No.669955

運命の幽波紋 第四話『運命《デスティニー》』

創華さん

戦闘で窮地に陥った時ッ!!隙をついて物理で殴るんだよォォォォォーーッ!!

2014-03-11 21:07:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2663   閲覧ユーザー数:2580

てなわけで、オーディンの爺さんの部屋を出てそこら辺にあった地図を見ながらロスヴァイセの部屋に到達。はっきり言って俺のスタンドである運命(デスティニー)の能力を使えば早々に着いたのだが、神殿内を探索すると同時に体を動かせる場所がないか探していた訳だ。

 

皆が皆、剣を持っているので鍛練場くらいあるだろうと考えたのがそもそもの発端である。

 

「あれだけ人がいるんなら結構でかそうだよなァ~」

 

実際、歩いていて見たのは女性職員しかいないのが疑問だったが……。そんな訳で、地図を片手に職員に聞きつつ鍛練場に向かっていったのだが、

 

「でかッ!! どんだけ広いんだよ!?」

 

そう、果てしなく広い。でかい声でツッコミを入れてしまうほどに広い。俺のツッコミにビクッとしてこちらを見てくる人がいるが、直ぐに気を取り直して鍛練に励む。

 

一対一や一対多という変則的な戦闘訓練をやっているのが見て取れる。相手の剣戟を受けて弾き、いなして返す事を体に染み込ませるように繰り返す。大勢との戦闘は相手との位置や誘い出してから相打ちにさせようと事を運んでいく。

 

そして、戦闘訓練をじっくりと見ている俺に後ろから声が掛けられる。

 

「どうですか? ここの鍛練場は」

 

戦闘服と言うのだろうか?体にぴったりくっついているスーツ、所々に付いている羽根を模したアクセサリー。元々、綺麗、美人と言えるロスヴァイセが着ているなら破壊力は抜群である。

 

ジョセフさんならこう言うだろう。

 

「お前の次の台詞は『………綺麗だ』って言う!」

 

「………綺麗だ……………ハッ!?」

 

「き、綺麗!? 私がですか!? 殿方にそんな事言われるのは初めてで、あわわわわわ!?」

 

何を言ってるんだと後悔する俺、綺麗と言われて色んな意味でバグったロスヴァイセ、それを見て微笑ましく見る職員。

 

こいつぁやばいぜッ!変な誤解が広まってる感じがガンガンするぜッーッ!!

 

まあ、そんなふざけた事は置いといて話を変えなければ。

 

「そ、そんな事より此処って俺も使っていいのか?」

 

敢えて無難な質問で話を変えるッ!さあ、どうでるロスヴァイセ?

 

「綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた綺麗って言われた」

 

ロスヴァイセのバグりが治らない件について(汗)。

 

誰かこの質問の答えをおせーて、おせーてくれよぉ!!

 

「ふふふ、その質問には儂が答えよう!」

 

「あ、あんたはオーディンの爺さん!!」

 

バァーンッ!!と、どこから出て来たかわからないがオーディンの爺さんが現れて、俺の質問の答えをおせーてくれるようだ。

 

「して奏華よ。 お主は此処の鍛練場を使っていいかと聞いたな? 答えは使っても良いじゃが、一つ条件がある!」

 

「その条件ってのは?」

 

「この神殿内にいる一番強い戦乙女(ヴァルキリー)と戦ってもらうぞ」

 

俺が此処の鍛練場を使うための条件は、一番強い奴と戦って勝てばよかろうなのだァァァァァッ!!らしい。

 

「今から呼ぶからちょっとまっておれ」

 

そう言って取り出したのは携帯電話。こんな所に文明の利器があるとは思わなかったぜぇーッ!!とつくづく思う俺がいた。

 

 

 

†    †    †

 

 

 

戦闘が始まる少し前、ようやく元に戻ったロスヴァイセが話しかけてくる。

 

「大丈夫なんですか!? 相手は神殿内で一番強い戦乙女なんですよ!?」

 

俺は波紋を練って準備体操をしながら応える。

 

「大丈夫だって。 俺は負けたりしねぇから」

 

「一体、どこからその自信が出てくるんですか………」

 

主に俺の自信は、自慢の身体能力と波紋、幽波紋によって構成されています。敢えて、それを言葉では言わない、何故なら言ったらボコボコにされるような感じがするからである。

 

「そういや、ロスヴァイセには言ってなかったな」

 

「ん? 何がですか?」

 

「俺はこの戦闘は波紋も使ったりするが、『スタンド』を使って戦おうと思っている」

 

スタンド?と頭に?マークを出して首を傾げるロスヴァイセをよそに、時間が来たので俺はフィールドに出て行く。

 

フィールドに出ると、ロスヴァイセと同じ様な服装をした女性が剣を構えて待っていた。第一印象は強そう、まあ確かにオーディンの爺さんが言うくらいだから強いんだろうけど。

 

「あんたが私の対戦相手か! 正々堂々とした戦いをしようじゃないか!」

 

「おう、よろしく頼むぜ」

 

挨拶を交わし、お互いの武器を構える。相手は中段に剣を構え、俺は腕を組んで少し体を仰け反らせるように立つ。俺の立ち方はDIOさんのジョジョ立ちと思ってもらって構わない。

 

「それでは始めるぞ。 両者共、準備は大丈夫かの?」

 

オーディンの爺さんが声を掛けてくる。俺と相手は同時に、

 

「大丈夫です!」

 

「どれ、手合わせ願おうかッ!!」

 

「では、始め!!」

 

戦闘が開始した瞬間、波紋を纏わした俺の拳と上段から振り下ろされた剣がぶつかり合うッ!!

