No.668251

リリカルHS 4話

桐生キラさん

こんにちは!
はやて視点で送る登校~ホームルームまで

2014-03-05 17:30:02 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1770   閲覧ユーザー数:1578

 

 

 

 

 

 

はやて「ふぁぁ…ポカポカ陽気が気持ちいい…」

 

高校二日目の通学路。桜の花びらが舞う中、私はあくびをしながら学校を目指していた。

昨日の件も合わさって、若干寝不足や。まだ授業はしやんやろうけど、気ぃつけなアカンな

 

はやて「お?あれは…」

 

通学途中の小さな公園にふと目をやると、そこにはベンチで寝てる男の人がおった

 

またかいな

 

私は寝ている人に近づいて顔を確認する。予想通り、士希君やった

 

はやて「士希くーん!また遅刻したいんですかー?」

 

私は寝ている士希君を揺すってみる。

すると先に起きたのは士希君やなくて、犬?のレーゲンの方やった

 

レーゲン「んー…むにゃむにゃ…あ、はやてさん…おはようございます…」

 

レーゲンはとても眠たそうに挨拶した。

レーゲンはそのまま抱きつかれている士希君から抜け出し、地面に降りた

 

レーゲン「ふぁぁ…んー…」

 

はやて「あはは、ずいぶん眠そうやな」

 

レーゲンは寝不足なのか、ぼやぁっと辺りを見回している。

時々歩いては、こてんとこけている姿がとても愛らしい

 

レーゲン「うー……」

 

 

ぴかー

 

 

はやて「え?」

 

こけたと思たら、今度はレーゲンの体が光だした。

眩い光が辺りを照らし、私の視界を奪う。私は堪らず目をつぶってしまった

 

レーゲン「んー…」

 

はやて「………は?」

 

目の前の光景に、思わず間の抜けた声を出してしまう。

なぜなら、先ほどまで犬がおった場所には、人間の子どもがおったからや

 

レーゲン「ん?はやてさん、どうしたんですか?」

 

はやて「いやいやいや!レーゲン人型になってんで!?自分、変身できたんかいな!」

 

レーゲン「人?あ、ほんとだ」

 

無自覚かい!

 

はやて「士希くーん!起きてー!レーゲンが立った!」

 

 

パァン

 

 

私は思わず士希君の胸ぐら掴んで、頬を叩いてしまう。

すると士希君はものっそい不機嫌な顔でこっちを見た

 

士希「………なに、八神家は寝ている人間を殴って起こすの?」

 

はやて「ちゃうねんちゃうねん!それどころやなくて、レーゲン見て!」

 

私は人型になったレーゲンを指差す。士希君は寝ぼけ眼でレーゲンを真っ直ぐ見た

 

士希「………はやて、レーゲンは犬だぞ。お前、頭大丈夫か?」

 

はやて「やめて!そんな可哀想な奴を見るような目はやめて!

ほんまなん!この子レーゲンなん!レーゲンからもなんか言ったげて!」

 

人型レーゲンはモジモジしながら士希君を見つめた。

それにしてもこの子、めっちゃ美少年やな。思わずぺろぺゲフンゲフン

 

レーゲン「あの、しきさん、僕レーゲンです。何故か人型になってしまって…」

 

士希「………マジで?」

 

はやて「マジで」

 

士希「そうかぁ、参ったなぁ。レーゲン用に揃えた犬小屋とかどうしよう」

 

え?問題そこなん?もっとこう、ないん?なんでそんな美少年なんや!?的な

 

士希「それに、これから学校行かなきゃならんし………そうだレーゲン。

その姿のまま小さくなる事はできるか?」

 

レーゲン「小さく、ですか?」

 

士希「あぁ。具体的には、今俺が着ているワイシャツの胸ポケットに入るくらいのサイズだ」

 

レーゲン「うーん…試してみます!」

 

レーゲンはグッと踏ん張るポーズをとる。するとみるみる小さくなってった

 

