‥‥‥「皆さん、御待たせしました。」
漸く来たかと、街の入口を見ると、
「ん、どうしました」
最初に口を開いたのは桂花だった、
「あ、あ、アンタ!か、髪が!」
桂花の言葉に和弘は自分の頭を触りながら答えた、
「髪は切りました。」
「な、なんで切るのよ!」
「いや~、これからは邪魔になると思って、」
そう、今の和弘の髪型は、以前のような肩まである銀髪ではなく、
バッサリ切られ後ろに流すツンツンヘーアーだった、
(想像は某アニメの十番隊隊長の髪型です、)
「邪魔だからって、切る事ないじゃない!例えば‥‥そう!後ろで綺麗に纏めれば良かったのに!」
桂花の言葉に李厳や呂岱達、更には兵達まで頷いていた、
それを見て少し早まったかとも思ったが、しかし和弘はある決意と供に切ったのだ、
「なら、桂花はあの時の髪型じゃないと俺ではないの?」
「いや、そう言う訳じゃ、」
「なら大丈夫だね、それに髪はまた時が立てば伸びるし、」
桂花達もそれ以上は何も言えなかった、
そして桂花はこの話はここまでと1つ咳払いをし、
「で、ヒロ、何をしてたの」
和弘は桂花の言葉を聞いて、
「これを準備してたんだ。」
そう言うと和弘は、荀コンの指示により鍛冶屋に行き貰ってきた旗棒を見せ、
懐から取り出した紺色ベースの旗、中央に金糸で縫われた龍が絡み合う十の文字、
それを旗棒に括り付け、思いっきり広げ風に靡かせた、
「‥‥これは」
やはり言葉にしたのは桂花だった、
しかし今回は兵達の見える所に行き、
「此れより我等はこの街を立つ!しかし我等には我等を表す旗がない!
そして私は思い付いた、十全を表す、我が島津の旗を!」
その言葉に兵達はざわめき出した、しかしそれを陳到が一喝し、和弘に話の続きを促した、
「皆にはこの牙門旗をよく目に焼き付けて欲しい!
皆はこの五ヶ月死にもの狂いで厳しい訓練に耐えた!
そして李厳、呂岱、廖化は皆を死なせない為に訓練をしてきた!」
「そして陳到は私の代わりに皆に苦言を言ってきた、
しかし!それは規律を守って貰いたい為に!
我等は賊兵や、金に釣られてきた無知な1000の兵でも、
権力により無理矢理連れてこられた、何も知らない10000の兵でもない!
今此処にいるのは心から付き従う500の兵!
そして!荀イク!」
和弘は桂花を自分の横に呼び、
「この荀イクは此処にいる500の兵でこれから出会う数多の賊達を倒す為に、
皆の頭脳となる為に策の勉学に励み訓練をして来た、そして稀代の軍師だ!
そして私は皆をこの漢で何処にも負けない最強の兵として導く!
そして私は皆に後に付いて来いとはいわない!」
和弘の言葉に兵達は少しざわめき出したが直ぐに治まり話を聞き出した、
「私は皆に言う!
私の、いや、私達の、李厳、廖化、呂岱、陳到、そして荀イクと私の横に立って欲しい!