黄金の波紋で強化した拳は剣にも勝る強さを持つッ!

 

「無駄ァッ!!」

 

叫ぶと同時に剣を弾き、こちらも反撃を開始するッ!!

 

「黄金波紋───烈風の波紋疾走(ストーミング・オーバードライブ)ッ!!」

 

宣言通りに拳に溜めた波紋を回転と共に地面に叩きつけて竜巻を起こしたッ!俺の周り約4m程に竜巻が起こり、何も警戒していない女性を巻き込みながら吹き飛ばすッ!!

 

「きゃ、何コレ!? 風が強すぎる!!」

 

駄菓子菓子、女性もこの神殿内の戦乙女の最強の一角ッ!吹き飛ばされても空中で立て直し綺麗に着地するッ!!

 

「ふぅ、さっきはびっくりしたけど今度は私から行かしてもらうよ!」

 

そう言って女性は体を強化したのか、さっきより何倍も早いスピードで接近し回転するように剣を振るってきたッ!!

 

ブンッブンッブンッ!!

 

結構な力を込められては振るわれる剣は、風を切り裂きソニックブームとして飛んでくるッ!!

 

「うわっとッ!? おわッ!? あぶねェ!!」

 

少し体制を崩してしまい後ろに倒れかけるッ!!相手はそんな隙を見逃さず、ここが勝機と突の構えを取って突進して来るッ!!

 

このままでは不味いッ!!あれだけのスピードで攻撃されたら俺なんて一溜まりも無いぞッ!?

仕方ないッ!!さっきロスヴァイセにいった通り、『スタンド』を使わせてもらうとしようかッ!!

 

この不思議な力が相手やロスヴァイセ、ましてやオーディンの爺さんが視認出来るかどうかは定かではないが、今使わなかったらどこで使うッ!?

 

どう考えたって今だろうがよォッ!!

 

 

 

 

 

 

「『運命(デスティニー)』ッ!!」

 

 

 

 

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!!』

 

 

 

重い低音の音が鳴り響いたと同時に筋骨隆々の人が現れ、堅く握り締められた拳で連続で殴りつけて弾くッ!!

 

「「「ッ!?」」」

 

他の奴らが目を大きく開いている。それはこの俺のスタンドである運命

デスティニー

が見えたと言うことッ!!本来、スタンドは同じスタンド使いでなければ見ることは不可能ッ!!ならば、ロスヴァイセ達にもスタンドとは違うが不思議な『超能力』を持っていることに他ならないッ!

 

それが俺には何なのか知らないが、少しオカルティックに近いことは言えるッ!

 

「余所見をしてる場合かァッーッ!! ORYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY(オリャァァァァァァァァ)ァァァァァァーーーッ!!」

 

隙が出来たならそこを突き、相手が来るならカウンターをかませッ!!

 

さっきのパンチで浮いている相手に運命と共に飛んでいき追撃のパンチをお見舞するッ!

 

『無駄ァァァァァッ!!』

 

相手はガード体制を取っているが、そもそもそれが根本的な間違いなのだァァァァァッ!!空中=重力には逆らえない、それは覆す事の出来ない世界の法則ッ!

 

「ぐっ!? あぁッ!? きゃぁぁぁぁっ!!」

 

空中で三連撃を喰らわせダウンを奪う。吹っ飛ばされた相手は立ち上がろうとするが、力が入らず立ち上がることが出来ない。

 

「それまでッ!! 勝者は奏華じゃ!!」

 

そうして爺さんの戦闘終了を合図にスタンドを戻し、他の所から上がる歓声を聞きながらロスヴァイセがいるところに戻っていった。

 

 

 

†    †    †

 

 

 

 

私は今、驚愕していた。言わずともがな彼の事である。戦闘開始前、スタンド?と言う物を使うと言われて何のことだろうと思って先輩戦乙女の戦闘を見てみた訳だが、

 

「あの巨人が…………………スタンド?」

 

彼が攻撃を受ける前に叫んだ運命(デスティニー)と言う単語。私の予想が正しければあの巨人が運命(デスティニー)と言うスタンドなのだろう。

 

「ロスヴァイセよ。 お主もさっきの『アレ』が見えたかの?」

 

オーディン様がこちらに来て質問して来る。嘘が言えるほど私もうまくはないし、それよりそんな事が言えるほどの情報が無いのでさっきの彼との話と自分の考えを教える。

 

「ふむ……。 アレがスタンドと言うものかの。 やっぱり長生きはしてみるもんじゃのぅ」

 

オーディン様が感慨深く喋っているが、私にとってはどうでも良かった。

 

自分の好きな人が、カッコ良くしてるだけでも凄く良いと思うのだが、こんな風に勝った所で相手を心配したりする事で見える人間性?と言う物が本当に良いと思う。

 

スタンドについては彼が戻った時に聞けば良いし、今は戻ってくる彼が手を振っているから私も笑顔で手を振り替えそうと思う。


 
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