No.672548

リリカルなのは~翡翠の戦士と七つの才牙~

第三十話バベル、ハプニング、プレゼント

2014-03-21 15:01:39 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3223   閲覧ユーザー数:3050

フェイトとの合同任務の翌日…

 

剣也は学校が終わると、バベル本部にやって来た

 

昨日、薫達の専用デバイスが完成したためである

 

「お久しぶりです!ほたるさん、奈津子さん!」

 

「あら、剣也君」

 

「久しぶりだね~」

 

この2人は、ハベルの看板娘、もとい受付エスパーチーム、ザ・ダブルフェイスの常磐奈津子と野分ほたる

 

こうして遠慮なく会話を交わせるようになれたのは、剣也がバベルの一員として馴染んでる証拠でもある

 

「にしても珍しいわね」

 

「いつもは任務の時しか来ないのに」

 

実を言うと剣也はバベルの中ではかなり有名なのである

 

まぁ…バベルの特殊部隊全員に六式を教えたり、一人で反エスパー団体"普通の人々"の本拠地を一日で七つ潰せば当たり前である。

そのせいか剣也は一部に"教官"、"救世主"、"黒髪の夜叉"と呼ばれている

 

「局長に頼まれていたものを届けに来たんです」

 

そう言いながら小さな包みを見せる

 

「成る程」

 

「ついでに部隊の訓練風景なんかも見ようかと」

 

「「部隊の皆さん、辛口評価が再び!!!??」」

 

 

 

 

三時間後………

 

「あれだけ動ければ合格点かな?…でも指揮官が周りを見ていないのがだめだな…」

 

部隊の訓練風景を見た感想を部隊長に対して言った後、暇になってしまったので新しくなったという温泉に向かっていた

 

「…ん?」

 

「あ、剣也くん!」

 

同じく温泉に向かおうとしていた、コードネーム、ザ・ワイルドキャットの梅枝ナオミが、 剣也に声を掛けてきた。

 

「どこいくの?」

 

「暇だったので温泉に…ナオミさんは?」

 

「私も温泉にこれからいくところなのよ」

 

「そうですか」

 

談笑をしながら(杏樹達の話題ではナオミは物凄く目を輝かせていた…好かれてるなぁ)歩き、やがて温泉に着い た。

 

「それじゃあね!」

 

「はい、ごゆっくり…。」

 

ナオミは女子用の温泉に入っていった

 

それから少しすると、中からいつものオヤジボイ スが響き渡ってきた

 

*小さい声&音です

 

「フヒヒヒヒ…ねぇちゃんいいモノ持ってるじゃんよぉ~」

 

「ちょっと薫ちゃん…!」

 

「遠慮しないでよ減る物じゃないしぃ~!」

 

ナオミの悲鳴と共に、物々しい音が女性用温泉から鳴り、それが外へと漏れ出した。

 

*終わり

 

「相変わらずだな…薫の奴」

 

外にいた剣也は呆れていた

 

「さて…入るか…」

 

そして剣也は、男性用の温泉に入っていった。

 

 

 

 

 

 

気配に敏感な筈なのに、その背後にいた、とある人物の存在に気付くこともなく……

 

「ナオミィ~…主任の私には、お前を監視する義務もあるのだぞぉぉ…」

 

 

「~~♪~♪」(遊助/V(ボルト))

 

温泉には誰もおらず、剣也は鼻歌を奏でながら服を脱ぎ、入った

 

「…ふぅ~、気持ちいいぃ~…」

 

普段バベル内では皆本を初めとした大人達と接し、 いつも張り詰めている剣也だが、この誰もいない温泉は、そんな気分を緩められるバベル唯一の場所である

 

「(にしても昨日のフェイトの話はかなり重かったな…俺も前世では大変だったがバスターになって本格的になったのは十代後半で……あいつらの時は普通に遊んだりしていた…)」

 

剣也はリラックスしながらも昨日の話を思い出していた

 

「(此れからもあいつらにとってはかなり重い出来事が起こるだろうな……)」

 

リラックスしながらも心配していた…まるで自分の事の様に…まるで娘を心配する父親の様に…

 

「(だったら俺は……)」

 

剣也はそう決意を新たに固めようとしたその時……

 

ードンッ!

 

「…ん?」

 

微かなもの音を感じた

 

「…なんだ?」

 

気になった剣也は音を感じた方に近付いた

 

 

 

「気のせいか…」

 

壁の向こうは女性用温泉…恐らく薫達の悪戯だな…

 

そう思いながら戻ろうとしたとき

 

ードンッ!!

