第二話―南華老仙
結璃視点
私は南華老仙・・・真名を
結璃「彼は私を恨むだろうか・・・」
そんな事を私は考えながら彼を見続けている。
結璃「それにしても・・・眼鏡一刀さん、はあはあ・・・」
はっ!私は何を考えているの!?
結璃「危ない危ない。あ、よだれが。(ジュルリ)」
まったく彼は何であんなにカッコ可愛いのかしら。うぅ、どうしよう。
結璃「彼との出会いは・・・唐突だったわね。」
(あれ?回想に入ろうとしてます?させませんよ。進めてください。)
結璃「・・・ちっ。」
余計な邪魔が入ったわね。仕方ないわ。
結璃「来た・・・北郷一刀さん・・・」
私は水晶の中の彼に話しかける。
結璃「貴方を・・・長く苦しい戦いにいざなう私をお許しください・・・」
自然と私は涙をこぼした。たぶん嫌われるのが怖いのだろう・・・
結璃「さあ、外史の突端を開きましょう。」
水晶の中の彼は外史の光に包まれて消えて行った・・・
結璃「・・・さて・・・まずは彼に説明をしなければならないわね。」
私は彼のいる挟間まで歩を進めたのだった。
一刀視点
一刀「・・・ここは??」
確か俺は妹のお見舞いに行こうとして・・・
結璃「ここは外史の挟間です。」
一刀「だ、誰だ!?」
結璃「私は・・・南華老仙。外史の管理者をやっております。」
俺の目の前には深くフードをかぶった女性が立っていた。時折見える銀髪と白い肌からおそらくかなりの美人だと思われる。
一刀「外史?管理者?なんだそれ・・・」
俺はふと思った疑問を目の前に居る南華老仙と名乗る女性に問いかけてみた。
結璃「・・・外史とはもしもの世界、その世界を管理するのが私達管理者です。」
一刀「IFの世界ってことか?それを管理してるのがあんたやあんたの仲間って事?」
結璃「はい、その通りです。そして外史を管理する上で貴方を起点とした外史が多く存在するのです。」
一刀「お、おれが起点?それってどう言う事だよ!?」
訳が判らなかった。俺が起点とか、外史とか、言ってる事がめちゃくちゃだった。だけどこの場所は明らかに俺のいた場所じゃない・・・信じるしか・・・ないのか?
結璃「・・・貴方にはやってもらいたい事があるんです。その為に本来立ち寄る事がないこの場所に連れて来たのです。」
一刀「はぁ?そんな勝手な!?」
結璃「はい、勝手です。分かっています。ですが・・・あなたがやらないのなら別のあなたにやらせるまでです。勿論あなたは記憶を消して別の外史へ送ります。それがあなたの運命です。」
一刀「な・・・」
開き直ってやがる・・・こいつ・・・
結璃「恨んでもらって結構。その覚悟もあります。貴方を救うためなら私はどんな事でも致しましょう。」
一刀「俺を救う?どう言う事だ??」
結璃「・・・もしあなたが何も知らず外史の起点になったのなら貴方は永遠の輪廻に囚われ繰り返してる事も分からず外史を繰り返します。」
一刀「・・・な、なんだよそれ・・・」
繰り返す?何も知らずに・・・?どんな拷問だよそれ。
結璃「私は貴方にそうなってほしくありません。だからあなたを救う案を管理者の上層部に提出しました。それが認可されたのです。」
一刀「それって・・・なんだよ・・・」
結璃「・・・本来無限に繰り返す所をある一定の繰り返しだけで終焉を迎える事が出来る方法です。」
一刀「繰り返す事は確定なの?」
結璃「そうです。ですが、利点もあります。」
一刀「利点?」
結璃「はい。本来繰り返すたびにリセットされる記憶が継承されていきます。武力、知力、器や素質、どのような物でも貴方自身に関する物なら何でも継承されます。」
一刀「・・・武力や知力って・・・君の名前もだけど・・・まさか大陸の外史なの?」
結璃「勘が鋭いですね。御明察。」
大陸の外史・・・日本じゃないって事は・・・
一刀「こ、言葉とかどうするの!?」
結璃「ご安心を、言葉は通じます。文字はその時に勉強して下さい。」
一刀「こ、言葉は通じるんだ・・・」
ふぅ、ひとまずは安心だな。しかし、ここにきて文字の勉強か・・・
結璃「はい、それで・・・質問して来ると言う事はやってもらえるのですか?」
一刀「・・・な、何をどのくらいすればいいんだ。」
結璃「・・・やってくれるのですね。ならば説明致しましょう・・・」
そう言うと彼女は一つ一つ丁寧に説明してくれた。
結璃「まずは貴方に行ってもらう外史は三国志の外史です。仕えるのは劉備、孫策、曹操、袁術、公孫賛、董卓の六勢力です。」
一刀「・・・袁術?袁紹じゃなく?」
結璃「はい、それは確定です。袁紹は救いようがありませんから。良くも悪くも。」
一刀「え?・・・それ大丈夫なの??」
結璃「・・・ダイジョウブデスヨ」
何だろう・・・袁紹とは絶対会いたくないんだけど・・・それどころか・・・
一刀「・・・どうしよう、今君をとても信用できなくなった。」
結璃「あぁ!?そんな事を言わないでください一刀君!!」
一刀「一刀君!?」
あれ?いきなり親しくなった!?