レーゲン「おぉ!できました!」

 

士希「グッジョブだレーゲン。さぁ、俺の胸ポケットの中に入りなさい」

 

士希君はミニレーゲンを拾い上げ、胸ポケットに入れた。

レーゲンはポケットから頭だけ出してキョロキョロしていた

 

レーゲン「おぉ!高いです!」

 

士希「さながら南君の、いや、俺の場合、東君の恋人かな。

よし、このサイズなら犬小屋も無駄にはならんだろう。さて、そろそろ学校行くか」

 

士希君はそのまま公園を出て、学校へ向かってしまった。

私は目の前の展開に面食らい、置いてきぼりをくらった

 

はやて「は!ちょっと待ってよ士希君!

いろいろツッコミどころがあり過ぎて、どうしたらいいんかわからへん!」

 

私は慌てて士希君に駆け寄る。すると士希君は、何言ってんだこいつ?みたいな表情でこっちを見た

 

士希「少し落ち着けはやて。深呼吸だ。それ、ひっひっふー、ひっひっふー」

 

はやて「ひっひっふー、ひっひ、ってやらすなや!!」

 

士希「おぉー、見たかレーゲン、今のがノリツッコミだ」

 

レーゲン「勉強になります!」

 

はやて「勉強するポイント一つもない!」

 

終始、ペース乱されまくりやった

 

 

 

 

はやて「はぁ…なんで朝からこない疲れやなあかんの…」

 

学校に着く頃、私は息が絶え絶えやった

 

士希「どうしたはやて?今日はまだ半日終わりだが、今後は一日だぞ。

そんな調子じゃついていけねーぞ」

 

はやて「いや、誰のせ……」

 

チラッと私は士希君を見る。すると士希君は満面の笑顔やった。

ただ、その笑顔がどうにも歪んで見えた

 

はやて「お前、確信犯か…」

 

士希「さぁ、何のことだろうな」

 

こいつ…

 

「お!はやてー!」

 

「はやてちゃーん!おはよー!」

 

私が拳を握り、どついたろうと思てると、学校の校門付近から私を呼ぶ声が聞こえた。

声の主は月村すずかちゃんに、アリサ・バニングスちゃんや

 

はやて「おはよう、お二人さん!」

 

すずか「はやてちゃん、昨日はごめんね。私もアリサちゃんも家の用事で呼ばれちゃって」

 

アリサ「堅苦しいパーティーだったわ。今後はこういう機会も増えるみたいなのよね」

 

二人はいわゆるお嬢様ってやつや。

家庭の事情で豪勢なパーティーに出席しやかアカンことも多々あるとか

 

はやて「あぁん、ええよええよ気にせんで。こいつのサイフがその分ダメージ受けやんだだけやで」

 

私は隣の士希君を指差して言う。当の本人はすずかちゃんとアリサちゃん見て苦笑いやった

 

はやて「ん?どないしたん?そんな鳩が対物ライフル食らったみたいな顔して」

 

士希「それ想像してみろ。多分鳩は跡形も残ってないぞ。

それより、高校一年にもなって、女子同士が手を繋ぐってのは、普通なのか?」

 

はやて「あー…」

 

士希君の目線の先には、ガッチリ恋人繋ぎで握られた二人の手があった

 

すずか「あ、私達は恋人なので」

 

アリサ「ちょ!すずか!そんな事サラッと言わないでよ!って言うか、はやて!こいつ誰よ!?」

 

すずかちゃんが優しい笑顔の反面、アリサちゃんは顔を真っ赤にして話をそらした。

対する士希君はまたか、みたいな表情やった

 

はやて「あー、こいつは雑賀士希。クラスメイトで、魔法使いや」

 

士希「お、おいはやて!何サラッと魔法使いとか言っちゃってくれてんの?」

 

すずか「え?男の方が魔法使いになるには、30まで…」

 

