夜20時半
世界樹大戦の参加者が千冬たちに見つかったため、参加者はそのままはアリーナに残っている
無論、説明するためである
現在、楯無を中心に参加者は世界樹大戦について話している
物語の世界と同じであること、物語と同じように優勝者には願いをかなえてもらう権利がある事
そして参加者には、パートナーがいること。現在、参加者のパートナーは姿を見せている
今まで、彼らが見えなかった理由であるブローチの存在も説明した
所々で、他の参加者が補足をしている
「……こんな所ですね。何か質問は? ないのでしたら今日、私達はもう疲れているので、休みたいのですが」
楯無の言葉に箒は質問する
「……一夏達が強いのは……世界樹大戦に参加したからか?」
「ああ、パートナーに鍛えてもらっているからな。他の皆もそうだ」
一夏が答える。ただ、異世界については黙っていることにした
時間の流れが違うとか魔物についての説明はすると長くなるからである
「……私たちは参加できないのですか?」
「無理ね、すでに戦いは始まっているし、さっき予選が終了したから」
セシリアの質問には鈴が答える
「……公園であったハスタという男……あいつも世界樹大戦の?」
「そうだよ、僕は聞いただけだけど」
ラウラの疑問にはシャルロットが対応する
「……本当に無理なのか? 参加することは」
一夏達のパートナー見ながら千冬が強く聞く
若干、睨みつけながらの質問だ
「……方法がないわけではありません。ただ、あまりにも現実的ではないので」
参加者たちは、知らないため答える事が出来なかった。そのため、ジェイが代わりに答えてくれた
「大前提として参加者と僕たちパートナーの同意が必要だヨ。でもここにいるメンバーは誰も参加資格を譲る気はないと思うんですけど」
「さっき楯無も言ったように私たちは疲れているの、悪いけど話はここで終わらせてもらうわ。これ以上の話は明日にして頂戴」
マオとジュディスの言葉をきっかけに参加者たちは帰ろうとしたが千冬が呼び止める
「おい、まだ話を終わらす気はない」
千冬は参加者たちを先ほどよりも強く睨みつけながら声を荒げる
「これは教員としての命令だ。年上の人の言葉は聞いておくべきだと思うが?」
「ならばあなたよりも年上の人間の言葉ならばいいのか?」
「そう言うことでしたらジジイの言葉を優先して聞いてもらえるのですね?」
そこにリーガルとローエンが説得を始めた
「教員としての命令……というのは、いかがなものでしょう? 確かにあなたはこの学園で高い権力を持っているかもしれません。しかし、それは今この場で使うべきではないと思いますよ」
「ローエン殿の意見に私も賛成だ。千冬、君は一体何を急いでいる? 私たちは何も今話さないと言っているだけだ。明日以降、改めて聞きたいことを受け付けるつもりだ。最も我々はパートナーを変える気はないがな」
ローエンとリーガルの言葉が的確だったため、千冬は何も言えなくなってしまう
結局、そのまま解散になった
この場で彼らを追いかける者はいなかった。この場では……
皆が部屋に帰る途中、更識姉妹は一夏を呼び止めた
「ねえ、一夏君。織斑先生、確実に世界樹大戦について参加しようと取引をしに来るわよ」
「……一夏は世界樹大戦をやめないよね?」
二人の言葉に一夏は迷わず答える
「大丈夫ですよ、楯無さん、簪。俺はこのまま戦いを続ける。これからもよろしく」
その答えに二人は満足していた。部屋に戻っていく彼の背中を見て二人を思った
(……多分、無理だよね……織斑先生、一夏の事わかってなさそうだもん)
(私たちの時みたいに話し合いで解決するには……)
((時間がかかりすぎている。せめて友達である私は、一夏のことをしっかり見たい))
更識姉妹は一夏のことを心配していた
学園には一夏のことを未だに千冬の弟としてみている人が多い
彼女たちは勿論彼のことを千冬の弟と見ていない
最も世界樹大戦の参加者はほとんど見ていないだろう
一夏は自分の部屋に帰った後、シャワーを浴びてすぐに眠ろうと考えていた
ベッドに入ろうとした時、少々荒々しいノックの音がした
誰が来たのかと思って開けてみると千冬だった
「……一夏、家族として話がある」
一夏は少し考えた後、部屋に入れた
彼女はすぐに本題に入る
「一夏、お前のパートナーとやらを呼び出してくれ」
話をさっさと終わらせようと思い、一夏はジュディスを呼んだ
ジュディスは話の内容が何となく予想できているのか不機嫌になっている
「一夏、世界樹大戦を……」
「降りる気はない。この戦いは俺の意志で始めたから……途中でやめるなんてしたくない」
千冬が言う前に一夏は自分の意思を告げる
だが、彼女は諦める気はなく話を続ける
「く、私はお前がこれ以上危険なことに巻き込まれて欲しくないんだ」
「ISにかかわった時点ですでに危険に巻き込まれていると思うから今更関係ない」
「否定はしない、だがそもそも私はお前をISに関わらせるつもりはなかった」
「あら? あなたは最初から関わっていたはずよね? それなのに一夏に関わらせるつもりがなかったってどういうことかしら?」
一夏と千冬の話し合いにジュディスも混ざった
