「しまったわ・・・私がこんな失敗を犯すなんて・・・」
ある夏の日の午後、小波デイジー(←本名)は悩んでいた。
「今迄こんな事が起きないように細心の注意を払ってきたつもりだったのに、
こんな所でつまづくなんて(涙)」
彼女の悩みの種は3日後の8月第一週日曜日にあった。
「大体、皆が悪いのよねっ。絶対に断ってくると思ったんだもん!
なのに、こんな時に限って・・・」
スケジュール帳に目を落とすデイジー。
そこにはデートを示すハートが描かれていた。
その数、なんと6個。 ♡♡♡♡♡♡
「全員OKってどういう事なのかしら!?
クリス君や天地君はともかく、
佐伯君が温水プール、志波君が空中庭園、氷上君やハリーが海にOKするなんて・・・・・
誰も思わないじゃな〜い!!!!(泣)」
コンコン。
「お姉ちゃ〜ん、さっきから泣き声が聞こえるみたいだけど・・・大丈夫?」
「遊くん・・・」
振り返ると、お隣に住んでいる遊君が窓から心配そうにこちらの様子を伺っていた。
学内の有望な男の携帯電話の番号を入手してきてくれるなど、
いつもは何かとデイジーの手助けをしてくれる心強い少年ではあるが、
さすがにこんな窮状を打ち明ける訳にはいかなかった。
「ありがとう、遊君。お姉ちゃん、大丈夫だから」
ニコッと笑い、さりげなく窓を閉めるデイジー。
「そ、そう?それなら良いんだけど・・・」
ガラガラ、ピシャン。
『お姉ちゃん・・・実は外まで丸聞こえだったんだけどね・・・(泣)』
6つ下の小学生に気を遣われるデイジーであった。
再び一人になったデイジーは、悩み抜いていた。
「嘆いていても仕方ないわ。
何とかこの危機を脱しないと、どんな爆弾地獄が待ってるか分かったもんじゃないっ!!
どうにか、どうにかしないと〜!!!!」
「・・・やっぱり、時間差で行くしかないかしら。
一人2時間として、2×6=12。
朝9時からで夜9時まで・・・あ、でも移動時間も要るわよね。
じゃあ、ちょっと早いけど朝8時からとして、最後が夜8時の待ち合わせ・・・。
ああっ、でもそうすると順番も大事よね!?
夜の8時に海でデートって、変な目的だと思われても困るし。
それにクリス君とのヒップホップライブは時間が決まってるし・・・」
♪ピロリロリ〜♪
デイジーが学力172の頭をフル回転させていると、携帯電話の着信音が鳴った。
「あっ、もしもし小波さんですか? 若王子です。
今度の日曜日、花火大会があるそうなんですが、良ければ一緒に行きませんか?」
(「かまいたちの夜」風に→)〜終〜
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ギャグストーリーです。
笑って許せる心の広いデイジー様のみご覧下さい(笑)
by 三八