黒人「ふぅ、やっと登り切ったか・・・」
あれから休み休み登ってきたが疲れた・・・いや、足が棒になるとか、そこまでじゃないけど、まぁ何度も登り下りなどしたくないような長さだった。
とりあえず、座れる場所を探していると、
???「お疲れ様です。参拝客の方ですか?」
と声をかけられた。声の主を見やると、おそらく「東風谷 早苗」であろう人物がいた。
黒人「あんたは? 」
自分の『知識』が正しいか確かめるため、名前を聞いてみた。
早苗「私は、この守谷神社で巫女をしている、東風谷 早苗といいます」
驚いた。自分の『知識』は正しかったのだ。つまり、自分の『知識』はすべて真実と思っていいだろう。
驚きはしたが顔に出さないようにした。他人に名前を聞かれて驚かれるなんて、あまり気分がいいものではないだろうと思ったからだ。
早苗「ところで、貴方は?」
驚かないように気をつかっていたら、自分が名乗るのを忘れてしまっていた。名前を聞いておいて自分が名乗らないのは失礼だろうと思い、すぐ名乗った。
黒人「俺は、鴉間 黒人だ」
話していて思ったが、彼女の服は特徴的だと思った。
巫女は普通、紅と白だが、彼女の巫女服は青と白で全体的に爽やかだ。そして、一番特徴的なのは肩の部分が無いのだ。あんな服は、今までみたことがない。
彼女のことばかり話していたが、せっかく神社に来たのだ。賽銭でも、と思ったが財布が無い。何かないかとポケットを探ると何故か百五十円入っていた。
そういえば、飲み物を買おうと思っていたが面倒だったのでそのままにしていることを思い出した。丁度良かったので五十円玉を入れて一通りの作法をして手を合わせた。とりあえず、「ここで生きていけますように」と願った。
ちなみに、元の場所へ帰ることは諦めている。なぜなら、帰る方法が無いに等しいからだ。それは俺の『知識』が教えてくれた。願い終わると同時に声が聞こえた。
???「何とも変な願いだねぇ。家が火事にでもなったの?」
声のする方をみると自分より小さい金髪女の子が目の付いた凄い奇妙な帽子をかぶってこっちを見ていた。服は青なのに袖の部分が白と特徴的な服をきていた。
帽子についている目玉もこっちを見ている。ってか動いてるな、って、ん?
黒人「うおっ!?」
おもわず、声を上げてしまった。目玉が付いた帽子みたら驚かない人はいないだろう。しかも目玉が動いているから尚更だ。
早苗「諏訪子様、いきなり出てきて参拝客を驚かすのはやめてください!」
諏訪子「いやぁ、驚かすつもりは無かったんだけどね」
つもりが無くても驚きますよ。
諏訪子「私は洩矢 諏訪子。ここの神様だよ」
知識があるため、彼女のことも知っている。とりあえず、思っとことを聞いてみた。
黒人「何で俺の願いが分かったんだ? 俺は一言も言ってないはずだが?」
帽子に関してはスルーしよう。多分質問してたら切りが無いだろう。
諏訪子「一応神様だからね。願い事くらい聞こえないとね。
それより、何かあったの? 今時、生きていけますように、なんて」
黒人「火事にはあってないが、家が無いのは確かだな」
生きていけますように、よりも家を早く解決するべきだったな。まぁ、当てなど無いが。
諏訪子「ここら辺じゃあんまり見かけない顔だし、話を聞かせてくれない? 最近、暇なんだよね。あがっていいからさ」
いや、暇っておい。本当に神様かよ。
諏訪子「神様だよ」
黒人「心を読まないでくれ・・・」
諏訪子「あははっ。ごめんごめん」
早苗「諏訪子様、何勝手なこと言ってるんですか。しかも暇つぶしする気満々じゃないですか! 」
諏訪子「元は私の神社なんだしいいじゃないか、早苗〜。それに本当に暇なんだからしょうがないよ〜」
神様って以外と暇なのか?
諏訪子「ね、いいでしょ? 」
黒人「別に構わないが、神様ってそんなにひm 「よし、じゃあこっちに来て」 ・・・」
最後まで言わせてくれよ・・・。と思っていると、彼女はとてとてと神社の縁側の方へ走って行った。
早苗「しょうがないですね。では、こちらへどうぞ」
そう言って中へ案内された。
客間に案内されてから、自分がこの場所にいる直前と来た後の行動について話した。
???「成る程ねぇ、外の世界の人間か。また、スキマ妖怪が連れてきたのか。」
客間にきた時からいる彼女は、八坂 神奈子というらしい。黒いロングスカートに赤い服、あと胸の部分に鏡があった。髪は青より少し紫よりの色をしている。しかし、何でここにいる人達は特徴的な服を着ているのだろう。
神奈子「お前さんが知識がある理由は、大方、スキマ妖怪に必要最低限の知識を入れられたからだろう」
黒人「そうだったのか」
どうやらこの『知識』はスキマ妖怪という妖怪に入れられたらしい。
正直、どう考えてもあの空間にいた女性しか考えられないんだが。
とりあえず、今ある知識は知っていればいい事だけ分かるらしい。どうでもいいであろう事は分からないみたいだ。
神奈子「で、これからどうするんだい?」
黒人「知識によると、天狗がいるみたいだからな。天狗の住んでる場所に行こうと思う」
神奈子「なんだってそんな所に? 」
黒人「あぁ、俺が天狗だからな」
早苗「えっ!天狗だったんですか!?」
驚かれた。そういえば話の中じゃ言ってなかったっけな。
諏訪子「まだ外の世界に天狗がいるとはね〜」
黒人「といっても、かなり衰退したんだけどな。羽も出せるが、空は飛べないから飾り同然だしな。親は生きてるが、そろそろ自立できるようになれ、って言って何処かに行っちまったしな」
早苗「そうだったんですか。でも、いくら天狗でもよそ者をそう簡単に招き入れないと思いますよ?」
それもそうか。う〜ん、どうするかな。いきなり困ったことに・・・
神奈子「なら、あのブン屋に頼めばどうだ?」
早苗「そうですね。文さんなら何とかるかもしれませんね」
黒人「『射命丸 文』か。しかし、今は何処にいるんだ?」
早苗「記事のネタを探してるんだと思いますけど、そのうち帰ってくると思いますよ。それまで、ここにいたらどうですか?」
黒人「いいのか?」
早苗「諏訪子様と神奈子様もいいですよね?」
諏訪子・神奈子「いいよ〜」「かまわないぞ」
早苗が二人に聞くと許可してくれた。優しい神様だ。
黒人「なら、ここで待たせてもらうよ」
早苗「では、文さんが帰ってきたらこちらに来るように伝えてもらうよう椛さんに言ってきますね」
そう言って彼女は飛んで行った。あー、飛べるっていいなぁ。って、それよりもどうやったら天狗の仲間に入れてもらえるか考えければ。
ここで生きていけるようになるには、まだまだやる事が多そうだ。
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ようやく黒人が登れました。物語はここからです。