No.657083

~少年が望んだ世界と力~

第四十一話 月は出ているか?

2014-01-24 00:17:24 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:3275   閲覧ユーザー数:2843

健悟Side

 

「えぇぇいっ!」

 

ビームライフル、シヴァ、アサルトシュラウドの左肩部装甲内に搭載されている「220mm径5連装ミサイルポッド」をキャプテンに一斉に放つ。

 

「ふっ!」

 

キャプテンはビームとレールガンを右に避け、追って来るミサイルは後ろに後退しつつ頭部のバルカン砲を撃ち、ミサイルを全て撃ち落す。

ミサイルを撃ち落すとキャプテンは俺とヴァーチェにライトライフルでビームを撃つ。

 

「くッ!」

 

「GNフィールド、展開」

 

俺は対ビームシールドで、ヴァーチェはGNキャノンの装甲の一部、両脚部の一部の装甲を開きGN粒子を放出し自身の周囲に圧縮したGN粒子を展開して形成するバリア「GNフィールド」を展開してキャプテンのライトライフルのビームを防ぐ。

 

「ビーム防いだ!バリアか!」

 

ライトライフルのビームをGNフィールドで防がれたキャプテンは引き続き攻撃しようとライトライフルのトリガーを引く。

しかし、ライトライフルの銃口からビームは放たれない。

 

「!?エネルギー切れ!」

 

「キャプテン!」

 

「もらった!」

 

キャプテンのライトライフルがエネルギー切れを起こし、ガンイーグルがキャプテンに気を取られているとデルタプラスはWRからMSに変形し、シールドにマウントしてあった「ビームサーベル」のラックを宙に放り投げ、左手を伸ばし空中でキャッチしてビーム刃を展開、スラスターを吹かせてガンイーグルに一気に接近する。

 

「うわっ!」

 

接近したデルタプラスはビームサーベルを振るい、ガンイーグルのエアリアル・ビームライフルを斬って破壊し、重力に引かれ始めたのでWRで変形してガンイーグルから離れる。

ガンイーグルが斬られたエアリアル・ビームライフルを手放すとエアリアル・ビームライフルが爆発、その爆風でガンイーグルの身体が揺れる。

 

「それで言い訳つくだろ。帰っちまえ!」

 

「くっ!まだだ!」

 

エアリアル・ビームライフルを破壊されたガンイーグルは武器を破壊されても引くことなく、バックパックにある「ビームサーベル」を抜き、デルタプラスに向かって行く。

 

「ぐあああっ!」

 

エアマスターのバスターライフルを受け、ガンチョッパー6号機がビルの屋上に墜落する。

 

「ようやく2機目か。こいつらすばしっこいぜ!「ピーピーピー」っ!何!?」

 

警報がなり後ろを見るとガンチョッパー3号機がエアマスターにビームガトリングガンの銃口向け、ビームを放とうとしていた。

 

「3号機、退避しろ!」

 

「何!?うわああああ!!」

 

1号機が3号機に警告をしたが遅く、下から飛んできたミサイルが数発直撃し、墜落していく。

 

「レオパルド!」

 

3号機が墜落するとエアマスターは下からミサイルを放った機体、右肩アーマーの多連装ミサイルポッド「ショルダーミサイル」を開いているレオパルドの方を見る。

 

「油断しすぎだぜエアマスター?これで貸し1つ、んでもって俺の撃墜数はこれで3だな」

 

「助けてくれたことは礼を言うが撃墜数はまだまだこれからだぜ!」

 

「強がるねぇ」

 

「うるせぇ!」

 

礼を言って軽く言葉を交わしたエアマスターは残っているガンチョッパー2機にバスターライフルを撃ち、エアマスターを軽くからかったレオパルドもインナーアームガトリング、ブレストガトリングでガンチョッパー2機に対し対空攻撃を再開する。

 

「おらおらおぁああ!」

 

キャプテンに集中しているとザッパーザクが俺とヴァーチェにFZマシンガンを撃ってくるが俺とヴァーチェは上に跳び、弾を回避する。

 

「くらええ!」

 

FZマシンガンの弾を回避するとヴィータがシュワルベフリーゲンを4つ出現させ、俺とヴァーチェに2つずつ放つ。

 

「GNフィールド!」

 

向って来たシュワルベフリーゲンをヴァーチェはGNフィールドを使って防御した。

 

「このっ!」

 

攻撃してくるシュワルベフリーゲンをビームライフル、イーゲルシュテルンで迎撃するがバスターの時に比べたら弾幕は薄く、それらをかわし接近したシュワルベフリーゲンがビームライフルを撃ち抜き破壊する。

 

「ちぃっ!」

 

ビームライフルを撃ち抜かれ、舌打ちをしてビームライフルを宙に投げ捨て、爆発を受けないよう対ビームシールドを前に出して爆発したビームライフルから身を守ったが右横から飛んできたシュワルベフリーゲンに対ビームシールドを弾き飛ばされた。

 

「ぐっ!」

 

対ビームシールドを失うと再び2つのシュワルベフリーゲンが襲い掛かってくる。

 

『MOBILE RIDE!』

 

「変身!」

 

『GUNDAM F91!』

 

シュワルベフリーゲンが飛んでくると俺はカードを取り出して右太腿部のホルスターに入っているドライバーに入れ、トリガーを引き、空中でデュエルガンダムアサルトシュラウドから「F91 ガンダムF91」に変身する。

 

「また変わりやがった!!」

 

「あの姿、また見たことがないガンダムだ」

 

「なんだよあのガンダムは!」

 

また新たなガンダムに姿を変えた俺を見てヴィータ、キャプテン、ザッパーザクが驚きの声を漏らす中、俺は左腰から格納されている「ビームサーベル」を取る。

 

「なんとぉぉぉおおおおっ!」

 

左手にビームサーベルを持ち、ビーム刃を展開、左手首を回転させ、向って来た2つのシュワルベフリーゲンを回転斬りで破壊する。

 

「何!?」

 

「ビームサーベルを持った手首を回転させ、ヴィータの攻撃を防いだか」

 

俺のやり方にヴィータは驚いて目を見開き、キャプテンは冷静に答える。

正直、手首を回転させられるかどうか疑問だったが前にZガンダムに変身した時、WRに変形出来たので試してみると成功した。

どうやらMS等に変身した場合、俺の身体も色々変化するようだ。

 

『WEAPON RIDE!BEAM RIFLE!』

 

「喰らえぇ!」

 

F91用の「ビームライフル」を装備し、背面側にフレームのアームを介して左右に1門ずつ装備されている内の左側の可変速ビームライフルの頭文字を取って付けられたビーム兵器「ヴェスパー」を前面に展開、ビームライフルの銃口をヴィータに、ヴェスパーの砲口をキャプテンに向けビームを発射する。

 

なのはSide

あの赤い服の子の攻撃を受けて野田君が助けてくれた後、皆が戦っているところからかなり離れたビルの屋上でユーノ君の魔法で治療をしてもらって、野田君が私とユーノ君の護衛をするためにさっき私を助けてくれて、その時よりも身体が小さくなったデッカードさんに見守られながら私は空で何度も起こっている爆発の光を見ている。

 

「大丈夫かな?」

 

「心配ないよなのは」

 

「ああ。君達の仲間の所にもボスが増援を送っている。やられることはそうそうないさ」

 

「あ、いえ、その。フェイトちゃんや野田君達も勿論心配なんですけど」

 

ドゴォオオオオオン

 

ガラガラガラガラ

 

私が本当に心配していることを言おうとした時、また大きな爆発が起きて、またビルが崩れていく。

 

「どちらかと言うと街の方が心配で」

 

「あー、えっと、だ、大丈夫だよなのは。・・・ですよね?」

 

「え?あ、ああ。そ、そう・・・だな」

 

ユーノ君とデッカードさんが私に心配させないように大丈夫って言ってくれてるけど2人とも言葉に自信がなさそう。

しかもデッカードさんは別の方向を見ながら答えてる。

 

「あのデッカードさん。フェイトちゃん達がどうなってるのかって分かりますか?」

 

「いや、申し訳ないが私も今戦況がどうなっているかは完全に把握することは出来ない。だが友軍が誰一人倒されたという報告が入っていない限り、無事だと考えていい」

 

「よかった」

 

デッカードさんにフェイトちゃん達がまだ無事だと教えてもらって私はホッとした。

 

「なのは、身体の具合はどう?」

 

「うん、ユーノ君の魔法のお蔭で大分楽になってきたよ。ありがとうユーノ君」

 

「ううん。僕にはこれぐらいのことしか出来ないから」

 

私の体調を心配してくれたユーノ君に私は笑顔で返事を返した。

ユーノ君はこれぐらいのことって言ってるけどユーノ君が居てくれるから私は頑張れるんだけどな。

 

「ユーノ君、アルフさんの具合はどう?」

 

「外傷はそれ程酷くないけどリンカーコアが酷く弱ってる。眠ってるのはそのせいだと思う。でも本当に何者なんだろう」

 

さっき風龍さんと雷龍さんに運ばれてきたアルフさんの様子が気になってユーノ君に訊いてみた。

私に分かりやすく教えてくれると顔をアルフさんからフェイトちゃん達が戦ってる方向を向けた。

 

「うん。私も急に襲われて詳しいことは何も---っ!!」

 

あの赤い服の子に襲われた理由が分からないことを話している時、私の胸にいきなり痛みが走った。

 

