No.674188

IS 2対の魔神皇帝IFストーリー

HIBIKIさん

第弐話です。

2014-03-27 23:49:40 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1137   閲覧ユーザー数:1109

午前6時に海道が起きると箒が一夏の布団の中にもぐりこんでいた。

 

(何やってんだよ・・・)

 

海道は着換えてからフライパンをコートから取り出して打ち鳴らして2人を強引に起こした。

 

「な、何だ何だ!?」

 

「キャアア!?」

 

「まず落ち着け。朝だから起こしたんだ」

 

二人は驚いてベットから落ちてしまった。

一夏が下敷きになり箒がその上に落ちたので彼女が一夏の布団にもぐりこんでいたの

を知っているのは海道だけになった。

 

「ん?・・・って一夏!?」

 

「イタタタ・・・大丈夫か箒?」

 

「あ、あぁ////」

 

真っ赤になりながらも自分の無事を伝える箒。

 

「ってか何時までいちゃついてやがる」

 

「「イチャついてない!!」」

 

「説得力皆無なんだが・・・」

 

海道は2人が完全に起きたのを確認すると朝のランニングに向った。

 

(視線・・・?)

 

視線のくる方向を見てみると薄い蒼い髪の眼鏡をかけた少女が居た。

この世界の更識簪だ。

 

(視線の感覚は若干恨みのようなものを孕んでいるな・・・)

 

海道は一旦彼女を撒き素早く背後に回る。

 

「何やってんだ?」

 

「ヒャフイ!?!?」

 

簪は驚きのあまり奇声を上げてしまった。

海道はこんな程度で驚くのか?とずれた考えをしていた。

簪は海道をにらみつけたが彼は気にも止めずにいる。

 

「もう一度聞くぞ。何をやってんだ?」

 

簪は海道の質問に答えずに逃げてしまった。

彼は怖がらせたか?と首をかしげて逃げていく簪を見るのだった。

その日は授業中一夏がよく解らないことが多いと山田先生に言い、彼女がクラス代表決定戦後に

補修とつけてくれる事になった以外は何事も無く進んで行った。

そして放課後・・・

 

「よし!一夏、行くぞ!」

 

「おう」

 

(負け続けなのによくもまぁやるもんだ・・・)

 

威勢よく箒が一夏に向ってゆく。それを見守る海道。

一夏は先程から箒に負け続けているのだが海道が時折アドバイスをすると

動きがよくなり、完全に劣勢だったのが互角になりつつある状態にまでになった。

そしてまた一夏が負けたのだった。

 

「弱い!!何でそんなに弱くなったんだ?!」

 

「バイトとかやっててさ・・・生活費とか心配だったし」

 

「しかし!」

 

箒は納得が行かないという感じで食いつく。

海道は溜め息をつきながら箒の頭に軽くチョップを当てる。

 

「生活費云々の為なら仕方ないだろう」

 

「だが!」

 

「お前は織斑に餓死しろとか家無しになれとでも言うのか?」

 

彼女にそんなつもりは無かったのだが生活費より鍛錬を取れと言う事が

そのように受け取られる事もあると海道がたしなめた為、箒はシュンとしてしまった。

 

「そういえば専用機のデータ、まだ貰ってないのか?」

 

「あ、あぁ。どんな機体なのかも全くわかんねぇ。千冬姉もデータ受け取ってないって言ってたし」

 

「あの馬鹿教師めデータくらい事前に受け取っておけってんだ。後で見てろよ」

 

海道が黒い笑みを浮かべながら若干キレ気味にそう呟いた時、

千冬は物凄い悪寒を感じて泡を吹いて気絶してしまったとか。

後に之を知った一年の一同は海道に逆らったらどうなるか解らないので極力接触しないようになったとか。

例外として一夏や箒、清香、鷹月、谷本、本音などの一部のメンバーは今までどおり接していたが。

 

「アリーナの使用可能時間は・・・あと10分か。二人ともISを格納庫に戻してクールダウンしよう」

 

「わかった」

 

「うむ」

 

