No.645885 真・リリカルなのは 第十一章 機動六課設立編 第六十四話 怒りの視線ohatiyoさん 2013-12-17 08:21:40 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:799 閲覧ユーザー数:787 |
燃え盛るクラナガンで、決戦が始まっている頃、カイトは全速力でクラナガンに向かっている
カイト「クソッ 思ったより時間が掛かるな」
もう20分は飛び続けているが、まだクラナガンには着かない
しかし、様子はわかる
カイトが進んでいる先には、黒煙が昇っているからだ
大火災ということが理解できる
カイト「クラナガンが燃え尽きる………」
八神め、消火活動はどうなっている?
ウィザード【ロード、レインから緊急連絡です】
カイト「繋げ」
レイン「カイトの旦那!! まだ着かねぇのか? こっちは不味いぜ!!!!」
カイト「状況は?」
慌てているレインに対して、冷静に対応する カイト
レイン「もうクラナガンは火の海だ! しかも戦闘機人どもが攻めてきやがって、消火活動してるは俺とティアッ子だけだ」
カイト「そうか、後少しで着く」
レイン「急いでくれよ!」
レインからの通信を切り、クラナガンに急ぐ カイト
一方レインは、レアスキルである魔力変換資質「雪」を使って、炎を消していくが、焼け石に水と言うべきか、一向に消える様子は無い
ティアナ「雪でも消せないなんて」
レイン「俺の雪は本来、炎に弱いからな。流水も使えるけど、俺のじゃあ無意味だろうぜ」
ティアナ「仕方ないわね、カイトさんが来るまで出来る事をするわよ」
レイン「ああ!」
2人は懸命に消火活動に当たる
例えそれが無意味であったとしても、2人は止めないだろう
自分達に出来る事を精一杯やる
そして、それが必ず成功に繋がると信じているからだ
カイトとの通信を切ってから8分後、空が急に曇りだし、大雨が降る
その雨は炎を消し去り、クラナガンを鎮静化させる
ティアナ「ここで雨が降るなんて……………天からの恵みという奴かしら?」
レイン「いや、この雨は魔力変換だ。カイトの旦那が降らせたんだ」
レインの言う通りである
カイトはクラナガン上空に到着すると、暴風で黒煙を薙ぎ払い、魔力変換を有効活用し、何とか雨を降らせたのだ
炎が消え去ったのはいいが、街は黒焦げていた
カラフルだった町並みは、全て黒一色となっていた
ティアナ「酷い………」
ティアナの言う通り、酷い景色である
最早、人が住めるような場所では無くなっていた
レイン「スカリエッティの野郎、何て事しやがる!!!」
カイト「だからこそ、奴は倒さねばならん」
レインが怒りを言葉にしていると、カイトが降りて来る
クラナガンを焦がしていた炎は完全に消え去った為、雨はもう必要ないと判断した
カイト「ジェイル・スカリエッティ…………他人の生活と命を平気で奪えるような奴だ」
ティアナ「……………」
レイン「………………」
2人はカイトの言葉を黙って聞く
カイト「目に焼け付けておけ、これが戦場の傷跡だ。戦いによって傷つくのは管理局でも犯罪者共でもない。一般市民だ」
2人は、改めて戦いの恐ろしさと愚かさを認識する
このクラナガンは長い時間を掛けて開発された都市だ
それが、1時間も経たない内に全てが消滅したのだ
創る事は困難であるのにも関わらず、壊す事はこんなにも簡単なのだ
カイト「俺はハラオウンの手助けに行く。貴様ら2人も着いて来い」
ティアナ「わかりました」
カイト「行くぞ」
カイトは急いでフェイトの居る場所に行く
早すぎる為、ティアナとレインは少々置いてきぼり状態であるが、カイトは気にせずそのまま飛び続ける
カイト(ハラオウンの魔力が妙に小さい、いや感じにくいと言うべきか?)
