No.673973

北郷一刀の外史紡ぎ 最終話

ユウヤさん

袁術ルート最終話。
終わり方めっちゃ気持ちの悪い終わり方です
覚悟の上読み進めてください。

2014-03-27 00:00:21 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:5666   閲覧ユーザー数:4355

 

 

 前置き

 

 ―Warning―

 

 此処から先はまさしく地獄が待っています。

 

 ハッピーエンドとは縁遠いものになっています。

 

 そう言った物がお嫌いな方はすぐにバックブラウザして下さい。

 

 それでも見ると言う人は、ビニール袋をご用意ください。

 

 作者はちょっと吐きそうになりました(心が気持ち悪くなって)

 

 長いので色々突っ込みが追いつかないと思いますがどうかご容赦を・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終話

 

 

 第一節―檄文

 

 

 五胡撃退戦からもう一年が経過した。大陸の情勢は正直なところ不気味なぐらい静かだった。この一年で俺達は技術的にも大成長を遂げた。俺は知識を惜しみなく出し。それを実現させてきたのだ。ドリルの実用化に伴い採掘技術が近代レベルまで上がり、その過程で油田を掘り当て、それにより軽油、灯油を精製に成功。まさしく技術革新だった。重油のおかげで炉の火は効率よく高温を維持できるようになり、製鉄技術も大きな躍進を見せた。俺はその技術を用い巴東の白帝に砦、いや要塞を建造する事にした。白帝城ならず白帝要塞門。実の所荊州の雅臣との連絡が思ったようにいかないので、警戒する為にと言う理由で俺がごり押しで推し進めたのだ。

 

 正直、何処で歴史が狂ったのかなんてわかりきっていた事だった。黄巾党の乱が問題無く有ったから油断してたのかもしれない。いや・・・これももはや言い訳なんだろう。俺は・・・きっと最低な男なんだ。

 

 その報が届いた時にはもう手遅れだったに違いない。霊帝崩御。反董卓連合が起こる前触れ、だが・・・その報はそこで終わらなかった。

 

 伝令「まだ、続きがあります!」

 

 一刀「なんだ?」

 

 伝令「そ、それが・・・洛陽が複数の賊により襲われ・・・焼け落ちました!劉弁様、劉協様、共に生死不明。」

 

 一刀「なんだって!?」

 

 伝令「洛陽に潜んでいた元傭兵団の方々が持ち帰った情報です。」

 

 一刀「十常侍や大将軍可進は!?」

 

 伝令「そ、それが・・・お互いが放った刺客に暗殺され・・・共倒れと。」

 

 一刀「・・・そんな・・・馬鹿な・・・」

 

 悪い事は続く物、誰かがそういった。あの報から数日後美羽と七乃が白帝要塞門に視察に来た。別に彼女たちが来るのが悪い事とは言わない、だが・・・彼女たちにとって、美羽にとって悪い事が起こった。

 

 門番「も、申し上げます!」

 

 美羽「どうしたのじゃ?」

 

 門番「そ、それが・・・劉表様の軍が開門を求めております。手ひどくやられていた物とお受けします!!」

 

 美羽「なんじゃと!?すぐに開門せい!!」

 

 門番「はは!」

 

 一刀「・・・」

 

 正直最初が順調すぎたのも有ったのかもしれない。

 

 美羽「雅臣!」

 

 俺は目の前で起こってる事がまるで他人事のように思えてきた。いや・・・自身の感覚がまるで他人の物のように・・・それだけ・・・“気持ち悪かった”

 

 雅臣「・・・美羽・・・こ、これを・・・」

 

 彼が渡してきたのは一つの竹簡。益州ではもはや珍しくなった物だ。製紙技術も大分発展した故に竹簡も現在では古書扱いである。

 

 美羽「・・・なんじゃこれは・・・麗羽姉さまは本気で・・・」

 

 雅臣「・・・美羽・・・」

 

 美羽「雅臣!」

 

 雅臣「・・・間に合ってよかったよ・・・これが渡せて・・・君に・・・生きて最後にあえて。」

 

 美羽「何を言っておる・・・何を言っておるのじゃ!!」

 

 彼の背には大きな切り傷があった。おそらくもう・・・

 

 雅臣「ねぇ、美羽・・・聞いて・・・」

 

 美羽「い、いやじゃ・・・いやじゃ!!」

 

 雅臣「・・・僕は・・・君にあえて・・・本当に良かった・・・」

 

 美羽「うぅぅ・・・ぅぅぅうううぅぅ」

 

 雅臣「・・・あい・・・・・・し・・・t」

 

 とさ。

 

 美羽「・・・雅臣?・・・雅臣!!・・・・ああ、ぁぁ―――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!!!」

 

 声にならない叫び声。その後劉表軍の面々から袁紹、曹操、劉備の連合が荊州を攻めたのだと言う。彼が渡した竹簡、それは・・・『反袁術連合』の檄文だった。

 

 内容はこうだ

 

 

 