「ん?どうしたのなのは---!!」

 

「どうした?---何!?」

 

私が急に声を出さなくなってユーノ君が私の方を見ると凄く驚いた表情になって、それに気付いたデッカードさんも私の方を見るとユーノ君と同じように驚いている。

何故なら、私の胸から人の腕が出てきたから。

 

「あ・・・あああ・・・!」

 

そのあまりの光景に私自身も声が出なかった。

すると段々と胸が苦しくなって魔力が無くなっていく。

意識が朦朧としてきて足に力が入らなくなった。

 

「な・・・は!し・・・りして・・・!なの・・・!!」

 

「・・・のは!だい・・・か・・・!な・・・!」

 

身体が倒れて、誰かに抱かかえられた感覚がした後、ユーノ君とデッカードさんの声が段々遠くなっていって私は意識を失った。

 

健悟Side

 

「堕ちろぉ!!」

 

「照準が徐々にズレてるぞザッパーザク!」

 

「おうわ!」

 

ザッパーザクが俺に向けてFZマシンガンを連射するが弾を全て回避し、ビームライフルでザッパーザクの右手のFZマシンガンを撃ち抜き破壊した。

ヴァーチェが上空からキャプテンに向かってGNバズーカを撃つ。

 

「はあっ!」

 

スラスターを使って上昇したキャプテンはビームサーベルを抜き、ヴァーチェに斬りかかる。

しかし、ヴァーチェは膝装甲内に格納されていた「GNビームサーベル」を左手で取り出し、ビーム刃を展開してキャプテンのビームサーベルを受け止める。

 

「くっ!」

 

「その程度では僕は倒せない!」

 

鍔迫り合ったキャプテンとヴァーチェは互いに後ろに下がって離れ、キャプテンは落下して屋上に着地する。

 

「おわわわっ!でえい!」

 

俺が放つビームを避け、まだ残っている左手のFZマシンガン、右手に背中にマウントしたあった「ガトリングガン」を持って反撃してくる。

 

「マスター」

 

「なんだアポロン?」

 

ザッパーザクの攻撃を避けながら、ビームライフルとヴェスパーをザッパーザクに撃って、声を掛けてきたアポロンに返事をする。

 

「そろそろなのは様がスターライトブレイカーを撃つはずなのですが、未だに魔力反応がありません」

 

「そういえばそうだな。どうなってる?」

 

アポロンに言われて今思い出したがなのはが結界を破壊するためにそろそろスターライトブレイカーを撃つための準備をするはずなのだが、なのはの魔力による桃色の光どころかアポロンもなのはの魔力反応を感知出来ていない。

何故だ?

 

「マスター、デッカードから緊急通信です」

 

「デッカードから?繋げ」

 

「ラージャ」

 

『ボス!』

 

デッカードからの緊急通信の内容が気になった俺はすぐに回線を繋がせる。

アポロンがデッカードからの緊急通信を繋ぐと通信からデッカードが慌てた声が聴こえてくる。

 

「どうしたデッカード?」

 

『すまないボス。なのはがやられた!』

 

「何!?」

 

攻撃をしながらデッカードの報告を訊いて俺は驚いた。

スターライトブレイカーの魔力反応を全く感知することなく、高町がやられてしまったからだ。

 

『突然なのはの胸から腕が出現した。恐らく敵の魔法攻撃と思う』

 

「高町は?!」

 

『気を失っている。今はユーノが診てくれている』

 

「分かった。高町はユーノに任せろ。お前は引き続き護衛を」

 

『了解した』

 

すぐに高町の容体を確認し、気を失っているだけで現在はユーノが診ていると報告を受けた俺はデッカードに護衛任務を継続するように指示を出して通信を切る。

なんとか冷静に指示を出すことは出来たが正直動揺が隠せない。

まさか高町がスターライトブレイカーを撃てないとは!

ここまで原作と異なっているなんて。

一体どうなってるんだ!?

 

「どうしますかマスター?」

 

原作と異なっていることに混乱しているとアポロンが俺にこの後の行動をどうするか尋ねてくる。

この際悩んでもしょうがない!

 

「俺達が結界を破壊するしかないな」

 

「マスター、今度はボルフォッグから入電です」

 

なのはがスターライトブレイカーを撃てない以上、俺達で結界を破壊するしかないと判断するとアポロンが今度はボルフォッグから入電が来たことを知らせる。

 

「なんて?」

 

「『敵の物と思われる魔力反応を探知。ムラサメ、アイザックも同じ位置で感知したので可能性大。これよりポイントに向う』とのことです」

 

入電内容を尋ねるとどうやら索敵チームがシャマルを発見したようだ。

正直、遅かったがな。

 

「そうか。なら任せると返信を」

 

「ラージャ」

 

シャマルに関しては索敵チームのリーダーであるボルフォッグに任せ、俺の指示をアポロンがボルフォッグに送る。

 

「さて、結界を破壊するなら・・・」

 

俺は一度ビルの屋上にある給水塔の陰に着地し、街を覆っている結界をどうやって破壊するか考える。

強度が高い古代ベルカ式の結界は生半可な攻撃では破壊出来ない。

なのはのスターライトブレイカーのように大出力の攻撃でないと。

それに似た攻撃が出来るとすればあの機体だが、あれだけで足りるだろうか?

他の機体も必要だろうか?

そんなことを色々考えている時、俺は不意に空を見上げる。

空を見た俺は今の状況を思い出す。

結界の中ではなく、結界の外の状況を。

 

「・・・アポロン」

 

「なんでしょう?」

 

あることを思いついた俺はアポロンに声を掛け、アポロンはすぐに返事をする。

 

「月は・・・・・出ているか?」

 

「イエス・マスター」

 

「ならば、こいつらでいくか」

 

アポロンからの返事を訊いた俺はこの結界を破壊する奴らを召喚するためカードケースから2枚のカードを取り出してドライバーに入れる。

 

『MOBILE RIDE! WING GUNDAM ZERO Ver HEERO! GUNDAM X Ver GARROD!』

 

トリガーを引いて現れたのは2機のガンダム。

「新機動戦紀ガンダムW」に登場し、5機のガンダムのプロトタイプとなり、最終的にヒイロ・ユイの搭乗MSとなった「XXXG-00W0 ウイングガンダムゼロ」、そして「機動新世紀ガンダムX」に登場し、エアマスター、レオポルドと同じ第7次宇宙戦争で旧地球連邦軍で開発され、フリーデン所属の自称「炎のMS乗り」であり、機動新世紀ガンダムXの主人公「ガロード・ラン」、及びバルチャー艦フリーデンのキャプテンで旧地球連邦軍の軍人だった「ジャミル・ニート」が15年前に搭乗したMS「GX-9900 ガンダムX」。

今回召喚したガンダムXはガロードが搭乗した1号機でAIは無論ガロードとなっており、ウイングガンダムゼロはヒイロに設定されている。

 

「ウイングガンダムゼロ、ガンダムX、すぐに今から送るポイントに向ってくれ!」

 

「「了解!」」

 

俺が指示を出し、アポロンが2機に座標ポイントのデータを送るとガンダムXは東、ウイングガンダムゼロは戦闘機形態「ネオバード形態」に変型して西に向かって飛翔する。

 

「おい!今なんか飛んで行ったぞ!」

 

「また新しいガンダムか!」

 

「一体どんだけいるんだよ!」

 

「ガオガイガー!ゴルディー!もうひと踏ん張りだ!一気にいくぞ!」

 

「了解!」

 

「おう!待ちくたびれたぜ!」

 

2機を送り出し、新たに現れたウイングガンダムゼロとガンダムxにザッパーザク、キャプテン、ヴィータが驚いている中、そろそろ戦闘を終わらせるためスターガオガイガーとゴルディーマーグに声を掛け、カードケースからカードを取り出す。

勝負に出るとしよう。

 

「ゴルディオンハンマァアアア!発動承認!!」

 

『SYSTEM RIDE! GOLDION HAMMER!』

 

「ラージャ!ゴルディオンハンマー、セーフティーデバイスリリーヴ!!」

 

「システムチェエエエンジ!」

 

取り出したカードをドライバーに入れてSRでゴルディオンハンマーを発動させ、アポロンがゴルディオンハンマーの最終安全装置を解除するとゴルディーマーグがウルテクエンジンで空に飛び上がる。

 

「うおおおおおおおっ!」

 

ゴルディーマーグが飛ぶとスターガオガイガーがゴルディーマーグに接近し、右腕をステルスガオーに戻す。

その間にゴルディーマーグは頭部がハンマーとなって分離し、胴体はマーグハンドへと変形する。

 

「ハンマァァアアアコネクトッ!ゴルディオンッ!ハンッマァァァアアアアッ!!!!」

 

変形したマーグハンドを右肘関節部に接続、マーグハンドで分離したハンマーを握り、GSライド・及びウルテクエンジンによってスターガオガイガーとマーグハンド、ゴルディオンハンマーが黄金に輝く。

 

「ロボット同士が合体しただと!?」

 

「オレンジのロボットが、ハンマーになりやがった・・・。それにあのロボット、光ってる。・・・・・すげぇ・・・」

 

ザッパーザクとヴィータがゴルディオンハンマーを持ったスターガオガイガー見て驚いている。

最後にヴィータが何か言ったようだが俺には聞こえなかった。

 

「うおおおおおおおっ!」

 

ヴィータとザッパーザクが呆然としている中、スターガオガイガーが叫びながらヴィータ達に急接近する。

 

