No.656994

北郷一刀の外史紡ぎ 第九話

ユウヤさん

第九話になるのです
関平を加えた美羽たち
黄祖をどうにかするために準備中です。
では本編どうぞ

2014-01-23 20:00:01 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:4292   閲覧ユーザー数:3474

第九話―新たな英傑

 

 

 その後一刀達は砦で少しばかり訓練をする事にしたのだが、女性とは言え畑作業をしていただけあって体力に関しては申し分なかった。武器は賊が持っていた物を拝借し鎧は合わないので一刀が一から加工し直し一人一人に渡す事になった。

 

 一刀「それにしても七乃。この世界の女性は皆強いのか?」

 

 七乃「ほえ?そんなことないと思いますよ?」

 

 一刀「俺が知りあう女性皆腕が立つんだけど・・・」

 

 七乃「そうですね~。農民は否応にも腕っ節は強くなってしまいますが、街人はそうでもないですよ?」

 

 一刀「そうなのか。」

 

 七乃「はい。」

 

 二十人の訓練(と言っても部隊訓練ではなく対人戦闘訓練だが)を見ながら一刀はふとした疑問の問答をしていたが、そこに美羽が何やら慌てて駆けてきた。

 

 美羽「一刀~、七乃~。大変じゃ~~~」

 

 一刀「どうしたの?」

 

 美羽「ふぅ、ふぅ。双葉(一刀に預けた後、美羽、七乃両名にもすぐ預けた)の報告で何やら南西から軍が近づいて来てるようなのじゃ。」

 

 一刀「軍が?」

 

 七乃「南西ですか?・・・黄祖軍では無いですね。」

 

 美羽「旗は黄、張の二つだと言っておったの。」

 

 一刀「黄祖軍でなく黄と張か・・・七乃、黄忠って人は今どこにいる?」

 

 七乃「劉表さんの所の黄忠さんですか?今も劉表さん配下ですよ?・・・あ~可能性はありますね。」

 

 一刀「だろ?まずいよなぁ・・・」

 

 七乃「まずいですね~」

 

 美羽「黄忠・・・黄忠・・・おお、前一刀の言っておった弓の名手だったかの?」

 

 一刀「そ。美羽、城壁の上に白旗を上げておいて。戦う意思がない事をまずは示す。」

 

 美羽「分かったのじゃ。」

 

 こうして一刀達は南西からくる軍に対し戦闘意思がない事を示し、城門を開いてその軍の到着を待った。無論訓練をしていた女性たちは仮兵舎に詰めてもらっている。何かあったらすぐに各々の判断で逃げるなりするように命じながら。

 

 

 一時間ほどでその軍は到着した。一刀達の予想通り率いていたのは黄忠、そして張の旗を掲げていたのは張允(ちょういん)と言う名の男性だった。

 

 一刀(劉表の所の張允か。彼については歴史上情報が少ないな。劉琮が曹操に降伏した後の情報がないし・・・演義では確か赤壁の後偽報で処刑されたんだっけか?)

 

 黄忠「それで北郷さん。あなたが賊でない証明はどうしますか?」

 

 一刀「ん?あぁ、そうだね。今仮兵舎に詰めてる女性達、中庭に埋めてある奴等、それと俺達の主の名前で証明になるかな?」

 

 七乃「ですね。此処の賊は私達が追い出される前から居たようですし。」

 

 黄忠「袁術さん・・・ですか。良い噂は聞きませんでしたが?」

 

 美羽「のう一刀。」

 

 一刀「これも運命だよ。」

 

 美羽「orz」

 

 黄忠「あの?」

 

 一刀「お気になさらずに。自身の悪い噂を出会う人間に会うたびに言われてる物で・・・」

 

 七乃「これもツケですね。」

 

 一刀「七乃が言わないの。」

 

 七乃「はい・・・」

 

 一刀「それで・・・今までこう言った事に手を出さなかった劉表さんが何でまた?」

 

 黄忠「その事なんですが・・・今まで劉表様は自身の治める街で手いっぱいだったのですが、最近現れ始めた特徴的な賊に心を痛めておりまして・・・それで長期遠征部隊として私と主人を筆頭とした荊州防衛に回っているのです。」