そのことに苛立つ千冬、今は家族で話しているというのに他人が入ってきたという想いからだ
「おい、今家族で話し合っているんだ! 邪魔をするな!!」
「あらあら怖いわね。でも仮にも世界樹大戦に参加するつもりがあるのなら一夏のパートナーである私ともコミュニケーションを取ってほしいわね」
千冬はそんなジュディスの言葉に余計に苛立つ。バカにされているような気分になっているのだろう
ただ、ジュディスは千冬を馬鹿にするつもりなんて一切ないのだが
「まあ私はあなたと組む気はないし、話す気もない。そもそも一夏のパートナーをやめる気もないわ」
バッサリと切り捨てるジュディス
「随分と生意気なことを言うんだな……それに随分と一夏のことを知ったような口をきくんだな。家族として一緒にいる時間は私が一番長い。だからこそ……」
「一夏のことを一番わかっているのは自分だ……まさかそんなこと言わないわよね? だったら一夏が周りからどう思われていたか知っているはずよね?」
「……何が言いたい?」
千冬の答えにジュディスは呆れる。一夏はやっぱりという諦めの表情であった
「モンド・グロッソ2連覇を逃した原因を作った極悪人。兄弟として恥ずかしくないのか、千冬の弟だからISの技術は高くて当然……他にもあるけど聞きたいかしら? 一夏、随分といじめられていたわ」
「一夏……嘘だよな……? だって一言も」
「家にほとんど帰ってこないうえに俺のことを気にしていない人には何も言えないから知らないよな」
ジュディスの言葉が嘘だと思い、千冬は一夏に詰め寄るが彼の言葉にショックを受ける
だが、すぐにジュディスを睨みつける
「お前が……一夏を……変えたのか?」
「そうね、確かに私との出会いで一夏は変わったわ。身体能力もだけど織斑一夏という自分を見つけ、織斑千冬の弟というように見られないように心も鍛えたつもりよ。それと料理は教え合ったわね。何だか懐かしいわ」
懐かしそうにしているジュディスに嫉妬を覚えたのだろう
いきなり彼女に掴みかかろうとする。勿論かわされるがジュディスは余計に呆れていた
「あらあら? どうしたのかしら? 暴力で語ろうとする人とはつきたくないわね」
「もう帰ってくれないか? 俺も休みたいんだ」
一夏の言葉に千冬は感情を爆発させる
「一夏! 何故わかってくれない!? 私はお前のためを思って言っているんだ」
「一夏のためを思っているのだったらどうしたらいいのかくらいわかると思うのだけれど?」
「貴様には言っていない!! 私は一夏と話している! ポッと出てきたような奴が語るな! 大体お前みたいな変な奴に一夏が……」
「それ以上言わないでくれ! ジュディスさんは俺の師匠でもあり……大切なパートナーだから馬鹿にされるのはいくら千冬姉でも許さない!」
一夏が吠えた。これ以上にないくらいに
そのような一夏を始めてみた二人は驚いていた
「ISが世界で活躍を始めた頃かな、千冬姉が活躍していたから俺の周りに人が集まっていた。でもそれは、千冬姉が目的だったんだ。誰も俺のことを見ていなかった。同級生はもちろん教員だって……特にひどかったのは、モンド・グロッソで俺が誘拐された後だったな、さっきジュディスさんが言っていた感じだよ。正直生きているのがつらいくらいだった」
「そんな時だったよ、俺がジュディスさんに会ったのは。そして、初めて俺自身のことを見てくれた……それがとっても嬉しかった」
「俺はジュディスさんを尊敬しているし、パートナーとして大切に思う。だから馬鹿にする人を許さない!」
一夏の言葉を聞いた千冬は何も言えなくなってしまった。彼の強い意志を持った目に圧倒されてしまっている
(一夏が、こんなに変わってしまった……私の知っている一夏はもういないのか……)
かなりショックを受けている千冬
だけどすぐに新たな考えが出てくる
(……そうか、何も一夏に変わってもらわなくてもいいのか)
(ほかの誰かから権利を奪えば……)
スキット
殺し屋さんの密談
とある場所
マンジと呼ばれている殺し屋が電話をしている
「ちょっと聞きたいことがある」
「何だね? 依頼主である私にはあまり連絡を入れないので欲しいのだが」
「この前俺が誘拐したガキ、あいつが予選を突破したわけではないだろう?」
それだけ言うと電話の相手は納得していた
「あいつはもう解放している。だが、予選の通過者ではない、いや、すでに世界樹大戦の参加者ですらない……これ以上話す気はない。君との契約は、世界樹大戦で私のサポートしてくれというものだ。今回のことは君には関係ないから気にしないでくれ」
そのまま電話が切れてしまった
マンジはため息をつきながら酒を飲み始めた
「……やれやれ、金払いはいいが、面倒くさい依頼主だ」
仕事が忙しかったり、なかなか書けなかったりで投稿がかなり遅れました。
大変申し訳ありませんでした。
ペースはもう少し早くできるよう努力します。
感想・指摘等あればよろしくお願いします。
フェスティバルとゼスティリア楽しみです。
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書かせていただきます。視点はなしで
今回、短めです。