結界に閉じ込められたか、或いは…………
カイト(まぁ奴に限ってくたばることはないだろうがな)
一様見に行っておくか
冷静なカイトは、フェイトの魔力に違和感を持ったのだ
他のメンバーは、やはり何所かに焦りがあり、気付けないでいた
いや、例え気付いていても助けには行かなかっただろう
フェイトは一流の魔導師だ
負ける筈が無いと思われている
それは信頼であるが、同時に驕りである
現にフェイトは不味い状態となっていた
ただでさえリミッターによる魔力制限により本気を出せないのにも関わらず、4人が相手だ
リンチ状態と言える
フェイトのバリアジャケットはボロボロであり、魔力も体力も限界に近い
4対1の状態で1時間近く持ちこたえる時点で凄まじい戦闘力なのだが、限界と言うものがある
クアットロ「アララ? もう終りかしら~」
下種な笑みを浮かべ、倒れているフェイトを見下す クアットロ
フェイト「クッ」
悔しそうにクアットロを睨み付ける フェイト
その状態がクアットロに悦楽を与える
クアットロ「クククククク、今頃あなたの保護したガキ共はトーレ姉さまがギタギタにしているころだわ~ 助けに行けなくて残念ね~」
更にフェイト精神的に追いこもうとする クアットロ
フェイト「エリオとキャロが!!」
クアットロ「トーレ姉さまは容赦がない人ですからね~ 今頃ガキ共は死体になってるかもしれないわね~」
フェイト「き、貴様…………」
恐らくはただの挑発
それを分かっていても、怒りがこみ上げて来る
まるで、自分の家族を侮辱されている気分なのである
エリオとキャロは、ファミリーネームを変えてはいないものの、戸籍上は正式にフェイトの子どもとしているのだ
子どもが死体になっているかもね、なんて言われて怒らない親は居ないだろう
フェイト「貴様だけは……………貴様だけは許さんぞ!!」
バルディッシュを杖代わりにし、何とか立ち上がる フェイト
クアットロ「へぇ~ 立つのね? 余計な苦しみを味わうだけだというのに」
フェイト「スカリエッティも貴様も……………私の手で」
クアットロ「クククハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
思わず大笑いしてしまう クアットロ
フェイト「何がおかしい?」
クアットロ「いいえ、別に。まるで悲劇の人形劇を見てるみたいでね」
フェイト「…………………………」
クアットロ「悲しいわね~ 母親に悪党にされて、愛される子も無く、父親は憎むべき対象。挙句の果てには子どもは救えない…………クククククククク、あなたには相応しい人生ね」
フェイト「黙れ!!!」
バルディッシュを振りかぶるが、体のダメージが酷く、クアットロでも避けれるほどのスピードしか出せないでいた
クアットロ「ほらほら~ 当てて御覧なさいよ~ 早く私を倒して、トーレ姉さまの所に行かないと、愛しい子ども達がバラバラの変死体になるかもしれないわよ~」
フェイト「その下種な口…………今すぐ黙らせてやるぞ!!!」
クアットロに切り掛かる フェイト
しかし、フェイトの斬撃は悉く躱され、逆に顔を蹴られてしまう
フェイト「グッ」
仰向けで倒れる フェイト
最早、彼女に立つ力は残っていない
クアットロ「ここまでね、Fの遺産」
フェイトの顔を踏み付ける クアットロ
クアットロ「あんたみたいな虫けらは、ここで殺したいけど、ドクターが欲しいらしいから、特別に連れて行ってあげるわ」
フェイトの髪を乱暴に鷲掴みにする
クアットロ「嬉しいでしょう? 久しぶり、いや、初めての対面よ………………あなたのお父様とね!!」
悉くフェイトを追い詰める クアットロ
その姿は、味方であるはずのチンク達も否定するほどだ
クアットロ「クククク、ドクターの事だわ、あなたの体を更に強くするために改造してくれると思うわよ~ 良かったわね、あなたみたいな虫けらがつよ「虫けらは貴様らだ!」何!?」
クアットロに向けて紅い閃光が放たれていた
クアットロ「チッ」
フェイトの髪を離す クアットロ
気付くのが少々遅かったが、問題無く躱す事が出来た……………しかし
クアットロ「っ!!!!」
ティアナが放った弾丸が、もう目の前まで迫っていた
流石にこれは躱せない
クアットロ「グッ」
だが、やはり戦闘機人なだけある
ティアナの弾丸が全弾命中しても、ほぼダメージは無い
クアットロ「チッ どうやって入って来た!!!!」
クアットロが創った結界に大きな穴が空いていた
恐らくカイトが空けたのだろう
カイト「フン、やはり来て正解だな。4匹か、少しは運動になるか」
クアットロ「天城カイト………」
クアットロは、カイトを睨み付ける
カイト「俺の名を貴様如きが呼ぶな、天城の名が汚れる」
名では無く、性を大切にする カイト
カイト「レイン、貴様はハラオウンを連れて、さっさと退け」
レイン「わかった!!!」
レインは、フェイトを担ぎ上げ、急いでシャマルが居るであろう六課に戻る
クアットロ「ここまで追い詰めたのに、逃がしてなるものか!!!!」
クアットロを含めた4人の戦闘機人が、レインを追おうとするが、カイトがそれを許さない
カイト「行かせると思うか? 貴様ら戦闘機人は俺は粉々にしてやる!!」
ティアナ「援護します!! カイトさん!!」
クアットロ「フン、まぁいい」
天城カイト、こいつを持って帰れば丁度いい手土産となるか
目標をフェイトからカイトへと変更する
チンク「どうするのだ?」
チンクがクアットロに問う
クアットロ「あの男を捕まえるわ、協力してね? チンクちゃん」
チンク「………ああ」
チンク・ディード・ディエチが構える
狙うはカイト
カイト「俺の動きに合わせろよ? 小僧」
ティアナ「わかっています」
この戦い、負けるわけにはいかない!!!
勝て! カイト!
次回はシグナムVSゼストになります
そして、2人の間に入ってくる乱入者
それは一体?
次回もお楽しみに~
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カイト参戦!