第3章 群雄淘汰・天下三分の計編 11話 『 河北決戦決着 易京の戦い 』
河北の覇権を巡る白蓮と麗羽の戦いも最終局面へと突入し、界橋にて白蓮自慢の白馬義従の軍勢をなんとか退け
余勢を駆った麗羽は、怒涛の進撃をみせ易京を包囲
・・・した所までは、初期に麗羽が思い描いたこの戦いの筋書き通りに事を運べたといえる
しかし内実は、麗羽が描いた理想とはほど遠い開きがあったと云わざるを得ない
・・・というのも、界橋においては、白蓮からの奇襲をモロに受け被害を拡大させる失態を犯す
白蓮が本拠を構える易京は、元々街の周囲を断崖絶壁の山々や崖が覆う天然の要害に守られており
それに加え、反董卓連合が解散して帰還した折から、白蓮は大軍で囲まれることを想定し
入り口周囲に土塁と空堀を設置しており、まさに難攻不落の地と呼べる陣容へと様変わりしていたのである
麗羽は元々、大軍を擁して易京を包囲 長期戦をみこして白蓮達周囲の者達の心を先に折ってしまう作戦なのであったものの・・
その作戦のせいもあって、兵糧を満足に集めるのに、ここまで時間がかかってしまったことが、見事に裏目に出た格好なのである
界橋での互角の戦い、易京の堅城強化もあって、敵の士気は意気軒昂
未だに、麗羽側から出される降伏勧告には一切応じる気配をみせず、奇しくも長期戦の様相を呈してしまっている
田豊の助言もあり、密かにモグラ作戦も同時に平行させてはいるものの・・・
空堀がかなり深く掘られており、秘密裏のモグラ作戦を遂行するにおいて非常に邪魔となっていた
加えて白蓮はただ単に篭っている訳ではなく、隙をみつけては奇襲も行ってくる為、遅々として作業が進まなかったのである
麗羽側にもこうした誤算があったように、白蓮側にも大小様々な誤算が浮上してきていた
こちらは些末事に過ぎないが、当面の問題で易京の城門へと殺到する袁紹軍を蹴散らさねばならないのだが
元々白蓮の軍は白馬義従の騎馬軍が主体であり、星が在籍している間は、まだ歩兵にも訓練を施すことが出来た
しかし、弓兵に至っては傭兵が主体である 一刀が臨時隊長を去ってからというもの
個々の能力差が一番激しく維持の困難な部隊でもあったのだ
それだけに、城門へとわらわらと殺到する袁紹軍の兵達を退けるのに、必要以上に苦労することとなっていた
そして白蓮の最大の誤算・・・ それが1週間も経てば、事情を知った華雄が烏桓討伐から戻ってくると踏んでたのだが・・・
現在麗羽に包囲され、1ヶ月は経とうとする現在、未だ華雄からの援軍はおろか、1通の書簡連絡すら白蓮の元へと届いていない
白蓮の界橋での奇襲の”目的” それは華雄が烏桓討伐から帰還してくると踏んでの”時間稼ぎ作戦”だったのだ
しかし事ここに至っては、界橋での奇襲による時間稼ぎが、”違う意味”で功を奏したといえ
また、こちらに帰ってこない華雄に何かあったとみるべきであり
麗羽に包囲されてジリ貧に陥っている自分の事より、親友の華雄の安否を気遣う人の良い白蓮でありました
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白蓮の読み通り、華雄としても軍勢を退くに退けない状況に陥っていたのだったのだ
華雄、烏桓両陣営とも騎兵の戦術を得意としている事もあり、広大な平原で主導権を握らねばほぼ敗北は必至
それだけに少しのミスさえ許されない状況に、両者の緊張度はピークを迎え高まっていたといってもいい
仮にここで対峙している烏桓勢力に背をみせれば
きっと自慢の『烏桓突騎』で突撃してくる事が目に見えていた ※烏桓族精鋭騎馬隊の別名
華雄としても友の危急に際し、すぐさま救援へと駆けつけたいものの・・・
本拠地の易京にまで、烏桓勢力の侵入を許してしまうことになる愚だけは、最低でも絶対に避けなければいけなかった
白蓮の弟の公孫越と共に、焦燥するばかりの日々を無為に過ごしてしまっていた
そんな折り、華雄はふと懐に忍ばせ忘れていた”ある物”の存在に気付くこととなる
華雄は武辺者であり、詠ほどの智謀を持ち合わせていない為
”ある物”をそのまま使っても良いものかどうか、躊躇し悩んでいたのだった
詠に言わせれば、あんたに事前に色々説明し言い聞かせても、忘れて無駄にするだけでしょ?