その後も似たような日々が続いた。放課後のIS訓練の後、海道が二人に勉強を教えたり

彼が箒の後押しをしたりして一夏に彼女の事を意識させようとしてみたりと意外と平和だった。

放課後のISの訓練では一夏の専用機にはブレード一本のみ搭載との情報があったので

それを元に訓練を行なった。

海道が何処から持ってきたのかIS用のスナイパーライフルで対セシリアを想定した訓練だ。

かなり厳しめにやったので一夏は大抵の弾丸なら避けられるまでになった。

(ただし海道はかなり手加減している)

そして一夏は日曜日には箒と一緒に海道と模擬戦をした。海道はグレートで応戦した。

試合の流れは

二人が別方向から突っ込む→マジンガーブレードで応戦、2人が纏まった所でネーブルミサイル

→あっという間に試合終了といった感じだった。

 

そして次の月曜日・・・

まず一夏が戦う事になった。しかし・・・

 

「遅い!!」

 

「・・・」

 

「まだ来ないのか・・・」

 

上から箒、海道、一夏の順の発言だ。試合開始十分前だと言うのに一夏の専用機がまだ到着しない。

箒はイライラし、一夏本人はソワソワしながら待っている。一方、海道は落ち着いていた。

 

「待たせたな」

 

「遅れた事に対する謝罪も無しか馬鹿」

 

海道の言葉に千冬は一瞬呆けてたじろんでしまう。

 

「う・・・それは私の責任では・・・」

 

「早めに運ぶよう要請するくらい出来るよな?」

 

「グッ・・・だ、だがそれでも遅れる可能性は・・・」

 

「だったら遅れているとか知らせられるよな?こちとらかれこれ一時間待ってるんだが?

 つか5分前行動とか世間一般では常識だろ?アンタは授業に遅れると厳しいくせに

 こういうことに遅れると仕方が無いで済ませるのか?舐めんなよ?あ?」

 

 

「あ、ぐ・・・。待たせてすまなかった」

 

「いいって・・・」

 

「事情はわかりましたから」

 

「俺は許さん」←頭などに怒りマーク多数。

 

完全に言い負かされた千冬は謝罪をしたがが箒と一夏が許しても海道は許さなかった。

一応時間が迫っているので海道は一夏を専用機の白式に乗せて途中までフォーマット等の

1stシフトの為のデータをある程度入力した。手際などは彼の世界の束にはまだ及ばないが

それでもこの世界からすれば相当早い。

 

「よし、試合開始15分位すれば1stシフトすると思う」

 

「すまねぇな。たった3分で之だけの事やらせちまって」

 

「八つ当たりなら世界最強(笑)がいる(・∀・)」

 

(む、無茶苦茶怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ)

 

(海道だけは的に回さぬように注意しなければ)

 

(orz)←千冬

 

笑いながら海道は途轍もなく黒い(暗黒?)笑みを浮かべていたと後に彼等は語った。

 

「あの・・・オルコットさんが待っているので・・・」

 

「あ、解りました」

 

(た、助かった!)

 

千冬は助かったと思ったのだが海道はまだ黒い(暗黒?)の笑みの浮かべ続けていた。

一夏が射出され、セシリアと対峙する。

 

「ようやく来ましたか・・・」

 

(派手は蒼だなぁ・・・)

 

セシリアの言葉は一夏には届いていない。それどころか彼女の機体の色について考えていた一夏。

 

「いまなら泣いて謝れば許して差し上げますわ!!」

 

試合開始のブザーが鳴る。

それと同時に一夏はセシリアに接近してブレードで一閃する。

 

「な!?卑怯「戦いに卑怯もラッキョウもあるもんか馬鹿!」何ですって!?」

 

接近されているのでスターライトによる射撃が出来ず、唯一の近接武装のインターセプターで

応戦せざるをえなかった。対する一夏はブレードの他に拳で殴ったり足で蹴ったり必要なら頭突きすら

行なうのでセシリアは型破りな彼に翻弄されてしまう。

パターンなどを見つけようとしても一夏はそれを出来るだけ悟られないように

攻撃しているので完全に劣勢になるセシリア。

観戦している海道と箒は・・・

 