結璃「あう!?し、失礼しました!!」
なんだろう・・・この子絶対ドジっ子だと思うのは俺の気のせいだろうか・・・
一刀「えっと・・・別にいいんだけど・・・」
結璃「こほん・・・それでは一刀さん、貴方はまず何処の勢力に属するか決めてもらいます。そしてその勢力で大陸統一を果たして下さい。そうする事で外史をこの挟間につなぎ止める事が出来ます。」
一刀「繋ぎ止める?」
結璃「はい、それが今回の外史を紡ぐカギとなります。さっき上げた勢力すべてを攻略し繋ぎ止める事で一つの外史の木を形成します。」
一刀「なるほど・・・そうやってひとまとめにして管理するんだね?」
結璃「そうです。」
一刀「・・・それをすれば俺は帰れるんだね?」
結璃「そうです・・・それでは注意事項を一つ。」
一刀「注意事項?」
なんだろうと首をかしげているととんでもない注意事項が出てきた。
結璃「その外史は真名と言う概念が存在します。許しなく呼ぶんだ場合首を切り落とされても文句が言えない神聖な名前です。不用意に呼ばないようにしてください。それと・・・私の真名は結璃と言います。これからはそう呼んでください。」
一刀「え?えぇ!?そ、そんな大切な名前いきなり預けていいの!?」
結璃「せめてもの罪滅ぼしです。どうかお預かりください。」
一刀「・・・わかったよ。俺の事もさん付けじゃなくていいよ。さっきみたいにさ・・・」
結璃「・・・わ、分かりました一刀君。」
一刀「うん、結璃・・・」
結璃「一刀君・・・」
(・・・おい、何見つめ合ってやがる。さっさと進めやがれなのです)
二人「はっ!」
い、いけないいけない・・・どうしちゃったんだろう俺・・・
結璃「と、とにかくどこに行くかは決めましたか?」
一刀「そ、そうだな・・・と、とりあえずお勧めはある??」
結璃「そ、そうですね・・・劉備は人材の宝庫です。孫策は確立された布陣ですね。このあたりが初心者向けでしょう。曹操は中級者向けですね・・・公孫賛、董卓は上級者、袁術が超級者むけですね。」
一刀「超級者!?何それ超怖い・・・」
結璃「どうしますか?」
一刀「・・・うん。決めたよ。俺は――」
結璃「・・・・良いんですね?」
一刀「ああ、俺はこういう人間さ。」
結璃「分かりました。それでは貴方を外史へと送ります。そこから飛び降りるだけで良いです。大丈夫死にはしません。ちょっとふわってする程度です。」
一刀「・・・不安しかないよ!?」
結璃「それでは行ってらっしゃい一刀君」
とんっ
一刀「え?ええ??」
結璃は俺の背中をそれは良い笑顔で押してきた。良い笑顔?あれ?フードの中見えて・・・
一刀「結璃ってなんかおれ好みぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
悲鳴には似つかわしくない叫びを残し俺は落ちて行った・・・
あとがき(と言う名の人物紹介)
南華老仙 真名結璃
使用武器 現在は未設定
容姿 銀髪碧眼後ろを三つ編みみたく編み込んだ感じになってる。長さは肩まで。胸はDカップ。
備考 一刀への高感度は常時マックス。しばらくは一刀との絡みは無い。管理者としての実力は高い。武、知共に皆さんが知る所の貂蝉や卑弥呼、左慈、于吉を簡単にあしらう程度。(程度!?)
及川昴
出番はあるかもしれない
備考 一刀の悪友(親友では無い)眼鏡属性。関西弁。女好き。
結璃「・・・どう言う事?」
羽生「何がなのです?」
結璃「し、しばらく一刀君との会話がこれからないんですか!?」
羽生「物語の進行上仕方ないのです。」
結璃「・・・貴方の外史を壊してやる!」
羽生「・・・管理者と言えど人、神とやり合おうと言うのか?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
一刀「結璃?駄目だよ。」
圭一「羽生、シュークリームあるぞ~」
結璃「は~い。一刀く~ん(デレデレ)」
羽生「さすが圭一なのです。僕の事をよく分かってるのです!」
二人「・・・ふぅ。何とかなった・・・」
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連投してみたのです。
第二話はこんな感じですが・・・どうでっしゃろ?
それにしても寒いです・・・
皆さんは風邪に気を付けてくださいね~
では本編どうぞ