「こちら、シニューヤ……作戦失敗だ」
「珍しいね。君がミスるなんて……」
「向こうが一枚上手だったんです~ドクター」
「まあいい、確かに送られてきたデータを見ても君たちに落ち度はないし……しかしまさか強奪されるくらいなら
「全くだ。おかげで周囲はてんやわんやだ。ハハハ」
俺こと麻井伸は今、ミッド臨海空港にいた。あの事件から一年以上経過し、現在中三。そして俺はシニューヤと名を偽り、現在クワットロそしてここより離れたところにセインが
「そこ、笑いごとじゃないよ。取りあえずいったん戻ってきてくれ。死ぬとは思っていないが戦力が消えるのは嫌だからね」
「了解した………というわけだ。お前等は帰っていろ」
「あれ?し……シニューヤはどうするの?」
「手がかりになるものが無いかだけ探しておく。一応な」
「わかったわ~ドクターには
「では解散」
そう言ってクワットロ達は地面に潜って帰還した。
「さて……行くか」
『どこにいくんですか?』
「聞こえていただろう?」
「流石はマスターです!どんなに小さな声にも反応するとは!」
「まあな」
セイバー嬉しそうだな……無理もないか。
さっき「助けて」と小さな声(もしかしたら大きいかもしれないが)だが聞こえていたしな
まあ、最も―――
(関係者なら殺すがな)
Side:スバル
どうして……どうしてこうなったの?
本当なら今頃、お父さんとお母さんにあっているはずなのに。
事が起きたのはほんの数十分前、お姉ちゃんと一緒にお父さんとお母さんのお迎えにこの空港に来ていた。久しぶりに家族全員でお家を過ごせると私もお姉ちゃんも喜んでいた。お父さんとお母さんが一緒に家にいることなんて滅多になかったから。だから、はしゃぎ過ぎて空港であろうことかお姉ちゃんと逸れてしまった。その事実に気付いて寂しくなった時でした。
いきなり轟音と共にあちこちで火が立ち上っていた。そこから先のことはよく覚えていない。気が付いたら火に囲まれていて周りには誰もいなかった。
呼吸が痛い。なんで痛いのかもよくわからなかった。
「痛いよ………熱いよ……こんなのヤだよぉ……」
歩き疲れてその場に蹲った。余りの熱さか、それともこんなところに独りでだからか、涙がこぼれた。
「お家帰りたいよ………」
ピシ……
「……助けて」
ミシミシ……
「誰か助けてよぉ」
……バキィ!
何とか起き上がろうとした時、後ろで何か変な音がした。気になって振り返ってみると――――
「っ!!?」
『ガラッ』という音と共に石像が私の方に倒れてきていた。
私、此処で死んじゃうんだ。
ドゴォォォォォォン!
しかし、一向に押しつぶされる感覚が来ない。不思議に思って目を開けてみたら―――
「……………」
黒い服の人が拳を上げて石像を粉々に打ち砕いていた。
(すごい……)
私は助かったその事よりも、その光景に目を奪われていた。拳だけで石像を粉々に砕いたことと、なによりその後ろ姿に魅せられていた。
(誰なんだろう……顔……見えない……気のせい……かな…なんだか……視界がぼやけて……そうだ、お礼と……お姉ちゃんも助けて……)
次に気が付いた時には私は白い服の人に抱きかかえられていた。
「あ、気が付いた?」
(……さっきの人と違う。)
それでも、綺麗な人だった。まるで天使のような人……
「ちょっと、待っていてね。それに包まっていれば、とりあえず火や熱から守ってくれるから」
そう言われて私はようやくまだ空港内にいることを知った。そして、私が毛布のようなものに包まっていることにも
お姉さんはデバイスの杖を上方に向け、足元に魔法陣を展開させる。
「一撃で地上まで抜くよ…レイジングハート」
『了解。上方の安全は確認済みです。カートリッジロード』
デバイスから何かが2つ吐き出されると、デバイスの先端に桜色の魔力が集まる。
「ディバイーーン…バスターーーー!!!」
ドゴオオオオォォォォォォォォォン!!!!!