士希「そういう意味じゃないよ!?って、あ!いや、そういう意味でもなくて…」

 

はやて「大丈夫大丈夫。二人は数少ない魔法理解者やで」

 

士希「そうなのか?」

 

アリサ「まぁ、私達自身は魔法使えないけどね。私はアリサ・バニングス。

はやてとは小3の頃からの付き合いよ」

 

すずか「私は月村すずかといいます。私も小3の頃からのお付き合いです。

ちなみにアリサちゃんとは、中3の頃から付き合い始めました」

 

アリサ「ちょっと!だからあんまりそんな事言わないでよ!」

 

すずか「…アリサちゃんは、私と恋人でいる事が嫌?」

 

アリサ「い、嫌じゃないけど…その…は、恥ずかしいじゃない…」

 

すずか「ふふ、アリサちゃんは可愛いなぁ」

 

そのまま二人は、イチャイチャと彼女らの世界に旅立っていった

 

士希「なに?今女の子の間では同性愛が流行ってるの?」

 

はやて「どやろ、私はいたってノーマルなんやけどなぁ」

 

たまたま私の周りが、女の子同士の恋愛が日常的やったってだけやの話やと思う

 

 

 

 

 

フェイト「あ、はやてに士希、おはよう」

 

はやて「おはよーさん」

 

士希「お、おはよう…」

 

教室に入ると、フェイトちゃんから挨拶がきた。

朝のなんてことない、ありふれた日常風景のはずなんやけど、士希君の笑顔は引きつっていた

 

士希「なぁフェイト、それはなのはか?」

 

フェイト「うん、私に抱きついたまま寝ちゃったみたいなんだ」

 

フェイトちゃんは椅子に座っており、そんな彼女の膝にはなのはちゃんが座り、

向かい合って抱きついてる状態やった。なんて言ったっけ?だいしゅきホールド?

 

フェイト「なのはー、はやてと士希が来たよ」

 

なのは「んー、フェイトちゃん温かいなぁ」

 

はやて「相変わらず仲良しやねー」

 

士希「いや、仲良しってレベルを越えてると思う…」

 

なのは「ふふーん、士希君はよく分かってるなぁ。

私とフェイトちゃんはもはや恋人以上の関係なんだよ!」

 

士希「さすがの俺もそこまでは見抜いてねぇよ!?」

 

なんてやりとりをしていると、しばらくして担任がやってきた

 

先生「はーい!皆さん席に着いてくださぁい。

あ、雑賀君、制服は今日の昼頃にでも届くと思いますので、次回からは制服で来て下さいね」

 

士希「うっす」

 

先生「さてさて、今日は先生から皆さんに提案です!早速ですが席替えをしたいと思います!」

 

先生の発言の直後、周りがざわつく。

席替えか。別にせんでもよかったんやけどなぁ。後ろの方の席キープしたいし

 

先生「皆さん静かにしてねー。では、先生クジ作ってきたので、この箱から一つずつ取って下さいね!」

 

クジか。好都合やな

 

なのは「(フェイトちゃん、はやてちゃん)」

 

フェイト「(うん、分かってるよ)」

 

はやて「(せっかくやで、あいつも巻き込もか)」

 

私は魔法を使い、クジにちょっとした細工を施した。その結果…

 

 

 

士希「………なぁ、お前らなんかしただろ?」

 

はやて「えー、何の事やろなぁ」

 

フェイト「うん、全くわからないな」

 

なのは「偶然だよ士希君。まさかそんな、私達が魔法でも使ったって言うの?」

 

士希「お前ら…」

 

窓側最後尾に士希君、士希君の前に私、士希君の隣はフェイトちゃんで、

フェイトちゃんの前になのはちゃんという席順にしたったwww

 

はやて「ええやん士希君、こんな美少女に囲まれるんやで、幸せやろ?」

 

士希「おっかねぇわ!」

 

こうして、私達の高校生活が幕を開けた

 

 

 

 


 
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