それくらいなら、何時ものように何も考えずにさっさと行動に移しちゃいなさいよ
・・・と、近くにいたのなら、腰に両手を置き溜息をつかれながら、グチグチと愚痴を聞かされたに違いない
詠としても、華雄にそんな配慮をさせないよう”ある物”の中身を敢えて言わなかったのであるが
白蓮と接している内に、華雄も少し変化の兆しをみせており、今回ばかりはそれが徒となってしまったようである
それでは、この華雄が携えている”ある物”の中身が何なのか?という所へと、焦点を移すことにする
反董卓連合結成の折に、詠は策を巡らし同盟国の足止めを行うべく各地へと派遣していた
その内の主だったモノを挙げると、劉表水軍による孫呉襲撃
烏桓による白蓮の国への揺さぶりがあったことをお伝えしたと思う ※第2章 18話
実はこの時、烏桓への交渉を行っていた大使が霞であり、霞の副使として華雄が関わっていた
元々烏桓は、田豊とのパイプから麗羽との結びつきが強かったことから反董卓連合側とお思いだろう
しかしそれ以上に、月との関係性が良好であった事から、この時詠の要請を受け、烏桓は友好国ではない白蓮の国限定で荒らしていた
そして反董卓連合終了時点では、まだ烏桓にその情報は届いておらず 白蓮や華雄は急いで幽州へと引き返した事情がある
月や詠が、そのまま漢王朝から姿を消した為、烏桓との関係がガラリと様変わりし
今では漢王朝を引き継いだ魏との関わりがなくなっていた
詠が人目を忍ばせ華雄へと”何か”をそっと握らせたモノとは・・・
月や詠から旅立つ華雄への手向けの品とも呼べる、董卓軍と烏桓との密約を記した密書の原本であった
その密書の内容、それは連合軍に属する公孫賛、袁紹軍の持つ北の領土の割譲という
袁紹軍と手を結んでいる烏桓軍にとって、なんともマズい内容の密約であった
その密書がなんと・・・ ここにきて息を吹き返したのである ※第2章 18話
白蓮の危急を聞き進退窮まった華雄は、懐にずっと忍ばせていた密書を携えて
烏桓大人(=酋長)である
華雄が手にした密書に目を通し終えた蹋頓は
途端に顔面蒼白となり、書簡を持つ手が小刻みに震え出し、脂汗なのか冷や汗なのかが容赦なく額や背を伝った
現在の烏桓勢力はというと、田豊を介し麗羽陣営と手を結んで行動を起こしていたのである
もしこのような事実を麗羽側に知られる事になれば
たちまち烏桓は袁紹軍からの信用を失い、癇癪を起こしてすぐさま襲われる可能性すらあった
今更何故こんなモノを・・・今頃になってこの女は持ってきた? 冗談じゃないぞ!
蹋頓は息も絶え絶えの苦々しい表情で華雄を睨んだ
本来なら、華雄のそっ首を刎ね落としたい衝動に駆られる蹋頓であった
観念した蹋頓は、華雄とすぐ様和睦を結び、今回の一件を手打ちにしたいと申し出たのである
今回の一件、武将の華雄の差し金とは到底思えない ならば・・・一体誰が?何のために?と考えるべき所だろう
董卓側のほぼ全ての将が死んだという情報を、袁紹側から得ていた蹋頓にとって
死んだ筈の華雄が生きており、この密書を持ってきたという事は
暗に、月と詠もどこかで生きているとみるべきだろう、そう蹋頓は結論づけていた
烏桓側は一時的にこの密書は偽物である!と袁紹軍側へ主張もする事が出来たが
その手段は見事に封じられていた
・・・というのも、華雄に密書を渡していたという事は即ち
月と詠側は、いつでもこの密書の内容が事実であると証明する用意があるということだ
麗羽に死んだと痕跡を消し去った月と詠の決意の様を窺い知る事が出来た
自身達の生存という、最大の秘密の暴露を恐れる事無く、共にお前も死ね!と
こうして遠く離れながらも、いとも容易く正確に、蹋頓の喉元へと刃を容赦なく突きつけてきたのである
蹋頓自身が死ぬだけならまだマシな方で
この密約の事実を袁紹陣営へとバラされれば、烏桓全体の信用失墜へと発展し
今後勢力拡大はおろか、勢力の滅亡すら視野に入れなければならない事態となっていた
月と詠が現在どこに潜伏しているかも不明であり、2人の命を今すぐに奪えない以上
蹋頓の取るべき選択肢など1つしかなかった
こういう人間に逆らっては、蹋頓の命などいくつあっても足りない
この密書を受け取った瞬時に、脂汗と顔面蒼白となった蹋頓が読み取った衝撃の事実の威力と凄まじさであった
白蓮の弟である公孫越は、姉の危急を聞いた華雄が、どこかへとフラリといなくなり
突然現れたかと思えば、烏桓と手を結ぶことが出来たという、到底信じられない事実を聞かされる事となる
それはそうだろう 領内を荒らしまわる烏桓を討伐しに来たと思っていたら
その対峙していた烏桓と訳の判らぬ間に停戦し、しかも手を結べたというのである
味方といえども、華雄の言うことを信じろという方が、そもそも酷というものであろう
世の中そんなに甘くはないと、公孫越でなくても誰しもがそう疑ったに違いない
事実無理やり従わせたようなものだから、油断は出来ないのであるが
どの道このままここで手をこまねいて睨み合っていても負けは必定であった為
公孫越以下、華雄の言う事に従う他、良い方策など見当たらなかったのである
それから両軍は、烏桓勢力から武器や兵糧を調達する間に打ち合わせを終え
再編成を終えると同時に、行動を開始したのであった
そうした流れを公孫賛軍と対峙している袁紹軍が、詳細に情報を掴んでいる筈もなく・・・
また華雄から伝令を1人たりとも易京へと出していない事も功を奏していた
易京の周囲を袁紹軍に囲まれている事もあり、伝令などが不用意に近づけば捕まることとなり
これらの情報が、袁紹側へと漏れてしまう危険性もあったが、結果的にこの点における危険性も未然に防いでいたことになる
易京がもうすぐ見える所にまで近づくと
打ち合わせ通り華雄たちの軍が先行し進軍速度を速め、烏桓軍は逆に速度を緩めていった
この最後の”演出”の差が、公孫賛、袁紹軍にとっての戦の命運を握る”鍵”ともなっていたのである
「正体不明の大軍勢が現れました」
正体不明の大軍勢は果たしてどちらの味方なのか!? そう第一報を届けられた白蓮、麗羽の両本陣に緊張が走る
漆黒の華一文字の旗印を華雄は白蓮に従ってからというもの、全く使用していなかった
