No.655596

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 908

soranoさん

第908話

2014-01-18 15:10:33 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1405   閲覧ユーザー数:1347

~最果ての道~

 

「クスクス……おかしなことを言いますわね?―――――”貴方たちだって三度、それに助けられています”のに。」

「へ………?」

「た、助けられたって……」

妖しげな笑みを浮かべて言ったマリアベルの話を聞いたランディとエリィは呆け

「―――そういう事ね。ロイドお兄さん達は何らかの要因によって”三回死んで”、”覚醒したキーアの力で死んだ原因となった因果を操作され、今ここにいる”のね。」

レンは納得した様子で頷いた。

「あ、あんですって~!?」

「じゃあ僕達がロイド達と出会った事すらも……!」

「―――その可能性は高いですわ。」

レンの話を聞いたエステルは驚きの表情で声を上げ、ヨシュアは真剣な表情で声を上げ、フェミリンスは静かな表情で頷いた。

「ね、ねえ……じゃああたし達の存在すらもそうじゃないのかな……?」

「ええ………因果を変えるという事は生まれる子供を変える事もできるでしょうね……」

「ただ私達の世界はこちらの世界と繋がっていませんでしたから、そこまではできないと思うのですが……」

不安そうな表情で呟いたシャマーラの言葉を聞いたエリナは重々しい様子を纏って頷き、セティは考え込んでいた。

「ウフフ………”殲滅天使”の言う通り既に三度、大規模な現実の改変が行われているのです。あなた方が、”暴走したヨアヒムに殺されてしまった”と”ガレリア要塞の列車砲が帝国解放戦線によって起動してオルキスタワーに直撃し、その結果あなた達が殺されてしまった”という現実の改変が。……まあ、”3度目”についてはキーアさんも教えてくれませんでしたが。」

「…………………」

「…………マジ…………なのか………?」

マリアベルの説明を聞いたエリィは複雑そうな表情で黙り込み、ランディは目を細め

「それじゃあ、あの時空砲だったのは………」

「君のお蔭だったの~!?」

「……なるほどね。”事故防止の為の最初は空砲という設計がされてある因果へと操作した”のね……」

フィーは信じられない表情をし、ミリアムは混乱した様子で声を上げ、サラは真剣な表情で幹に埋まっているキーアを見つめた。

 

「………”最初の時”、ロイド達はエステル達やレンとそんなに仲良くならなかった……それが原因で4人だけで乗り込んで……あの子の助言もないまま結局……」

「―――なるほどね。確かにあの時レンが忠告しなかったら、お兄さん達は殺されていたでしょうね。ツメが甘いエステル達がいた所で同じ結果だったでしょうし。」

キーアの説明を聞いたレンは頷き

「あ、あんですって~!?」

「エステル、落ち着いて。」

「まだ話の途中だよ~。」

レンの話を聞いたエステルはジト目でレンを睨み、呆れた表情のヨシュアは苦笑しているミントと共にエステルを諌めた。

「そして”二度目の時”は最初撃った時は”空砲”にして、リィン達―――”Ⅶ組”にギリギリ阻止してもらうようにしたの。」

「お、俺!?」

「兄様がアリサさん達と一緒に……………」

ロイド達の傍にいるキーアの説明を聞いたリィンは驚き、エリゼは呆け

「た、確かに私達が阻止したタイミングはほぼギリギリだったわよね……?」

「ああ……あの時は本当に間一髪だったしな……」

アリサは不安そうな表情で呟き、ガイウスは重々しい様子を纏って頷いた。

「あら…………まさかとは思いましたが貴女は………―――――未来のキーアさんなのですね?」

一方マリアベルは目を丸くした後妖しげな笑みを浮かべ

「何……!?し、しかし……それなら何故この時代に……いや、それ以前に今こうして彼らと共にいるのだ……!?」

マリアベルの言葉を聞いたイアンは驚いた後信じられない表情でロイド達の傍にいるキーアを見つめた。

「……………そして”3度目”は………ロイド達が”マリアベル達からキーアを助けて”、その後エレボニア帝国に支配されたクロスベルを独立させて………結婚したロイドとエリィが新婚旅行の為に飛行船に乗った際……独立したクロスベルをよく思っていないエレボニア帝国の過激派のテロによって………”飛行船が爆破されてロイド達が殺される未来”を識(し)って………因果を操って世界の勢力を最初から変える為に……このゼムリア大陸をも圧倒できる戦力と国力を持っていて……”神”の力すらも扱える人達もいるけど、決して力に溺れず”共存”を目指しているメンフィル帝国がある世界を繋げ……ロイド達とメンフィルの人達が関われるようにイリーナを”本来なら存在しなかった”エリィのお姉さん――――”イリーナ”に生まれ変わらせ………そしてロイド達を恨む人達が現れないような政治をしてくれる人達――――ヴァイスハイト達を転生させて、この時代に現れてロイド達の味方をしてくれるようにしたの………」