「なんと・・・」

 

「オルコットの奴想定外の戦いに弱いと睨んだがその通りだったか」

 

「?」

 

「オルコットのIS、ブルーティアーズは射撃用IS。そして奴さん自身も接近戦の経験は皆無だろうし。

 篠ノ之なら織斑のあの攻撃は対処可能だろうが奴さんはそんな経験が全く無いから対処の仕方がわからない」

 

「何となくだが解った。自分の得意な戦闘パターンしか経験していないと言うのか?」

 

「そゆことだ」

 

箒は海道の推理力や観察力に舌を巻いた。千冬も話を聞いていて若干彼が恐ろしかったとか。

 

「ほらほらほら!さっきまでの威勢は如何したんだオルコット!」

 

「クッ・・・生意気な口を・・・」

 

一夏はセシリアを挑発して冷静な思考を失わせながら戦っている。

現在セシリアのSEは残り100。一夏はほぼ無傷の600。

彼女が離れようとしても一夏が離れない。おかげでブルーティアーズは傷だらけだ。

切り札を使うかどうか悩む彼女だが下手をすれば自爆になってしまうので彼女のプライドが

それを許さなかった。

もし海道の世界のセシリアが同じ様な場面に出くわしたらプライドなど溝に捨てた戦い方をとるだろう。

 

「之でトドメ!」

 

一夏の渾身の攻撃でセシリアのISのSEが0となり一夏の勝利が確定した。

そして一夏の専用機、白式が1stシフトをした。

 

「あ、あなた初期状態の機体で戦っていたと言うのですか!?」

 

「ん?あぁ。でも訓練とかしてたし。だから反応が遅いのも解ってたし対処は出来た」

 

「こんな馬鹿なことが・・・」

 

セシリアは現実を認めたくないような表情でピットに戻って行った。

一夏もピットに戻ると箒が嬉しさの余り抱きついてきたりした。

千冬が口を挟もうとしたりしたが海道が睨みつけて黙らせた。

1時間の休憩を挟み、今度は海道対セシリアの試合だ。

ブルーティアーズは山田先生の助けもあり修理、補給が完了している。

海道はグレートマジンガーを展開する。

 

「しっかし何時見てもかっけぇよな・・・」

 

「こっちの世界では姉貴が2号機を使ってるな。俺も気に入ってるけどな」

 

「へぇ」

 

「俺にとっての親父が設計した機体だし」

 

「親父・・・ね」

 

「よし、行くか」

 

一夏は親父と聞いて複雑な表情をした。海道はわざと無視してアリーナに立つ。

カタパルトは使っていない。邪魔になるだけだからだ。

 

「男如きに負けはしませんわ!」

 

「負けたくせに・・・」

 

「あれは!「負けは負けだ。虚け者」減らず口を!!」

 

セシリアは顔を真っ赤にしている。完全に海道の挑発に乗っているようだ。

 

「そのような不細工なIS!すぐにスクラップに「あ!?」!?」

 

海道がスクラップと言う言葉に反応してキレた。

空が曇天に渦を巻き始めると同時に試合開始のブザーがなる。

 

「スクランブルダーッシュ!!」

 

スクランブルダッシュを使い、一気に接近する海道。セシリアも先程とは違い

スターライトのレーザーで迎撃するがレーザーはグレートに届かずかき消されてしまった。

 

「な、なんだ!?」

 

「ニーインパルスキック!!」

 

四肢の概念を逸脱した超変形の膝の蹴り、ニーインパルスキックがセシリアにヒットする。

膝は巨大な槍の先端のように変形している。この蹴りでブルーティアーズのビットが2機破壊された。

 

「ゲホッ!・・・なんて力」

 

「テメェは許さなねぇ!グレートタイフーン!!」

 

今度はグレートタイフーンの暴風がブルーティアーズを襲い、機体の一部の装甲が剥がれ落ちる。

 

「必殺パワー!!サンダー・・・」

 

