No.669511

英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

soranoさん

第32話

2014-03-10 00:00:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:908   閲覧ユーザー数:879

 

翌朝、離宮内では作戦開始までの最後の確認の会議が行われていた。

 

~翌朝・エルベ離宮~

 

「これよりグランセル城解放と女王陛下の救出作戦を説明する。まずはヨシュア殿以下4名が地下水路よりグランセル城地下へと侵入。親衛隊の詰所へと急行し、城門の開閉装置を起動する。」

「了解しました。」

「ま、でかい花火の点火役ってところだな。」

「ま、俺達に任せておきな。」

「フフ………いずれにせよ第1章の最終幕の幕開けには違いない。」

ユリア中尉に視線を向けられたメンバー――ヨシュア、ジン、フレン、オリビエはそれぞれ頷いた。

 

「城門が開くのと同時に我々、親衛隊全員と遊撃士6名が市街から城内へ突入。なるべく派手に戦闘を行い、敵の動きを城内へと集中させる。」

「うむ。今こそ『獅子王』の力、存分に震わせてもらおう。」

「ああ、任せてもらおう。」

「襲って来る奴等全員、制圧してやろうぜ!」

「よっしゃ、腕がなるぜ!」

「ま、あたし達に任せな。」

「私はこの中では実力不足かもしれないけど……精一杯頑張らせてもらいます!」

次に視線を向けられた遊撃士達―――バダック、クルツ、ルーク、グラッツ、カルナ、アネラスはそれぞれ力強く頷いた。

 

「そして最後に………………殿下、やはり考え直して頂けませんか?」

守るべき主までもが危険な作戦に参加する事に賛成できないユリア中尉は辛そうな表情で学生服に着替え、ウィッグを外し、帯剣しているクローゼを見つめて尋ねた。

「ごめんなさい……お祖母様は私が助けたいんです。それに私は一応、飛行機の操縦ができますから………どうか作戦に役立てて下さい。」

「くっ………こんな事なら、操縦方法などお教えするのではなかったか………」

「まあまあ、ユリアさん。クロ―ゼのことならあたし達に任せておいて。」

「『銀閃』の名に賭けて必ずやお守りすることを誓うわ。」

「うふふ、レンも本気を出してお姫様を守るから大丈夫よ。」

「アリエッタも頑張りますから、安心して、下さい。」

守るべき主が参戦できる理由を作ってしまった自分の不甲斐なさに悔しがっているユリア中尉を慰めるかのように、クローゼに同行するメンバーであるエステル、シェラザード、レン、アリエッタはそれぞれ声をかけた。

 

「わかった………どうかお願いする。城内に敵戦力が集中した直後、エステル殿以下5名のチームが特務飛行艇で空中庭園に強行着陸。しかる後、女王宮に突入してアリシア女王陛下をお助けする。」

「了解ッ!!」

「作戦決行は正午の鐘と同時ーーそれまで待機位置についてくれ。それでは各員、行動開始せよ!」

「イエス・マム!!」

ユリア中尉の叱咤激励に全員は答えた後、各自装備の点検などを行った後、第一陣であるヨシュア達がエルベ離宮から去ろうとし、エステル達はヨシュア達を見送ろうとしていた。

 

「……ヨシュア、気を付けてよね。くれぐれも無理しちゃダメなんだから。」

「うん、気をつけるよ。だから、君の方もくれぐれも先走らないように。自分の力を過信しないでシェラさんたちと協力すること。」

「うん………分かってる。なんといっても例の約束だってあるもんね!お互い、元気な姿でグランセル城で会いましょ!!」

「うん………必ず!」

(あら♪エステルとヨシュア、もしかしてあれから進展したのかしら♪なんとなく雰囲気が前よりさらに仲良くなった気がするわ♪)

二人が無意識にさらけ出す雰囲気を感じ取ったレンは小悪魔な笑みを浮かべた。

 

「ヨシュアさん。隠された水路にはどんな魔獣がいるか判りません。どうか気を付けて下さいね。」

「わかった、ありがとう。くれぐれも気を付けるよ。」

「エステルの事は心配しなさんな。あんたと今まで旅して色々と成長したみたいだからね。遊撃士としてだけじゃなく女としても、みたいだけど♪」

「シェ、シェラ姉………」

シェラザードの言葉を聞いたエステルは顔を赤らめ

「クスクス、一体どんな事があってあのエステルがレディらしくなったのかしらね?」

「あ、あんですって~!?」

からかいの表情で言ったレンの言葉に反応し、ジト目でレンを睨んだ。

 

「??なあ、レン。なんでエステルは照れているんだ?」

その時訳がわからないルークはレンに尋ねたが

「男であるお兄様はわからなくていいの。い・い・わ・ね!」

「お、おお………」

威圧を纏った微笑みを浮かべたレンに圧されて頷き

「やれやれ……やはりまだまだ小僧だな。」

「鈍感、です。」

その様子を見ていたバダックとアリエッタはそれぞれ呆れ

「ったく、この非常事態に何とも頼もしいガキどもだぜ。」

「はは、まったくだな。」

エステル達に頼まれて情報部の動きを探っていた為、特務兵に囚われ、クローゼや他の人質達と共にエルベ離宮に監禁されていた”リベール通信”の記者―――ナイアルの苦笑しながら言った言葉にジンは口元に笑みを浮かべて頷いた。

 

「さて、俺達はそろそろ行こうか。」

「また会おう、仔猫ちゃんたち♪」

「じゃあな。お前達も頑張れよ!」

「女神(エイドス)の加護を!」

そしてジンに促されたヨシュア達はそれぞれ応援の言葉をエステル達にかけた後、去って行った。

 

「さてと、俺達も先に向かったユリア中尉を追おうぜ、バダック。」

「ああ。―――ナイアルと言ったな?王都に帰るのならばついでに護衛していくが?」

「そりゃ助かるぜ。あの”焔”と”獅子王”が護衛にいたら怖いものなしだぜ。」

バダックの申し出を聞いたナイアルは口元に笑みを浮かべたが

「わかっているとは思いますが、アリエッタ―――”星杯騎士団”の事、くれぐれも記事にしないで、下さい。もし記事にしたら、わかっていますね?」

「あー、はいはい。”星杯騎士団”を公にしたら俺どころか”リベール通信”に働いている連中やその家族が七耀教会の庇護を今後一切受けられないなんて脅しにはさすがに屈するしかねえだろうが。ったく、聖職者が脅迫とか、七耀教会も一枚岩じゃねえな……」

アリエッタの忠告を聞いて不満そうな表情で答えた後呆れた表情でぼやきながらエルベ離宮から去り

「それじゃあ、そっちも頑張れよな!」

「武運を祈っているぞ。」

「うん!」

ルークとバダックはそれぞれエステル達に応援の言葉をかけた後ナイアルの後を追って行った。

 

そして数時間後、正午の鐘が鳴ると親衛隊と遊撃士達による反撃作戦が開始された………!

 


 
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