「っ!!でりゃあああああっ!」

 

スターガオガイガーの叫び声を聞いて我に返ったヴィータはグラーフアイゼンを構え、自身もスターガオガイガーに向って行く。

 

「光になれぇええええええっ!!」

 

ゴルディオンハンマーが振り下ろされ、グラーフアイゼンが下から振り上げられる。

スターガオガイガーのゴルディオンハンマー、ヴィータのグラーフアイゼンがぶつかり合う。

ゴルディオンハンマーは当たっているがグラーフアイゼンもヴィータも光にはならない。

しかし、ヴィータの身体からゴルディオンハンマーと同じ黄金色の光の粒子が出ている。

 

「な、なんだよ・・・・・これぇ・・・」

 

ゴルディオンハンマーを受け止め、身体から光の粒子を出しているとヴィータはさっきよりも力が入っていない声を出し、顔は疲れた表情をしている。

 

「ふんっ!」

 

ヴィータの様子が変化するとスターガオガイガーは押し付けていたゴルディオンハンマーを振り払い後退、自らヴィータから離れる。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

スターガオガイガーが離れるとヴィータは屋上のコンクリートに左膝をつき、右手に持ったグラーフアイゼンを屋上のコンクリートにつけて身体を支える。

ヴィータの額からは大量の汗が溢れ、息遣いが荒く、肩で息をしている。

 

「ヴィータ!」

 

「おぉい!大丈夫かよヴィータ?!」

 

「お、おう。ダメージは・・・ねぇけど・・・ハァ・・・な、なんか・・・身体が・・・ハァ・・・ダリィ・・・。それに・・・魔力も・・・ハァ・・・急に減り・・・やがった・・・くっ・・・」

 

ヴィータを心配してキャプテンとザッパーザクが急いで近づき、ヴィータの容体を確認する。

ザッパーザクに尋ねられたヴィータは息を切らし、弱った声で身体に痛みはないが何故か身体がダルイと告げる。

ダメージは無いが謎の急激な体力と魔力低下、ゴルディオンハンマーを受けた後にああなったってことは原因は間違いなくゴルディオンハンマー、それもあの光だろうな。

 

「アポロン、解説を頼めるか?」

 

「ラージャ。非殺傷設定状態である今のゴルディオンハンマーは相手を光に変え、消滅させることは出来ません。しかしその代わりに敵の体力や魔力といったエネルギーを光に変換します」

 

「つまりあのゴルディオンハンマーは敵の体力、魔力を減退させ、さっきの光はその奪われたヴィータの体力と魔力ってことなのか?」

 

「イエス、マスター」

 

相手その物を光に変換するのではなく相手のエネルギーのみを光にするか。

使えば減る消費運動原理を強制的に解放してエネルギーを減らす、まるでの超竜神が使うイレイザーヘッド、もしくはゴールドフレーム天のマガノイクタチに似た効果だな。

 

「ヴァーチェ、目標を破砕する」

 

「え?」

 

空で戦いを見ながらアポロンに非殺傷モード版ゴルディオンハンマーの性能説明を受けているとヴァーチェが何か物騒なことを言っているので視線を向ける。

視線を向けるとヴァータ達がいるビルの屋上の向かい側のビルの屋上に両手でGNバズーカを持ち、胸のGNドライヴと直結した状態で構えていた。

 

「高濃度圧縮粒子充填」

 

「ヴァーチェ!あまりやりすぎるな---」

 

「GNバズーカ、圧縮粒子、開放!」

 

GNドライヴから直接粒子を供給して圧縮したヴァーチェを止めようとしたが既に遅く、GNバズーカから高濃度圧縮されたGNビームが放たれた。

あのバカ!

 

「ヴィータ!」

 

ヴァーチェからGNビームが撃たれるとキャプテンがヴィータとザッパーザクの前に飛び出し、ライトシールドを構えて、左手を回転させる。

ライトシールドを回転させることでビーム撹乱幕させ、ヴァーチェのGNビームを受け止める。

しかし、まだビームの掃射が終わっていないためGNビームが当たり続ける。

 

「くうううううっ!」

 

ライトシールド自体はまだ持つようだがGNビームの掃射にキャプテンの身体が押され始める。

さらにライトシールドを持っている左腕も段々肘が曲がっていく。

 

「がん・・・ばれ・・・」

 

ザッパーザクに抱えられているヴィータが小さく呟く。

 

「負・・・けんな。キャプテェエエエエンッ!!」

 

「!!」

 

弱った体力で力を振り絞りキャプテンに大声で応援するヴィータ、その声援を受け、キャプテンに変化が起こる。

キャプテンの瞳に炎が点き、右拳が回転して光を放つ。

 

「なんだ、あの光は?」

 

「キャプテンガンダムのエネルギー数値が急速上昇。恐らくあれは・・・」

 

「ああ、あれが発動したんだ。・・・『ソウルドライブ』が」

 

キャプテンの拳が光ってヴァーチェが警戒し、アポロンはデータを解析して結果を俺に伝える。

その答えである限られたロボットに装備される特殊動力源「ソウルドライブ」が発動したことを俺は小さく呟く。

 

「うおおおおおおおっ!!」

 

ソウルドライブが発動するとキャプテンは先程以上の力を発揮、左腕の回転が増し、バーニアを勢い良く噴射し、ヴァーチェのGNビームを押し返しながら進んで行く。

 

「バカな!GNバズーカを押し返すだと!」

 

GNバズーカのGNビームを押し返すというあまりのことにヴァーチェも動揺している。

 

「!!」

 

しかも丁度GNバズーカの掃射が終わってしまう。

GNビームが止まるとキャプテンは更に加速してヴァーチェに接近する。

 

「GNフィ---があああっ!」

 

GNフィールドを展開しようとしたが遅く、ヴィータの応援とキャプテンのソウルドライブをシンクロさせエネルギーを拳に集中させて敵を殴る必殺技「キャプテンパンチ」を左頬に受け、殴り飛ばされる。

これがソウルドライブの、キャプテンの性能か。

 

『フェニックス!こちらGX!目的ポイントに到達、指示があればいつでも撃てるぜ!』

 

『こちらも準備は出来ている』

 

キャプテンとヴァーチェの戦いを見ているとガンダムXとウイングガンダムゼロから通信が入った。

 

「アポロン、GXとウイングゼロの非殺傷設定を解除!全部隊に撤退指示を!」

 

「ラージャ」

 

通信を受けた俺はアポロンにガンダムXとウイングガンダムゼロのみ非殺傷設定を解除させ、現在戦闘中の全部隊に撤退指示を出させる。

 

フェイト、ブルーフレームセカンドL、カスタムフラッグ、フラッグVSシグナム、ゼロ、グラップラーグフ

 

「ん?」

 

「なんだ?」

 

「フェニックスから入電だと?」

 

「どうしたんですか?」

 

戦闘の途中でフェニックスから送られた入電に気付き、ブルーフレームセカンドL達はすぐに内容を確認する中、唯一情報を見ることが出来ないフェイトはブルーフレームセカンドLに尋ねる。

 

「フェニックスから俺達も含む戦闘中の全部隊に撤退命令が出された。速やかに現空域より離脱する」

 

「て、撤退?どうして?」

 

戦況が危うい訳でもないのにブルーフレームセカンドLから撤退することを告げられたフェイトはその理由を訊く。

 

「高町なのはが敵に魔力を奪われたらしい。早く彼女を医療施設に搬送するために撤退するそうだ」

 

「なのはが!?」

 

ブルーフレームセカンドLから撤退理由がなのはがやられたと訊かされたフェイトは目を見開き、驚きの声を出す。

 

「カスタムフラッグ、フラッグ、撤退するぞ」

 

「ようやくガンダムと巡り会えたというのに!」

 

「口惜しさが残るな」

 

ブルーフレームセカンドLがフラッグ2機に撤退指示を出すと2機のフラッグは撤退することに悔しさを感じつつも命令に従い後退する。

 

「退くぞ、フェイト。ついてこい」

 

「あ、は、はい!」

 

ブルーフレームセカンドLに声を掛けられショックを受けていたフェイトは気を取り戻す。

ブルーフレームセカンドLがスラスターを吹かして先行しその後ろにフェイトがついていくとフラッグ2機はクルーズポジションに変形してブルーフレームセカンドLとフェイトに続いて行く。

 

「なんだぁ?」

 

「撤退するのか?」

 

「逃がさん!」

 

撤退していくブルーフレームセカンドL達をグラップラーグフ、ゼロが怪訝そうに見ていたが、シグナムはフェイトのリンカーコアから魔力を回収するためブルーフレームセカンドL達を追う。

 

「待てシグナム!」

 

「おい!ちょっと待てって!」

 

ブルーフレームセカンドL達を追うシグナムをゼロとグラップラーグフが追いかける。

 

ゴッドガンダム、シャイニングガンダム、ZZガンダムVSザフィーラ、爆熱丸

 

「でりゃああああああっ!」

 

「ぬぅおおおおおおっ!」

 

「はああああああっ!」

 

「そりゃあああああああっ!」

 

ゴッドガンダムとザフィーラ、シャイニングガンダムと爆熱丸が先程までと同じ、あるいはそれ以上の格闘戦、近接戦を繰り広げている。

 

「うわぁ、なんか凄いなぁ。あの人達の戦いっぷり。・・・ん?」

 

