No.655173

戦姫絶唱シンフォギア 黒衣の剣士と装者達

はらっぱさん

覚醒

2014-01-16 21:36:46 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:4033   閲覧ユーザー数:3913

「はあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

俺は二刀を交差させてノリスのデバイスとつばぜり合いになる。

 

「なるほど、力は段違いに上がったな・・・だがそれだけでは私には勝てんぞ!!」

 

「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

俺は・・・絶対に負けられないんだ!!

 

響SIDE

 

私たちはアリスちゃんに守られながら夕也さんの戦いを見守っている。

 

「あれが、夕也さん・・・」

 

私は思わず呟いてしまう。

 

夕也さんと出会ったのは偶然だった。あの時は私は久しぶりの休日でお昼ご飯を自分で作るために買出しに向かった。

 

しかし、買っている時に楽しくなってしまい、あまりにも買いすぎてしまったのだ。

 

そしてどうしようかと思っていたときに夕也さんがお金を建て替えてくれたのだ。

 

あれ以来、夕也さんとは接する機会が増えた。それに夕也さんが魔法を使えると言われた時にも驚いた。

 

そして、模擬戦の時。

 

夕也さんは私を気遣ってくれた。多分あの時からだろう。

 

夕也さんの顔を見るのが、恥ずかしくなってしまった。それこそ見たら隠れてしまう程だ。

 

そのことを親友に相談してみたら

 

「響、それは恋!間違いないよ!」

 

そう言われた。そして合点がいった。

 

そうだったんだ・・・私は夕也さんの事が好きになったんだって思った・・・。

 

私は・・・ここで見てるだけでいいの?

 

SIDE OUT

 

翼SIDE

 

前園夕也・・・ある日、突然現れたノイズを倒せる人。

 

そのタネは魔法を使えるという事だった。

 

あの時の私はおかしかったんだろう

 

模擬戦が終わった後、しつこく聞いてしまった。

 

それに対する夕也さんの言葉は

 

「死んだ人は生き返らない。それはこの世界の真理そのものだ。その真理に逆らえばその人は人では無くなる。お前はまだ人なんだ。人であるんだ」

 

私はそうやって諭されて、ようやく思い出した。

 

奏はそんなの望んでなかった。それどころか、私が生きる事を願っていた。

 

それに気づいた翌日、私は夕也さんの言葉は

 

「気づけただけでもよかったよ。人間やり直しが利かなくなる前に止めないといけないしね」

 

そう、笑顔で言われた。そして魔法は決して人を生き返らせる物ではない、魔法は人に笑顔を運んでくれるものだという事も。

 

それからなのかな・・・夕也さんを目で追うようになった。

 

この気持ちが何なのかわからない・・・でも、夕也さんは頑張ってるのに私たちは見てるだけなんて・・・嫌だ・・・!

 

SIDE OUT

 

クリスSIDE

 

私たちの前でノイズを操っている男と戦っている夕也・・・。

 

夕也がここまで強いなんて思ってなかった・・・。

 

模擬戦で戦ったとき、私は慢心してなかった。慢心してなかったけど・・・負けた。

 

そこで夕也が魔法を使えるのを知った。

 

でも夕也はそんな憧れるような力を持っていても誇ってなかった。それどころか、自分の為ではなく他人の為に魔法を使ってる。

 

そんな夕也に憧れたのかもしれない。

 

私は一度は響達と戦っていた。でも響達と戦って仲間の大切さを知った。

 

でも、この世界には夕也の仲間はいない・・・。

 

だったら、私たちが仲間になればいいと思った。

 

それから私は夕也に積極的に接していった。

 

今までも思ってきたけど夕也はさりげない所で優しいと思った。

 

以前、私がナンパにからまれたことがあったんだけど。

 

その時に夕也が来たんだ。

 

「止めてもらえますか?」

 

「あぁ?てめぇ、何だ?」

 

「俺たちは今、この女の子と喋ってんだ。邪魔しないでくれるかな?」

 

「残念だったな、この娘は今から俺と街を回る事になってるんだ」

 

「けっ。そんな嘘通じると思ってんのか?」

 

「そうだな、でも本当なんだ」

 

夕也は男の手首を掴んだ。

 

「だから、どっかに行ってくれないか?邪魔なんだ」

 

「・・・けっ!行こうぜ・・・」

 

そう言って男達は去っていったけど・・・

 

「はぁ、この街はあんな奴がいるんだな・・・クリス、大丈夫か?」

 

「大丈夫も何も、あんな奴私一人で」

 

「確かにお前は装者だけど、それ以前にお前は一人の女の子なんだ。そこん所ちゃんとわかってんのか?」

 

「なっ!?お、お前はいきなり何を言ってんだ!?」

 

この時、私の顔は真っ赤になってたと思う。

 

それからかな・・・夕也の姿を見つける度に楽しみにしてる自分がいた。

 

この気持ちが何なのか・・・私にはまだわからない。でも夕也・・・お前は一人じゃないんだぜ!

 

SIDE OUT

 

その後も空中で俺たちは斬り合う。一進一退の攻防って感じだ。

 

「どうしたどうした!?この程度か!」

 

「こ、この・・・!」

 

いや、語弊があるな。俺が若干ヤバい。

 

何がヤバいのかっていうと、相手との場数の回数が違うからな。力もだし経験もあっちの方が上だ。

 

でも、諦めるわけには、いかないんだっ!

