No.652525

北郷一刀の外史紡ぎ 第四話

ユウヤさん

第四話なのです。
今回はあのメンマ星人の登場です。
一刀強くしすぎた?ま、大丈夫でしょう。
一応祖父母の英才教育の賜物だと思ってください(後付けが過ぎる!?)
それでは本編どうぞ

2014-01-07 11:06:52 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4686   閲覧ユーザー数:3685

第四話―最初の一歩

 

 一刀達は現在揚州から荊州に向かって歩いていた。本来北に居を構える袁紹を頼る所だが、袁術が極度の袁紹嫌いなのを理由に西進していたらしい。

 

 袁術「う~、お腹が空いたのじゃ。何か食べたいのじゃ~」

 

 七乃「お嬢様、我が儘はいけませんよ~。私達より餓えている人は沢山いるんですからね~」

 

 一刀「七乃の言う通りだぞ袁術。もし新たに土地を治めるなら民の事を考えなきゃならん。」

 

 袁術「いつの間に七乃を真名で呼ぶようになったのじゃ??一刀よ。」

 

 一刀「ん?ついさっきだよ?」

 

 袁術「いつの間に仲良くなったのじゃ!?まさか・・・妖術か!?」

 

 七乃「・・・そうですね~。怪しい言葉にほだされて籠絡されたんですよ~」

 

 一刀「人聞きが悪いよ!?」

 

 七乃「ふふふ、冗談ですよ~」

 

 袁術「なんじゃ、すごく仲間はずれな気がするんじゃが?」

 

 七乃「そんなことないですよ、お嬢様。」

 

 袁術「そうか?それならいいんだがの・・・」

 

 そんな他愛のない会話をしながら一刀達は西に向け旅を始めたのだった。しばらくそんな会話を続けながらふと一刀は七乃にこれからについて話し出した。

 

 一刀「さて・・・このあたりで酷い政をしている奴らは居るのかね~」

 

 七乃「どうでしょう?噂では荊州の劉表はそこそこ良い領主らしいですし、益州の劉璋は民思いの領主と聞いてます。しかしそのどちらも平凡ですので民の不満はあるみたいですね~」

 一刀「そっか~。荊州辺りに居を構えると孫策が怖いな。狙うなら益州の劉璋かな?」

 

 七乃「そうですね。地盤を固めてそれなりに戦えるようにならないと孫策さんにはかなわないと思いますし・・・」

 

 一刀「だよね。さてどうするか・・・ん?七乃、あれって煙?」

 

 七乃「・・・あれって・・・火事ですかね?確かあの辺りには小さな村があった気がしますが・・・」

 

 それを聞いた一刀は地面に耳を付けて意識を集中させた。すると小さいながらも明らかに大人数がまとまって動く足音が聞こえてきたのだ。僅かながらに蹄の音も混ざっている。

 

 一刀「・・・蹄の音、集団の足音・・・七乃、まさか」

 

 七乃「賊に襲われているようですね。まずいですよ。こっちに気が付いたら襲われます。」

 

 一刀「・・・助けに行こう。」

 

 七乃「えぇ!?私達三人だけですか!?お嬢様は戦えないんですよ!」

 

 一刀「・・・世界を知るための第一歩。地獄が最初なら尚良しだ。」

 

 七乃「・・・荒療治ですか?」

 

 一刀「袁術が心根の優しい子であることを祈る。」

 

 七乃「その点は自信を持って大丈夫と言いたいです。」

 

 一刀と七乃は目の前の襲われている村を助けに行くことを袁術に伝えるがそれを聞いた袁術は顔色を変え反論してきた。

 

 袁術「な、七乃?あそこは賊が居るのではないのかえ?どうしてそっちに走ろうとしてるのじゃ??」

 

 七乃「お嬢様、あの村を助けに行きますよ。」

 

 袁術「な、何を言ってるのじゃ!?む、無理に決まっておろう!!」

 

 一刀「・・・袁術、君と変わらない子供たちが今殺されようとしてる。それでも君は目をそむけ見殺しにするのか?助けられる可能性を捨てるのか?」

 

 袁術「そ、それは・・・げ、下賤な民が勝手に死ぬだけじゃろ!?」

 

 一刀「!?」

 

 ぱちん

 

 袁術「!?」

 

 突如響いた音に袁術も一刀も何が起こったのか分からなかったが袁術の目の前で手のひらを振り抜いた七乃が佇んでいた。

 

 一刀「な、七乃?」

 

 七乃「お嬢様、私は・・・お嬢様にはそれだけは言ってほしくありません。私は・・・お嬢様の言う下賤な民の出身です。」

 

 袁術「・・・・・・え?」

 