「!!」

「お、お姉様が”本来なら存在しなかった”………?」

自分達の傍にいるキーアの説明を聞いたロイドは目を見開き、エリィは呆け

「じゃ、じゃあまさかわたしに翼があったり、”影の国”に巻き込まれたのも………」

「うん………………ティオがエステル達やリウイ達と仲良くなって、いざという時にティオ達を助けてもらう為だよ………」

不安そうな表情で呟いたティオの言葉に幹に埋まっているキーアは頷き

(なるほどな……あのメンバーの中で他のメンバーと比べると”縁”が薄いティオちゃんがなんで巻き込まれたんか疑問やったが……そう言う事やったんか。)

「信じられない………女神すらも超えているなんて………」

「そうですね………世界を創り変えるなんて事は私の力では不可能です。」

キーアの話を聞いた気配を隠しているケビンは真剣な表情になり、信じられない表情で呟いたリースの言葉にエイドスは静かに頷いた。

「うふふ……素朴な疑問なのですが……何故この場に未来のキーアさんが現代のロイドさん達と一緒にいるのかしら?」

その時マリアベルは怪しげな笑みを浮かべて尋ねたが

「………ロイド達を手伝う為だよ。それに………”未来のキーアが今ここにいる時点”で、”マリアベル達が敗北する事が決定している未来”もわかっているんじゃないの……?」

「………何ですって……!?紛い物の分際で随分と大きな口を叩きますわね…………!」

「馬鹿な………一体何故………」

真剣な表情で答えたロイド達の傍にいるキーアの話を聞いて厳しい表情でロイド達の傍にいるキーアを睨み、イアンは狼狽え

「ベル!今の言葉、取り消しなさい!」

「人を紛い物扱いするなんて、彼女は本当に僕達と同じ人間なのか?」

「むしろ”魔女”って言った方がしっくりくる。」

「まあ、実際古代の錬金術師だからその通りだよね~。」

「…………………」

マリアベルの言葉を聞いたエリィは怒りの表情でマリアベルを睨み、マキアスは厳しい表情でマリアベルを睨み、フィーは静かに呟き、フィーの言葉を聞いたミリアムは頷き、エマは複雑そうな表情で黙り込んだ。

 

「フン………キーアさん、今の話は一体どういう事ですか?」

エリィ達に睨まれたマリアベルは鼻を鳴らした後幹に埋まっているキーアを睨んで尋ね

「…………………」

尋ねられたキーアは黙り込んでいた。

「…………………」

キーアの様子を見たマリアベルは唇を噛みしめてキーアを睨んでいたがすぐに気を取り直してロイド達を見つめて説明し始めた。

「この”碧の大樹”――――キーアさんの力を増幅し、七耀脈を通じて世界”そのもの”とリンクできる神樹があれば……悲劇を回避できるどころか、先程先生が仰っていたレベルで現実を改変する事が可能なのです。」

「………!」

「それがこの”大樹”の力……」

「………オイオイ………シャレになってねぇぞ……」

「め、滅茶苦茶だ………!」

「………だがそれはあまりにも人々が紡ぐ歴史を愚弄している行為だぞ………」

マリアベルの説明を聞いたロイドは目を見開き、ティオは真剣な表情になり、ランディは厳しい表情で呟き、マキアスは信じられない表情になり、ヴィクターは怒りの表情でマリアベル達を睨んだ。

「うふふ……素敵でしょう?こんな”素敵なもの”があればもう何も恐くない……!世界の全てに幸福を与え、哀しい思いをすることもない!人はあらゆる不安から解放され、”善きもの”だけを追求できる!まさしく錬金術の奥義――――大いなる秘宝(アルス=マグナ)というものですわ!」

「教授どころかヨアヒムだってここまで狂っていなかった気がするわ………」

「そうだね。まさか彼らを超える狂人がいるなんてね。」

「何であんな考えができるんだろうね……?」

嬉しそうな表情で高々と叫んだマリアベルの言葉を聞いたエステルは呆れた表情で答え、ヨシュアはエステルの言葉に頷き、ミントは不安そうな表情で呟き

「ベル……貴女は………」

「貴様………!どこまで俺達――――”人”の存在を愚弄するつもりだ!?」

エリィとユーシスは怒りの表情でマリアベル達を睨んだ。

「………―――イアン先生。本当にそれで、いいんですか?」

するとその時考え込んでいたロイドは真剣な表情で尋ねた…………

 

 

 


 
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