デストロイヤードムを倒してゴッドガンダム達の闘いをZZガンダムは見学しているとフェニックスから入電が届く。

 

「っ!なんだ?でぇえいっ!」

 

「フェニックスからか?せやぁああっ!」

 

フェニックスからの入電にゴッドガンダムとシャイニングガンダムも気付く。

 

「内容は・・・撤退命令!?しかもなのはって女の子がやられたの?!」

 

送られてきた入電の内容を読んでZZガンダムが驚く。

 

「その子供を医療施設に搬送のため戦闘を停止し撤退か。・・・シャイニング!」

 

「仕方が無い!ふんっ!」

 

ゴッドガンダムとシャイニングガンダムも入電の内容を読み、ファイトの最中であるがなのはのことを最優先に考えたゴッドガンダムとシャイニングガンダムはザフィーラの拳、爆熱丸の五聖剣の斬撃を回避すると後ろに跳躍して後退する。

 

「いっけぇええ!!」

 

「くうっ!」

 

「むおっ!」

 

ゴッドガンダムとシャイニングガンダムが後退するとZZガンダムは21連装ミサイルランチャーをザフィーラと爆熱丸に向かって発射、放たれたミサイルがザフィーラと爆熱丸に向かっていき、飛んできたミサイルをザフィーラは爆熱丸の前に出てシールドを展開してミサイルを防ぎ、爆熱丸を守った。

ザフィーラと爆熱丸をミサイルで足止めするとZZガンダムはその場でスラスターを使って上昇し、空中でGフォートレスに変形する。

 

「ゴッドさん、シャイニングさん、摑まって!」

 

「「おう!」」

 

ZZガンダムがそういうとゴッドガンダムが右、シャイニングガンダムが左のGフォートレスのウイングを掴み、2機に掴まれたGフォートレスはそのまま撤退を行う。

 

「逃しはしない」

 

ZZガンダム達が撤退するとザフィーラは狼に姿を変え、ZZガンダム達を追いかける。

 

「待たれよザフィーラ殿!炎天號!」

 

「火、火ーン!」

 

ザフィーラがZZガンダムを追いかけると爆熱丸は炎天號を呼ぶ。

 

「よいっしょっと!ザフィーラ殿ぉ!」

 

ZZガンダムのハイメガキャノンを受け、未だに気絶しているデストロイヤードムを仰向けで炎天號の背に乗せて、爆熱丸も炎天號に乗馬してZZガンダムとザフィーラを追う。

 

北部 アルゴス試験小隊

 

「うりゃうりゃぁあああっ!」

 

アルゴスはさっきと同じ、高い機動力を活かしてザコソルジャーのザコマシンガンを避けながらザコソルジャーをAMWS-21の36㎜突撃機関砲で撃破していく。

 

「おいおいアルゴス2!俺の分も少しは残してくれよ?」

 

「うっせぇ!早いもん勝ちだ!」

 

アルゴス2がザコソルジャーを倒していく中、自分が撃破する獲物を残すようにアルゴス3が言うがアルゴス2は譲る気は全くなく、左にいたザコソルジャーにAMWS-21を向け、36㎜突撃機関砲を撃とうとした。

 

「ザコッ!」

 

「あっ!」

 

しかし、アルゴス2が36㎜突撃機関砲を撃つ前にザコソルジャーが誰かに撃たれて倒れる。

アルゴス2が視線を右に向けると歩道橋の上でAMWS-21を構えたアルゴス4がいた。

 

「そうよアルゴス3。早くしないと食べ終えちゃうわよ?」

 

そういいながらアルゴス4は自分のいる歩道橋を狙っているザコソルジャーにアルゴス2が狙っていたザコソルジャーを倒したのと同じようにAMWS-21の120㎜滑腔砲を撃って狙撃していく。

 

「アルゴス4!今の奴はあたしが狙ってたのに!」

 

「あら?早い者勝ちだって言ってなかったかしらアルゴス2?」

 

「う・・・」

 

「だっはははは!確かにな!」

 

「笑うなよVG!!」

 

自分の獲物を取られて、アルゴス4に抗議するアルゴス2だったが先程自分が言った台詞で反論されて言葉が出なくなる。

言い返されたアルゴス2にアルゴス3は大笑いすると笑われたアルゴス2はアルゴス3をコールサインで呼ぶことを忘れてアルゴス3に怒る。

 

「お前ら、余裕なのは分かるがもう少し・・・ん?」

 

戦闘に余裕があるためか私語が多いためアルゴス1が少し注意しようとした時、フェニックスから入電が届く。

 

「CPから緊急入電ね」

 

「何々。『護衛対象であった「高町なのは」が敵の攻撃で負傷。医療施設に搬入するため撤退をする。全部隊作戦行動を速やかに停止せよ』?っておいおい!」

 

「負傷って護衛部隊は何やってたんだよ!」

 

「落ち着いてアルゴス2、詳しい情報が添付されてて確認したけど、どうやら魔法による遠距離から本人への直接攻撃だったようね。流石にこれじゃあ護衛部隊も手が出せないわけだわ」

 

届いた入電を読んだアルゴス3が驚き、アルゴス2が護衛部隊に対して怒る。

アルゴス4がアルゴス2を落ち着かせ、詳細な現場での状況報告を読み上げる。

 

「そんなのありかよ!」

 

「ずりぃよそんなの!」

 

「まぁ魔法だからな」

 

それを聞いたアルゴス1、アルゴス2は腑に落ちないためか声に怒りが篭っており、アルゴス3は魔法だったらしょうがないといった感じで納得した様子だ。

 

「アルゴス4よりアルゴス1。撤退ルートも一緒に添付されていたわ。この結界を破壊する機体も既に発進したようだし急いで撤退したほうがいいわよ?」

 

「ああ、分かってる。アルゴス1より各機、戦闘行動中止!至急撤退ルートへ向かい撤退するぞ!」

 

「ちっくしょぉお!アルゴス2了解!」

 

「後味悪いな。アルゴス3了解!」

 

「確かにね。アルゴス4了解!」

 

アルゴス4がアルゴス1に撤退ルートが添付されていることを伝えるが既に気付いていたアルゴス1は小隊各機に戦闘停止と撤退の指示を出す。

護衛対象がやられ、結果的に敗北してしまったことに不服な気持ちになりながらアルゴス1の指示にしたがい添付されていた撤退ルートに向かい撤退を開始する。

 

東部 第08MS小隊

 

「緊急入電?・・・!エ、エレドアさん!」

 

「どした?」

 

陸戦型ガンダム達から離れた場所で待機しているブラッドハウンドに入電が届き、それを見たミケルがエレドアに慌てて声を掛け、まだ見ていないエレドアは暢気にミケルに返事をする。

 

「み、味方の防衛目標が敵の攻撃で負傷したって報告が!」

 

「なんだとぉ!?」

 

ミケルからの報告を知らされエレドアが驚きの声を出す。

 

「負傷者を搬送するため全部隊は作戦行動を中止し撤退せよって!」

 

「ミケル、アマちゃん達にすぐ連絡!」

 

「は、はい!」

 

エレドアはすぐにミケルにシロー機にこのことを連絡するように指示を出し、ミケルもすぐに通信を入れる。

 

 

東部 最前線

一方最前線では陸戦型ガンダム3機とザコソルジャーによる激しい戦闘が続いている。

サンダース機からの支援砲撃を受けながらシロー機とカレンはビル等の遮蔽物を利用しながらザコソルジャーに100mmマシンガンを連射する。

 

「ん?フェニックスから入電?」

 

戦闘中にフェニックスから入電が届き、攻撃を続けながらシロー機が内容を確認するとサンダース機、カレン機も内容を確認する。

 

「!!隊長!」

 

「これはあまりに嫌な報せだね」

 

「なんてことだ・・・」

 

内容を読んだサンダース機は驚き、カレン機は不機嫌そうにいい、シロー機はショックを受けている。

 

『隊長!』

 

「ミケルか?」

 

シロー機達が内容を読んだ直後、ブラッドハウンドのミケルから通信が届く。

 

『隊長、今フェニックスから入電が!』

 

「ああ、分かってる。こっちでもメッセージは届いて今確認した」

 

『どうします隊長?』

 

「ここは指示に従うしかない。カレン、サンダース、ミケル、エレドア、後退するぞ!サンダース、俺とカレンの後退支援を頼む。エレドア、ミケル、合流後いつでも動けるようにしておいてくれ!」

 

「「了解!」」

 

『はい!』

 

『あいよ』

 

小隊各機に指示を出したシロー機はサンダース機の後退支援砲撃を受けながらカレン機と共に後退、迅速に撤退を開始する。

 

西部 スカル小隊

ビルのいたる所で穴が空き、市街地では銃声が激しく鳴り響いている。

 

「ザコォッ!!」

 

空に向かってザコマシンガンを撃っていた1機のザコソルジャーが左側から銃撃を受けて倒れる。

 

「1機撃破!む?」

 

フォッカ-機がザコソルジャーを撃破した直後、フェニックスから入電が届き、一度ビルの陰に身を隠す。

 

「先輩、何か入電来ましたけど」

 

フォッカー機がビルの陰に隠れると上から一条機とマックス機がファイター形態で接近し、そこからガウォーク形態に変形、一条機はフォッカー機の上で、マックス機は向かいのビルの陰の空中でホバリングを行いバトロイドに変形して地面に着地、一条機とマックス機はビルの陰から身体を少し出しザコソルジャーを近づかせまいとガンポッドを撃ち、一条機がフォッカー機に声を掛ける。