 七乃は袁術に仕える以前の幼いころの自身の事を話してくれた。小さな村出身な事、賊に襲われ家族を殺された事、賊に犯されそうな所を袁術の母率いる軍に救われた事、それから勉強して軍師にまで上り詰めた事、袁術に出会うまでの自身の事を話してくれたのだ。

 

 一刀「袁術、君は見てるだけでいい。君はまず世間の現実を知らなきゃならない。君が人として出来た人間にならなきゃ駄目だからね。」

 

 袁術「・・・わかったのじゃ。」

 

 一刀「ん・・・いい子だね。」

 

 そう言うと一刀は足を僅かに震わせている袁術の頭を優しくなでてやる。

 

 袁術「な、何をするのじゃ!?や、やめるのじゃ~~~」

 

 七乃(あれ?なんでしょう・・・すごくお嬢様が羨ましい・・・変ですね。)

 

 一刀「さてと・・・行こうか、七乃。」

 

 七乃「え?あ、はい。賊程度なら私でもやっつけられるでしょうしね~」

 

 そう言って七乃は腰に差した剣に手を当て、一刀はバッグの上部に横差ししていた長物に手をやる。

 

 一刀「さて、獣狩りだ!!」

 

 その掛け声とともに一刀と七乃は走り出した。

 

 一刀(・・・やると決めたらとことんやるのが俺の信条・・・だが俺に殺せるか?人を、命を、殺せるのか?・・・迷ってる場合じゃないか。迷うな、貫け、己が魂を掛けて。それがあの子を育てると決めた俺の・・・覚悟だ!)

 

 

 二人が駆け出して数分で賊の集団を捕らえる事が出来た。七乃は村に向かって行き、一刀は村に向かう賊の先頭に向かって走り出した。

 

 一刀「七乃、村の状況把握は任せる!」

 

 七乃「一刀さんも気を付けてください。どうやら賊はまだ村に侵入して無い様ですから。」

 

 一刀「ああ、これでも剣術には自信がある!」

 

 一刀は剣道、剣術両方共に全国クラス、一介の雑兵にやられるほど弱くは無い。しかし多勢に無勢なのは変わらない、しかし迷わず突っ込んでいる。勿論賊が許せない思いもあるのだが、どうやら賊を足止めしてる人間が居るようだったのだ。

 

 一刀「まさか一人で抑えてるとはな。面白い!」

 

 一刀はさらに速度を上げる袋に入れた長物を少し頭を出しそれを手に取る、どうやら木刀のようだった。それを腰に据えさながら抜刀術のような構えを見せる。

 

 一刀「北郷一刀、不作法ではあるが助太刀いたす!」

 

 ???「ぬ!?」

 

 一刀「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 一刀は一人で戦っていた少女の死角に居たであろう賊を三人纏めて吹き飛ばす。最初に喰らった賊は、ごきゃ!っと鈍い音をしながらくの字に曲がって吹き飛ぶ。

 

 一刀(う・・・これが人を殴り殺す感触かよ。今はとにかく集中だな・・・吐くのは後だ!!)

 

 一刀「う・・・おぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 それから一刀は連撃を繰り出し少女の周囲に居た賊を蹴散らしていった。その乱舞に賊はひるみ言ったん距離をとるがそれが悪手となった。その少女と一刀は体制を立て直し、賊の死体で足場の悪くなった場所から移動出来たのだ。

 

 ???「助太刀感謝する。貴殿の名は?」

 

 一刀「姓を北郷、名を一刀だ。」

 

 ???「珍しい名だな?私は趙雲、字を子龍と言う。」

 

 一刀「君が常山の昇り龍趙子龍か!?なるほど・・・確かな武を持ってるようだな。」

 

 趙雲「ふ、貴殿も木の剣であそこまで出来るとは・・・一度手合わせしてもらいたいものだ。」

 

 一刀「ははは、此処を生き延びたら手合わせ願いたいよ。」

 

 趙雲「ならば・・・」

 

 一刀「全力で蹴散らす!!」

 

 その掛け声とともに趙雲と一刀は賊の集団に突っ込んでいった。趙雲は蝶が舞うように槍を振るい、一刀は荒々しくそれでいて繊細な剣閃を繰り出し賊を薙ぎ払う。

 

 趙雲「む、撤退を開始したか?」

 

 一刀「何とか村の被害は火事で済んだみたいだね。」

 

 趙雲「うむ。北郷殿、改めて助太刀感謝する。」

 

 一刀「いやいや、俺はこの状況を利用してるにすぎない人間だよ。」

 

 趙雲「利用?穏やかでは無いな。旗上げを考えているのか??」

 

 一刀「それもあるけど今は俺の連れに世間の現実を教えてる所さ。これはその第一歩。」

 

 趙雲「ん?そこまで世間知らずがこの大陸に居るのか??」

 