 

 一刀「それで賊の情報をつかんで此処に来た。と言う訳ですか。」

 

 黄忠「はい。」

 

 七乃「劉表さんもさすがに何もしない訳にはいかないと思ったんでしょうね~」

 

 黄忠「そうですね。私もこれがなければ主人と共に益州の友人の所に行っていた所です。」

 

 張允「しかし紫苑、装備を見てみたがどうやら黄祖の軍の物を使っているようだったぞ。」

 

 黄忠「そう・・・あなたはどう見ますか?」

 

 張允「黄祖が賊に通じていると見るのが良いだろう。軍から奪ったにしては状態が良すぎる。」

 

 黄忠「・・・これは黄祖を問い詰めるのが良いみたいですね。」

 

 一刀「それについてなんだけど。俺達も手伝えないかな?」

 

 黄忠「と、いいますと?」

 

 七乃「お嬢様が見過ごせないと言ってるので、私達にも何かできないかと思ってですね。」

 

 張允「ふむ・・・民の噂に聞く天の御使いと心変わりした袁術、そして黄祖に恨みを持つ女性達。悪くないんじゃないか?劉表様も黄祖に関しては頭を悩ませていた事だし。」

 

 黄忠「そうですわね・・・分かりました。ひとまずこの砦を拠点に黄祖を追い詰める事にしましょう。」

 

 一刀「じゃ、俺達は近くの森で狩りしてきます。肉が足りませんしね。」

 

 七乃「今日はお嬢様とでしたか?」

 

 一刀「ああ、弓の練習も兼ねてね。」

 

 黄忠「あら、それでしたら私もご一緒いたしますわ。噂の袁術さんがどういった方なのか見てみたいですもの。」

 

 一刀「あぁ、分かりました。」

 

 七乃「それでは私はお嬢様を呼んできますね。」

 

 黄忠「私は弓の準備をしてきますわ。」

 

 張允「ふむ、気を付けて行けよ、紫苑。」

 

 黄忠「ええ、分かっていますわ。」

 

 張允「璃々も紫苑が怪我をしたら泣くんだからな?」

 

 黄忠「ふふふ、分かっていますよ。相変わらず親馬鹿ね。」

 

 張允「可愛い一人娘だからな。」

 

 黄忠「それじゃあなた、璃々をお願いしますね。」

 

 張允「ああ、任せておけ。」

 

 こうして一刀、美羽、黄忠の三人は近くの森で狩りをする事になった。

 

 

 場所は変わって、此処は美羽の立ち寄った村。孫策はここ数日村内部で情報を集めるも実情は芳しくなかった。そんな中で子供たちが集まって何やら話していた。

 

 

 孫策視点

 

 あら?あの子たち良く集まって話してる子達よね・・・ふふふ、ちょ~っと盗み聞きしちゃおうかしら。

 

 少年A「はぁ~なんか寂しいね~」

 

 少女A「そんなこと言わないでよ。余計寂しくなるでしょ~」

 

 少年B「ま、気持ちは分かるよ。お前術ちゃんの事好きだったもんな。」

 

 少年A「な!?こ、公路の事なんて別に好きでもなんでも無いやい!」

 

 少女A「またまた~そんな事言って~」

 

 ほほう?術ちゃんに、公路ね~・・・やっと情報が入ったか。

 

 孫策「へ~ほほえましいわね、恋話?私も混ぜて~・・・特にその公路ちゃんの事~」

 

 三人「・・・で、出た~!?」

 

 孫策「その反応はひどくない!?お化けじゃないんだから!!」

 

 三人「まだお化けの方が可愛いです!」

 

 孫策「うぉい!?本当にひどい子達ね!!」

 

 三人「むしろ妖の方が可愛いです!」

 

 孫策「私泣くよ!?」

 

 三人「泣いても可愛くないです!!」

 

 孫策「うえぇ~ん、穏~子供たちが酷い~~~!!」

 

 三人「今のうちだ!」

 

 孫策「あ!?逃げた!!」

 

 逃すもんですか!!

 

 少年A「各自散開!賊から逃げるぞ~」

 

 賊扱い!?

