はやて「お！おはよー東！」

士希「おう！おは……ッ！？」

私は通学中、前を歩いていた士希君がいたので声をかけることにした。

東でしっかり反応したので、どうやら東が本名ってのは本当らしい

士希「はやて！頼むからその名で呼ばないでくれ！」

士希君は近づくなり、小声で怒鳴ってきた

はやて「アンッ…士希君の吐息が耳に…」

士希「そんなわざとらしく変な声出すんじゃねぇよ！」

はやて「どう？ドキッとした？」

士希「残念だなはやて。女家族で育った俺に死角はない」

はやて「ちぇー、ならおんぶ」

士希「ならの意味がわかんねぇよ！？」

なのは「あ、二人ともおはよー！」

フェイト「おはよう、はやて、士希」

士希「うーっす」

はやて「おはよーさん！」

私と士希君が教室に入ると、なのはちゃんフェイトちゃんが挨拶してくる。

何気に朝四人が集まるの久しぶりやな。士希君たいがい遅刻やし

フェイト「あ、士希。エリオが士希の連絡先知りたいみたいなんだ。教えていいかな？」

士希「もちろんだ」

えらい早い反応やな。さすがミニコン。てか…

はやて「士希君、いつエリオと知りおうたん？」

士希「ん？この前ミッドに行った時だが」

あの日か

なのは「え？士希君、ミッドにいたの？」

はやて「私は会うたよ。ほら、カフェが強盗にあった事件あったやろ？

あれ、士希君が解決してったんさ」

なのは「そうだったんだ。報告見たけど、魔導師四人相手に一人で制圧って凄いね」

士希「まぁ、近接戦闘では格闘の方が早いからな」

それができんのは、士希君だけやろうけどな

はやて「その現場、ミゼットお婆ちゃんもおったんやで？びっくりやろ」

フェイト「え？ミゼット提督？」

なのは「うわぁ、世間は狭いねぇ」

はやて「ホンマやで。案外あの後も、知り合いに会ってたりしてな」

士希「ん？あの後もいろいろ知り合ったよな。レーゲンは誰が印象に残ってる？」

すると胸ポケットからレーゲンがひょっこり出てくる。もうそろそろ夏やけど、暑くないんかな？

レーゲン「アイスクリーム屋さんで出会った、スバルさんとギンガさん？」

はやて「あんたらホンマええ加減にせぇよ」

どんだけ世間狭いねん

先生「おはようございます皆さん！朝のホームルームを……！？雑賀さんが既に居る…だと？」

士希「せんせー、俺だってたまには普通に来ます！」

先生「あ、あまりに珍しい事だったのでつい…今後は頑張って下さいね」

士希「それは無理な話です」

先生「無理じゃありませんよ！？」

もはや朝のホームルームの先生と士希君の掛け合いは名物やな

先生「はい。では皆さん、来週から期末週間に入ります。

先生も初めての担任なので、張り切って問題作っちゃうから頑張って下さいね！」

期末週間の発表に周りがざわつく。もうそんな時期なんやな

はやて「あーあ」

ふと隣を見てみると、うなだれているなのはちゃんの姿があった

フェイト「また、泊まり込みで勉強会だね」

士希「また？」

はやて「うん。私ら仕事で授業出れやん日とかあるやん。やからどうしても遅れてしまうんさ。

それをカバーする為に私ら三人、中学ん時から泊まり込みで勉強会しとんのさ」

士希「へぇ、なんか大変だな」

はやて「今年は士希君のノート借りるけど、よかった？」

士希「あぁ、それくらいは構わんぞ」

はやて「おおきに！」

お昼休みはアリサちゃんとすずかちゃんも含め、教室でご飯。そんな中士希君は…

士希「だー！お前ら並べ！人数分作って来たんだから、焦んなくてもちゃんとある！」

生徒1「おかわりは？」

士希「ねぇよ！金取るぞ！」

先生「先生の分は？」

士希「あるから待っててください！」

クラスメイト全員におかずをあげていた。ちなみに今日は生姜焼きや。ご飯が進む進む

アリサ「あいつ、とうとうあたしら以外にもご飯を作るようになったのね」

すずか「お金、大丈夫なのかな？」

はやて「なんかヴィータ曰く、ブラックカード持ってる程の金持ちらしいで」

なのは「そんな人が、どうしてこの学校に？」

フェイト「それ言ったら、アリサやすずかもだけどね」

六人中三人が金持ちで三人が魔導師。なんてチートくさい集団なんや

士希「ふぅ、やっと飯にありつける」