なので、ここは白蓮の弟である公孫越の軍旗を翻してみせたのである
「白地に越の軍旗! 越か! やっと援軍に来てくれた!」
「白地に越の軍旗? 公孫越か!?」
伝令から聞いた白蓮、麗羽のそれぞれの陣営の反応であった
白蓮の陣営はみるみる元気を取り戻すと共に兵達の士気が上昇
逆に麗羽陣営の兵達の表情が曇り、士気が落ちるのが目に見えてわかった
華雄が易京へとつっこんで来ると同時に、伝令が新たな未確認の軍勢を発見したとの報告を両本陣へと入れてきたのである
次から次へと纏めて報告せんか! 怒鳴る郭図をそのまま放置し報告を急がせる
「あの軍旗は烏桓、烏桓突騎です!」
そう袁紹の本陣にて伝令が報告し終えると、してやったり!田豊は膝を叩きほくそ笑んでいた
「麗羽様 烏桓突騎と共に公孫賛の援軍を挟撃してしまいましょう」
「田豊さんのおっしゃる通りですわね」
田豊の献策を受けて、麗羽は策を了承していた
ただ解せない事もあった 烏桓へと足止めを依頼していたのにも関わらず、白蓮の援軍がここへと現れた事は予想外といえた
だが、周囲を囲んでいる袁紹軍と烏桓勢力とで挟み撃ちにしてしまえば、篭城する公孫賛軍の心も折れてしまうだろう
モグラ作戦の成果には、今しばらくの時間がかかるだけに、こうした流れも悪くない
田豊の思考は素早く回転を終え、すでにそういう方向へと結論づけていた
夕陽を背に砂埃を濛々と猛然と突撃してくる華雄率いる白馬義従、その後方を追い駆ける烏桓突騎は
易京を取り囲んでいた袁紹軍へと突っ込み、容赦なく軍の中央から大きく左右へと広げ引き裂いていった
田豊にとっての最大の誤算と失態が、一度に自身へと降りかかってきた格好である
「そっ・・・ そんな馬鹿な・・・ こんな事があってたまるかっ!!」
普段冷静な田豊が唾を周囲に飛ばし激昂している様からみて
目の前で起こっている事実の衝撃の大きさが窺い知れる事だろう
「それ見たことか! 痴れ者めがっ!」
ここに来て軍が瓦解し呆然とする麗羽の目の前で、軍師同士が互いを汚く罵り合っていた
「邪魔だぁぁぁーーーーーーーーーーー!」
そうこうしている間にも、袁紹軍の横腹へと突撃してきた華雄の金剛爆斧が
立て直そうと弓隊を指揮しようとしていた麴義を見つけ、その首を容赦なく刎ね飛ばしていたのだった
そして袁家の2枚看板である斗詩、猪々子をもってしても、この瓦解を止めることなど出来なかった
・・・というのも、麴義の首を素早く刈り取った華雄が、看板の2人の行く手を遮っていたからに他ならない
「よくも・・・ 我が友である白蓮を散々にいたぶってくれたようだな 許さんぞ?」
夕陽を受けてのものか、あるいは麴義やその他の者達の血を吸いとった故なのかは不明であるが
騎乗している華雄が、袁家の2枚看板へと突き出す金剛爆斧は、赤く燃えていたと表現するに相応しかった
「おっお前は・・・華雄! いっ生きていたのかっ!」
「うっうそっ! 文ちゃん 華雄さんって!? なぜ!?
貴方は確か孫堅さんとの一騎討ちに負けて・・・」
この2人にバレたのも、今の華雄はすでに兜を脱ぎ捨てていた為である
仮に隠していても、袁家の2枚看板を止めれる者などそうそういる筈もなく、バレるのは時間の問題であっただろうが・・・
「ああ・・・ お前のいう通り、董卓軍としての私は1度孫呉の手によって殺された
今の私は新たに生まれ変わった公孫賛軍の華雄だ! 」
んなっ! あほなこというとる場合かいな! さっさと2人を倒さんかい!
・・・とかつての同僚の霞がここに居合わせたのなら、そんなツッコミを入れた所であろう
しかし、斗詩と猪々子にはそんな華雄の言葉に衝撃を受けてしまい、より思考の混乱の度が増す格好となっていた
混乱した思考で、斗詩、猪々子共にいつもの実力が出せる筈もなく、その後2人共華雄の武の前に平伏すこととなる
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麗羽が漸く正気を取り戻した頃、戦いの趨勢はすでに決していた
そう、麗羽の眼前に騎乗したままの白蓮が剣を手にし、黙して麗羽をジッとみつめていたからだ
「白蓮さん 私の負けですわ さっさと私の首をお討ちなさいな それでこの戦いは終結するのでしょう?」
白蓮は麗羽の敗北した姿を見つめながら、自身のこれから行おうとする考えの是非を必死に問うていた
この日が来ることをどれだけ待ちわびたことだろう そして悩み苦しんだことだろう
今も尚、その時の情景がふと白蓮の胸をよぎっていた
「どうしたんだ 白蓮? 袁紹の主要な将はあらかた捕まえ終えたぞ?」
「あっ! ああご苦労だったな 華雄」
「華雄・・・? あなた 生きてらしたの?」
「まぁな! 生まれ変わって今は白蓮を主としている で? どうするんだ こいつ」
麗羽へと指差しながら白蓮へと顔を向けている華雄
なんて無礼な!?とは思った麗羽であったが、今では敗軍の将であり、この扱いにも慣れなくてはいけない立場にあった
「そのことなんだが・・・ 私はやはり甘いかもしれないが、麗羽を到底斬ることなど出来そうもない」
「・・・そうか ならこのまま放逐させるのか?」
「華雄・・・ やけに素直に流したな これには流石にビックリしたぞ 正直な所」
「白蓮の事だ 私とは違ってよくよく悩んでのことなのだろう? 主である白蓮の指示に従うまでさ
それにな 私は袁紹と同じで、何度も何度も負けてるんだぞ? 袁紹の処遇に異議を申し立てるなどもっての他さ」
「ふふっ 違いない 命がいくつあっても足りないな」
「だろう?」
「「あははは」」
白蓮と華雄、2人は久々に気持ちよく声をあげて笑いあった
「白蓮さん ・・・して、わたくしの処遇はどうなりますの?」
2人の言を聞き死ぬことはないようであるが
今後自身がどういう身の上となるのかは知りたかった事もあり、白蓮へと問いかける麗羽
「今しばらくは、麗羽の領土を併呑する作業に追われると思うから、易京に幽閉させてもらうけれど
終われば、斗詩や猪々子を連れて、何処でも好きなところへ行くといいよ」
「そう・・・ 判りましたわ それと白蓮さん・・・ これだけは言っておきたいのですけれど
貴方の事、前々から思っていたのですけれど、随分とお人好しが過ぎませんこと?
