No.66520

【一刀+魏の】望みたくない外史06

つよしさん

明後日って言ったのに明々後日になってしまった。

ごめんなさい。

誤字等ありましたらご指摘お願いします。

続きを表示

2009-04-02 00:11:13 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:10983   閲覧ユーザー数:8601

 

一刀「くそ!どこだ!」

 

一刀は焦る。

 

それは、このままでは一刀の二の舞になる可能性があるから。

 

故に焦る。

 

 

 

辺りを見回しながらしばらく走っていると、一人のうずくまっている女性を見つける。

 

おそらく先程の叫び声はこの女性。

 

彼女は、腰まで伸びた綺麗な直線の黒髪、左目に蝶の形の眼帯を付けている。

 

一刀「春蘭!」

 

魏武の大剣、夏侯元譲────春蘭。

 

春蘭「…ぶつぶつ…」

 

一刀の呼び声は彼女の耳には入っていない。放心している。

 

一刀「春蘭!おい、春蘭!おいってば!……くそ、だめか…」

 

一刀は春蘭の肩を揺すりながら呼びかけるが返事がない。

 

一刀「なにが、あったんだ?…いや、『どっち』に会ったんだ?」

 

いつもと違う彼女に、一体なにがあったのであろうか…。

 

 

【case1,春蘭の場合】

 

春蘭「~~♪」

 

春蘭はご機嫌だった。今にもスキップをしそうな程に。

 

ご機嫌の理由は、華琳に今晩(かなり久しぶりに)閨に誘われたから。

 

そして、その嬉しさ

 

今の彼女は、大抵の事では動じないだろう。

 

そう、お馬鹿な発言をして秋蘭達に呆れられようが、一刀に一本取られようと。

 

そして

 

─────桂花に何を言われようも…。

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると、中庭付近の廊下の先に見知った顔を見つける。

 

ネコミミ頭巾をつけた碧眼の瞳の女性。王佐の才と称される軍師、桂花がいた。

 

本来、桂花とは犬猿の仲。どうも反りが合わない。───他にも華琳のことなどがあるが……。

 

だが、今の春蘭は意気揚々と桂花に近づき、話しかけようとする。

 

浮かれていたのかもしれない、自慢したかったのかも知れない、華琳に誘われた事を。

 

だが、彼女は知らなかった。

 

──────この桂花は進化(流琉と魂をチェンジ)した桂花だということを…。

 

 

 

春蘭「おーい、桂f…」

 

桂花「あ、春蘭『さま』!」

 

春蘭「ひっ!」

 

 

ぞわ!

 

 

寒気────。

 

春蘭の全身に鳥肌が立つ。

 

『さま』をつけたのだ。春蘭に。

 

怖い。化け物でも見たような気分なのだろう。少し混乱した。

 

だが、春蘭は一刀よりも幾分冷静だった。

 

『間違えたのだろう』と。つい、つけてしまったのだろうと、思った。

 

春蘭「お、おい。わたしは春蘭だぞ?華琳さまではないのだぞ?」

 

だから、訂正させようとした。

 

桂花「?分かってますよ。春蘭さま」

 

春蘭「ひぃ!」

 

だが、今の桂花に意味はない。

 

 

 

────これはなんだ!?これは誰だ!?天変地異の前触れか!?

 

 

 

思うことは一刀と同じこと。───少し激しいのと最後は無かったが……。

 

春蘭がそう思うのも、当然。

 

桂花にとって、春蘭は敵だ。加えて、それと一刀。──ついでに軍師、郭嘉──稟。

 

桂花は春蘭と仲が悪い。これが周知の事実。

 

この光景は周りが見れば、寸劇に見えるだろう。

 

だが、春蘭としては、───化け物を見ている気分だった。

 

春蘭「な、なぜ、様をつけるのだ?つ、つつつけなくとも良いのだぞ?」

 

