雪蓮の新技、『紅蓮虎獣』により血が昂ぶる状態と同じになった雪蓮は

野獣と化し、襲の『瞬考』の効果を無効化にする事に成功した

だが、本当の戦闘は

ここからだったのだ…………

　　 九節　〜七乃VS夜減児〜

雪蓮が『紅蓮虎獣』を発動する前、対夜減児に苦戦する華琳達は

七乃の『ある作戦』を実行しようとしていた

七乃「ふうぅぅぅ………」

七乃は静かに気を溜め始めた

美羽「七乃〜何がもしかしてなのか説明してたも〜」

確かに七乃は何も説明をせず気を溜め始めたので他の者達は困惑していたのだ

華雄「おい、説明してくれ

何をするつもりなのだ？七乃」

華雄もしびれを切らし七乃に聞いた

七乃「勿論説明しますよ〜

ですけど、まずは夜減児さんの隙を作って下さい」

華琳「……………説明はそれからかしら？」

華琳は若干不服そうに言った

七乃「すみませんねぇ華琳さん

ほんの少しでいいので………お願いします」

七乃は申し訳なさそうに頭を下げた

華琳「……………まぁやむを得ないわ

でも、その変わり結果を出さないと後でお仕置きをするわよ？」

華琳の発言に七乃は苦笑いをしながら

七乃「うひゃあ〜………華琳さんのお仕置き怖いって一刀さん言っていましたよ？」

華琳「ちょっと…………私は一刀にお仕置きする時なんて『アレ』しかしてないわよ………」

華琳はボソッと呟いた

華琳の言う『アレ』のお仕置きとは何時しか玉座に追い込み、口づけをし続けたものである

七乃「それではお願いします〜」

ｷﾞｭｫｫ！

七乃はまた少しずつ気を溜め始めた

夜減児「ガッハッハッハっ!!!何の話をしてんだ!?

さっさと再開しようぜっ!!」

夜減児は大笑いをしながらまた突進をしてきた

華琳「来るわよ!!」

祭「むぅっ!!」

夜減児の突進により蜘蛛の子を散らすようにバラバラになる華琳達

夜減児「避けんじゃねーよ!!

素直に当たって挽き肉になれぃ!!」

春蘭「冗談じゃない!!挽き肉になってたまるか!!!」

春蘭は得物を素早く構え夜減児に突進していった

七乃「背後を取れそうですね〜」

ｼｭﾝｯ!!

七乃は『空走』をしてきづかれないよう素早く背後に移動する

七乃は武に長けているかというとそこまで長けていない

だから真っ正面から戦うより小細工をして怯ませながら戦えばある程度の戦闘は勝てるのだ

夜減児「オラァっ!!喰らえ喰らえっ!!!!」

春蘭「はっ!!そんな鈍重な攻撃、ほっ!!当たるものか!!」

華琳「春蘭っ!!頭を下げなさい!!」

華琳は得物を構え、夜減児の目の前に移動していた

春蘭は素早く頭を下げ華琳は前に出た

夜減児「んんっ!!?」

華琳「ふっ！」

ﾌｫﾝ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

夜減児「ぬおっ!?」

華琳「『頸斬大蛇』!!」

華琳は斬撃を放ち、夜減児の喉付近に攻撃を当てた

だが、夜減児はニィっと笑い

夜減児「そんな甘っちょろい攻撃がこの夜減児様に効くとでも思ったかぁっ!!!!??」

やはり当たって怯んだだけで傷一つできていなかった

華琳「くっ!!ここまで力入れて怯んだだけってのは流石に堪えるわね……」

華琳の得物を握った手は微かに震えていた

攻撃をして直撃した得物から振動が伝わり手が痺れてしまったのだ

華琳「だけど、私の役目は取り敢えず終わりよ

ここまで時間を稼いだのだから成功させなさい」

夜減児「あぁ？何を言って………」

七乃「えぇ、勿論です♪」

夜減児「おぉ？てめぇいつの間に後ろに？」

夜減児が振り返ってみると、七乃が笑顔で得物を振りかぶっていた

七乃「そ～れ、喰らいなさい

私、張勲こと七乃の必殺技！」

七乃「『弱弱刀(じゃくじゃくとう)』!!そ～れ!!」

ﾌｫﾝ!!