そんな事では、あの小賢しいくるくる小娘(華琳)には勝てなくてよ?
おっぱい小娘(桃香)同様の甘ちゃんな思考回路ですと、この先のどこかできっと足元を掬われますわよ?」
麗羽が自身の大きなおっぱいを抱きしめるように腕を組みつつ、いつもの偉そうな態度でそう”助言”をしていた
「・・・麗羽が助言してくれるとは驚いた 肝に銘じておくよ ありがとう」
「ふっ ふんっ! 偉大なわたくしを負かしたのですもの!
・・・あのくそ生意気なくるくる小娘に、簡単に負けられても困りますの!」
そう言いたい事を言い終えると、白蓮からソッポを向き真っ赤な顔を隠すように不機嫌そうな態度をみせる麗羽でありました
そんな麗羽と姉の姿をみていて、姉上 本当にそれでよろしいのですか?
弟の公孫越は、華雄とは違い、そう釘を刺すべく言葉に出そうとしたのだが・・・
華雄に肩をギュッと掴まれ、痛さの余り声を出せなかったのである
平日の雑務を繰り返しながらも、深夜遅くまで白蓮が悩み苦しんでいた事実を華雄は知っていた
だからこそ、こちらへと振り向いた公孫越に、華雄は黙ったまま首を左右へと振ってみせたのだ
華雄の意図を悟った公孫越は、大人しく引き下がるしかなかった
この一連の戦で、自身の力はほとんど姉の役にたっていなかった事も悟っていた
そして白蓮自身もまた、弟と同様の想いに囚われ自身の力の程を思い知っていた
華雄や一刀達の助力がなければ、この戦きっと負けていたに違いないのだから・・・という結論へと・・・
次は河北を制したい一層困難さを増す曹操との戦いが白蓮を待ち受けていた
気を抜いている暇などあるものか! 勝った直後なのだから少しは喜んでもいいのでは?
傍に華雄控えていたならば、そう励ましたことだろうが、気を引き締め自身へ必死にいい聞かす白蓮
白蓮自身の引き締めの行動が正解であった事を
公孫賛陣営に属する者達皆が、袁紹軍との戦いの勝利に酔いしれる中、その数日後に身をもって体験することとなる
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麗羽に勝った華雄と公孫越が、麗羽の国を併呑すべく軍勢を冀州と并州へと進める中
鄴を留守番していた許攸は、麗羽、猪々子、田豊、郭図といった主要な将が
公孫賛軍に破れ、行き方知れずとなったという伝令を受け愕然としていた
これからどうしようか? 許攸が混乱した頭で、自身の去就を考えるのは当然の事であろう
しかし、そんな考えを抱く猶予ですら、彼の者は許攸に与えてくれはしなかったのである
「許攸さま! たっ大変にございますっ!
曹操軍の大軍勢がこちらへと迫ってきております! いかがなされますかっ!!」
いかがなされますか?も何もあったものじゃない! 今しばらく去就を考える猶予をくれ!
鄴の留守を預かる許攸は、そう洗いざらい愚痴を捲くし立てて伝令へと叫びたかった
けれどそんな余裕など、河北四州制覇を目論む華琳達曹操軍が、微塵も与える筈もなく
鄴を守る各門は、春蘭、秋蘭、司馬懿、司馬師達の手により早々に落とされた
「・・・こっ 降伏いたします」
許攸は何の抵抗を行う事も出来ずに
間もなく大軍勢を進めてきた華琳へと頭を垂れ、降伏することになるのであった
その情報を一早く掴んだ華雄と公孫越は歯噛みしながらも、即座に軍を他都市の制圧へと回し
麗羽との激戦直後という事もあり、并州の南半分、鄴と青州全土
・・・という麗羽の広大な領土を併呑することを、事実上断念せざるを得なかったのである
「してやられたな・・・」
今の冥琳は息抜きも兼ねて、雪蓮と話すために建業の雪蓮の執務室へと足を運んでいた
雪蓮との雑談とはいえ、こんな所にまで仕事を持ち込んでいるのが、いかにも仕事の虫、冥琳といえた
一方の雪蓮が執務室にいる事が珍しい・・・と言えばそうなのだが、皇后としての仕事はまだ一切していない
仕事をしていないのならば、ここで何をしているのか?というと、ただ単に寝室より陽当りが良く静かだから
偲蓮を寝かすには都合がいいから・・・という、なんとも雪蓮らしい理由からだったりする
ただ、寝室にいられない原因の1つに、母である緋蓮が絡んでいるのは言うまでもない
さらにもう1つあるのだが・・・それは後々その人物が現れた時に語ることとしよう
そのまま寝室にいれば、突然偲蓮の様子を緋蓮が見に来て騒がしくするから、途端に偲蓮がグズり面倒となるからである
今までは雪蓮と蓮華だったのが、さらに小蓮もプラスされ、偲蓮へのその甘甘っぷりな対応に、孫家3姉妹がすでにドン引き状態なのである
「なに? どうかしたの? 冥琳」
「ん? いやなに 今斥候からの報告を読んでいてな 徐州が曹操側が提示した降伏勧告に応じたそうだ」
偲蓮をあやす雪蓮と冥琳の2人だと、声を荒げることもそんなにないことから
今ではこうして、気楽に雪蓮と言葉を交わしながら、目は書簡を忙しく追い続けるという、器用な芸当が出来ていたりする
「してやられたってことは手を出していたの?」
すやすやと寝ている偲蓮を抱きかかえながら、偲蓮の背をとんとんっとリスムよくかるく叩いている雪蓮が
冥琳へ向け疑問に思った事を素直に問いかけていた
「ああ こちらとしても、徐州を戦で切り取る事は暫く考えていなかったしな 条件だけは先方さんに提示はしていたのだがな
やはり、北の勢力との戦時に防波堤の役目を押し付ける格好となる点を、曹操側の程昱にまんまと突かれ
そのまま大勢を一気に持っていかれて、見事に説き伏せられたそうだ」
寝ている偲蓮を優しく見つめながら
時折悪戯心が湧いた雪蓮は、偲蓮の柔らか~いほっぺをつんつんとつつき、その感触に満足し楽しんでいる
「徐州の位置がもうすこし南に位置していたらねぇ~?」
「たらればの話をしても仕方ないだろうが、まぁ そういうことだ」
冥琳が言い終わるや、とたんに偲蓮が元気よく泣き出したのである
「あら起きちゃったのね おぉ~~~ よしよし 泣かない 泣かない 偲蓮はいい子 いい子~♪」
頬をツンツンして起こしたのはお前だろうに・・・
必死に偲蓮をあやす母親としての雪蓮を冥琳は横からみつめながら、雪蓮も変れば変るものだなと苦笑していた
「きゅぴぃぃぃーーーーーーーん! この部屋から偲蓮の泣き声が! そこかっ!
