扉が開く。
「いらっしゃいませ」
黒いタキシードを着て、サングラスをかけた青年が出迎えた。
「ここは、夢図書館という図書館です」
夢図書館。それは?
「ここで、見られる本・・・物語は、『あったかもしれない』架空の物語本です」
青年は人差し指を立てる。
「例えば、『北郷が死んだ後の物語』とか『椎名京の反乱』とかです」
なるほど、つまりはただの二次小説の物語か。
「ええ。そうでね」
青年は笑う。しかし、何か含みがある言い分だ。
「少し考えて見てください」
なんだろうか?
「所詮は、恋姫もマジこいも作り話。現実ではないし、あっては困る話ですね」
まぁ・・。確かに。
あんなドラ〇ン〇ールに似た世界が現実があったら世界は変わっているだろうね。
「ええ。だからこれからお読みになる物語は所詮は『作り話』であり、『あったかもしれない』架空の物語本ですよ・・・」
青年は一冊の本を私に渡した。
「今回は初めてご来店ですし、ぜひこの本を読んでみてください」
タイトルは。
『恋毒』
いかにもという本である。
しかし、せっかく来たのだか読んでみよることにした。
私は恋をした。
しかし、その恋は毒であった。
毒の原因は恋した相手が、彼女持ちだったからだ。
しかも相手は、絶対に勝てない相手。どうあがていても絶望だろう。
一番良いのは、相手が自分に振り向いてくれること。そして、相手も彼を諦めること。
でも、そんな現実はありえない。
私は悩んだ。
そして、諦めることを決意する。
その日以来から、彼女は彼から避けるようようになった。表向きは、二人の邪魔をしないこと。
「失礼します。どうぞ、ごゆっくり・・・」
そう言って、何度避けただろうか?
時間が忘れてくれるというが、なかなか消えない。
「・・・・・うう、うう!!」
体が疼く、求める、束縛したい。
我慢の時間が続く。
なのに、そんな私を壊すかのように彼は近づいてこう言うの。
「大丈夫か? 何か悩みがあるなら相談にのるよ」
「・・・いえ、なんでもありません」
言えるはずがない。
「でも・・・」
「かまわないで下さい!」
だからこそ、嫌われよう。永遠に・・・。
「ダメだ!」
彼は私を抱き寄せる。
「・・・ダメ」
私は、その日を境として彼を束縛した。いけないことだとわかっているのに・・・。
でも、そのおかげで力が蘇って戦えるようになった。
私は彼に喜んでもらおうと関羽の首を獲った。
誰もが、喜んでいた。
そう、彼も・・・。
「死ね、亞莎!!」
それが、私が聞いた彼からの最後の言葉だった。
は?
なんだこの物語は?
だだの残虐物語ではないか。これのどこが素晴らしいだ?
自分は本の裏を見る。
すると、納得はした。
「まぁ・・・現実でもあり求めてはいけない『物語』だな・・・」
しかし、所詮は作り話だ。・・・気にすることはなだろう。
たぶん。
この物語は・・・。
呂蒙が孫権と北郷が恋仲なのに、好きになって最後は北郷の優しさに包まれて幸せになりますが、戦争時に北郷から『関羽は殺すな』という警告を無視しために殺される物語です。
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もしも・・・の物語。