 

「ああ分かってる。・・・・・!?」

 

一条機に返事を返して入電内容を見るとフォッカー機は言葉を失う。

 

「これは、あまり良くない報せですね。どうします隊長?」

 

攻撃しながらマックス機も入電内容を確認するとフォッカー機に行動を尋ねる。

 

「一刻も早くその娘を搬入させる必要があるな!スカル小隊、速やかに撤退するぞ!ついてこい!」

 

「「了解!」」

 

なのはのことを最優先に考えたフォッカー機はすぐに撤退指示を出す。

一条機とマックス機が返事をすると3機はその場で跳び上がり、バトロイドからファイターに変形し、撤退ルートに従い撤退していく。

 

南部 エヴァ小隊

 

「こんのぉおお!!」

 

「ザコッ!」

 

南部の市街地で戦っているエヴァ小隊、弐号機が正面にいたザコソルジャーの1機に右足からの回し蹴りを頭部に喰らわせ、受けたザコソルジャーは蹴り飛ばされ気絶する。

 

「残り、6機。・・・!?」

 

弐号機が敵の残党数を呟いた時、他の小隊同様フェニックスから入電が届いた。

 

「な、何!?」

 

「あの人からの緊急入電ね。それも撤退の」

 

「撤退?!なんで撤退する必要があるのよ!押してるのはアタシ達でしょ!?」

 

突然入電が届いたことに初号機が驚いていると零号機改が冷静に届いた入電が撤退内容であることを告げると撤退と聞いて弐号機が零号機改に怒声をあげる。

 

「防衛対象が敵の攻撃で負傷したようよ。その子を医療施設に搬送するためにこの結界を破壊して撤退するみたいね」

 

「だからって勝ってる戦いで態々オメオメと撤退するなんてアタシのプライドが許さないわよ!」

 

零号機改が簡易かつ分かりやすいように説明をするが戦況が有利であるのにも関わらず撤退することをよしとしない。

 

「止めなよ弐号機。今はそんなことで揉めてる場合じゃないだろ?」

 

「そんなことですって!?」

 

零号機改に怒声をあげる弐号機に初号機が止めに入る。

 

「兎に角今はその負傷した子のことを第一に考えるべきだよ。撤退しよう」

 

「だから!」

 

「弐号機、この状況でこんなことを言うのはズルイと思うけど、この小隊の隊長は僕で、命令権があるよね?悪いけど今は僕の指示に従ってもらうよ?」

 

なのはが負傷し、撤退指示が出ているのにも関わらず、中々撤退を承諾しない弐号機に初号機は小隊長としての権限を使い、弐号機に命令をする。

 

「っ!・・・・・ああもう分かったわよ!撤退すればいいんでしょ!!」

 

初号機に命令された弐号機は怒鳴って返事を返して嫌々初号機の命令に従い、戦闘を止め、撤退ルートへと走り出す。

弐号機が走り出すと屋上で狙撃していた零号機改が飛び降りて地面に着地、初号機と共に弐号機の後を追うように撤退ルートへ向かって走る。

 

健悟Side

 

「おらおらおらぁ!!」

 

ゴルディオンハンマーによって魔力と体力を消費させられ疲労しているヴィータとその側にいるキャプテンを俺達から守ろうとザッパーザクがFZマシンガンとガトリングガンを連射してくる。

撃たれるている銃弾を俺達は回避、または俺は「ビームシールド」、ヴァーチェはGNフィールド、ゴルディオンハンマーを装備し続けているスターガオガイガーはプロテクトウォールで防御する。

反撃として俺もビームライフルを撃つが照準をヴィータ達からズラし、その周辺にワザと着弾させて怯ませる。

 

「マスター、全部隊の撤退開始を確認。ガンダムX及びウイングガンダムゼロの非殺傷設定解除・・・・・コンプリート」

 

「うっし!ヴァーチェ、ガオガイガー、デルタプラス、エアマスター、レオパルド、撤退するぞ!」

 

「了解。ヴァーチェ、撤退行動に入る」

 

「了解だ!」

 

「了解!」

 

「了解。そんな訳でエアマスター、俺を運ぶの頼むぜ?」

 

「俺かよ!ったく!しょうがねぇな!」

 

アポロンから全部隊が撤退を開始し、ガンダムXとウイングガンダムゼロの非殺傷設定解除したことの報告を受けた俺は俺達も撤退するために戦闘中のヴァーチェ達に撤退指示を出す。

俺が撤退指示を出すとヴァーチェ達はすぐに撤退を開始、唯一飛行出来ないガンダムレオパルドはガンダムエアマスターが運ぶ。

 

「な・・・なん・・・だ?」

 

「どうやら撤退するようだ」

 

「でもなんであいつらが撤退するんだよ?」

 

戦況は俺達に有利だったのに撤退することにヴィータ達が疑問に感じている様子だった。

 

「こちらも準備は終わった。カウント5だ。・・・思いっきり撃て!」

 

ヴィータ達が疑問そうにしている中、ガンダムXとウイングガンダムゼロにこちらでも全ての準備が整ったことを報告し、カウントを告げる。

 

三人称Side

海鳴市 北部 市街地

 

「了解だぜ!」

 

ブン!

 

フェニックスからの攻撃命令を受けたガンダムXはデュアルアイを光らせる。

デュアルアイを光らせた時、ガンダムXは搭載されている「サテライトシステム」を起動、バックパックに装備されていた「リフレクタープレート」がX状に展開され、同じくバックパックにあった砲身がリフレクター展開と同時に移動、右肩に掛けられ、更に砲身を伸ばす。

右手でグリップを握り、左手で砲身を支える。

ガンダムX最強の武器「サテライトキャノン」の準備が整った。

サテライトキャノンの準備が整った直後、宇宙、月でも準備が進められていた。

 

宇宙空間 月面

ガンダムXがサテライトシステムを起動させた頃、月の月面にある1つのクレーターの中の表面が開いて行く。

その中から大型のパラボナアンテナが置かれた施設「太陽光発電施設」が姿を現す。

 

施設内部

月面のクレーター内の中から出現した施設内に灯りは点いておらず、人の気配も全くない無人の状態。

そんな無人であるはずの施設に置かれているコンピューターの1つのモニターに光が灯る。

光が灯ったモニターにいくつもの文字が上に流れて、最後に「GX-9900 NT-001」と大きく表示される。

 

宇宙空間 月面 クレーター内施設

施設内のモニターに文字が表示されるとパラボナアンテナが動き、先端から地球に向けて照準用のレーザー回線が放たれる。

 

地球 日本 海鳴市 北部 市街地

月の発電施設のパラボナアンテナから送信された照準用のレーザーをガンダムXは胸のクリアーグリーンのパーツで受ける。

 

「4.03秒後、マイクロウェーブ・・・来る!」

 

宇宙空間 月面 クレーター内施設

地上でガンダムXが照準用レーザーを受けて言った直後に月の発電施設のパラボナアンテナから照準用レーザーを辿って今度は「スーパーマイクロウェーブ」がガンダムXのいる地球、海鳴市に向かって送信される。

 

地球 日本 海鳴市 北部 市街地

海鳴市の空から月面から送信されたスーパーマイクロウェーブが空の雲を払い、結界を突破、照準用レーザーを辿りガンダムXの背中の4枚のリフレクターに受信される。

スーパーマイクロウェーブを受信すると4枚のリフレクターは青白く、眩い光を放つ。

 

「よぉし、準備完了!」

 

スーパーマイクロウェーブを受信し、サテライトキャノンへのエネルギーに変換が完了するとガンダムXは砲身を空に、結界に向ける。

 

海鳴市 南部 市街地上空

 

「任務了解」

 

指定されたポイント上空に到達し、フェニックスから指示が出されたがウイングガンダムゼロは中々動こうとせず、空を見上げている。

空を見続けていると月からガンダムXのいる方向にレーザー回線が伸びて行く。

 

「月からのガンダムXへのレーザー回線、確認」

 

月からのレーザー回線がガンダムXの居る方に向かっていくのを確認するがウイングガンダムゼロはまだ動こうとしない。

ウイングガンダムゼロがガンダムXの居る東を見続けていると東からまるで朝日のように青白い光の輝く。

 

「続いてスーパーマイクロウェーブの到達確認。こちらも動く」

 

ブンッ!