もしかして冥琳もいるか? おおっ! ここにいたか」
そう発した人物は、扉を豪快に開け放ち中へと進入してくる
寝室にいられない原因のもう1人の人物の登場であった
「一刀! ・・・もう少し静かに入ってきてよ!」
雪蓮のお叱りの言葉が全く通じていないのか・・・
「おおぉ~~ 偲蓮 元気にしてたかぁ~~?」
雪蓮から偲蓮を抱くやいなや、小さくきゅっと握られた偲蓮の手に一刀の人差し指を伸ばしていく
泣いていた偲蓮がよりグズるのかと思いきや・・・実はそうではない
むしろ逆であり、偲蓮はグズる様子を見せず、つぶらな瞳を向け一刀の人差し指を小さな手で精一杯握り締めるのである
偲蓮にきゅっと指を握り締められた一刀は、笑顔で握られた人差し指を、前後左右に振って動かし
必死に幼い偲蓮とコミュニケーションを取っている
これが父である一刀と娘である偲蓮の普段の接し方なのであろう
偲蓮が泣くと一刀か緋蓮が現れる
この頃、巷ではそう建業の皆に噂されている面白ネタであるが、それが後々には冗談で済まなくなったのか
緋蓮がホントに現れ、悪を懲らしめて回った事から、”江東の獅子姫”と呼ばれる事となる ※第2章 拠点ー緋蓮編参照
「ほんとこの子 おとうさんの事大好きなのね・・・
一刀の愛情を独り占めされてるみたいでまぢで妬けるわ ほんと・・・ 冥琳どうしたらいいと思う?」
この間だけは、父と娘だけ2人の関係を暖める時間となるので
母の雪蓮は疎外感で面白くもないので、先程から不機嫌そうな表情である
雪蓮も混ざって親子3人で楽しめばればよかろう?
その様子を眺めていた冥琳はそう思うのだが、雪蓮は妙な所で不器用さを発揮しているようで・・・
「ん? 全てにおいて、盗られたなら奪い返すしかなかろう?」
そんな雪蓮を見ていて冥琳もイタズラ心が湧いたのか
そんな言葉をついつい出来心で発してしまっていたのである
「やっぱりそうよね~? さすが冥琳 我が※子房だわ!」
※子房=張良 子房は字 劉邦に仕えて多くの作戦の立案をし、劉邦の覇業を大きく助けた人物
蕭何・韓信と共に漢の三傑に数えられる 張良WIKI参照
冥琳のほんの出来心で、雪蓮のタガが見事音を立てて崩れ、・・・外れてしまったらしい
現在、南海覇王は蓮華へと譲ってしまっており
雪蓮の腰には、母の持つ古錠刀と一刀の桜花や月影の切れ味を模して再現した琥珀作、古錠刀・真打を佩いていた
その古錠刀・真打と名づけられた一品を、何の躊躇もなくスラリと引き抜いてみせたのである
「ちょっ! ちょっと? おいおい雪蓮 まさか・・・ それ本気じゃないだろうな?
おっと そうだ! 冥琳 冗談はそれくらいにして先程伝令が届いた 白蓮が袁紹軍に勝ったそうだよ」
「ほう? そうなのか 承知した」
冥琳の言を最後まで確認する余裕は一刀にはなかった・・・
「ちょっ! おまっ! あぶねっ! 雪蓮! 偲蓮を抱いてる最中に、いきなり古錠刀振り回すんじゃねぇ!」
「フフフ 一刀 大人しく一緒に私と死んで!」
・・・古錠刀・真打を容赦なく振り回す雪蓮は、まだに狂人に刃物 要するに今更何を言っても無駄であった
「あほかっ! 偲蓮も生まれてまだ間もないのに、まだこの世を満喫できてねぇよ」
「元の鞘へと戻るだけじゃない! その分私が生涯かけて満喫させてあげるわよ!!」
ここまでくると、雪蓮の言は本気なのか?冗談なのか? 全く判らなくなってきた一刀でありました
「フフフ あははは 北郷も大変だな 雪蓮と偲蓮 母娘で争奪戦とは くっくっく」
どうみても、雪蓮をけしかけたの冥琳だろ? なんとかしてくれよ!
一刀が追求するような視線を冥琳へと送るものの・・・
「ちょっと一刀! 余所見してないで、私と偲蓮どっちが大事なのよっ! 答えて!」
「おいおい 雪蓮 ちょっと落ち着けって! なっ? いや そこは冥琳・・・ 笑ってないで助けれくれないか?」
冥琳を追求し助けを求める筈がどうしてこんな窮地に立っているんだ?