 『袁術の元に居る天の御使いは天の御使いに有らず。奇怪な術を用いる妖術師である。それを重役に抜擢し、あまつさえ天を語るなど言語道断。皆さん、共に悪の権化、北郷一刀を倒し、袁術と益州の民を救いましょう。』

 

 

 

 と、記してあった。

 

 その後、馬騰、董卓の涼州連合と揚州の孫呉がそれぞれ北と南から攻めてきたと言う伝令がすぐに来た。

 

 

 

 第二節―少女の涙

 

 

 すぐに俺は動いた。美羽を落ち着かせ、七乃にすぐに北の迎撃に紫苑、双葉、焔耶、七乃で出るように指示、南には美羽、桔梗、紫庵で出るように指示した。俺?そうだな・・・残るはこの白帝要塞門だけだろう?俺はそこで奴らを迎撃する事にした。勿論・・・この一年で開発した新兵器も惜しみなく使うように指示も出した。

 

 此処からは人づてで聞いた話だ。成都にいったん戻った美羽と七乃は状況を説明、美羽は自身の思いを将の前で語った。自身は王、故に個人の感情で軍は動かせない。だが攻めてくるのなら別、大事な者を奪った奴等に目に物見せてやる・・・と。

 

 数日で各方面の防衛軍の再編は終わったと聞く。その後の出陣の大号令でも美羽は活躍だったと言う。兵を奮い立たせるには十分すぎるほどの物だったらしい。だが、俺の元に増援として来た工作隊はそんな号令すらもはやどうでもいいと言っていた。

 

 工作兵「・・・泣いておられました。」

 

 一刀「・・・泣いていた?」

 

 工作兵「はい、それはもう・・・号令の最中も・・・涙声で・・・それでもちゃんと聞き取れましたから、さすが袁術様でした。」

 

 一刀「・・・」

 

 工作兵「それでも号令すらどうでもよかったんです。」

 

 一刀「その心は?」

 

 工作兵「・・・私達には聞こえました、あの涙から。ただ、“苦しい”と。」

 

 一刀「・・・そうか・・・」

 

 工作兵「私達もつくづく馬鹿だと思いました。それで・・・死ぬ覚悟が出来たのですから。」

 

 一刀「死ぬ覚悟?安心しろ・・・お前たちが覚悟するのは死では無い。」

 

 工作兵「と、言いますと?」

 

 一刀「お前たちが覚悟するのは虐殺者の烙印を押されても生きる覚悟だ。」

 

 工作兵「・・・もとより生き延びられるなら・・・袁術様の為になるなら・・・上等です。」

 

 一刀「そうか。なら、生き地獄上等で残りの工程終わらせるぞ。」

 

 工作兵「は!」

 

 俺達はそのまま要塞の工事の残り一割を数日で死にもの狂いで終わらせた。

 

 

 

 第三節―反骨の決意

 

 

 私は・・・正直あの男、師父が好きでは無かった。だが、私に戦い方を教えてくれた良き師でもある。桔梗様も私にとっては良き師だったがどちらかと言うと親に近いのかもしれない。はは、こんな事を言ったら豪天砲で撃ち殺されるな。それにしてもどうにも治まらないな・・・この血の滾り。師父からは感情に身を任せて勝てるのはそれこそ手練、達人の域に到達した者達だけだと言われた。勿論達人が早々感情的になる事すらあり得ないとも付け加えられたりもした。

 

 袁兵「魏延様、そろそろ迎撃予定地点です。」

 

 焔耶「分かった。我等は此処で魚麟の陣を敷く。」

 

 袁兵「は、全体に伝えます。」

 

 もう・・・着いたか。この血の滾りはおそらく怒りだろう。何に怒っているか・・・は、それこそ簡単だ。美羽様・・・あの人の涙を見てからだ。この一年一緒に民と過ごし、笑い、泣き、歌い、遊び、それこそ長年共に過ごしてきた錯覚さえ覚えるほどに共に居た。だからだろう、彼女のあの涙を見た瞬間、自分自身の武を穢されるよりも許せないと思ったのは。

 

 紫苑「焔耶ちゃん、怖い顔してるわよ。」

 

 焔耶「・・・紫苑様。正直今の貴方に言われたくありませんが・・・」

 

 紫苑「あら・・・そんなに怖い顔してる?」

 

 焔耶「はい・・・年の事を言われた時以上に怖いです。」

 

 紫苑「あらあら・・・でもねぇ・・・」

 

 焔耶「はい・・・無理ですね。怒るなって方が。」

 

 紫苑「そう言う事よ。さて・・・どう料理してくれましょうか。」

 

 そんな物騒な会話の中。前線を警戒していた双葉が帰って来た。

 

 双葉「二十里先に敵部隊を確認。こっちにはまだ気付いてない模様。」

 

 七乃「・・・紫苑さん、双葉さん、焔耶さん。すぐに陣を変えましょう。鶴翼、それも弓兵主体の・・・ね。」

 