 

あの青白い光、ガンダムXがスーパーマイクロウェーブを受信したのを確認するとウイングガンダムゼロが動き出す。

デュアルアイを一瞬光らせ、自身が持っていた右手の銃口が2つある銃「ツインバスターライフル」の銃口をガンダムXと同じように結界で覆われている空に向けて構える。

 

「ツインバスターライフル最大出力。攻撃目標、古代ベルカ式結界。ターゲット・ロックオン!」

 

ウイングガンダムゼロはツインバスターライフルの出力を最大出力に設定し、照準を合わせる。

 

海鳴市 ビル郡

 

「カウント、5…4…3…2…1…0!撃てぇええええっ!」

 

ガンダムXとウイングガンダムゼロ、2機のガンダムから準備が整ったことを告げられた健悟はカウントダウンを行い、カウントがゼロになると大声で叫ぶ。

 

海鳴市 北部 市街地

 

「サテライトキャノン!」

 

海鳴市 南部 市街地上空

 

「ツインバスターライフル・・・」

 

海鳴市 北部 市街地及び南部 市街地上空

 

「「発射!」」

 

健悟が叫び、発射命令が出されるとサテライトキャノンとツインバスターライフル最大出力、どちらも宇宙で何十、何百万人も暮らす巨大な居住場所「スペースコロニー」を一撃で破壊する大出力のエネルギー砲が空に向かって放たれ、街を覆っている結界に当たる。

2つの高出力エネルギー砲を受け、5秒も経たない内に結界に亀裂が全体に走り、眩い閃光を放って結界は呆気なく破壊された。

 

健悟Side

 

カウントダウンを行い、発射命令を出してガンダムXとウイングガンダムゼロから放たれたサテライトキャノンとツインバスターライフルは街を覆っていた古代ベルカ式結界を簡単に破壊、結界を破壊したことで街に人や車が戻り、賑わいが起こる。

 

「成功だな」

 

「当然です。しかし・・・」

 

ビルの屋上で結界の破壊を喜んでいるとアポロンの声に喜びはなかった。

尋ねようとした時、街から悲鳴や戸惑いの声が次々と聞こえてきた。

気になった俺はビルの屋上から下を見ると破壊されたビル等を見て人々が騒いでいる。

 

「これを揉み消すのは不可能に近いですね」

 

「・・・まずいな」

 

「まぁあ随分派手にやったからねぇ」

 

「特にヴァーチェがな」

 

「僕は敵を攻撃するという命令に従っただけだ」

 

市街地の破壊状況を見て、不可能に近い後始末を考えようとするとガンダムレオパルドとガンダムエアマスターが冷やかしを入れ、それにヴァーチェが反論する。

 

「兎に角、今は民間人に見つかる前に撤退しよう。アポロン、シャマルの方は?」

 

「現在ボルフォッグ達が確保しているようです。結界破壊後に入電がありました」

 

市街地の後始末はこの際後にして撤退を最優先にする。

アポロンにシャマルの方の確認をとるとボルフォッグ達がシャマルの確保に成功したようだ。

正直色々異なった部分はあったがある程度は原作通りだからこのままシャマルを見逃してもいいと思うが折角ボルフォッグ達が確保してくれたのだからとりあえず行ってどうするかはその場で考えよう。

 

「了解。なら索敵チーム以外は全員戻してくれ。各機、ご苦労だった。協力に感謝す---「ドゴォオオオオン」---っ!何!?」

 

アポロンにボルフォッグ達以外の部隊を全員戻すように指示し、戻す前にこの場に居る連中にだけでも協力してくれたことに礼を言ってる最中、爆音が響き渡る。

爆音が聞こえた方を見ると遠くのビルの屋上で黒煙が上がっているのが見えた。

 

「爆発!?」

 

「なんだあの爆発は!」

 

突然の爆発にデルタプラス、スターガオガイガーが警戒する。

 

「アポロン、状況報告!」

 

「索敵チームのアイザックが攻撃を受け大破、あの爆発はその物です」

 

「じゃああの爆発した近くにシャマルがいるのか!」

 

アポロンに状況を尋ねると先程の爆発がアイザックが撃破されたことで起きたもの、アイザックが居るということはその近くにシャマルがいることになる。

シャマルも心配だが1番気がかりなのはアイザックが誰に攻撃を受けたかだ。

 

「ボルフォッグから緊急入電!現在アイザック及びボルフォッグ達を攻撃してきた者と交戦中、敵はミラーモンスターとのことです」

 

「ミラーモンスター!?またあいつらかよ!」

 

アイザックを攻撃し撃破したのがミラーモンスターと聞いて俺は驚いた。

正直うんざりなんだよなぁ、またあいつらが関係しているから。

最近ミラーモンスターばかり出てきてるような気がする。

まさか海鳴はのミラーワールドはミラーモンスターの住処になってるんじゃないだろうな?

 

「どうしますかマスター、他の部隊を増援に送りますか?現在の位置ならエヴァ小隊か8小隊を送れますが」

 

確かに念のために増援を送ったほうがいい、だが・・・。

 

「今は結界がないから一般市民に見つかって騒ぎになる。さっきの命令通り索敵チーム以外は戻せ」

 

「ではこのまま見捨てると?」

 

「んな訳あるかよ。増援は・・・」

 

アポロンの発言を否定してカードケースを探り、5枚のカードを取り出す。

 

「こいつらだ」

 

『KAMEN RIDE! DRAKE!SASWORD!ZOLDA!KNIGHT!』

 

5枚中4枚のカードをドライバーに装填してトリガーを引き、これまでのアリサとすずかの誘拐事件、アースラ攻防戦で召喚したサソード、ゾルダ、ナイト、そして今回始めて召喚するサソードと同じ「仮面ライダーカブト」の世界の仮面ライダー「仮面ライダードレイク」の4体を召喚した。

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『KABUTO!』

 

『HENSHIN!』

 

4体の仮面ライダーを召喚した俺はまだ残っていた1枚のカードをドライバーに入れてトリガーを引き、カブトへと変身する。

 

「ナイト、ゾルダ。お前達はミラーモンスターがミラーワールドに逃げた場合を想定してミラーワールドに入り待ち伏せしておけ。ドレイク、サソード、いくぞ!」

 

『ATTACK RIDE! CLOCK UP!』

 

「クロックアップ!」

 

『『『CLOCK UP!』』』

 

俺はナイトとゾルダに命令すると2体は頷き、それを確認すると今度はサソードとドレイクに声をかける。

声を掛けられたサソードとドレイクがナイトとゾルダと同じ様に頷くとARを取り出してドライバーに入れ、クロックアップを発動させる。

俺がカードを入れたと同時にドレイク、サソードは腰のベルトの左側にあるスイッチに手を伸ばし、伸ばした手をスライドさせクロックアップを発動させた。

3人同時にクロックアップ状態に入り、超高速でボルフォッグ達の所へと向かう。

 

シャマルSide

 

「リンカーコアの蒐集完了」

 

旅の鏡を使って白い魔導師の女の子のリンカーコアを闇の書に蒐集、白い子だけで闇の書のページをかなり稼げた。

 

「あともう1人の子のリンカーコアも蒐集出来れば・・・ん?」

 

白い子と一緒にいた黒い魔導師の子も白い子と同じぐらいのはず、そう思った私は今度は黒い子のリンカーコアを蒐集しようと旅の鏡を開こうとした時、空に青い線が見えた。

 

「何あれ?何処から?」

 

空に見える青い線の正体が分からない私はとりあえずその線が何処から来てるのか調べるために線を目で追おうとした。

 

「なんなの、あの光!」

 

目で追おうとした時、青い線の先、東側が突然青白く光ってる。

突然の光に私は驚いているとその光の方から光と同じ色の太い線、更に反対側の西の方から山吹色の太い線が空に向かっていって上空で激しい爆音と眩い光を放った。

 

「きゃっ!」

 

爆音を聞いて私は耳を塞いで、あまりの眩しさに目を瞑った。

 

「い、一体何が?・・・!!」

 

目をゆっくり開けて回りを見ると今まで街を覆っていた結界がなくなっている。

 

「結界が破壊された?!皆、すぐに撤退を---『ジャキン』「そこまでです」っ!?」

 

結界が破壊されたことに驚きながら皆に撤退するように伝えようとした時、後ろから男の人の声が聞こえて頭に何かを突きつけられて身体が固まる。

どうしてここにいることが分かったの?

いえ、それ以前に一体いつの間に私の後ろに?

クラールヴィントのセンサーにも一切反応はなかった。

どうして?

 

「両手を挙げてゆっくりこちらを向いてください。少しでも奇妙な行動を行った場合は攻撃を行います」

 

私が混乱していると相手は敵であるにも関わらず、私に対して冷静でとても丁寧な言葉で語りかけてくる。

でもそんな冷静で丁寧な言葉にはとても重圧が感じられる。

昔、何処かで感じたことがあるような。

そんなことを感じながら私は言われたとおりに両手を上げる。

私が両手を上げると相手は私の頭に突きつけていた物をたぶんまだ私に向けたまま後ろに下がった。

私はゆっくりと後ろを振り返って相手を見ると言葉を失った。

私に言葉を掛けていたのは人じゃなく、人の形をした機械、ロボットだった。

それも1体だけじゃなく、4体もいる。

しかも全員が私に向けて武器を構えている。

 

「戦闘中の各守護騎士達に作戦指示を出し、尚且つ息を潜め遠距離からリンカーコアを蒐集。その参謀役と隠密行動はお見事です」

 

「お蔭で探索に時間が掛かった」

 

「ええ。結果なのは隊員のリンカーコア蒐集を阻止出来ませんでした」

 

また私が混乱していると正面にいた2体のロボットが話しかけてくる。

今私にバイクみたいな右腕を向けているロボットが最初に話しかけてきたロボットみたいだけど。

 

「え、え~っと。なんですか貴方達は?」

 

「私はGGG諜報部所属、ビッグボルフォッグ」

 

「俺はブレイブポリス、シャドウ丸だ」

 

とりあえずこのロボット達が何者なのか知るために駄目元で尋ねてみると以外にも正面の2体は所属と名前を答えてくれた。

それにしてもGGG諜報部?

ブレイブポリス?

そんな名前聞いたことがないけど管理局の部隊なの?