いやいやいや ちょっと待って! 待て待て!雪蓮さんや? おふざけがちょっと過ぎませんかい?
冥琳と雪蓮交互に視線を移す一刀さんであったものの・・・
そんな一刀の意思など無視されたように冥琳は答えた
「・・・断る 夫婦喧嘩は犬も食わんというしな 他人の家庭の事情に口出しする気はない」
何ですと!? まぢですか!? まぢですか!? 冥琳さんっ! しかも即断即決ですか!?
この国のTOPと次期皇女陛下がですよ? 揃って死亡とか、まぢ洒落になんないんですが!
それにしても、あの冥琳の性根の悪そうな顔つき・・・
いかにも策謀で弱者をぼてくりまわしている時に、浮かべていそうな笑いだよな くそっ!
「失礼な奴だな? 北郷」
そんな一刀の思考を一瞬で断ち切る言葉を冥琳が口にした
なぬっ!? そんなっ馬鹿な! おれの思考が筒抜けだと!?
冥琳の言葉にショックを受けている間にも、事件は目の前で時が止まらず尚も進行し続けていた
「ちょっと一刀ぉ!! 私の質問に答えず何時まで逃げる気!?」
尚も古錠刀・真打を手に一刀を脅してくる雪蓮に、一刀は終に匙を投げた
無理!・無駄!・無謀!三十六計逃げるに如かず、今は只厳かに撤退するのみであ~る
「相手にしてられるかよ このまま駆け落ちしような 偲蓮」
「待ちなさ~~~い この浮気もの~~~~!」
一度撤退すると決めた一刀は、偲蓮を抱いたまま勢いよく部屋の外へと走り出した
「浮気なんてしてねぇ~~~し~~~ 偲蓮、緋蓮さんの部屋までこのまま愛の逃避行だ~~~~」
「待ちなさぁ~~~い! 逃すものですか!」
一刀と偲蓮を追って、雪蓮も部屋を勢い良く飛び出していった
「結婚して子供が生まれてどうかと懸念したが、今後の孫呉も退屈せんで済みそうだな くっくっく」
冥琳は部屋から顔を覗かせ、3人が去っていった廊下を見やり苦笑していた
「冥琳さま ハァー ハァー なんだか城内が華やいでいて、実に楽しそうですね」
ガランとした執務室の中から、冥琳にそう声をかけてきた人物がいたのである
こんな芸当を出来る人物など、この呉でも片手で数える事が出来るくらい少数
しかも、その声はいつも元気で明るい聞きなれた声となると、冥琳の頭には1人しか思い浮かばなかった
「ん? まぁな 明命か それにしても珍しいな お前が息を切らすなど・・・ してどうかしたか?」
華やいで? モノは言い様だなと苦笑する冥琳は、その言葉を放った対象へと視線を移すと同時に言葉を発する
「はい! 急いで飛んで参りました!」
そう笑いながら答えている明命の様子に、悪い事ではないとは察しがつくが
ただその内容までとなると、もしかして猫の事か?と想像することはできなかった冥琳である
「それで?」
「実は蓮華さまも御懐妊の兆候がみられるとの華佗さまからご報告がありまして・・・」
さすがにこの明命の報告には、冥琳といえども予想外であり、暫し呆気に取られるのであった
「・・・・・・ほう? なんとまぁ~~ ・・・して陛下への報告は?」
「こちらへ着きましたら ・・・あのご様子でしたのでまだでございます」
明命の言葉に1つ頷くと、先程3人が走り去っていった方向へと耳をすませると・・・
紅やシャオ、月や詠といった悲鳴や罵声の声まで混ざっているようである
日々の鬱憤をこの時とばかりに晴らすせばいいだろう そう思い雪蓮にのってみたが少々やりすぎたか?
それにしてもこの報告どうするべきかな・・・と少々考え込む”フリ”をする冥琳
「フフフ そうか 陛下には”女難の相”がおありやもしれんな?
この事実を伝えたなら、雪蓮の追い足がより加速するやもしれんな
まこと、あのように狂おしく追いかけられ羨ましいことよ くっくっく」
明命の報告を聞いたときから、すでに決断していたといってもいい
「明命 緋蓮様の執務室へと急ぐぞ ついて来い」
「はい!」
そう明命へと指示し、自身も執務室から急いで走り出す冥琳と明命の2人でありました
その後、緋蓮の執務室へと辿り着くまでに、何が起こりどういった展開をしたというのだろうか!?