 そう言って七乃様は陣の変更を指示した。あぁ、あの陣で・・・ふふふ。私の出番はあるのか心配になって来たぞ。

 

 双葉「私の出番なるかなぁ?」

 

 どうやら双葉も同じ心配をしてるらしい。

 

 焔耶「相手は涼州きっての騎馬連合だ。それに呂布が居る。たぶん出番はあるさ。」

 

 自身に言い聞かせるように双葉にも言ってやる。

 

 双葉「だといいけど・・・ま、その時はその時、涼州を踏み荒らす力を温存できたと考えましょう。」

 

 焔耶「ああ、そうだな。」

 

 二人「無知な者どもに鉄槌を。」

 

 そう・・・私達の大事な人を泣かせた奴等に鉄槌を・・・

 

 

 

 第四節―少女の思い

 

 

 今妾は一刀の作った“ある兵器”を運搬の最中じゃ。河までもう少し、そうすれば後は楽な道のりじゃ。

 

 桔梗「大丈夫か?御館様。」

 

 美羽「桔梗か・・・大丈夫、と言っては嘘になるの。」

 

 桔梗「前線はわしに任せられよ。」

 

 美羽「そうはいかん・・・正直な話、妾は自身の罪とも向き合わねばならん。」

 

 桔梗「罪?」

 

 そう・・・妾の罪。無知故に、無知だったからこその罪。孫策を苦しめていたその罪は背負い、償わなければならん。だからこそ・・・

 

 美羽「・・・妾はこの戦で孫策と・・・和解しようかと思う。」

 

 桔梗「!?」

 

 美羽「そう怒るな、桔梗。」

 

 桔梗「だが!!」

 

 美羽「勿論連合は許せん。桔梗も知っての通り妾たちはそれほど間諜対策をしておらん。故に情報を集めようと思えば集められた。それもせずただ悪の烙印を押し攻めてくる奴等は許せん。」

 

 桔梗「だったら・・・」

 

 美羽「それでも・・・孫策だけはその感情だけではぶつかれん。」

 

 桔梗「孫家に対する贖罪か?」

 

 美羽「そうじゃ、けじめとも言うの。他の戦線はおそらく・・・」

 

 桔梗「ああ。状況次第では・・・一気に武力侵攻をするの。」

 

 美羽「一つぐらい甘い戦線があってもいいじゃろ?」

 

 桔梗「・・・そうですな・・・劉表の坊主も・・・そう望んでおるだろ。」

 

 美羽「・・・だと・・・いいの。」

 

 そう、これは妾の小さな決意じゃ。死にはせん、受け入れてもらえなければ感情に身を負かせるまでじゃ。孫策・・・妾の贖罪の言葉。どう受け止めるか・・・どうか・・・願わくば聡明な判断を・・・

 

 

 

 第五節―北方殲滅戦

 

 

 焔耶「多いな・・・」

 

 双葉「だね。私の見立てでは三十万って所。」

 

 焔耶「ははは、歩兵部隊五千では太刀打ちできないな。」

 

 双葉「昔のあなたでは考えられない言葉ですね。」

 

 焔耶「・・・ああ。そうだな。」

 

 そう、昔の私ならこう言わなかっただろう。

 

 焔耶「ふ、だからこそだな・・・あえてこう言おう。あんな奴等私が居れば殲滅できる。」

 

 双葉「あはは、今の焔耶だったら出来そうで怖いなぁ。」

 

 焔耶「そう言う双葉はどうなんだ?」

 

 双葉「・・・殲滅なんて生ぬるいよ。消し去ってやる。」

 

 焔耶「・・・それこそ白帝要塞門でやり合う奴等の末路だろう。」

 

 双葉「・・・だねぇ。」

 

 そんなやり取りの中一人の将が前に出てきた。舌戦をやろうってか?あいにくそこまで冷静なのは今の私達には居ないんだぞっと。そんな事を思っていたら後ろから一つの矢が飛んでいってそいつの頭に刺さる。後で聞いたがあれは馬超だったらしい。は、錦馬超も大したこと無かったな。怒り狂った西涼騎馬連合はこっちに向かって走って来たが私達からすれば無謀だ。

 

 焔耶「紫苑様、さすがの腕だな。」

 

 双葉「だね。紫苑さんの位置からだと三里は離れてるんじゃないかな?」

 

 焔耶「さて・・・私達の出番はまだかなっと・・・」

 

 本来なら突っ込んでくる騎馬隊は私たちで押さえるために動かなければならないだろう。だがその行動は私達から見れば愚かな行為だ、なぜなら・・・

 

 双葉「お、飛んできたよ~轟連弩の矢。」

 

 焔耶「これでまず二割は吹き飛んだな。」

 

 双葉「だねぇ。」

 

 着弾と同時に私達の目の前で騎馬連合はあり得ない消え方をする。カッと光ったと思ったら煙を上げて残るのは黒く焼け焦げた地面のみが残ったのだ。

 

 双葉「あ、あっちから来るのって董卓軍?」

 