そして皆でこの十字の旗に最強の二文字を刻み込もう!」
その言葉と供に兵達から歓声が上がった
しかし和弘は話続けた、
「この旗の元、我等は後退はない!」「「「「最強!最強!」」」」
「この旗の元、我等は最強であれ!」「「「「最強!最強!」」」」
そんな歓声が暫く続いたが、和弘が手を挙げると兵達の歓声は静まり、
「さぁ、皆」一度兵達を見渡すと、「出立準備をしろ、戦の刻だ!」
「「「「応!!」」」」
言葉を終えると、黙ったまま桂花達を引き連れ荀コンの元に行った、
和弘達が荀コンの元に着くと、
「今回の演説は少し曖昧な部分が見えたけど、死なせたくない、と言うのがよく見えたわ、」
「ありがとうございます。」
和弘の言葉を受けると荀コンは、
「廖化・元倹」
「は、はい!」
「貴女は少し焦ると頭の思考が鈍くなるわ「はい」そんな時は貴女の直感を信じなさい、」
「はい!」
「李厳・伯道」
「はい」
「貴女は少し他者が自分より優れていると内向的になる時があるわ、「‥はい」
そんな時は今まで積んで来た事を思い出しなさい、」
「はい!」
「呂岱.定公」
「ハッ!」
「貴女は姉としてこの子達の背を押してあげて下さい」
「ハッ!」
「陳到.叔士」
「ハッ!」
「貴方は年長者としてこの子達が過ちを犯そうとしたら止めてあげて下さい」
「御意」
「島津.和弘」
「はい」
「貴方の進む道は辛く厳しい道でしょう、しかし私はそれが成される事を祈っています」
「はい!」
「荀イク.文若」
「ハッ!」
「貴女は皆の言をよく聞きなさい、そうすれば片寄った考えにならず柔軟な考えができるはずです。」
「はい!」
「そして最後に‥‥‥また、みんなの顔を私に見せて下さい」
「「「「「はい!御意)ハッ!)」」」」」
荀コンは一人一人に言葉を交した、
そして皆に生きて戻って来いと、
そして皆の返事を聞いて顔を見渡し、
「さぁ行きなさい、兵達は準備が出来たみたいよ、」
その言葉に一人また一人と向かい、最後に残った二人、和弘と桂花、
「まずカズ君、これを、」
と、渡されたのは和弘の野太刀、
「ありがとうございます、それと私からこれを、」
と、荀コンに渡したのは屋敷に住み始めてから書き始めた、
「これは?」
「はい、私のいた世界の、農業、商業、治水、技術を、分かる範囲でこの世界に合わせて書いた物です、」
「「なっ!」」
「いずれこの記憶は薄れ、思い出せなくなるでしょう、だからその前にっと思い書き出したまでです。」
「しかし、これは貴方の、」
しかし、和弘は荀コンの言葉を遮り、自分の考えを喋りだした、
価値のある知識は一ヶ所に留めたくない、皆で共有する物だと。
そして和弘は本題に入った、
「荀コンさんには御手数ですがこれの写しをして、ある人に贈って欲しいんです。」
「‥‥‥それは誰かしら?」
そう言うと和弘は荀コンの耳に寄り、
「・・・と、言う人です。」
「わかりました、あの方なら大丈夫でしょう、」
荀コンの言葉に和弘は内心安堵し、礼をし一歩下がった、
「次に桂花」
「はい、」
「私は、母として無事を願っています」
「はい、」
そして荀コンは二人に近づき‥‥抱き締め、
「二人とも健康には気お付けるのよ」
「「はい!」」
二人の返事を聞いて荀コンは二人を離し、
「さぁ、行きなさい、皆が待っているわ」
「「母様(荀コンさん)も御元気で!」」
「はい、行ってらっしゃい」
と、笑顔で見送り、見送られた、
そして和弘と桂花が兵達の元に行くと、
「殿、準備は整いました‥‥号令を、」
和弘は陳到の言葉を聞くと、李厳達は頷き、桂花も頷き、陳到も頷き、
そして荀コンから贈られた馬、
黒炎に跨がり、
自分の刀、村正を抜き天に突き付け、
「皆!出立だ!!」
「「「「「「応!!」」」」」
この日、和弘達義勇軍は頴川の街を発った‥‥‥‥
・
・
・
「うむ、漸く発ったか、」
「‥‥ええ、漸く発ったわねぇん♪」
「これでこの外史が救われると良いのですが、」
「ああ、幾ら管理者とは言え、もう外史が壊れるのは観たくないからな、」
「‥‥‥‥ええ、そうね‥‥」
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こんばんは!
只今21:30現在、積雪量45㎝をこえました。
今回はかなり大雑把で読みにくくなっています。
それでは幼稚で駄文劇場の始まりですよ!