No.656341

【獣機特警K-9ⅡG】タム姉のラミナ署訪問【交流】

古淵工機さん

そういえばラミナ署の面々と絡ませるのは初だ。

■出演
K-9隊の皆さん
エルザ:http://www.tinami.com/view/551405

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2014-01-20 22:39:55 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:769   閲覧ユーザー数:744

「というわけで、今回は本庁特別機動課よりタム・カワグチ警視正が来署することになった」

 

エルザ署長の言葉に、緊張が走る。

「署長、警視正ってことはすっごくエラい人なんですよね?」

と、質問を投げかけるソラ。

「ああ、そうだが階級上は私と同じ人物だ。とにかくあまり気は張らなくていいから、いつもどおりの仕事をしていてくれ。以上だ」

ラミナ警察署・1Fロビー。

ここではナタリアとソラが話をしている

「タム警視正ってどんな人なんだろう…」

「エルザ署長よりお若いということらしいですが、警察の上層部の方なんでしょ?」

「大変!失礼がないようにしなくっちゃ…」

と、ナタリアとソラが話しているところに、幻獣部隊のキリカと、生活警備課のミウ、テムナが歩いてきた。

 

「よ!K-9隊の若手ちゃん」

「あ、キリカさんにミウさん、テムナさん」

「キリカさんたちも聞いてますよね、今日のこと」

「ああ、聞いてるよ」

と、キリカとの会話でなにやらまだ緊張で震えているナタリアとソラを見たテムナは大爆笑した。

 

「あーっはっはっは!あんたら何緊張しとんの?」

「何がおかしいんですかーっ!?だってそりゃ緊張もしますよ!本庁のお偉い方なんでしょ?」

と、切り返すソラにミウはにっこり微笑む。

 

「そりゃ緊張するのはわからないでもないけど、あの人あたしの姉ちゃんだし」

「え!?」

一気に緊張が解け、目が点になるナタリアとソラ。

「確かにいろいろと武勲立ててあのポストにいるけどさ、普段はとてもそうとは思え…」

そう言って得意げに話すミウの背後に近づいた影を見て、ナタリアとソラの表情が恐怖に引きつる。

「ん?どしたの二人とも怖そうな顔し…ぶげ!?」

ミウの脳天にチョップが直撃した…。

「いったいなぁ…チョップすることないじゃんかぁ…」

「ったく、一言多いのよアンタは」

そこに現れたのはグレーとアイボリーの毛皮で包まれたネコの女性。

彼女こそ今回の来客、ミウの姉であるタムその人であった。

 

「あーぁミウ、墓穴掘ってもうたなァ」

「テムナ、それぜんっぜんフォローになってない…」

ミウの頭には大きなたんこぶができていた。

それを見ていたタムは、ミウを軽く鼻であしらう。

「ま、口には気をつけることねw」

「へいへい…」

その様子を見ていたナタリアとソラはあっけにとられていたが…。

 

「え、えーっと、あなたがタム警視正ですよね?」

再び緊張するナタリアの頭に、タムはそっと手を置いて答える。

「フフフ、タムさんでいいわよ。階級で呼ばれるのはあんまり好きじゃないの」

「じゃ、よろしくお願いしますタムさん!」

「今からK-9隊を案内しますね!!」

と、ナタリアとソラはタムの手を引きK-9ルームへと向かう。

「隊長、タムさんがお見えになったのでお連れしました!」

ナタリアの声とともにK-9ルームのドアが開く。すぐさま反応するほかのメンバー。

「タムさん、わざわざご苦労様です。K-9隊隊長の…」

と、隊長のクオンが自己紹介をするが、途中でタムにさえぎられてしまう。

 

「ああ、お名前は伺ってるわよ。久遠・ココノエさんね。いつもご苦労様」

「え、ご存知なんですか?」

「知ってるも何も、アイヴィー前総監からお話は伺ってたし…それにしても隊長を任されるなんて、大出世じゃない!」

「いやぁ、お恥ずかしい…」

と、照れ笑いを浮かべるクオンのそばで、タムを見つめていたイシスがあることに気がついた。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「どうしたのイシスさん?」

「以前お会いしたときには確か、ファンガーだったはずですが…今ここにいるタムさんはロボットの識別反応が出てますよ」

 

…実はイシスには特別製のセンサーが内蔵されており、相手がロボットであるかどうかが識別できるようになっているのだ。

今回、イシスが違和感を覚えたのも、タムの身体からロボット特有の電磁パルスが放射されていたからであろう。それに気づいたタムは照れくさそうに答える。

「ああ…ちょっと身体を無くしちゃってね…。まったく恥ずかしい限りよ」

「身体を…」

「無くした?」

きょとんとした様子のジョニーとミライに、ミウはフォローを入れる。

「あー、タム姉は突入作戦で一回死んじゃったんだ。それであたし悲しくて悔しくて大泣きしてさ」

「せやけど、レオン博士とテレジア博士が来はって、タム姐さんをロボットにしてくれはったんやわ。そうですよね、姐さん?」

「ええ。あの時ミウが泣いて頼んでくれなかったらあたしはもう…」

と、しばし物憂げな表情を浮かべていたタムだったが、やがて涙をぬぐうとこう続けた。

 

「さ、湿っぽいのはここまでにしましょ。あ、そうだわ!実は訓練プログラムを作ってきたんだけど、やってみない?」

「いいですね!やりましょう!」

「僕もその訓練受けさせてください!」

「あたしも!いつか署長(ママ)みたいに強くなるの!」

と、タツヤ、ソウ、ベルタが続く。

「ははは、みんな元気がいいなァ。それじゃタムさん、早速お願いしますね」

「ふふ、訓練だからって甘く見てるとイタいわよ?あたしはキビしいんだからね!w」

 

ラミナ警察署の平和な一日が、また今日も過ぎようとしていたのだった…。

 


 
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