 焔耶「みたいだな。こっからだと良く見えなかったが・・・」

 

 双葉「紫苑様達からは丸見えだと思う。」

 

 その予想は的中だった。我等の隊に横撃を仕掛けようとしたのだろうが、すぐに矢の雨によってほとんどの兵は倒れて行った。あれは散弾刃里須多だな。一度に千の矢を降らせる弩の改良型だ。そう師父が言っていた。

 

 馬岱「おまえらー!よくもお姉さまを!!」

 

 張遼「この妖術使いどもが!ウチが退治したる!!」

 

 どうやら矢の雨をかいくぐってきたようだな。だが・・・

 

 焔耶「双葉はあのちっこいのをやれ。私はあの偃月刀の奴をやる。」

 

 双葉「りょーかい。死ぬんじゃないよ。」

 

 焔耶「誰に物を言っている?」

 

 双葉「だったね・・・あの頃の脳筋じゃないものね。」

 

 焔耶「あぁ。」

 

 そうだ・・・私はもうあの頃の愚かな私では無い。師父の教えの元、私は双葉より強くなった。桔梗様から私はもう万夫不当、天下無双を自負してもいいとまで言われた。まぁ、それで調子に乗るほど子供でも無かったがな。・・・こんな事を双葉に言えば馬鹿にされそうだな。

 

 双葉「じゃ、行ってくるね~」

 

 焔耶「ああ、さっさと斬って来い」

 

 双葉「ん。」

 

 そう言って駆けていく双葉の背を見送り、私は焚山骨(ふんざんこつ)を手に取る。かつての獲物鈍砕骨は半年前に私の力に耐えきれず壊れてしまい、私に合わせて師父が打ち出してくれた物だ。かつての金棒のような形状では無く、斬馬刀に類似する武器だ。ただ違うのは刃が付いていない。叩き壊すための武器。氣を流し込む事によってさらに形状すら変わる物だ。

 

 張遼「ウチは張遼。あんたがウチの相手か!」

 

 焔耶「あぁ、そうだ。我が名は魏延、字を文長。我が焚山骨にて打ち殺してやろう。」

 

 張遼「は!妖術使いが武を語るか。滑稽やな。」

 

 焔耶「なんとでも言え。私は今、我が主を泣かされて頭にきている。まぁ、その報いの一端はもう受けているみたいだがな。」

 

 張遼「そりゃ馬超の事言っとんのか?」

 

 焔耶「ははは。分かってるじゃないか。見事な最期だったな。ある意味で・・・な。」

 

 張遼「貴様―!!」

 

 そこからはよく覚えていない。こんな奴等の事を記憶の隅に置く事すら私は拒絶したのかもしれない。気が付くと目の前には張遼だった物が転がっていた。

 

 焔耶「ふん、“展開”するまでも無かった。」

 

 私の武器の本来の姿を戦闘中に見たのは師父か御館だけだからな。

 

 焔耶「・・・双葉は・・・終わったようだな。」

 

 そこには右腕を切り落とされて血を流したチビを担いできた双葉が居た。

 

 焔耶「殺さなかったんだな。」

 

 双葉「殺すよ~。皆の目の前で♪」

 

 焔耶「・・・はは。私はそこまで考えなかったな。記憶する事すら嫌だったらしい。どうやったか覚えてない。」

 

 双葉「うわぁ・・・グロw」

 

 焔耶「それを見て笑えるお前は性格悪い。」

 

 双葉「ま、お互い様だね~」

 

 初日はそれで終わった。その日の最後に聞いた報告では馬騰は馬休、馬鉄と共にあの吹き飛んだ騎馬集団の中に居たらしい。正直どうでもいい情報だがな・・・

 

 

 二日目、相手は董卓軍のみだ。向こうの兵力はまだ十万居る。それで勝てると思っているのだろうか?いや、それは無い。師父から聞いた話だが董卓軍には優秀な軍師が居ると聞く。おそらく引くに引けないんだろう。だってあり得ないんだ。たった一日で十万の兵、いや、西涼騎馬軍団が全滅なんて話は。だから引けない、そう言う事だろう。だが、それは間違っている。引くべきだった。そう・・・思わせられなかったのが悔やまれる。ちなみに先日の捕虜・・・馬岱だが。紫苑様の進言で仕方なく生かしてある。さすがに可哀そうだと言う事だ。

 

 双葉「お、董卓軍接近。先陣は・・・真紅の呂旗。あ、横に漆黒の華一文字もある、呂布と華雄だね。じゃ、呂布お願いね~」

 

 焔耶「はぁ・・・そうやって迷わず天下無双とやりあえって言えるのはお前と師父ぐらいだ。」

 

 双葉「私は華雄でいっぱいいっぱいだよ。」

 

 焔耶「だろうけど・・・少しは心配してくれ。」

 

 双葉「あはは。じゃ、今度は持って帰らずに殺してくるね~」

 

 焔耶「ああ、そうしておけ。」

 

 再び駆けていく双葉を見送り、私は呂布が来るのを待った。ちなみに現在も矢の雨は降り続けている。正直向こうの軍が哀れに思えてくる。

 

 呂布「・・・やっとたどり着いた。」

 

 焔耶「お前が呂布か?」

 

 呂布「・・・(こく)」

 

 焔耶「そうか、私は魏延だ。さぁ・・・死んでくれ。」

 

 呂布「・・・霞の仇、死ね。」

 

 グォン!