発見された当初、すやすやと緋蓮の寝所にて眠る偲蓮を除いた
一刀、雪蓮、緋蓮、冥琳、明命、紅、シャオ、月、詠といった緋蓮の部屋へと集まった全ての者達が
揃いも揃って皆、石床、机の上やら部屋中所狭しと大の字に転がり
皆の息も絶え絶えで、今にも死にそうな表情だったそうである
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●『真・恋姫†無双 - 真月譚・魏志倭人伝 -』を執筆中
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■■■【オリジナル人物紹介】■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
○孫堅 文台 真名は緋蓮(ヒレン)
春秋時代の兵家・孫武の子孫を称し、各地で起こった主導権争いに介入し
『江東の虎』の異名で各地の豪族を震撼させた
優秀な人材を率い転戦、やがて軍閥化し孫家の基礎を築いた
容姿:髪は桃色で、孫家独特の狂戦士(バーサーカーモード)になると、右目が赤色に変化するのが特徴で、平時は量目とも碧眼である
祭と同じく胸が豊満で背は祭より高い 体格は祭よりすこし大きい 顔立ちは蓮華というより雪蓮に似ているだろうか
○張紘 子綱 真名は紅(コウ)
呉国の軍師の一人で主に外交を担当。 魏の程昱(風)の呉版と考えていただけると理解しやすいだろう
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、姉の張昭と共に臣に迎え入れられる
張昭と共に『江東の二張』と称される賢人
※史実では、呉郡の四性でも張昭と兄弟でもありませんのでお間違い無きように。。。
呉郡の四性の中で張温しか見当たらなかった為、雪月の”脳内設定”です
容姿は青眼で背丈は冥琳より少し低い 顔は姉の王林とは似ておらず童顔で人に安心感を与える顔立ちである
髪は腰にまで届こうかという長く艶やかに保った黒髪を束ね、ポニーテールと呼ばれる髪型にしている事が多いが
その日の気分により、長髪を肩辺りで束ね胸の前に垂らしている場合もあるようである
服装は藍色を基調とした西洋風ドレスを身を纏っている
○魯粛 子敬 真名は琥珀(コハク)
普段は思慮深く人当りも良い娘で、政略的思考を得意とし、商人ネットワークを駆使し情報収集・謀略を行う
発明に携わる時、人格と言葉遣いが変化し、人格は燃える闘魂?状態、言葉遣いは関西弁?風の暑苦しい人に変化する
このことから「魯家の狂娘・後に発明の鬼娘」と噂される
※穏(陸遜)は本をトリガーとして発情しちゃいますが、、琥珀(魯粛)は発明に燃えると・・・燃える闘魂に変身って感じです
容姿は真名と同じく琥珀色の瞳をもち、髪は黒で肌は褐色がかっており月氏の特徴に似通っている
背は明命と同じくらいで、服装は赤を基調としたチャイナドレスを身に纏っている
○張昭 子布 真名は王林(オウリン)
呉国の軍師の一人で主に内政を担当。 冥琳とはライバル同士で互いに意識する間柄である
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の張氏の出 雪蓮直々に出向き、妹の紅(張紘)と共に臣に迎え入れられる
張紘と共に『江東の二張』と称される賢人
妹の紅は「人情の機微を捉える」に対して「政(まつりごと)の機微を捉える」という感じでしょうか
容姿は冥琳より少し高めで、紅と姉妹でありながら顔立ちが似ておらず、冥琳と姉妹と言われた方がピッタリの美人系の顔立ちである
眼鏡は使用しておらず、服装は文官服やチャイナドレスを着用せず、珍しい”青眼”でこの眼が妹の紅と同じな事から
姉妹と認識されている節もある 紫色を基調とした妹の紅と同じ西洋風のドレスを身を纏っている
○程普 徳謀 真名は楓(カエデ)
緋蓮旗揚げ時よりの古参武将であり、祭と並ぶ呉の柱石の一人 「鉄脊蛇矛」を愛用武器に戦場を駆け抜ける猛将としても有名
祭ほどの華々しい戦果はないが、”いぶし銀”と評するに値する数々の孫呉の窮地を救う働きをする
部下達からは”程公”ならぬ『程嬢』と呼ばれる愛称で皆から慕われている
真名は・・・素案を考えていた時に見ていた、某アニメの魅力的な師匠から一字拝借致しました・・・
容姿は祭と同じくらいの背丈で、端正な顔立ちと豊かな青髪をうなじ辺りでリボンで括っている
均整のとれた体格であるが胸は祭とは違いそこそこ・・・ちょっと惜しい残念さんである
○凌統 公績 真名は瑠璃(ルリ)
荊州での孫呉崩壊時(※外伝『砂上の楼閣』)に親衛隊・副長であった父・凌操を亡くし、贈った鈴をもった仇がいると
知った凌統は、甘寧に対して仇討ちを試みるものの・・・敵わず返り討ちにあう間際に、一刀に救われ拾われることとなる
以来、父の面影をもった一刀と母に対してだけは心を許すものの・・・未だ、父の死の傷を心に負ったまま
呉の三羽烏の一人として日々を暮らしている
容姿はポニーテールに短く纏めた栗色の髪を靡かせて、山吹色を基調とした服に身を包んでいる小柄な少女
(背丈は朱里や雛里と同じくらい)武器は不撓不屈(直刀)真名の由来で目が瑠璃色という裏設定もございます
○朱桓 休穆 真名は珊瑚(サンゴ)
『呉郡の四姓』と呼ばれる有力豪族の朱氏の一族
槍術の腕を買われ、楓の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
部隊内では『忠犬・珊瑚』の異名がある程、一刀の命令には”絶対”で元気に明るく忠実に仕事をこなす
容姿:亞莎と同じくらいの背丈で、黒褐色の瞳に端正な顔立ちであり黒髪のセミロング 人懐っこい柴犬を思わせる雰囲気をもつ
胸に関しては豊満で、体格が似ている為よく明命から胸の事で敵視されている
○徐盛 文嚮 真名は子虎(コトラ)
弓術の腕を買われ、祭の指揮下にいた 一刀の部隊編成召集時に選抜された中から、一刀に隊長に抜擢された『呉の三羽烏』の一人
『人生気楽・極楽』をモットーにする適当な性格であったが
一刀と他隊長である珊瑚と瑠璃・隊長としての責に接していく上で徐々に頭角を現し
後に部隊内では『猛虎』と異名される美丈夫に成長を遂げていくこととなる
容姿:思春と同じくらいの背丈で黒髪のショートヘア 体格も思春とほぼ同じく、遠めからでは瓜二つである