雷がグレートの耳部にある角に落ちる。そして

 

「ブレーーーーーク!!」

 

今度は右の人差し指の先端から超高圧電流が発射されセシリアに命中。SEはあっという間に0にされた。

ブルーティアーズは装甲が完全に剥がれ落ち、フレームがむき出しとなり殆どの回路がショートしている。

セシリアは気絶してしまい、地面に落ちてゆく。海道は助けるそぶりすら見せない。

 

「危ない!」

 

一夏が地面に落ちる前に飛び出してセシリアの救助した。

海道は相当激怒しているらしくピットに戻ると千冬達の話も聞かずに寮の部屋に戻ってしまった。

 

「おい、オルコット!大丈夫か?」

 

「は・・・はい・・・」

 

「そうか。よかった」

 

一夏が笑うとセシリアは顔を真っ赤に染める。

 

「海道の奴がキレた理由解るか?」

 

「え?・・・いえ」

 

セシリアは首を振って知らぬと答える。

 

「前に聞いたんだけどな。あの機体、海道の父親代わりの人が設計してその人の父親、

 海道の世界の箒のおじいさんと一緒に作り上げた機体だって言ってたんだ。

 父親代わりっていってもアイツが親父って言うくらいだから相当尊敬してるんだろうな。

 だからスクラップ云々って言葉にガチで切れたんだと俺は思う。

 オルコットだってその機体をスクラップにするって言われたら怒るだろ?」

 

セシリアは自身の言葉を深く反省している。そして後で海道に心から謝罪しなければとも。

その後、彼女を一夏が肩を貸してピットまで連れて行き、底から念の為担架によって医務室まで運ばれた。

 

医務室でセシリアは昔の事を思い出していた。彼女の父はISが世間に知れ渡った辺りから

妻の顔色を伺ってばかりになり、彼女の母は父と余り顔を合わせなくなった。

そんな光景を見ていたセシリアは男はつまらない人種と思い込んでいたのだ。

そしてその考えは歪んで男は女に従っていれば良いとまで。男は弱いのだと。

しかし今日その考えが完全に間違っているのを思い知らされた。

いや入学した初日にはもう間違っていると言われていたが認めることが出来なかっただけだ。

 

「織斑・・・一夏・・・海道・・・一夏・・・平行世界の・・・同一人物」

 

海道の事を考える。彼を怒らせると背筋が凍る思いもあるが、一部の女子達が仲良くしているのを

知っていたので普段は優しいのだろうと少しホッとした。

一方一夏の事を考えると胸が熱くなり、今まで感じたことの無い感覚になった。

 

「之が恋心なのでしょうか・・・?」

 

そして自覚をすると先程助けられた時に御姫様抱っこをされていた事を思い出して恥ずかしくなってしまった

セシリアだった。

 

一方寮に戻った海道は大分落ち着いたらしく、後で大破させたセシリアのISをどうにかして修理してやろうと

考えていた。途中千冬がやって来て明日、一夏との試合を行い、勝者がクラス代表になる事を告げる。

 

「了解した」

 

「それと幾らなんでもあれはやり過ぎだ。オルコットのISは大破して修理に一週間は軽く掛かる」

 

「自業自得だ。俺は普通の事を言っては居たが悪口は言ってない」

 

「アマやら何やら言っていたよな?」

 

「御相子だろ。奴さん共も男如きやら何やら言っていたと思うが?それとも何か?

 ISが広まる前は男女平等やら騒いでいたくせによ。ISが広まった途端女のほうが偉い?

 それでも何か言う事でも有るのか?馬鹿なのか?死ぬのか?死にたいのか?」

 

また海道の怒りの炎に可燃性物質を余計なほど大量に注いだようで、また怒らせてしまったようだ。

流石に手は出していないが、下手に何か言えば手を出してくる可能性が高い。

千冬は何も言わずに逃げるように部屋を出て行った。

この日一夏と箒は海道が物凄く不機嫌だったので一緒に布団に包まってガタガタ震える夜を過ごしたとか。


 
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