございます。

 まあ、クロトリをプレイされた方の多くは”声優の割り振り”を既にされてるとは思いますがw

 私なりにイメージし、しっくりくるような声優さんを選んでいるつもりですが、いかがでしょうか?

 もしかしたら声優さんの名前を出すことがマズイ、という恐れもありましたが、一字を○などで伏せると誰だか分からなくなる可能性もあるのではと思い、思い切ってフルネーム書かせていただいたのですが・・・。

 まあ声のイメージは人それぞれなのであり、本編で書かれているのはあくまで私のイメージですので、読者様自身で合う声優さんに変換していただいて結構でございます。

 

 

 

 次にふたつめ――。

『ト書きについて。』

 これは、なるべく多くは書かず、読者様が想像できるであろう部分は省いていこうと思っています。

 単純に”作者に文才が無いだけ”というのが大元ではあるのですが・・・orz

 しかし、いちいちキャラクターが発言したことに対し、”どんな風に言った”とか”~のような顔をして言った”と書いていっては、先を読みたい気分が損なわれ、飽きも早くなってしまうのでは!?という作者自信が執筆する上での考えがありまして。

 もちろん、小説自体の定義(?)を否定したのではありません。作者一人一人に文に対する想いがあるのですから、私が現在読んでいる作者さんの二次小説はしっかり読んで楽しませていただいております。

 あくまで、あくまで私が自分で書き、尚且つそれを自分が読むのならこうしよう、という決意なのであります。

 もちろん必要だと思った部分はしっかり書いていますが、キャラの顔、言い方などが容易に想像できそうな所に関しては省き、セリフを続けていくスタイルにしています。

 なるべくご理解のほど、よろしくお願いします。

 

 

 

 今回の最後みっつめ――。

『各話の長さ。』

 今話は、前回とくらべて短いものとなりましたが、今後も長短が激しくなることをご了承ください。

 本当はもっと先で区切る予定だったのですが、そうすると今話の長さが倍くらいになりそうだったので、

「こんな長い一話を読むのは私はキツイ!」ってことで、ここで区切りましたw

 私は出勤・退勤の移動時にssを読んでいるので、細かく区切った方が切り上げやすいなとw

 なので、極端に短くなることはないと思いますが、キリのいいところを見つけて、各話を締めていこうと思います。

 

 

 

 あとがきも長いとアレなんで、今回はこれまで。

 

 次回の『真・恋姫†無双 ~時の外史~』をお楽しみに。

 

 ではでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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