 

「響達が住んでいる・・・この世界を!!!!」

 

俺は剣を逆手に持って、右手を引き、一気に振り抜く。

 

その軌跡は三日月を描く技。

 

「“月閃光”!!」

 

「ぐおっ!?」

 

しかし、それを耐え抜くノリス。

 

「ふん中々だが「まだまだ!」なにっ!?」

 

「繋げる!“月閃虚崩”!!」

 

振り抜いた剣を今度は下に振り抜く。

 

その斬撃を受けたノリスは地面に落下していった。

 

手応えはあったけど・・・

 

「ふっふっふ・・・楽しませてくれる・・・はぁっ!」

 

「なっ!?」

 

やっぱりか!!

 

「さあ、堕ちよ!!“輪廻からの呼び声(エンド・オブ・リクドウ)!!」

 

しまった、この技は・・・。

 

「ぐ・・・ぐわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!????」

 

輪廻からの呼び声(エンド・オブ・リクドウ)・・・この技はノリスの得意とする音を使った魔法で、名前の通りこの音を聞いた人間は、輪廻に導かれると言われるノリスの必殺魔法だ。

 

「ふふふ・・・中々に楽しかったぞ、クソコンビの息子よ・・・だが、これで終わりだ・・・地獄で両親と会っていろ!!」

 

「ぐわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

耳が・・・あ、頭が・・・弾け飛びそうだ・・・!

 

『ゆ、ユウ・・・これ、は、さすがに・・・』

 

『ぼく、達も・・・きつい、かな・・・』

 

デバイスにまで影響を及ぼすのかよ・・・!

 

「く・・・ぐ・・・」

 

もう、立っていられな・・・「・くの・・・とど・・い・ます・」・・・なん、だ?この声・・・?

 

「何だ・・・この歌声は・・・?」

 

ノリスさえもわからないらしい。

 

声の出所を探すと・・・それは、すぐ真下だった。

 

そう、歌っていたのは・・・響達だったのだ。

 

「み、みんな・・・」

 

この歌は・・・一体・・・シンフォギアの力を引き出す歌じゃないけど・・・

 

でも、わかる。この歌に込められた思いが・・・俺の中に流れ込んでくる・・・。

 

『夕也さん!』

 

『夕也さん』

 

『夕也!』

 

響・・・翼・・・クリス・・・まさか、俺の為に歌ってくれてるのか?

 

だったら、期待に応えないとな!!

 

「そうだよな・・・」

 

「なっ!?俺の魔法はまだ続いている筈だ!なのになぜっ!?」

 

「わからないよな・・・人を殺す音しか知らないお前には・・・皆に希望をくれる歌の存在を・・・!」

 

「希望だとっ!?そんな物は存在しない!」

 

「存在してるんだよ!今、この時!!」

 

俺は剣を握り締めて、構える。

 

「そうだよな・・・俺は一人じゃないんだ・・・皆がいるんだ・・・!アリス!!」

 

「わかってるよ」

 

そう言って俺の隣に寄り添ってくれるアリス。

 

「なぜだ!?この音の前では人間はあまりにも無力の筈だ!!」

 

「それはお前の思い違いだ!!人はな・・・希望がある限り、諦めない!皆の希望が・・・俺の希望だ!アリス、いくぞ!!」

 

「はい!!」

 

俺はアリスの左手を、アリスは俺の右手を握り締める。

 

「人の希望を阻むものを・・・俺は絶対に許さない!」

 

「私たちの希望は・・・そうそう簡単に壊れはしない!!」

 

そして、歌を歌っていた響達も応えてくれる。

 

「お前のような悪党を・・・私たちは許さない!!」

 

「あなたのその計画・・・私たちが絶対に止める!!」

 

「そう・・・私たちの手で!希望を守り、未来を守る!!」

 

「アリス・・・ユニゾン!!」

 

「イン!!」

 

俺はアリスとユニゾンを果たす。

 

俺の髪の色が金色になり、バリアジャケットの所々に白が混じったバリアジャケットになった。

 

そして、響達にも変化があった。

 

「「「えっ!?」」」

 

響達の体が輝いていたのだ。

 

「それは魔法の光だ!!自分たちのシンフォギアの名前を呼べ!!応えてくれる!!」

 

「「「・・・(コクッ)」」」

 

皆は俺の声に応えるように叫ぶ。

 

「ガングニール!!」

 

天羽々斬(あまのはばきり)!!」

 

「イチイバル!!」

 

『『『スタンバイ、レディ・・・セットアップ!!』』』

 

そして、皆の外見は変わらないが・・・その代わり、魔力を感じられるようになった。

 

「何だ、この魔力は!?」

 

「あいつらの魔力だよ!!」

 

そして、三人とも俺の側まで飛んでくる。

 

「ふわぁ・・・飛んでる・・・」

 

「響、感傷に浸るのは後だぜ」

 

「そう、今はこいつを倒すのが先決よ」

 

「そうでした!」

 

皆は変わらない。でも俺の仲間だ。

 

「さあ、ノリス!第三ラウンドだ・・・締めは、ヒーローの勝利で決まってるんだぜ!?」

 

後書き

 

・・・ものすごく、ご都合主義な展開になってると思います、はらっぱでございます。

 

今回と次でこの戦姫絶唱シンフォギア編は終わると思いますが・・・その先には、皆さんお待ちかねのストライカーズ編でございます。

 

このストライカーズ編では今までの方々の書いてきた物とはちょっと違う感じになっていくと思いますので、更新が遅くならないように注意していきますので・・・

 

さてさて、では今回はこの辺で。

 

次回もお楽しみにっ!


 
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