一刀「あーはっはっはっはっはっはっはっはっは……はは…はは…は……は………………は、腹いてえ……」
笑いすぎて、腹が痛くなりうずくまっている一刀。────何をやっている…。
更に一刀の部屋は、笑いながら暴れていたためか、部屋の中の机や鏡、寝台、様々な物がひっくり返り、壊れていた。
ちなみに四半刻の間壊れていた。
────これは余談ではあるが、一刀が壊れている時、ある女性が部屋の前に来ていた。その女性は、あの時いい雰囲気になった侍女である。
この侍女は『今日こそは』と意気込んできたのが、部屋の前で一刀の壊れた笑いを聞いてしまったのだ。
────この笑い声を聞いてしまった侍女は一刀が恐ろしくなってしまい、一気に冷めて部屋の前から立ち去ってしまった。
…………魏の重鎮以外には大したフラグクラッシャーぶりの一刀であった。
閑話休題。
一刀「あー、しかし…流琉が本当はあんな風に考えていたなんてなぁ…」
正常になった一刀は改めてショックを受ける。
流琉が来る前に、桂花の件で天国にいる様な気分だったせか、受けるショックは計り知れない。
一刀「これじゃ、桂花が2人になったような感じだな」
流琉だけならそうだろう。
一刀「いや、でも桂花は前の流琉みたいに『兄様』って呼んでくれる様になったし、桂花が2人って訳じゃないか?」
少し救われる一刀。
一刀「あーあ。せっかく桂花が流琉みたいになってくれたのに、流琉が桂花みたいになったら、±ゼロだな」
ここでなにか気づくべきではないだろうか。
一刀「幸福ってのは、そう簡単に訪れないのかなぁ…」
気付かない……。
一刀「これじゃあまるで、桂花と流琉の魂が入れ替わったみたいじゃないか。…………んなわけないやん!あはははは」
右手でツッコミの動作を取る一刀。
一刀「あははははは……は………はは…………………は?」
ふと、何かに気づき、疑問に思う。
一刀「…………………………いやいやいやいや、そんなことあるわけないだろう……」
だが、すぐさまその考えを否定する。
一刀「い、いやだって、そんな事あるわけないじゃん。いやいや、まさか」
頭の中の考えを必至に否定している。
一刀「え……だって、そんな、漫画やゲームみたいな事が、ある……わ……け……」
そう、普通ならあるわけがない。
だが、この世界はどうだろう。
まさしく漫画やゲームみたいな事だ。
もちろん、一刀の目の前で起こっている事は現実だろう。
胡蝶の夢と華琳は言った。だが、夢は夢でも、普通の夢とは違い、見れる、触れる、感じることができる。
この世界は現実そのものだ。
だが、現実ではあっても、この世界はまるで漫画やゲームの様なありえない世界だ。
どこに『ありえない』と言い切れる根拠があるだろうか。
一刀「………………………。」
冷静になり考え直す。
──────さて、聡明な方ならば、もうお気づきだろう。
流琉と桂花の態度がいつもと違う原因、いや理由を……。
まず、桂花が一刀の部屋に来る前に彼女は流琉とぶつかっている。
そして、なんとぶつかった衝撃で双方の魂が『入れ替わって』しまったのだ!
信じられない。────そうだろう。
ありえない。─────そうだろう。
だが、この世界で『絶対』と言い切れるだろうか。
────否、言い切れない。
それは、先程も言った通り、元々がありえない世界であるのだから。
万が一あり得る可能性は、今この時、あるかもしれないのだ。
一刀「………いや、うん。だとしたら、辻褄が合う。流琉の魂が桂花の体に、そして、桂花の魂が流琉の体に……。けど、なんであの二人は気付かないんだ?」
それは、一刀の部屋までの道に鏡が無かった為か、それと、2人とも背が小柄なためか、
さらにいうならば────
────ご都合主義展開な為か。
一刀「……考えたって仕方ないな。それよりも早く、あの2人を見つけないと大変なことになるかもしれない」
そう、大変なことになるかもしれない。
もし、今の2人に会えば、どんな混乱が起きるかわからない。
2人は魏の重鎮。もしかしたら、城中に混乱が広がるかもしれない。
それは、止めなければならない。
一刀「よし、そうと決まれば行かなきゃな。俺みたいにショック受ける人が出る前に…」
そう言って、一刀は立ち上がり、取っ手に手をかけ──
???「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!今のは一体なんなのだ!」
突然の叫び声が彼の耳に入る。
一刀「ちっ!遅かったか!……けど、声が近い。これならまだ!」
勢いよく扉を開き走り出す。
───────だが、もう遅い
───────この外史の不幸の連鎖は
──────始まっている。
続く
~あとがき~
聡明(?)な読者の皆様、おはようございます。作者のつよしです。
ふっふっふ、続きますよ。
ちなみに方針として、奇数番号は短めという感じにしました。
次は今日、明日中。遅くとも明後日には投稿します。
それと、次で終わりかもしれません。…たぶんですが。
あと、なぜ侍女の話を書く?と、思った方もいるでしょう。
伏線(?)なのですよ。
繰り返しながらも新たなる外史[旅]!?のね。
…言ってませんでしたが、望みたくない外史とはつながっているのです。
まぁ、これは結構先の話なのですが…。
と、いうわけで。皆様、もうしばらく、もうしばらく!お待ちください!
支援してくださる、コメントしてくださる、いや、読んでくださる皆様のために頑張ります!
でわでわ~
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はい、二日連続の投稿をしてしまいました。
しかも短めです。…すいません。
今回は脳内補完必要ありません。
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