プロローグ テンプレな始まり方
洞窟を抜けるとそこは雪国でした。
もとい、目覚めるとそこは白の世界でした。
「・・・はい?」
目が覚めると突然わけのわからない空間にいた。なんだこれ?俺は夢でも見ているのだろうか?
頬を抓った。痛い。つまり夢じゃない。
「待て、落ち着け。まずは記憶を整理していこう」
明らかに動揺している口調でそう言ってみたが、やはり冷静にはなれない。
まずは自分の名前。森岡亮輔。日本人。年齢=彼女いない歴=26歳。営業マン。信仰する宗教:日本神道。好きなもの:うどん、焼きそば、ミリタリー全般。嫌いなもの:惰性な日常。将来の夢:ハーレム。今欲しいもの:彼女。死因と思しき事象:営業のためハワイへ渡航する飛行機の墜落事故。
「うん、途中何個か妙なの混じってたけど、まあなんとか大丈夫そうだな」
そう独りごちる頃には、だいぶ平静を取り戻していた。
次いで、彼はこの空間を見渡すと、背後にタブレット型ノートが置いてある台座を発見した。
「ん?なんだこれ?」
不思議に思って近づき、タブレットを手に取ると、勝手に電源がつき、画面にメッセージが表示された。
――あなたは神のミスによって殺されました。お詫びとして異世界への転生と、それに伴い与えられる神々の固有加護以外に、希望する能力を最大五つまで選んでください――
「神のミスだぁ?そんな理由で殺されたのかよ俺・・・って、まぁ神様だって全知全能ってわけじゃないんだし、そりゃミスの一つや二つもあらァな。っていうか神様人間の上位なんだからお詫びとかそんなこと気にすることないのに・・・ま、貰えるってんなら遠慮なく貰うけど」
表示されたメッセージを見て、第一声がこれである。多分こんなこと言われたら大半の人間は激昂するか神を罵るかのいずれかの反応を示すんだろうが、俺はそれなりに信仰心がある(と自負している)ため、神様の方にも事情があったんだろうと勝手に都合よく解釈し、気にしないことにした。だってそもそも、神様って人間を作った存在だよ?被創作物が造物主に文句言うってのおかしいっしょ?
「ってこんなこと言ってる場合じゃなかった。特典決めないと」
そう言ってタブレットの画面に意識を戻すと、メッセージ文の下に白い空欄が五つ表示されていた。多分、ココに特典とやらを入力すればいいんだろう。特に制限なりなんなりを記載されていないところを見ると、本当にどんな希望でも叶えてもらえるらしい。
「んじゃあ、まず4つは決まってるからさっさと入力するとして・・・」
そう言って俺は空欄に以下の希望を入力した。
1. 現代兵器の無制限召喚とそれを扱う知識(整備能力含む)
2. ↑を扱う兵士と増産・維持・管理・改造・保管を行う施設の無制限召喚(兵士の年代や国籍、性別選択可能)
3. 現代兵器の知識と独自改造・増産能力
4. 兵士と兵器の絶対忠誠心の初期からの付与と永続
「っと、ここまではいいとして、問題は最後だな」
4つ目までの特典希望を入力し、最後の一つを何にしようか迷う。異世界転生ということは、巷でよく見かける剣と魔法のファンタジー世界である可能性が高い。なので普通に考えれば強大な魔法行使能力が希望に上がるはずだが、ここまで現代科学でチートしてるのに、さらに魔法分野でもチートするというのはさすがに欲張り過ぎる気がして気に食わない。せっかく異世界転生できるというのに、そんなことしたら前世の焼き直しで随分つまらない人生を送る羽目になってしまうだろう。そんなの御免こうむる。
「というわけで」
5.設備の整った初期拠点(可能ならばメガフロート)
とすることに決定した。異世界で兵士や兵器を無制限に召喚できるとは言え、拠点の有る無しは随分大きな差になる。というわけで最後は拠点を希望することにした。
5つの希望を入力し終えると、画面に新たなメッセージが表示された。
――5つの特典希望を受理しました。これからあなたに向かってもらうのは、剣と魔法が満ち溢れるファンタジーな世界です。あなたの希望された5つの特典をフルに使い、存分にチートしてください。なお、行き先の世界にはあなた以外にも複数の転生者が既にいらっしゃいますので、彼らとは手を組むなり敵対するなり、ご自由になさって下さって結構です。それでは、めくるめく異世界転生の旅をお楽しみください――
「なるほど、もうあちらさんには転生者たくさんいるのか。ということはどっかで俺と同じような特典希望したやつと現代兵器で戦争やらかすことになるかもしれんな。気をつけとこ」
メッセージを読んで、彼はこれから始まる第二の人生に大いなる期待と一抹の不安を抱く。しかし、話はそんなに美味しい結びで終わるはずがなく。
「・・・ん?なんか地響きがするような・・・それにこの腹に響く重低音は一体?」
いきなり何十頭もの大型獣が駆け足してるような地響きを感じ取り、不審そうに周囲を見渡す。すると、なんの前触れもなくいきなり右手側の空間から紫色のへんちきりんな色した巨大な玉が転がってきた。
「ぎゃああああ!なんじゃこりゃあああああ!!」
あまりに突然なこと過ぎて大声あげながら逃げようとしたが、予想以上に玉が早くてものの数秒で押し潰される結果に。
「こんなのってありかああああああ(プチッ」
かくして、彼の波乱万丈な異世界転生生活は幕を開けたのであった。
皆さんおはようこんにちはこんばんわ。
最強チートオリ主大好きな海平?でございます。
最近、恋姫†無双の方の続きが浮かばないので、隙間埋めでこんなの始めてしまいました。
以前の鋼鉄の翼のような駄作にならないよう気をつけていくつもりではおりますが、皆様の方からもたくさんのご意見、ご感想をいただければ幸いであります。
誹謗中傷でも構いません。できる限りのところで、対応させていただきますので、どうかご支援のほど、よろしくお願いいたします。
あと、ひとつお知らせなのですが、昨年10月末日、私の父が52歳という若さでこの世を去りました。膵臓癌とのことです。誕生日から一月未満のことでありました。
最後に湿っぽい話になってしまいましたが、今回はこのあたりで。
また次回、お目にかかりましょう。
それでは。
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恋姫の続きに行き詰まったので、こんなの始めてみます