 

「大人しく投降して下さい。出来れば危害を加えたくありません」

 

私が2体の所属について考えていると私に右腕を向けているビッグボルフォッグって名前のロボットが私に投降を呼びかける。

 

「き、危害を加えたくないって言うなら見逃してもらえないかしら?」

 

「申し訳ありませんがそれだけは不可能です。それに私は少し怒っています」

 

「正直俺は今日配属されたばかりであまり関わりはないが、あんたは俺達の仲間を傷つけた」

 

「許せません」

 

見逃してもらえないか聞いてみたけどやっぱりこっちは不可能だった。

それよりもさっき私が感じたあの昔の感覚を今の台詞を聞いて思い出した。

ビッグボルフォッグの言葉から感じられたあの重圧、それは怒り。

昔戦場で仲間を倒された兵士が私やシグナム、ヴィータちゃん、ザフィーラに向けられていたもの。

それはビッグボルフォッグだけじゃない。

あのシャドウ丸ってロボットも口では軽く言っているけどビッグボルフォッグと同じように言葉に僅かにだけど重圧を感じられる。

2体の後ろにいる他の2体のロボットは何も話さないけど明らかに私を睨んでいる。

このロボット達はあの白い子に危害を加えた私に怒りを持ってる。

そのことに少し罪悪間を感じながらもこのロボット達はキャプテン達と同じ、もしかしたらそれ以上に感情を理解していることに私は内心驚いている。

そしてどうしてこんなロボットが今まで見つからなかったのかも。

考えていると隣のビルの鏡から何かが飛び出したのが見えると私やビッグボルフォッグ達が目線を一斉に向けた。

ビッグボルフォッグとシャドウ丸の後ろで銃を構えていた青いロボットがそっちに銃を向けた時、そのロボットは何かで胸を突かれ、背中まで貫通している。

 

「アイザック!」

 

ビッグボルフォッグが攻撃されたロボットの名前を叫ぶとそのアイザックって名前のロボットは爆発してしまう。

爆発で起きた爆煙の中から巨大な蜘蛛が出てきた。

 

「こ、今度は何!?」

 

「あれはミラーモンスター!」

 

「また厄介なのが現れやがったな!」

 

ビッグボルフォッグから発せられた言葉、ミラーモンスター。

それがあの巨大な蜘蛛の名前?

私がミラーモンスターを見ているとミラーモンスターはこっちを向いて私に向って来る。

 

「させるか!」

 

ミラーモンスターが向って来るとシャドウ丸と背中に飛行機の翼がついているロボットが2体がかりでミラーモンスターを押え動きを止める。

動きを止められたミラーモンスターは私を狙って糸を吐いた。

 

「危ない!ムラサメソード!」

 

ビッグボルフォッグが私とミラーモンスターの間に割り込んで、左腕についているヘリコプターのプラペラのようなものを回転させて糸を絡め、吐かれた糸から私を守ってくれた。

 

「今のうちに!」

 

「!待ちなさい!くっ!」

 

「・・・ごめんなさい。ありがとう」

 

ビッグボルフォッグ達がミラーモンスターによって動けなくなっている隙に私は飛行魔法でこの場から撤退する。

ビッグボルフォッグが私に待つように言っているけど今はまだ捕まる訳にはいかないから。

助けてもらったのに見捨てることに申し訳ないと思った私は謝罪とお礼を呟いて離脱した。

 

三人称Side

シャマルが離脱する中、結界がなくなった今、街にいる一般市民に危害が及ばないためにもビッグボルフォッグ達が蜘蛛のミラーモンスター「ディスパイダー」を足止めをしている。

 

「おい!どうするビッグボルフォッグ!」

 

「健悟機動隊長には入電を送っておきました。あの方のことですから救援に来てくれると思いますが。・・・くっ!」

 

ディスパイダーを押え、身動きが取れないシャドウ丸がビッグボルフォッグに尋ね、ビッグボルフォッグがフェニックスに入電を送ったことを伝えるとビッグボルフォッグがディスパイダーに引っ張られ始める。

 

「こいつ、以外にパワーがあるぜ!」

 

シャドウ丸、偵察型ムラサメに押さえられているにも関わらずディスパイダーが動き、徐々に押し返し、そのパワーにシャドウ丸が驚きながら懸命に押さえようとする。

 

「このままでは・・・・!」

 

状況を危うく感じた直後、ビッグボルフォッグ達の目の前で異変が起きた。

ディスパイダーが突如左足のバランスを崩して転倒し、その直後ビッグボルフォッグのムラサメソードに絡まっていた糸が切断され、糸が切れた直後・・・。

 

『CLOCK OVER!』

 

電子音声が聞こえるとディスパイダーが右に吹き飛び、屋上の入口に激突する。

 

「大丈夫か、ビッグボルフォッグ、シャドウ丸?」

 

ビッグボルフォッグの前にPカブトが立ち、ビッグボルフォッグとシャドウ丸に声を掛ける。

 

 

健悟Side

クロックアップを使った俺とドレイク、サソードは超高速で街を駆け抜け、爆発が起きたビルに辿り着き、階段を駆け上がり、屋上に出る。

屋上に出ると目の前で蜘蛛のミラーモンスターであるディスパイダーを押さえているシャドウ丸と偵察型ムラサメ、そしてディスパイダーの口から出ている糸を左腕となっているガングルーのメインローターで絡めているビッグボルフォッグが見える。

辺りを見渡すがシャマルの姿はなかったことからこの場から離脱したことが直ぐに理解出来た。

兎も角今はビッグボルフォッグ達の援護とディスパイダーの撃破を行うために直ぐに行動に移る。

まず、ディスパイダーの左側に移動したドレイクが変身ツールを兼ねている射撃武器「ドレイクゼクター」でディスパイダーの左足を全て撃ち、サソードはビッグボルフォッグと繋がっている糸をサソードセイバーで切り裂き、左足を撃たれたディスパイダーがスロ-モーションのようにゆっくりと倒れた直後、俺はディスパイダーの右に回り込み、ボールを蹴るように胴体に蹴りを入れる。

ディスパイダーに蹴りを入れると俺とドレイク、サソードはクロックアップを解除する。

 

『CLOCK OVER!』

 

クアロックアップを解除すると周囲が元の速さに戻り、ディスパイダーが勢い良く俺達が入ってきた入口に激突する。

 

「大丈夫か、ビッグボルフォッグ?」

 

ディスパイダーを蹴り飛ばした俺は後ろを振り返り、ビッグボルフォッグに声を掛ける。

 

「はい。我々は大丈夫です。隊長のおかげで助かりました」

 

「それよりもすまねぇボス、あのシャマルって女だが・・・」

 

「話は後だ。今はあいつを先に片付ける」

 

「ギイイイ!」

 

ビッグボルフォッグが礼を言い、シャドウ丸がシャマルのことで謝るが今はディスパイダーの撃破を優先する。

入口に激突したディスパイダーは立ち上がると右隣のビルに向かって跳び、窓ガラスを使ってミラーワールドに逃げて行った。

 

「ミラーワールドに逃げましたね」

 

「ああ。だが、逃がすつもりはない!」

 

『KAMEN RIDE!』

 

「変身!」

 

『RYUKI!』

 

ディスパイダーがミラーワールドに逃げると俺はカードを取り出しドライバーに装填、トリガーを引き、カブトから龍騎に変身する。

 

「シャドウ丸」

 

「はいはい。変化!」

 

龍騎に変身した俺はシャドウ丸に声を掛け、シャドウ丸は軽く返事をするとビークル形態の覆面パトカーに変形する。

 

「アポロン、久々にBGM。龍騎だからあれだ」

 

「ラージャ」

 

ミラーワールドに入る前にアポロンに久しぶりにBGMを流すよう指示を出し、アポロンが龍騎の挿入歌「果てなき希望」を流す。

 

「っしゃ!」

 

BGMが流れるとシャドウ丸のボディを使ってミラーワールドに入って行く。

 

ミラーワールド内

ミラーワールドに到着すると俺は辺りを見渡す。

周りにはディスパイダーはおらず、屋上には俺が入ってきたビークル形態のシャドウ丸(無論動かない)が停まっているだけ。

 

バンッ、バンッ

 

辺りを見渡していると下から銃声が聞こえ、屋上から下を見る。

すると道路に逃げようとするディスパイダーをミラーワールドに先回りさせていたナイトとゾルダがウイングランサー、マグナバイザーで攻撃している。

 

「逃がすかボケェ!」

 

それを見た俺は屋上から飛び降り、ディスパイダーに向かって右足を突き出し落下、重力落下を利用した蹴りをディスパイダーの背中に喰らわせ、上から蹴りを受けたディスパイダーは倒れる。

ディスパイダーが倒れると俺は直ぐに背中から降り、ナイトの隣に立つ。

 

「一番重要なタイミングで出てきやがって。潰す!」

 

『ATTACK RIDE! SWORD VENT!』

 

『SWORD VENT』

 

さっきも思ったが最初から逃がす予定ではあったが、嫌なタイミングで出てきたことに関しては今だに怒っている俺は潰す宣言をしてARを取り出し、ドライバーに入れて発動、龍騎達のバイザーろ同じ音声の後、ドラグセイバーを右手に持ち、ディスパイダーに向かっていき、俺が向かって行くとナイトも一緒に向かって行く。