 

 焔耶「!」

 

 ギィン!

 

 焔耶「・・・さすがは飛将軍か。だったら・・・」

 

 ブゥン。

 

 私は自身の武器に氣を流し込む。

 

 ガシャン、ガキン。

 

 しばらくするとそれは形状を変える。刃に当たる部分に棘が生えさらに氣を流し込むと

 

 ギュイィィィィィン!!

 

 それは回転を始める。焚山骨“鋸”。それは私の獲物の本来の姿だ。万物を抉り、切り裂き、粉砕する。

 

 呂布「!?!?」

 

 焔耶「行くぞ。私は容赦しない。お前達は・・・私の家族を泣かせたんだ。」

 

 ガキィ!

 

 呂布は私の一撃を受け止める。だが・・・

 

 ギュイィィィィィィン。ギャリギャリギャリ!!!

 

 私の鋸の前ではどんな獲物も木と変わらん。抉り切る。

 

 呂布「!!!」

 

 ばば!

 

 危険を察知した呂布は獲物を離して後ずさる。

 

 呂布「・・・私の負け。」

 

 焔耶「・・・降参すると?」

 

 呂布「・・・(こく)」

 

 焔耶「はぁ・・・それを私が受けると思うか?」

 

 呂布「!?」

 

 紫苑「待ちなさい、焔耶ちゃん。」

 

 私の後ろから紫苑様が止めてくる。

 

 焔耶「なぜですか?こいつ等は私達の主の家族を奪ったも当然。蹂躙されても文句は言えないんですよ?」

 

 紫苑「それでも・・・よ。ねえ呂布ちゃん。あなた・・・家族がたくさんいるわね。」

 

 呂布「・・・うん、居る。」

 

 紫苑「私達の主はね。その家族を有りもしない事を理由に殺されたのよ。その怒りは分かるわね?」

 

 呂布「・・・妖術使いはデマ?」

 

 紫苑「ええ、そうよ。」

 

 呂布「・・・・・・・・・・・・・・わかった。ごめんなさい。」

 

 そう言って頭を下げる呂布。さすがの私も気が萎えた。これは・・・御館と違った意味で純粋な奴だ。

 

 焔耶「はぁ、紫苑様。奴等に降伏勧告しましょう。そして涼州を呑み込みましょう。抵抗するなら蹂躙する。とでも言っておきましょうか。」

 

 紫苑「そうね、それでいいわ。焔耶ちゃんお願いね。」

 

 焔耶「御意」

 

 こうして、北方戦線は二日と言う異例の速さで終端を迎えた。華雄はなんとか双葉の攻撃をしのぎ切り、降伏勧告を苦も無く受け入れた。

 

 

 

 第六節―贖罪の言葉

 

 

 今妾は長江の上で揺られておる。ちなみに妾たちが運んでおった兵器は戦艦じゃ。一刀が技術者に教えた溶接技術のおかげでとんでもない物が出来上がった。動力は重油じゃ。

 

 桔梗「御館様、おそらくじゃが、孫呉の奴らは我等の言葉はろくに聞こうとしないじゃろう。」

 

 美羽「分かっておる。故に、まずは力で示す。」

 

 桔梗「はぁ、つまりは将は出来るだけ殺すな、と申すのだな。」

 

 美羽「すまぬ。」

 

 桔梗「謝る事は無い。一番連合に恨みをもっとる御館様が申すのだから。将は望まれるまま実行するまでだ。」

 

 美羽「うむ、頼むぞ。」

 

 桔梗「御意。」

 

 しばらくして孫呉の船団が見えてきた。数にして五十隻は下らんじゃろうか?

 

 桔梗「兵数はかなりになるでしょうな・・・まずは将のいる船は・・・あれじゃな。」

 

 美羽「うむ、では始めようかの。各船に手旗信号じゃ。目標経の十五、緯の二十以外の船を狙い撃て。」

 

 袁兵「御意!」

 

 妾たちの乗る鉄の船、戦艦『龍牙』妾の乗る船の右に有るのが駆逐艦『王虎』左に有るのが駆逐艦『銀狼』じゃ。大きさは龍牙が全長二里、王虎、銀狼が一里となっておる。もはやこのあたりの船では太刀打ち出来んものじゃ。ひとたびぶつかれば・・・言わずもがなじゃな。

 

 ドォン!ドォン!ドォン!