桜色の光線が真っ直ぐに伸び、天井を突き破る。
「ふわぁ…」
綺麗な色だと、素直にそう思った。そして、その光の後には夜空があった。いつも見ている変わりようのない夜空。だけど今の私にはこの上なく恋しかった。
「よし……お待たせ!じゃあ外に「よぉ!なのは!」……この声は…」
何処からか別の人の声が聞こえてきた。気のせいかな?白い服のお姉さんが不機嫌な表情をしている気がする。
「こんなところで合うなんて奇遇だな!オリ主の俺が来たからにはもう大丈夫だぜ!」
「………なんでこんなところにいるのかな……皇魔君」
「ちょいとこの近くに用事があってな。その帰りにたまたま火事に出くわしたんだ。(原作じゃ今日火事が起きることが分かっていたしな。朝から張っていて正解だったぜ。さて目当ての奴は……)」
「………(怪しいなぁ…いつも私やフェイトちゃんに、はやてちゃんが関わることにはまるで知っていたかのように事件に遭遇するし。まさか最初から知っていたんじゃ………)」
男の人の説明にお姉さんは訝しんでいた。
「……(ニコ♪) (よしよしちゃんと原作通りに事は進んでるな……アレがスバルだな……へへへ)」
ゾクゾク!
「っ!!」
何……あの人……怖い。普段人見知りする方だけど、初見でここまで嫌な感じがしたのは初めてだ。
もしかしたら、火に囲まれていたり石像が倒れてきたりしたとき以上の恐怖だったかもしれない。
私に恐怖を与えてきた男の人は私を見るとこっちに近づいてきた。
「君が救助者かな?初めまして。俺が皇魔王鬼だ。この俺が来たからにはもう安心だぜ!」(ニコッ)
そう言って男の人が手を伸ばしてくる。
私の頭を撫でた瞬間、気味悪い感触が体中に走る。なんだか得体の知れない『何か』が自分の中に入ってくる………そんな感覚だった。
「いやぁ!!」
私はその手を振り払って、お姉さんの後ろに隠れてしがみついた。
この人…お姉さんやさっきの人と違って何だか近付いてほしくない。
「どうしたんだい?恥ずかしいのかい?(照れ屋で恥ずかしがりなスバル…良いじゃねえか……ふへへへ)」
「ちょっと!皇魔君!!この子、さっきまで危ない目に遭って怖がっているんだから酷い事しないで!!」
「酷い事?何言ってるんだなのは?俺様はその子の気を落ち着かせようとしたんだぜ?」
「どこが?明らかにさっきより怯えているじゃない!」
「んなわけねぇだろう。照れてるだけだよ(小さいスバルにここまで、嫉妬するってことは相当俺に惚れ込んでるんだな……後でちゃんと可愛がってやんねーとな……フヒ)」
「(また変な勘違いしてる……)もういいから…私はこの子を外に連れ出すから。さっさと別の救助者を探してよ」
「おう、そうだな。オリ主の俺が助けに行ってやらないとな(俺のニコポナデポでスバルはもう俺にメロメロだろうし、次はギンガだな。そしたら……ぐへへ)」
そう言って気味の悪い男の人は去って行った。なんでだろう……火の中にいるはずなのに、悪寒が止まらないよ。
こうして私はお姉さんに抱き抱えられ、救助隊の元にまで運ばれた。
そして私もこのお姉さんの様に『誰かを助けられるぐらい強くなる。もう泣いてるだけで何も出来ない自分を変えるんだ!』という想いとなにより私を助けてくれたあの人のように強くなりたい。強くなってお礼を言いたいと胸に秘めたのだった………。
Side:伸
おーお、燃えとる燃えとる。
火災規模を外から見てみたが流石はレリックと言ったところか。
『シニューヤ様』
「ウーノか」
『はい、お疲れ様です』
「うむ」
『しかし、珍しいですね。あなたが現場で人助けをするなんて』
「それでも全員助けたわけではない。そこまでお人よしでもないしな」
『ではなぜ助けたのですか?』
「理由をつけなくてはいけないか?」
『いえ、そういうわけでは………』
「冗談だ。確かに研究所潰す際。研究者含めモルモット等は情報聞き出した後、そのほとんどを皆殺しにしていたからな。お前がそう思うのも無理はない。」
最も、普段前線で戦っている奴はこのこと知っているんだがな
「……助けてと言ったからだ」
『………は?』
「聞こえなかったのか?助けてと言ったからだ」
『え?それだけですか?』
「おいおい、なんでもないように言っているが、案外コレが難しいんだぞ」
『と、言いますと』
「よく考えてみろ。あの状況下、周り一面火の海で、頼れるものは何一つなく火の手は着実に自分に迫ってきている。いつ助けが来るかもわからない。こんな状況、普通ならとっくに死んでるさ」