ディスパイダーの右に回り込み、ドラグセイバーで足を攻撃する。

攻撃を受けたディスパイダーが俺の方を向き、攻撃しようとすると左側からナイトがウイングランサーで胴体を斬り、突く。

するとディスパイダーはナイトの方を向き、ナイトを攻撃しようとするが次にディスパイダーの後ろからゾルダがマグナバイザーを撃つ。

ディスパイダーが後ろを振り返り、ゾルダを攻撃しようとすると今度は俺がドラグセイバーで左側に斬りかかる。

そしてディスパイダーが俺の方を向くとまたナイトがディスパイダーの後ろからウイングランサーで攻撃し、ディスパイダーが後ろを向くと右からゾルダがマグナバイザーを撃つという戦い方でディスパイダーを攻撃していく。

 

『NASTY VENT』

 

「キイイイイッ!」

 

「ギッ!ギイイイッ!」

 

それを7回程続けているとナイトがデッキからカードを引き、ダークバイザーに入れナスティーベントを発動、ダークウイングが現れソニックブレイカーを放つとディスパイダーは苦しみ、動きを止める。

 

『FINAL VENT』

 

動きを止めたディスパイダーを見てゾルダがデッキからカードを抜き、マグナバイザーに入れる。

入れたカードはファイナルベントのカードで発動するとゾルダの前に水溜まりができ、そこからマグナギガを出現、マグナギガの背中にマグナバイザーを接続しマグナギガが一斉射撃態勢に入る。

それを見て俺もFARのカードを引き、ドライバーに入れた。

 

『FINAL ATTACK RIDE! RYUKI!』

 

『FINAL VENT』

 

「はっ!はぁぁぁぁあっ!!」

 

「ウオオオオオオンッ!」

 

「はっ!」

 

FARを発動させ、腰を低くし構えをとり、ドラグレッダーが現れ俺の周りを回り、上に飛び上がるとドラグレッダーが俺を追う。

 

『FINAL VENT』

 

「キイイイイッ!」

 

「はぁぁぁぁあっ!はっ!」

 

ゾルダがファイナルベント、俺がFARを発動させるとナイトもデッキからカードを引き、ダークバイザーに入れファイナルベントを発動させてナイトは走り出し、ダークウイングが合体してウイングウォールとなり、空に跳び上がる。

 

「ふっ!」

 

バンッ、バンッ、バンッ

 

バババババッ

 

バシュ、バシュ、バシュ、バシュ

 

ドッ、ドッ、ドッ、ドッ

 

バリッ、バリバリバリッ

 

ゾルダがマグナバイザーのトリガーを引き、マグナギガから大量のミサイルやレーザー等が一斉に発射される。

 

「だぁあああああっ!!」

 

「ギャオオォォォンッ!」

 

空中で前方2回転し、右脚を前に出しドラグレッダーが放った火炎弾を受け、ディスパイダーに向かう。

 

「はああああああっ!!」

 

空中で自分の身体をウイングウォールでドリル状に包み、ディスパイダーに向かって落下していく。

 

「ギイイイイイイイ!!!!」

 

正面からゾルダのエンド・オブ・ワールド、右斜め上から俺のドラゴンライダーキック、左斜め上からナイトの飛翔斬と3ライダーの必殺技を受けたディスパイダーは大爆発を起こす。

 

「よっと!」

 

地面に着地した俺は後ろを振り返り、爆発で起きた黒煙を見る。

すると黒煙の中からこの前のゲルニュートと同じ光の玉が空に浮かぶ。

 

「ウオオオオオオンッ!」

 

光の玉が宙に浮かぶとドラグレッダーが現れ、光の玉を吸収、そのまま何処かに行ってしまう。

 

「よし」

 

ディスパイダーを倒した俺は現実世界に戻るためさっきのビルの屋上に戻る。

 

 

現実世界

ミラーワールドから現実世界に戻るとボルフォッグ達が待機していた。

 

「ふぅ。楽勝だったな」

 

「健悟機動隊長、ご無事で?」

 

「あの蜘蛛は?」

 

「バッチリ撃破してやったさ」

 

俺を心配してくれたボルフォッグとディスパイダーについて尋ねてきたシャドウ丸に俺は右手の親指を立てて返事を返す。

 

「しかし、ミラーモンスターの襲撃を受けるとは」

 

「運が悪かったな」

 

ボルフォッグとシャドウ丸が悔しそうに言うがどうせシャマルを確保してもすぐに解放するつもりだったし気にする必要はないだろう。

 

「そろそろ退くぞ。見つかると面倒だ」

 

「「了解」」

 

『ATTACK RIDE! INVISIBLE!』

 

流石に色々疲れたためボルフォッグ達にも撤退を指示、アポロンによってボルフォッグ達はカードに戻され、俺はARでフェニックスインビジブルを発動させて撤退した。

 

 

 

 

 

後書き

 

ARXー7アーバレスト「はい、皆さん!既に結構経っていますがご挨拶を。新年明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願い申し上げます」

 

健悟&アポロン「「よろしくお願いします」」

 

健悟「超遅いけどな」

 

ARXー7アーバレスト「それは言わない」

 

アポロン「言うだけ無駄です」

 

ARXー7アーバレスト「さて、今回で守護騎士とのファーストバトルがやっと終了です!」

 

健悟「ホント長いよ。時の庭園の時よりも長いよ」

 

アポロン「時間かけ過ぎです」

 

ARXー7アーバレスト「いや~、どうしてもバトルになると力が入っちゃうんだよねぇ~」

 

健悟「気持ちは分かるけど」

 

アポロン「その割には撤退の部分は後編になるにつれ段々減速してるように見えますがね。まあそのようなことを今更いってもしょうがありません。そろそろ本文の話題に入りましょう」

 

ARXー7アーバレスト「そだね」

 

健悟「じゃあまず俺からいいか?」

 

ARXー7アーバレスト「どうぞ」

 

健悟「今回のサブタイトルであった『月は出ているか?』。あれで誰もがガンダムXを予想していたと思うけどもう1機別のがいたよな?なんでウイングゼロ?つかなんでX?」

 

ARXー7アーバレスト「結界破壊にガンダムXのサテライトキャノンだけでいけるかなぁ~って不安があったからウイングゼロを追加、Xにしたのは、サテライトキャノンを撃ちたかったからだ!」

 

健悟「そんな理由で撃たれるとは、海鳴大丈夫か?」

 

アポロン「まず地球が不安ですね」

 

ARXー7アーバレスト「大丈夫だって・・・多分」

 

健悟「不安だ」

 

アポロン「ところでサテライトキャノンといえば何故なのは様のスターライトブレイカーをなくしたのですか?」

 

ARXー7アーバレスト「いや、この世界の設定では本来の物語とは違うって設定だったからなくしただけだけど?」

 

健悟「凄いサラッと言ったな。ある意味重要な部分なのに」

 

アポロン「では次は私から。前回で守護騎士とのファーストバトルを終わらせられなかった理由は?」

 

ARXー7アーバレスト「ゴッドガンダムとザフィーラ、シャイニングガンダムと爆熱丸の部分を熱く書きすぎて尺なくなった。あと各小隊の部分も」

 

健悟「無駄に頑張ってたよなあれ」

 

アポロン「確かに」

 

ARXー7アーバレスト「無駄いうな」

 

健悟「ゴルディオンハンマーのあれ、よく考えたな」

 

アポロン「最初はどうするのかと思いましたよ」

 

ARXー7アーバレスト「流石に光にする訳にはいかないからね。あんな設定になってしまった」

 

アポロン「それと前回は登場してきた機体なだけあって有名な台詞ばかりでましたね」

 

ARXー7アーバレスト「あれ言わせるタイミング結構苦労したよ」

 

健悟「にしてもシャマルを襲ったディスパイダー、ミラーモンスター好きだな」

 

ARXー7アーバレスト「ミラーモンスターの方が戦いやすいんだよ。街中だと」

 

アポロン「そしてそのミラーモンスターはボコボコにされてましたね。最後は3ライダーのファイナルベント・・・」

 

ARXー7アーバレスト「いや、1体の敵を複数のライダーの技で倒すシーンってカッコイイじゃん?」

 

健悟「それは人それぞれだろ」

 

アポロン「同感です」

 

ARXー7アーバレスト「えー」

 

健悟「おいそろそろ次回よこしなくていいのか?」

 

ARXー7アーバレスト「おおそうだな!じゃあ今回のBGMはこれだ!」

 

アポロン「BGMスタート」

 

BGM 『F ZERO ファルコン伝説の次回予告BGM』

 

健悟「またかー!!」

 

ARXー7アーバレスト「叫ばないの!五月蝿い!」

 

健悟「いやだって!」

 

ARXー7アーバレスト「もう予告始まってるから早く!」

 

健悟「わかったよ!・・・はあ。ついに終わったな、守護騎士達とのファーストバトル!」

 

アポロン「しかし、こちらも随分痛手を負いました」

 

健悟「だけど落ち込んでる暇は無い。またいつでも戦えるようにしないと!」

 

アポロン「その前にこの前の戦いの揉み消しをしないと。そういえばマスター、リンディ様達がこちらにくるそうですね」

 

健悟「そうだったな。これから一仕事だ。でも本当に大丈夫か?次回!『~少年が望んだ世界と力~』第四十二話『臨時作戦本部』。君の心に、ブーストファイヤ!」

 

ARXー7アーバレスト「OK!」

 

健悟「随分懐かしい作品を持ってきたな」

 

アポロン「あれは面白い作品でした」

 

ARXー7アーバレスト「俺も大好きだったよ。久々にみたいな」

 

アポロン「皆様からのリクエスト、まだまだお待ちしております」

 

ARXー7アーバレスト 「それは、次回もお楽しみに!!」

 


 
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