「それで、情報操作はうまくいっているの?桂花?」
「はい、華琳さま。宮廷内ではもう三分の一ほどが袁紹が謀反を起こすと疑っているようです」
「麗羽の勢力の大きさは見過ごせない所まで来ている。そんな時にこんな話が出回れば、警戒しないわけにはいかないでしょうね」
「爆弾が出来上がり次第、火をつけましょう。あと、もう一つの件も進行している頃ですね」
「そうね。悪いけど、あの娘たちにもそろそろ退場してもらわないと・・・・・・」
詠は相変わらず仕事に追われていた。
「詠ちゃん大丈夫?」
「・・・・・・駄目。休憩しない?月」
「うん、詠ちゃん」
ふう、と息を吐く詠。
「片付けても片付けても終わらないわ。周りに仕事が出来るやつらがいれば、もう少し楽が出来るんだけどね・・・・・・」
「へぅ・・・・・・」
詠は前任の人間とは比較にならないほど公明正大に政治を行っていた。
ただ、公明正大なだけに、高官たちが腐りきっているこの宮廷内では、二人の味方は少なかった。
それゆえに・・・・・・
バタン!!
扉を乱暴に開け、兵士たちが部屋に入ってきた。
「な、何よあんたたち!?」
詠は席を立つと、月をかばうように前に出た。
「董卓様並びに賈駆様。申し訳ありませんが、ある疑いにより、身柄を拘束させていただきます」
「疑いって何よ!あたし達は何も悪いことなんてしてないわよ!!」
「・・・・・・」
「言いなさい!あたし達が何をしたっていうの!?」
「・・・・・・それは」
「霊帝殺害です」
夜、宮廷内の一室にて
「馬鹿な!?そのような事ある訳がない!!」
「うちだってそう思ってる!けど、うちがどうこう言ってもどうにもならんかったんや!!」
激昂する華雄と、悔しそうに爪が食い込むほど手を握り締める霞。
部屋の中には董卓軍の重要人物である四人、華雄、霞、恋、ねねが勢揃いしていた。
結局あの後、月と詠は兵士たちに連れて行かれ、二人一緒に監禁される事となった。
二人が連れて行かれる途中、偶然その場に居合わせた霞がその場で事情を聞き、この場に皆を集めたのであった。
「・・・・・・ねね」
「分かっています恋殿」
ねねは頷き、話を始めた。
「今回疑いをかけてきた高官達の意見はこうです。董卓、賈駆は秘密裏に帝を殺害。次に帝の影を用意して婚礼を行った。そして、あの騒ぎのどさくさに紛れて影を処理。その後十常持を始末して帝の後ろ盾となり、権力を握る・・・・・・と、これが全ての筋書きだったと」
「馬鹿げている!証拠がある訳でもあるまい!」
「そのとおりです。しかし、あいつらは今回を機に完全にこちらを潰しにかかっています。証拠を捏造して、無理やりにでも濡れ衣を着せてくる事もかんがえられるのです」
「・・・・・・月も詠も、悪い事、何もしてない・・・・・・」
「恋の言うとおりや。せやけど、昔からここにいた連中から見れば、月と詠の存在は目の上のたんこぶだったんやろな」
「我々も拘束こそされていませんが、ずっと監視はつけられています。下手な動きはできないのです・・・・・・」
「「「「・・・・・・」」」」
皆、一様に沈黙していた。
そんな中、華雄は心の中で叫んでいた
(一刀!二人を助けてくれ!!)
宮廷内に送り込んでいた草から自分達の謀反の噂、そして月たちの件の報告を受けた一刀は、麗羽、白蓮、桃花、小蓮を部屋に呼び出していた。
「という訳だ。俺や麗羽の事もそうだが、月たちの事に関しては急がなきゃいけねえ」
「ですわね。それで、どうしますの?」
「・・・・・・白蓮、桃香」
「何だ?」
「は、はい?」
「二人は帰ったほうがいい」
「「ど、どうして!?」」
白蓮と桃花は同時に言って、一刀に詰め寄った。
「俺はこれから、稀代の大悪党になるからだ」
「あ、悪党って・・・・・・」
「シャオ、お前も思春を連れて呉に戻ってくれ」
「か、一刀?」
「麗羽、すまねえ」
「ど、どうして謝るんですの?」
一刀を除く全員が戸惑いを隠せなかった。
そして、一刀は言った。
「俺は、この国に喧嘩を売る!!」
どうも、アキナスです。
時の歯車は大きく回り始めました。
暗躍する華琳。
捕らわれの月、詠。
そして一刀の宣言。
今、国中を巻き込んだ戦いが幕を開ける!!
それでは次回に・・・・・・
「究極!ゲシュペンストキック!!」
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裏で暗躍する者・・・・・・