 

「…ん?」

 

今度ははっきりと聞こえた

 

「…あいつらはなにがしたいんだ?」

 

剣也は疑問に思いながら戻ろうとした

 

 

 

しかし、この疑問がすぐに解ることになる…

 

 

ーガシャァアァァァン!!!

 

「!!!!!??」

 

「…ジュテェ…ム…ナオ…ミ~…」

 

剣也が振り向いた時には、壁が壊れ、その瓦礫の中からは、ザ・ワイルドキャット運用主任の谷崎 一郎が顔を覗かせていた

 

「あんたは人としてのルール すら守れねぇのかぁ!!?」

 

その壁の向こうでは、さっきとはまるで別人のように声を荒げ、怒りの形相をするナオミが立っていた

 

「………あんた何をした?」

 

剣也はなんとなく予想しながらも谷崎に聞く

 

「は、ははは…気にすることはない…、これはいわゆる愛のスキンシッ…」

 

ーガシャァァァァァァン!!!!

 

「覗きのどこがスキンシップ だぁぁ!」

 

ナオミの怒りは治まるどころか、逆に火に油を注ぎ、谷崎はさらに瓦礫の中に埋もれた

 

実はナオミの入浴中に、谷崎が「担当エスパーの監視」という名目で女性用温泉に侵入したが、あっさりバレて、この仕打ちを受けた

 

もちろんこれは監視という行為から大きく逸脱し、もはや犯罪レベルである

 

そして相手は年頃の女の子、気が気でない

 

「(谷崎さんって馬鹿双子に似てる……行動が)」

 

剣也はなんとなくそう思いながら見慣れた光景を見ていた

 

「あんたさえいなければ…」

 

「ちょっ…ナオミさん、ストップストップ!!」

 

「け、剣也君!?」

 

流石にこれ以上は危険と感じた剣也は大声でナオミの暴走を止めた

 

「おぉぅ…いえぇい……」ぱたっ

 

谷崎は暴走が収まり、安心したのかそう言いながら気絶した

 

そして崩れた壁の向こう側から、三人の声が同時に揃って聞こえてきた

 

「おぉい!平気かナオミちゃん!?」

 

「どないしたんやナオミはん!」

 

「大丈夫ナオミちゃん!?」

 

シャワーを浴びていなかったチルドレン達はいつもの制服姿であったが、入浴中であったナオミは1枚のバスタオルで体を包んでいるだけである

 

 

 

 

 

 

「…………………。」クルッ

 

「…へぇっ!?」

 

「わぁーーー!!!」

 

湯気と瓦礫による砂埃で、周りの視界が十分に確保できていない状況であったが、剣也は咄嗟に無言で背を向け、ナオミはチルドレン達によって隠された

 

 

その後、谷崎が局長室に呼び出され、局長直々のお叱りを喰らったのは言うまでもない

 

「谷崎くん!君にはモラルというものがないのかねぇ!」

 

「で、ですが局長、これはナオミの監視を…」

 

「風呂場覗きのどこが監視だぁぁ!!」

 

 

その頃チルドレンと皆本、ナオミは待機室にいた

 

「しっかし、ナオミちゃんも苦労してるんだなぁ。あんなセクハラを受けてるんだから。」

 

「それあんたが言える立場かいな…。」

 

「いや、薫の方がまだ良いだろ、あれは犯罪だ」

 

「いや、それでも駄目でしょ」

 

「何であんなのが主任なんだろ……………」

 

「谷崎主任は1週間の謹慎になるらしいし、 これでしばらくは静かになるな…」

 

薫、葵、剣也、紫穂、ナオミ、皆本の順に会話をしながらおかしなお菓子(杏樹、ローズ作)を食べていた

 

「あ、そだ……皆のデバイス作ったんだ……ほれ」

 

そう言いながら剣也はチルドレン達に渡した

 

「お、かっけー!!」

 

「宜しくお願いします、マスター」

 

薫には太陽のデザインの腕時計型デバイス…シャイニーソルが

 

「宜しくな」

 

「こちらこそ、主」

 

葵には三日月のデザインのイヤリング型デバイス…ディメンジョンムーンが

 

「わぁー、キレイ♪」

 

「ふふ、有り難うございます♪」

 

紫穂には星のデザインの指輪型デバイス…シークレットスターが

 

「此が私の…」

 

「お見知り置きを」

 

ナオミにはハートのデザインのペンダント型デバイス…ストロングハートが送られた

 

剣也がデバイスについて説明した後、帰ろうとした剣也に薫がある質問をした

 

「この名前誰がつけた?」

 

「?杏樹とローズだが?」

 

「「「「「マジで!!?」」」」」

 

剣也の答えに皆が驚くのだった…何故?


 
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