 

 両脇から砲撃をする駆逐艦、孫呉の船は問答無用に沈められていく。

 

 桔梗「む・・・あれは楼船じゃな。よし、挨拶して来るか。」

 

 美羽「二隻あるの。右は妾が行こう。」

 

 桔梗「まったく・・・御館様は本当に・・・いや、何も言いますまい。」

 

 美羽「言わんとしてる事は分かるがの。これも性分なのじゃ。」

 

 桔梗「はは。では・・・お互いに武運があるように。」

 

 美羽「うむ。」

 

 こうして妾は敵楼船へ乗り込んだ。正直手は掛からなかった。将もおらず正直肩すかしもいいところだったのじゃ。隣の楼船では・・・うむ、あれは向こうの兵に同情するの。桔梗の新武器、『速転砲』『爆慟砲』の音が響いておる。

 

 

 

 桔梗『はははは!!死ぬがいい、貴様等は我等を怒らせたのだからなぁぁああああ!!!』

 

 キュゥゥゥン、ガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!

 

 シュドドドドドドドド!!!!!!!

 

 

 

 さて、龍牙に戻るとするか。これから孫策と相対せねばならんからの。

 

 それからしばらくして桔梗の乗っていた楼船が爆慟砲の爆発に耐えきれなくなり沈んで行った。

 

 桔梗「ふぅ、いや~暴れた暴れた。」

 

 美羽「うむ、お疲れなのじゃ。さて・・・もう十隻も残っておらんの。」

 

 桔梗「では?」

 

 美羽「うむ、往くぞ。」

 

 桔梗「御意」

 

 すぐに龍牙は速度を上げ孫策の船に近付いて行く。他の船は邪魔しようと前に出てくるが、龍牙の進行を止めるほどでは無かったのじゃ。

 

 美羽「ほっと・・・孫策・・・久しいの。」

 

 孫策「・・・袁術。」

 

 美羽「おぉ、おぉ。周りの目が怖いの。じゃが・・・今の妾にとっては・・・そよ風じゃ。心地よくすらある。」

 

 孫策「何で殲滅しないの?それが出来るぐらいの力は有りそうじゃない。」

 

 美羽「話をするにも力は示さんとの。兵の被害も思ったよりないじゃろ?」

 

 孫策「・・・・・・」

 

 周喩「何の目的がある。」

 

 美羽「けじめじゃ。妾の無知で孫策達に辛い思いをさせた。故に妾は同じ舞台に立ち力を示し、そして話をしに来た。それだけじゃ。妾の言葉が聞き入れられんのだったら・・・今妾の後ろから厳顔が狙っておる。ハチの巣か、それとも爆散するか。どちらかじゃ。」

 

 孫策「脅し?」

 

 美羽「・・・本当は・・・そんな事をしたくは無いのじゃ。孫策は、特に江東の将兵、民は家族を大事にするじゃろ?」

 

 孫策「ええ、我が領土の民も私にとっては家族当然よ。」

 

 美羽「・・・劉表は・・・・・・雅臣は・・・妾の婚約者だったのじゃ・・・こんな妾を好きだと言ってくれた・・・愛していると言ってくれた・・・だから・・・檄文にも答えず・・・妾の為に・・・戦って・・・死んだのじゃ。」

 

 孫策「!?」

 

 美羽「孫策・・・妾は家族の仇を討ちたい。王にはあるまじき考えじゃ。だが、それでも、どうしようもない、この心から湧き出る物は・・・どうしようもないのじゃ。それでも孫策には罪悪感もあった。だから・・・話すことにしたのじゃ。」

 

 孫策「・・・・・・」

 

 それから孫策は黙り込んでしまった。駄目なのか?これでは足りんか??ならば・・・妾は・・・

 

 スッ

 

 孫策「な!何やってんのあんた!?」

 

 妾は常に懐に入れておった懐刀を手に取り自身の腕を斬った。正直痛い。だが・・・それで信じてもらえぬなら・・・

 

 美羽「孫策・・・これで信じてもらえねば、妾はもう、選択肢は一つしかないのじゃ。この武力を持って・・・すべてを・・・どんな事をしてもこの大陸に・・・仇打ちする。」

 

 孫策「わ、分かった。分かったから止血しなさい!相当深いじゃない!!」

 

 美羽「信じて・・・もらえるのかの・・・?」

 

 孫策「分かった。分かったわよ。あんたが救った村を見たときから・・・もう・・・だから・・・厳顔!すぐ降りてきて!!このままじゃ袁術が死んじゃうわ!!」

 

 美羽「はは・・・よかったのじゃ・・・少しは・・・妾も変わった事を・・・分かってもらえ・・・」

 

 そこで妾の意識は途絶えた。

 

 

 

 第七節―袁、曹、劉の“焼滅”

 

 

 一刀「来たか。連合の数は分かるか?」

 

 フェリス「物見からの報告では・・・二百五十万は居るとのこと。」

 

 一刀「は・・・ははは・・・くはははははは!!!」

 

 フェリス「マスター・・・」

 

 一刀「二百五十万人の虐殺劇・・・これが嗤わずにいられるか。」

 