『?まだ生きているのでは』
「死んでるんだよ……生きようとする意志が。生きるということは困難と苦しみの連続だ。その苦しみとどう向き合うのかそのために人は考えるんだよ。お前等そうだろう」
『………』
「あの場で考えるのをやめるのはな、生きることを放棄するのと同義なんだよ。少なくとも俺は『生きる』というのはそういう事だと思う。実際、俺が研究所で見たモルモットどもはそのほとんどが考えを放棄し、あまつさえ死にたいとすら思っていた。そんなのを生かした所で拷問だろう。なら、死なせた方が慈悲というものさ。それはあの場所でも同じ、考えるだけ苦しいのなら考えなければいい。つまり死ねば楽になるということだ。」
『では、時折実験体を助けていたのは』
「そいつ等が生きようと必死だったからさ………俺はさ、どうも生き物が必至こいて生きようとするのを見るのがたまらなく好きらしい。そしてそういうのを見るとつい手を差し延ばしたくなっちまうんだよ。特にそれが他者を求めているのを見たり聞いたりするとな。」
最も、その場の状況を何とかするだけであって後は何もしないけど……と付け加えた。
実際助けたモルモットは生きる力を与えて逃がしただけだし。
「まあ最も、その生きる意志が俺の命を脅かすようなら潰すがな。俺が生きるために……話を戻すぞ。あの子はあの中に居ても諦めず、死の恐怖と孤独に耐え歩き続けることで生きようともがいた。なかなか出来る事ではない。常人ならすでに諦めている。俺が近くにいたという運の良さもあるが……あの子は強いよ。」
『…なら今回はなぜあそこで放っておいたのですか?』
「見知った魔力がこっちに向かってきていたからな。まあ、時間にして10分近くかかりそうだったから、耐熱マントで包んでやったがな」
『なるほど……そういう事でしたか……では御帰還をお待ちしております』
そう言ってウーノとの連絡は途絶えた。
しかし……
(バカ男もいたな)
バカ男が居たということは、もしかしてこれもいわゆる
オマケ
「っかしぃ~なこの辺にギンガがいるはずなんだが……」
バカ男こと皇魔王鬼は未だにスバルの姉であるギンガを探していた。
「まさかもう救出しちまったのか!?なんてこったスバルに夢中で時間に気付かなかったとは……いや待てよ。スバルはもう俺を理想の男としてインプットしているはずだから…スバルから紹介してもらう時が来るはず……そしたら姉妹丼か……へへへ…悪かねぇな」
安心と信頼のオリ主クオリティである。しかし、彼の目線を横切る影があった。彼は憤怒のごとく其処へと向かった
「おい!踏み台のテメェが何でここに居やがる!!」
いたのはもう一人のバカ……オリ主の聖火紅帝だった。
「あ゛それはこっちのセリフだ。踏み台!テメエ今日非番だろうが。なんでテメェがこんなとこに居やがる!」
此処から先は語るも醜いので割合させていただきます。余談だが、この火災で局員二人が大火傷をした状態で氷漬けにされらしくしばらくの間話題になったとか
あとがき
というわけで、ストライカーの第一話ですね。正直、後半いれるか迷いましたが入れることに……とりあえず前話から一年くらい経過しています。なので研究所襲撃等はキンクリさせていただきました。書くと長いし。ただ一つ研究所系で話の構想練っているのがあるんですが、入れたほうがいいですかね?入れると少し長くなりますが。まとめたら一話に収まるとは思いますが……その辺は自信ありません。スカスカになる可能性も否めないので。ンなことせずにさっさとstsいけやという方が多ければそのまま行きます。
そして明かされるナデポされた者の感覚。あくまで個人的にですが(笑)
確実にスバルにとってトラウマものですアレ具体的に言うと
オリ主ニコポナデポ>>>>>(越えられない壁)>>>>>火災>石像
です。トラウマ的に。だってオリ主だもん。しょうがないよね。ちなみにギンガはフェイトにちゃんと助けられていますのでニコポとか受けてませんです。ご安心ください。後、伸君は最初から知っている人生より何も知らない刺激的な毎日のほうが好きです。
因みにスバルの中での憧れランキングは
黒い服の人(性別不明)>白い服のお姉さん>>>>>>>(越えてはいけない壁)>>>>>>>>男(オリ主)
です。まさか、一位が関係者だったとは夢にも思うまい。そしてオリ主は…仕方ないね……だってオリ(ry
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第九十三話:圧倒的被害額………っ!!