 

 少年B「笛を鳴らせ!各員に通達、賊が来たぞ~」

 

 酷くない!?

 

 少女「きゃ~犯される~!」

 

 私女!女だからね!?

 

 少女「男の子達は逃げて~」

 

 そっち!?

 

 孫策「ふ、ふふふ。お姉さんを怒らせたらどうなるか思い知らせてやるわ!待て~!!」

 

 三人「わ~♪」

 

 なかなか良い逃げ脚じゃない。ちょっと楽しくなってきた!

 

 孫策「こら~、待ちなさ~い♪」

 

 五人「待ちませ~ん」

 

 増えた!?

 

 九人「捕まりませ~ん」

 

 さらに!?

 

 十五人「いまだ、迎撃~」

 

 孫策「え?ちょ!?きゃ~~~~」

 

 うぅ、さすがに十五人に掴まれたら重くて動けないじゃない。

 

 孫策「も~、や~ら~れ~た~」

 

 少女「あはは~お姉ちゃん弱い~」

 

 少年B「だね~」

 

 孫策「未来のある子供たちにはかなわないわね~」

 

 まったく、調子いいんだから。あれ?何か聞こうとしたんだけど・・・なんだったかしら。ま、楽しかったからいっか。

 

 陸遜「雪蓮様~そろそろ戻りますよ~」

 

 孫策「あ、穏。分かったわ。それじゃ皆、私はもう帰るから。賊はもうこの周辺には居ないと思うけど・・・気を付けるのよ~」

 

 子供達「は~い」

 

 はぁ、結局何も情報得られなかったわね。・・・あれ?あの子たちに聞こうとしてた事って・・・あぁ!?

 

 孫策「し、しまった!やられた!?く、悔し~!!子供に良いように流されるなんて!!・・・帰ったら冥琳に怒られるかな・・・黙っとこ。」

 

 以上孫策視点

 

 

 

 こうして孫策は彼らの情報を得ることなく建業に帰って行った。

 

 子供達「・・・・・(ニヤ)」

 

 そう、子供たちの不敵な笑みを背にしながら。

 

 

 あとがき(と言う名の人物紹介及び情報変更)

 

 

 北郷一刀

 

 武器 黄祖軍仕様剣(直刀)、木刀

 

 備考 袁術傭兵団副団長。

 

 

 張勲 真名 七乃

 

 武器 親衛隊専用剣、黄祖軍仕様剣(曲刀)

 

 備考 袁術傭兵団専属軍師

 

 

 袁術 真名 美羽

 

 武器 袁家の懐刀、黄祖軍仕様剣(直刀)、黄祖軍仕様弓(一刀カスタム)

 

 備考 袁術傭兵団団長、北郷流古武術三段。

 

 

 関平 真名 双葉

 

 武器 双剣

 

 備考 袁術傭兵団武官筆頭。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 羽生「さてと・・・一刀は何故一般兵程度なのに賊を倒せたか、と友人に聞かれたのでお答えしますのです。」

 

 結璃「聞こうじゃない。」

 

 羽生「あくまで一刀の“武力”が一般兵程度なのです。」

 

 結璃「どう言う事?」

 

 羽生「一刀は操氣術に関しては群を抜いているのです。北郷流内では地位が高くないですが、それなりに戦えると言う事なのです。」

 

 結璃「なるほど・・・それでは一刀君は総合的にどれくらいなのですか?」

 

 羽生「そうですね。恋姫好きのならわかると思いますが蒲公英以上凪未満って所なのです。」

 

 結璃「???」

 

 羽生「武力は蒲公英と同等かそれ以上、氣の扱いは凪と同等かそれ未満なのです。」

 

 結璃「武力一般兵程度じゃないじゃない。」

 

 羽生「僕の中では蒲公英は複数の一般兵を薙ぎ払えない扱いなのです。どちらかと言うと頭を使って戦う印象なので。」

 

 結璃「そう言われれば・・・」

 

 羽生「なので、一刀はそう言う立ち位置なのです。」

 

 結璃「なるほど。一応理解しました。下手に突っ込まれないようにしてくださいね?」

 

 羽生「善処するのです。」

 

 二人「それでは第十話でまたお会いしましょう~」

 


 
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