 フェリス「そうなる事を七乃様は望んでおりません。」

 

 一刀「・・・そう・・・だな。」

 

 俺はもう限界なのかもしれない。でも・・・それでも俺は・・・やり遂げなければならないんだ。壊れても、狂っても・・・俺を信じてくれる人の為に。だから・・・

 

 一刀「一日自由にさせろ。それで引かなければ・・・光焔弾で・・・亜愚仁で焼滅させる。」

 

 フェリス「イエス、マスター」

 

 それから連合の先遣隊がこの砦に張り付いたり梯子を掛けたり衝車で門を破壊しようとしたり・・・とにかく何をやっても門を開けるどころか壁を破壊する事すらできなかったのだ。仕舞には将が前に出てきて罵倒し始める始末だ。

 

 一刀「・・・討って出る気はないが・・・もう使うか?亜愚仁。」

 

 フェリス「ご自由に。ちなみに“あれ”はもう動かせますよ?」

 

 一刀「・・・ふう、落ち着いて明日に備えよう。俺は防音室で寝る。」

 

 フェリス「それでは私はいざという時に備えて防衛隊の指揮をしますね。」

 

 一刀「任せる。」

 

 そう言って俺は専用の防音室に入り眠りに入る。その後はフェリスの報告で聞いた話だ。連合はまずは矢を撃って来た。もとより高さを取ってるので届かない。梯子を掛けた。矢と同様に届かない。衝車で門・・・かもしれない所を攻撃、全くの見当違い。投石機で攻撃。届きそうだったが僅かに足りず。最終的にありったけの衝車で壁の破壊を試みたらしいが・・・まぁ、100ミリの三重構造だからな。壊れる訳ねぇだろ?

 

 一刀「ふぁぁぁぁぁ」

 

 フェリス「おはようございます。マスター」

 

 一刀「ふぅ、フェリスも寝ていいぞ?」

 

 フェリス「ご安心を、最初の衝車の下りで寝ましたから。」

 

 一刀「そっか。それじゃ今度は俺達の番だな。」

 

 フェリス「はい。」

 

 一刀「各員亜愚仁の発射準備。それと・・・“あれ”に火を入れておけ!!」

 

 袁兵「ヤー!!」

 

 一刀「さて・・・連合の位置は・・・あれか・・・まずは曹操・・・次に劉備・・・最後に袁紹で行くか?」

 

 フェリス「そうですね。すぐに出れる準備もしておきましょう。」

 

 一刀「あぁ」

 

 状況を整理しながら砲撃の準備が出来たと言う報告を聞いた。

 

 一刀「よし、亜愚仁全四門開門。」

 

 フェリス「各弾頭装填!狙い定めぇぇぇ!!!」

 

 ガコココココココココ、ガシャン、ウィィィィィン、ガコン、ギギギギギギ、ガシュ、ブシュゥゥゥ

 

 一刀「第一射。放てぇ!!」

 

 ドドドドン!!

 

 カッ、ゴゴゴゴォォォォォォン・・・・・・

 

 フェリス「第二射狙い定めぇ!!・・・・・・・・・・・てぇぇぇぇ!!」

 

 ガココココココ、ガコン。ドドドドン!!

 

 カッ、ゴゴゴゴォォォォォォン・・・・・・

 

 一刀「第三射狙えぇぇぇぇぇぇ!!・・・・・・・・・・撃てぇい!!」

 

 キュルルルルル、ブシュウゥゥ。ドドドドン!!

 

 カッ、ゴゴゴゴォォォォォォン・・・・・・

 

 フェリス「大分居なくなりましたね・・・では出ますか?」

 

 一刀「あぁ、十文字二七式各八台発進。フェリスは十文字二七式改で、俺も十文字零式で出る。」

 

 フェリス「イエス、マスター」

 

 そこから俺とフェリスはそれぞれ割り当てられた戦車に乗り込み発進用のハッチを開けた。地面の中から鉄の扉が跳ね上がり、戦車が計十台出撃する。

 

 そこからはもはや戦いとは言えなかっただろう。戦車に踏まれる兵、砲撃によって吹き飛ぶ兵、そこに人の尊厳は無かった。ただそこにある物を壊すために蹂躙する。

 

 戦闘はすぐに終了した。白旗を上げていた隊のみを回避していたら軒並み白旗を上げ始め最終的に二百五十万の連合は四千ほどしか残っていなかった。

 

 最後に戦績の報告をしよう。これは連合の生存した将兵からの情報を元に纏めた物だ。

 

 連合盟主袁紹、文醜は焼焔弾に焼かれて跡形も無く燃え散った。顔良は転倒して左腕を戦車に轢かれ、使い物にならなくなった。袁紹軍百万の内生存は五百ほどだった。

 