七乃は特に小細工もせず、普通に斬りかかった

夜減児「そんな攻撃が効くかぁっ!!」

ｶﾞｷﾝｯ!!

夜減児も何もせず普通に受け止めた

星「……………七乃殿……ふざけてる場合ですか？」

明命「………時と場合を考えて下さい」

皆は白い目で七乃を見ていた

特に華琳は機嫌が悪くなっていた

華琳「貴方の遊びに付き合ってる暇なんかないのよ…………？」

美羽「七乃………嘘をついておったのかえ？」

美羽も呆れて溜息をついていた

七乃はそれを見て慌てて

七乃「ち、違いますよ!!?

ちゃんと見て下さいよ!!」

七乃はまた得物を構え夜減児に斬りかかった

ﾌｫﾝ!!

夜減児「お前は何がしたいんだ？」

ｶﾞｷﾝｯ!!

夜減児も疑問に思いながらまた受け止める

七乃「もう一回いきますよ〜！」

ﾌｫﾝ!!

夜減児「無駄だっつーの」

夜減児も遂には呆れてだしていた

ｶﾞｷﾝｯ!!

音々音「………あいつは何をしたいのですか？」

詠「こっちが聞きたいわよ」

七乃「よし、三回当てられたのでよしとしましょう

あとは………春蘭さーーん！」

春蘭「むっ？私か？」

七乃は大声で春蘭を呼び

七乃「思いっきり斬っちゃって下さ〜い」

春蘭「？？まぁ、言われなくともやるつもりだが……」

春蘭は再び得物を構え直し、夜減児に斬りかかっていった

夜減児「例え夏侯惇？だろうと俺の身体に傷をつける事は………」

春蘭「でええぇぇぇいっ!!!」

ﾌｫﾝ!!

春蘭は思いっきり夜減児を斬りつけた

すると、

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｻﾞｼｭｯ!!

夜減児「ぬおっ!!?」

春蘭「っ!!!?斬れた!?」

蓮華「『金剛石体』の体を斬りつけて血が出たですって!?」

七乃「成功しました〜♪」

華琳「…………貴方、一体何を？」

華琳は驚きを隠せず七乃に聞いた

七乃「はい〜♪私が放った『弱弱刀』は攻撃は至って普通なんですけど

斬りつけた相手の防御力や相手が所持している鎧や縦などの強度、頑丈さを一段階低下させる事が出来るんですよ〜♪

一回斬りつければ一段階、二回連続で斬りつければ二段階下がるんです」

雛里「なる程………七乃さんは合計3回斬りつけたので三段階下がったのですね」

朱里「三段階も下がれば例え『金剛石体』を持つ夜減児といえど傷をつける事は可能です」

美羽「凄いのじゃ！七乃!!」

七乃「はい〜♪七乃は頑張りましたよ、お嬢様♪」

などと戦闘に希望が見え始めた華琳達だったが

夜減児「俺様の身体に傷をつけるたぁ味なマネしてくれるじゃねぇか!!張勲!!!」

夜減児は歪んだ笑みを浮かべながら喋った

宝鈴「おや？夜減児が名前を間違えず、覚えているという事は…………

夜減児は本気を出すようですね」

夜減児「ガッハッハッハっ!!!」

ｷﾞｭｫｫ！

夜減児は紫に染まった身の毛もよだつ『邪闇気』を溜め始めた

華琳「勝負はここからのようね………」

七乃「斬って斬って斬っちゃいますよ〜！」

夜減児との第二ラウンドが幕を上げる!!

　　　　　　　　　　　……終……