No.666501

英雄伝説~焔の軌跡~ リメイク

soranoさん

第13話

2014-02-27 09:33:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1421   閲覧ユーザー数:1357

~夜・ブライト家~

 

「ゴクゴク……プハー、とうとう2人もブレイサーか。月日は流れるものですね。」

「ああ、そうだな。」

シェラザードの言葉にカシウスは頷き

「それだけ俺達も歳を取ったって証拠だな。(オールドランド出身の俺やイオン達の場合って、何歳になるんだ?オールドランドとゼムリア大陸の1年の日数が全然違うしな……オールドランドの年齢で換算すると俺達は5,6歳程度しか歳を取っていない事になるけど……)」

「ちょっと~、あたしは四捨五入すれば30の貴方と違ってまだまだ若いわよ。ルークの場合はいい加減、恋人を見つけて、先生達を安心させるべきじゃないの?顔はいい上、稼ぎもいいんだから、その気になれば作れるんじゃないのかしら?」

「うっせ!余計なお世話だよ!」

自分の言葉にからかいの意味も込めて反論したシェラザードをルークは睨んだ。

 

「うふふ、頑なに恋人さんを作らないって事はやっぱりお兄様、あの写真に写っている3人の中の誰かさんが好きなようね♪ちなみにレンの予想ではベージュ色の美人さんね。あの3人の中で一番綺麗な人の上、スタイルも抜群だし。」

「いい”っ!?」

「あら。」

「ほう?」

「へ~、それは初耳ね♪」

からかいの表情で口にしたレンの言葉を聞いて図星を突かれたルークは表情を引き攣らせ、今まで想い人がいるそぶりすら見せた事のないルークに想い人がいる可能性がある事に気付いたレナとカシウスは目を丸くし、シェラザードは興味深そうな表情をし

「あ!すっかり忘れてたわ!ねえねえルーク兄、レンの言っている事ってホント!?」

「そう言えばそうだね。」

声を上げたエステルに続くようにヨシュアは頷いた。

「だー!あいつらの事は仲間として信頼していただけだし、その話を蒸し返すんじゃねえ!」

その時ルークは慌てた様子で大声を上げてエステル達を睨んだ。

 

(あんな頑なに反応をするって事は絶対いるわね♪)

(うふふ、絶対いるでしょうね♪)

(ねえねえ、レン!後でその写真に写っていた人達の事を聞いてもいい!?)

「お、お前らなあ……!」

小声で会話し合っている女性達の様子を見たルークは顔に青筋を立て、身体を震わせていた。

 

「フフ……それより3人とも、明日も仕事があるんですからお酒はほどほどにしておきなさいね。」

その時レナが話を変えるかのようにルーク達のグラスに入っているお酒を見て忠告した。

「いいじゃないですか、せっかくのお祝いなんですから。」

大酒飲みのシェラザードはより多くのお酒を飲む為に笑顔でレナを宥めようとしたが

「シェ~ラちゃ~ん?」

「う……ハイ、わかりました。」

凄味のあるレナの笑顔にすごすごと引き下がった。

 

「あはは、やっぱりシェラ姉もお母さんにはかなわないか。」

「まあね、あたしにとっても母親のような存在だからどれだけ時間がたってもかなわないのよね……」

「ふふ、それは当り前よ。シェラちゃんも家の子のようなもんだし。ねえ、あなた?」

「まあ、そうだな。」

「ふふ、ありがとうございます。」

「うふふ、さすがはママとパパね。」

レナとカシウスの懐の深さにシェラザードは嬉しさの内心を顕すかのように笑顔を浮かべ、レンは微笑みながら大好きな両親を見つめていた。

 

「えへへ、これで明日からあたし達もルーク兄やシェラ姉達と一緒に仕事ができるわね!」

「あ~、その事だけどさ。俺、明日から出張になったから。しばらく家を離れるよ。」

嬉しそうな表情で自分達と仕事をする事を望むエステルに申し訳ないと思ったルークは気まずそうな表情で早速エステルの希望を打ち砕いた。

 

「え~、せっかくルーク兄達と仕事場がいっしょになったんだけどなぁ……」

「エステル、仕方ないよ。兄さんは正遊撃士の中でも数少ないA級なんだから。」

頬を膨らませているエステルをヨシュアは苦笑いをしながら諌め始めた。

「まあな、これもブレイサーの義務だ。ところで今度はどこに出張なんだ?」

「ツァイスだよ。」

「ツァイス!レンもついて行っていい!?」

リベールの工業都市の名を聞き、今でも文通を続けている工業都市でできた作業着を常に身につけ、工房見習いをしている親友の事を思い出したレンは身を乗り出してルークを見つめて尋ねた。

 

「レン、お行儀が悪いわよ。」

「ごめんなさい、ママ。でもティータに会えると思ってついはしゃいじゃった。」

レナに諌められたレンはペロリと舌を出して小悪魔な笑みを浮かべながら答え、椅子に座り直した。

 

「確かその子って向こうで仲好くなって文通している子よね。よくその子の名前の手紙を見かけるし。」

「ええ、ティータはレンの親友よ!」

自分が親友と認める少女の名前がエステルの口から出るとレンは自慢げに胸を張って答えた。

 

「ねえ、それよりもお兄様。レンもついていっていい?」

「ああ、キリカもお前も俺に一緒に付いてくることを最初からわかっているだろうしな。ティータと仲良くするのはいいが、しっかりと仕事をしろよ?」

「ええ!レン、いっぱいがんばるわ!」

「ふふ、レン。仕事をするのもいいけど友達は大切にしなさいね。」

「勿論よ、ママ!」

大好きな家族の言葉にレンは笑顔を浮かべて頷いた。

 

「じゃあ、そういう事だから2人とも後のことは頼むぜ。」

「ああ、こっちの事はいいから向こうでも頑張って来い。」

「先生の言う通り、こっちの事は心配する必要ないわ。ちょうど2人の新人も入って来たから、バリバリ働かせる気だし。」

「バリバリ……」

「覚悟したほうがよさそうだね、エステル。」

カシウスとシェラザードの言葉からこき使われる自分達を想像したエステルは表情を引き攣らせ、ヨシュアは苦笑いをしていた。

 

そしてその夜は2人の試験の事で盛り上がり夜は更け、翌日ルークとレンは飛行船の発着所で家族とシェラザードから見送られようとしていた。

 

~ロレント発着所~

 

「じゃあ、行ってくるぜ。」

「行ってらっしゃい兄さん、レン。」

「2人とも気をつけてね。」

「ええ、ママも健康に気をつけてね。」

「あたし達も推薦状をもらいにリベールを廻るつもりだから向こうで会うかもね。」

「うふふ、その時はティータを紹介するわ♪」

エステルの話を聞いたレンは笑顔を浮かべて答えた。

 

「ルーク、ラッセル博士によろしくな。」

「ああ、勿論わかっているよ、父さん。」

「レン、もう慣れているとは思うけど、油断したり手を抜いたりするんじゃないわよ?」

「勿論わかっているわよ、シェラお姉さん。」

カシウスやシェラザードからそれぞれ声をかけられた二人に早く飛行船に乗って欲しいかのように出発のアナウンスが聞こえてきた。

 

これより王都方面行セシリア号は出発します。まだ、乗船なさってない方は乗船して下さい。

 

「っとそろそろ時間か……行くか、レン。」

「はーい!」

 

そして二人は飛行船の中へと入り、二人を乗せたセシリア号は出発した……

 

 

 


 
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