 袁術『か、一刀~』

 

 そんな話をしていると一刀が来た方向から一刀のバッグを背負った袁術がそれはもう仔馬よろしく足をがくがくさせながら走ってきた。

 

 一刀「あ、袁術。大丈夫?ごめんね鞄持たせちゃって。」

 

 袁術「こ、これには、あのうまい、食事が、入って、おるからの・・・」

 

 言葉も切れ切れでもはやかわいそうの一言である。

 

 趙雲「袁術だと?揚州内の一太守が何故ここに??」

 

 一刀「俺もさっき会ったばっかりだから詳しく知らないよ。孫策に裏切られたみたいだけど?」

 

 趙雲「・・・それはまあ、自業自得だろう。袁術と言えば揚州ではよい噂は聞かん。」

 

 一刀「・・・やっぱそうか。これは本当に大変そうだ。」

 

 趙雲「北郷殿のような武を持っていて何故袁術などに?」

 

 一刀「ん?ああ・・・君になら話してもいいかもね。俺は彼女の元大陸を平定するように言われて来たんだ。」

 

 一刀は趙雲を信用に足る人物と判断し、自身が天の御使いに当たる事を話した。

 

 趙雲「・・・なぜ袁術の元なのですか?他にも良き人材は居るでしょう?」

 

 一刀「ん~、理由は色々あるけどね・・・俺は袁術を見て決めた事があるんだ。」

 

 趙雲「決めた事?」

 

 一刀「うん。彼女は良くも悪くも純粋だ。だからこそ彼女を導けるんじゃないかと思ったんだよ。」

 

 趙雲「それは利用すると言う事か??」

 

 一刀「違うよ。って言ってもそう取られても仕方ないね。でもさ、俺は信じたいんだよ。あの純粋な心は悪い方向には行かないって。良い方向へ導けるんだってさ。」

 

 趙雲「・・・難しいのでは?」

 

 一刀「だろうね。でもやるよ。それが俺の使命であり、俺が決めた事だからさ。」

 

 趙雲「・・・ひとまず村に戻りましょう。向こうも火が収まってきたようですので。私の連れも良い指揮をしている。」

 

 一刀「そうだね。戻ろうか。・・・連れ・・・か。」

 

 一刀は趙雲に聞こえないように呟く。どうやら思う所があるようだ。

 

 一刀(趙雲は劉備に仕える。だが今はその素振りは無い。歴史上袁術の失脚は反董卓連合後だと思ったけど・・・どうやらまだ反董卓連合は敷かれていないようだ。それどころか・・・さっきの賊は“黄色い布”を巻いていた。)

 

 一刀「歴史通りじゃないのか?それどころか・・・くそ、今までの知識は此処では役に立たないか。これも超級者クラスって事かよ。」

 

 一刀はそんな事を天に向かって呟いた。その後村に戻った一刀は何故か七乃から今度はそちらの人を籠絡したんですか?等不本意な悪態を突かれた。

 

 

 あとがき(と言う名の人物紹介)

 

 

 趙雲 真名 星

 

 使用武器 龍牙

 

 容姿 水色の髪を後ろに束ねているが細い所を見るとそう言うカットにしているようだ。目の色は赤紫色。

 

 備考 メンマ好き。連れは勿論戯志才と程立である。かなりのお調子者だが実は純情乙女。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結璃「・・・一刀君のそばにまた女が!?」

 

 羽生「まだほざいてるのですか?」

 

 結璃「で、でもでも!羽生、私は、私はぁ!!」

 

 羽生「落ち着くのです!はっ!!(ごすぅ)」

 

 結璃「ぷぎゃ!?」

 

 羽生「ふう、大人しくなったのです。僕だって圭一の周りに女が多くて困ってるのです。いつ梨花達を貶めてやろうか・・・いつも考えてるのですよ。」

 

 結璃「・・・・」

 

 羽生「・・・?結璃??・・・ふん!(ごき!)」

 

 結璃「あふぅ(悦)」

 

 羽生「・・・また折りますよ?」

 

 結璃「か、勘弁して下さい。それで羽生、これからどうなるの?私気になって仕方ないんだけど。」

 

 羽生「考えてませんです。」

 

 結璃「あれ?それって私の事も・・・」

 

 羽生「勿論メインヒロインの事は考えているのです。」

 

 結璃「ならいいわ。さて一刀君の抱き枕でお昼寝だ~」

 

 羽生(・・・本当にちょろいのです。)

 

 羽生「・・・それではまた次回。」

 

 羽生(最近圭一が僕を構ってくれないのは・・・女なのですか?ちょっと様子見に行ってみ様なのです。フフフフフフフ)

 

 

To be nextstage?

 


 
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