はやて「お疲れさん。士希君いい人過ぎやろ」

士希「少し思った。今度から金取ろうかな」

先生「そんな！先生の安月給にそんな余裕は！」

士希「なんで先生が一番に否定してんだよ！？」

はやて「てか、めっちゃナチュラルに混ざってますね。仕事とかいいんですか？」

先生はお弁当を持って、私らの席に普通に座っていた。ホンマいつの間に来たんやこの人

先生「これも一応仕事だよ？生徒との交流も大切だからねー。

あ、それと八神さん、高町さん、フェイトさん、あなた達少し休み過ぎよ。

事情があるかもしれないけど、あんまり休むと進級できなくなるから気をつけてね。

それと高町さん、赤点は40点からだから」

なのは「え！？た、高くないですか？」

先生「え？そうかしら？雑賀さん、バニングスさん、どう思います？」

士希・アリサ「むしろ低いくらいかと」

はやて「先生！聞く相手がアカン！」

この二人はアカンやろ！先生わかってて聞いたやろ！？

士希「てか、テストなんて百点取って当たり前だろ？」

アリサ「そうね。間違える要素が見当たらないわ」

先生「わお！さすが学年首席のお二人！」

え？学年首席のお二人？

すずか「そういえば、学年首席が二人いるって話があったね」

はやて「え？そうなん？」

アリサ「えぇ。まぁそれが士希だったって知ったのは、割と最近だったけどね」

私は士希君を見てみる。当の士希君は私の視線に気づき、素敵なドヤ顔を披露してくれた。

うわぁ、なんやあいつ、殴りたい…

先生「あ！ちょっと話し過ぎちゃった。私はそろそろ行くわね！

雑賀さん！おかずありがとう！明日はエビフライが食べたいな！」

そう言って先生は早足で帰って行った。サラッと明日も来るって言ってったな

フェイト「うーん…思ったよりも早く注意されちゃったね」

はやて「確かに高校入って、少し休み過ぎではあったね」

覚悟はしてたけど、やっぱ両立って厳しいんかな

士希「ふむ……ちょっと便所行ってくる」

私が今後について考え始めると、士希君は立ち上がり、教室を出て行った

はやて「んー？」

帰って来たんは、昼休みが終わる直前やった。

ちなみに、アリサちゃんとすずかちゃんは既に教室に帰ってしまっていた

はやて「えらい長いトイレやったな」

士希「ん？あぁ、まぁな」

ん？どこ行ってたんやろ？

その答えが分かったんは放課後やった。

私、なのはちゃん、フェイトちゃんは先生から呼び出され、人けのない一室にやって来ていた

はやて「えと、どういう要件ですか？」

私は先生に尋ねてみる。先生はとても困った表情をして話し始めた

先生「その、八神さん、高町さん、フェイトさんの三人に、特例措置が取られて…」

なのは「特例措置？」

先生「本校は授業日数の三分の一以上を休むと進級できなくなるんですが、

あなた達三人は三分の二まで休む事が許可されました」

フェイト「え？ど、どうしてですか？」

先生「く、詳しい説明は先生も聞いていませんが、上層部の決定です。

あ、でも、一応条件もあります」

上層部の決定？管理局が手引きしてくれたとか？でもそれなら、事前に連絡くらいしてくれると思うけど…

はやて「条件ってなんですか？」

先生「期末での順位、1学年120名中50位以内に入る事です。

それをクリアすると特例措置が適応されます。ちなみに今回だけでなく、今後の期末もです。

一回でも50位外になれば、特例措置は解除されます」

一学年中で50位以内か。この学校、割とレベル高いとこやでなかなか難易度高いぞ

フェイト「でも、一体どうしてそんな措置が…」

先生「わかりませんが、どうやら雑賀さんが何かしたらしく…」

士希君…一体何してくれたんや…

なのは「うー…嬉しい措置だけど、条件が厳しい…」

先生「目安としては、平均75点以上。高町さん、頑張ってくださいね」

なのは「うにゃー！」

その後、私らは帰宅した。

その道中、今後の勉強プランを考えつつ、士希君にも今日の事についてメールしてみた。

その内容は…

はやて『自分、何したん？特例措置とかおかしいやろ』

士希『校長と交渉した』

はやて『は？』

士希『具体的には、弱みにつけ込んで買収』

はやて『アウトやろ！？』

士希君もあの学校も、なにかとブラックやったらしい