 曹操軍は曹操自身は無事だったが、忠臣の夏候姉妹を焼焔弾で焼滅させられ、許褚、典韋はその戦闘で完全に戦意喪失、何とか無傷で生き残ったものの、心に回復不能なほどの傷を負う。楽進、李典、于禁の三人は戦車の突撃を受け胴は残っておらず、首だけは発見された。軍師の三人は戦車の砲撃で吹き飛んだと曹操軍の兵が証言した。生存した兵は百万の内三千だったのは、錬度の違いだったのだろうか。

 

 劉備軍は将の被害は少ないと思う。劉備は光焔弾の余波で顔の半分を火傷し、関羽、張飛は戦車の砲撃を受け、複数個所を骨折、関羽は左足を、張飛は右腕を完全に失う羽目になった。趙雲はフェリスの二十七式改に踏みつぶされ。協力していた公孫賛は俺の零式の砲撃の直撃を受けて吹き飛んだ。諸葛亮、鳳統の両名は何とか無傷で済んだが許褚達と同様に、心に深い傷を負った。

 

 こうして、白帝要塞門の防衛線は終端を迎えた。

 

 

 

第八節―涙の果てに

 

 

 此処は成都、あの戦いから一月経っていた。正直美羽が孫策と和解をしたのは意外だったが・・・彼女は俺達をしっかりと受け止めてくれたようだった。勿論それなりに話し合う場は設けられたのだが・・・

 

 連合の生き残り、つまりは捕虜なのだが。此処でも少し不幸があった。地下牢で曹操は自害。関羽はなんと劉備を殺し自害した。張飛は何とか抵抗を見せ、殺されずにすんだらしい。

 

 それでも俺達はその後の統治に向けて動き出さなければならなかった。まずは結果から言おう。問題無く進んだ。恐怖が勝っていたのだろうが、“袁国”の力に勝てる見込みなど有るわけがないと地方豪族も軒並み頭を下げ命乞いをする始末だった。だが慈悲を与える事が出来ない者たちもいた。元美羽の影で好き放題やっていた老人たちだ。孫策は風評被害を防ぐために最低限の権力だけを与えていたらしい。元々そういった判断が正常なのだ、責める気はない。だが生かす気が無い。七乃が処刑した。こうして・・・俺達の戦いは終わりを告げた。大陸は・・・美羽の元統一されたのだ。

 

 

 

 綺麗な満月の夜。俺は今夜帰る事を夢に出てきた結璃に言われていた。

 

 七乃「・・・一刀さん。」

 

 一刀「七乃・・・」

 

 七乃「大丈夫ですか?」

 

 彼女は俺に心配そうに声をかける。

 

 一刀「・・・無理・・・かもな・・・すごくつらいよ。」

 

 七乃「・・・もう・・・五回あるんですよね?」

 

 一刀「・・・あぁ。」

 

 涙が出る。止まらない。

 

 七乃「・・・頑張ってください。無責任かもしれませんが・・・一刀さんなら頑張れます。」

 

 一刀「・・・」

 

 彼女は俺を励ましてくれた。大丈夫だと言ってくれた。そして・・・

 

 七乃「私も・・・この子に貴方の父親はとても強い人だったって・・・教えられますから。」

 

 一刀「・・・・・・え?」

 

 驚きだった。まさか・・・俺と七乃の・・・あぁ・・・そうか・・・

 

 七乃「・・・ふふふ・・・居ますよ?貴方と・・・私の・・・大事な子供が・・・」

 

 一刀「・・・そっか・・・あぁ・・・よかった・・・最後に・・・」

 

 そう、最後に俺は証を残せる・・・

 

 七乃「はい。だから泣かないでください。笑って別れましょう。」

 

 一刀「ああ、あぁ!そうだな。ありがとう七乃。」

 

 七乃「はい、一刀さん・・・ありがとうございます。さようなら。」

 

 一刀「あぁ、俺もありがとう。さようなら」

 

 二人「「きっと・・・別の外史でも・・・あなた(君)を・・・」」

 

 俺の視界が光に包まれる中。彼女の涙の笑顔が・・・俺の心に・・・光を満たしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき

 

 

 羽生「・・・さて・・・これでいいのです。」

 

 本人格『いいのか?』

 

 羽生「言わずもがな・・・です。」

 

 本人格『まったく・・・お前の体が再生するまで貸してやってるんだから無理すんなよ。』

 

 羽生「分かってるのですよ、始祖。」

 

 本人格『その名で呼ぶなって。それで・・・結璃は?』

 

 羽生「あぁ、一刀に会いに行ったのです。」

 

 本人格『そっか・・・いいのか?』

 

 羽生「それこそ言わずもがななのです。」

 

 本人格『そっか・・・それならいい。ただな・・・俺はお前には幸せになってほしいんだぞ?』

 

 羽生「・・・うん・・・」

 

 本人格『・・・ま、余計な話は此処までだ。読者も混乱するだけだしな。』

 

 羽生「メタいのですよ。」

 

 本人格『は、それこそ今さらだ。』

 

 羽生「ですね。それでは」

 

 二人「『次回は結璃の思いが成就するぞ(のです)』」

 

 


 
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