さっきは間違ったのだろうから、訂正させようとした。だが、今回は訂正してもらいたっかった。

 

でなければ、おかしくなりそうだった。

 

桂花「?なぜですか?春蘭さまは春蘭さまでしょう。敬意を払うのは当然だと思います」

 

春蘭「と、当然なのか!?」

 

桂花「はい」

 

春蘭「そ、そうか…」

 

いつもの春蘭なら『そうだろう!そうだろう!』と、自慢げに胸を張ったかもしれない。

 

けど、それ以上に目の前の桂花が怖かった。異質だった。

 

 

 

一刀はこの桂花に対して、歓喜した。

 

だが、春蘭にとっては恐怖でしかなかった。

 

鳥肌が治まらない。寒気が止まらない。

 

桂花「そう言えば春蘭さま?」

 

春蘭「な、なンだ!?」

 

声が裏返っている。

 

桂花「先程は、なんだか、嬉しそうでしたけど、何かあったのですか?」

 

───先程は。……正しい。今は正反対の感情だから。

 

春蘭「う、うん!?そ、それはだな…」

 

春蘭はどもる。──言っていいものかと。

 

桂花と言葉を交わす前は話すつもりだった。そう、自慢げに。

 

だが、今の桂花に話しても良いことだろうか?と、悩む。

 

この桂花、何が起こっているのか、そして、何が起こるのかが、予想出来ない。

 

桂花「?」

 

春蘭「くっ」

 

春蘭は悩む、悩む。猪突猛進型の彼女にしては珍しい程に。

 

そして、彼女は悩んだ末に──────自慢をとった。

 

春蘭「じ、実はだな…」

 

桂花「はい」

 

 

春蘭「…その、だな。華琳さまに、ひ、久方ぶりに閨に誘われたのだ…」

 

どもりながらも答える春蘭。

 

ビビっている。それは、この桂花に罵倒されたらどうなるか分からないからだ。

 

だが────

 

桂花「そうなんですか。良かったですね、春蘭さま!」

 

返ってきたのは賛辞だった。

 

春蘭「よ、良いのか!?わたしが華琳さまと閨を共にしても?」

 

予想とは真逆の答えに驚く。

 

桂花「良いのか?と、聞かれても…。まぁ、女性同士で不毛だとは思いますけど…」

 

 

お前が言うな

 

 

と、魏の誰もが突っ込みたくなる台詞を放つ桂花。

 

桂花「けど、春蘭さまは華琳さまのことを愛しておられるのでしょう?ならば、良いではないでしょうか?」

 

春蘭「し、しかしだな…。お前はいいのか?華琳さまのことを…」

 

桂花も愛している筈だと、思う春蘭。

 

桂花「い、いえ!私はそういうのはいいです!…わ、私には兄様がいますし…」

 

語尾の小さくなる桂花。

 

春蘭「な、なんと!それに、に、兄様とは、か…北郷のことか!?」

 

なぜ兄様と呼ぶのか、しかも、一刀のことは嫌いだったはずだと認識している。

 

桂花「…そ、そうです…」

 

小声だがしっかりと春蘭には聞こえた。

 

春蘭「…う~~~~~む」

 

桂花の答えに対して春蘭は複雑だった。

 

確かに華琳のことでライバルは減った。

 

だが、一刀のことではライバルが増えた。それは当然、春蘭も一刀を愛しているから。

 

だが、今の桂花はそんなことは知らない。

 

桂花「何をうなっておられるのですか?」

 

下からのぞき込む桂花。

 

春蘭「うっ!(そんな純粋な目でわたしをみるなぁ!)」

 

桂花が正常になった今、春蘭は汚れている感覚になったのかもしれない。

 

────実際は、異常になっているのだが………。

 

桂花「あ、そうだ。私お仕事があったんだった!」

 

ふと、気付く桂花。

 

春蘭「そ、そうか!ならば、早く行くといい!さぁ!」

 