二人の区別の仕方は髪の色である(所属部隊兵談) またしなやかな動きを得意としている為、思春の弓バージョンと言える
○諸葛瑾 子瑜 真名は藍里(アイリ)
朱里の姉 実力にバラツキがあった為、水鏡から”猫”と称される
その後、水鏡と再会時に”猫”が変じて”獅子”になりましたわねと再評価される
天の御遣いの噂を聞きつけた藍里が冥琳の元を訪れ、内政・軍事・外交とそつなくこなす為
未熟であった一刀の補佐にと転属させられる
初期には転属させられた事に不満であったが、一刀に触れ与えられる仕事をこなす内に
一刀に絶大な信頼を寄せるようになる
後に亞莎が専属軍師につくと、藍里の内政面への寄与が重要視される中で、藍里の器用な才を愛し、軍師としても積極的に起用している
容姿は朱里より頭一つ高いくらい 茶髪で腰まであるツインドテール 朱里とよく似た童顔でありながらおっとりした感じである
服装に関しては赤の文官服を着用しており、胸は朱里と違い出ている為、朱里とは違うのだよ 朱里とは・・・
と言われているようで切なくなるようである(妹・朱里談)
○太史慈 子義 真名を桜(サクラ)
能力を開放しない雪蓮と一騎打ちで互角に闘った猛者 桜の加入により瑠璃が一刀専属の斥候隊長に昇格し
騎馬弓隊を任されることとなった(弩弓隊・隊長 瑠璃→子虎、騎馬弓隊・隊長 子虎→桜に変更)
本来の得物は弓で、腕前は祭を凌ぎ、一矢放てば蜀の紫苑と互角、多矢を同時に放てば秋蘭と互角という
両者の良い処をとった万能型である
武器:弓 不惜身命
特に母孝行は故郷青州でも有名であり、建業の役人街が完成した際に一刀の薦めもあって一緒に迎えに行く
隊長として挨拶した一刀であったが、桜の母はその際に一刀をいたく気に入り、是非、桜の婿にと頼み込む程であった
容姿はぼん・きゅ・ぼんと世の女性がうらやむような理想の体型でありながら身長が瑠璃ぐらいという美少女系女子
眼はブラウン(濃褐色)であり、肩下までの黒髪 気合を入れる時には、白い帯でポニーテールに纏める
一刀の上下を気に入り、自身用に裁縫し作ってしまう程の手先の器用さもみせる
真剣に話している時にはござる口調であるが、時折噛んだりして、ごじゃる口調が混ざるようである
一時期噛む頻度が多く、話すのを控えてしまったのを不憫に思った為
仲間内で口調を指摘したり笑ったりする者は、自然といなくなったようである
○高順
「陥陣営」の異名をもつ無口で実直、百戦錬磨の青年
以前は恋の副将であったのだが、恋の虎牢関撤退の折、霞との友誼、命を慮って副将の高順を霞に付けた
高順は恋の言いつけを堅く守り続け、以後昇進の話も全て断り、その生涯を通し霞の副将格に拘り続けた
○馬騰 寿成 真名を翡翠(ヒスイ)
緋蓮と因縁浅からぬ仲 それもその筈で過去に韓遂の乱で応援に駆けつけた呉公に一目惚れし
緋蓮から奪おうと迫り殺りあった経緯がある
この時、緋蓮は韓遂の傭兵だった華雄にも、何度と絡まれる因縁もオマケで洩れなくついて回ることとなるのだが・・・
正直な処、緋蓮としては馬騰との事が気がかりで、ムシャクシャした気持ちを華雄を散々に打ちのめして
気分を晴らしていた経緯もあったのだが・・・当の本人は、当時の気持ちをすっかり忘れてしまっているが
この事情を孫呉の皆が仮に知っていたのならば、きっと華雄に絡まれる緋蓮の事を自業自得と言いきったことだろう・・・
○孫紹 伯畿 真名を偲蓮(しれん
一刀と雪蓮の間に生まれた長女で、真名の由来は、心を強く持つ=折れない心という意味あいを持つ『偲』
”人”を”思”いやる心を常に持ち続けて欲しい、持つ大人へと成長して欲しいと2人が強く願い名付けられた
また、偲という漢字には、1に倦まず休まず努力すること、2に賢い、思慮深い、才知があるという意味もある
緋蓮、珊瑚、狼をお供に従え?呉中を旅した各地で、大陸版・水戸黄門ならぬ
”偲”が変じて”江東の獅子姫様”と呼ばれる
○青(アオ)
白蓮から譲り受けた青鹿毛の牝馬の名前
白蓮から譲られる前から非常に気位が高いので、一刀以外の騎乗を誰1人として認めない
他人が乗ろうとしたりすれば、容赦なく暴れ振り落とすし蹴飛ばす、手綱を引っ張ろうとも梃子でも動かない
食事ですら・・・一刀が用意したモノでないと、いつまで経っても食事をしようとすらしないほどの一刀好き
雪蓮とは馬と人という種族を超え、一刀を巡るライバル同士の関係にある模様
○狼(ラン)
珊瑚の相棒の狼 銀色の毛並みと狼と思えぬ大きな体躯であるが
子供が大好きでお腹を見せたり乗せたりする狼犬と化す
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【あとがき】
常連の読者の皆様、お初の皆様 こんばんは 雪月でございます
いつも大変お世話になっております
この度の話いかがでございましたでしょうか?
白蓮の本拠地・易京での戦いの模様を最後までお送りいたしました なんとか短く2話に纏める事ができました
また、短く纏められました分、コメントにてご指摘くださいましたように、おまけエピソードと致しまして
荊南地方を得た後、偲蓮が生まれた後の建業での日常の1コマを描いてみました
白蓮が麗羽に勝ちましたが、すぐには河北決戦となります白蓮VS華琳の戦いへと進まず
次週の話は、漢中の劉備軍へと話が移ります
期待を膨らませておいて何なのですが、何卒もう暫く御待ちくださいませ~<(_ _)>
これからも、皆様の忌憚のない御意見・御感想、ご要望、なんでしたらご批判でも!と何でも結構です
今後の制作の糧にすべく、コメント等で皆様のご意見を是非ともお聞かせ下さいませ
それでは完結の日を目指して、次回更新まで(*´∇`)ノシ マタネ~♪
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常連の皆様&お初の方もこんばんは いつもお世話になっております
この作品は真・恋姫†無双・恋姫†無双の2次創作となっております
主人公は北郷一刀 メインヒロインは雪蓮と蓮華と仲間達でお送りしております
※猶、一刀君はチート仕様の為、嫌いな方はご注意を! ※オリキャラ紹介は本文下記参照のこと
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