春蘭は救われた気分だった。

 

だからこその厄介払い。

 

桂花「きゃ!は、はい。わかりました!」

 

春蘭に背中を押されながら離れる桂花。

 

桂花「あ、春蘭さまもお仕事が頑張ってくださいね!」

 

春蘭「お、おウ!?」

 

またも声が裏返る。

 

桂花「はい!それでは、失礼します!」

 

お辞儀をしながら、最大級の天使のような笑顔を浮かべ去っていく桂花。

 

春蘭「(そ、そんな目でわたしを見ないでくれ!!)」

 

春蘭にとって、その天使は眩し過ぎたようだが…。

 

春蘭「あいつは一体何なのだ!」

 

少し怒気をはらんだ声で言う。

 

狐に化かされた、とでも思っていた春蘭。

 

けど、背中を押したときお感触は桂花だった。

 

本物だと理解してしまった。

 

だとすると、今の桂花は正常すぎる。

 

女性を、華琳を愛する女性ではなくなった。

 

限りなくまともになっている桂花。

 

それは、春蘭にとっては毒だった。

 

今の桂花はまともじゃないのに、自分がまともじゃないように錯覚している。

 

─────まぁ、どちらもまともではないのだが…。

 

春蘭「う……」

 

う?

 

春蘭「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!今のは一体なんなのだ!」

 

叫び壊れる。

 

2人目の犠牲者がここに生まれた。

 

そして、一刀が来るまでの間も『自分はまともだ』と言い聞かせていた。

 

 

 

そして、冒頭─────

 

一刀「春蘭!おい、春蘭ってば!」

 

必死に肩を揺さぶるが全く答えない。

 

一刀「そうとう参ってるな…。こりゃ、流琉の姿の桂花に会ったか?」

 

残念、逆だ。

 

 

 

 

ドゴーーーーーーーーン!!!!

 

 

 

 

一刀「な、なんだ!?」

 

遠くで聞こえる爆発音。

 

一刀「またなにかあったのか!?くそ、早く止めないと!」

 

走り出す一刀。

 

一刀「…春蘭をこのままにして置くのも、ちょっと気が引けるけど…。仕方ない!…そこで待ってろよ、春蘭!あとで説明するから!」

 

そう言って、春蘭から離れていく一刀。

 

 

 

だが、彼はまだ知る由もなかった。

 

 

 

 

この判断が間違っていたことを─────。

 

 

 

 

 

 

つづく

~あとがき~

 

どうも、間に合わなかったつよしです。

 

一刀「……なぁ」

 

なにさ。

 

一刀「つまんないぞ?」

 

ぐっ!

 

一刀「また短いし、なんていうか最近『マンネリ』だよな」

 

ちょ、ちょっと待て、言いすぎだ!しかもマンネリは男としては言われたくない台詞、TOP10に入るんだが…!

 

一刀「…マンネリに対して、過去になにか、あったのか?…でもマンネリも事実だし」

 

くっ、分かっているさ!分かっているとも!だが、どうしようもなかろう!ネタが思い浮かばんのだからなぁ!

 

一刀「…………やめるべきじゃないのか?」

 

なんだと!?

 

一刀「お前はよくやったさ、な?次で終わらせてみたらどうだ?」

 

…………。そうかな。そうかもな。ここまでかもな。

 

一刀「この外史は俺が望みたくないんじゃなくて、読者の、じゃないのか?」

 

うまいこといったつもりかよ。……でも、そう…かもな。じゃあ、次で終わるかもな。(強制的に)

 

一刀「決めたか。……まぁ頑張れ」

 

ああ。

 

と、言う訳で、いいわけ臭いですが、これはもう終わらせるべきなんじゃないかな、と思いまして、たぶん次で終わりです。理由は「つまらないから」これだけです!

 

では次をしばらくお待ちください!

 

 

 

でわでわ~~

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
57
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択