運命とは何がきっかけで変わるか、わからない。
私も運命に振り回された内の一人。
あの頃は全てが上手く廻っていたわ。
観てくれるお客さんが居て、
拍手を頂き、
その場を去る。
繰り返す事に嬉しさが増していったわ。
ある日出会ったの。
私の運命を変える人が。
私は彼に一目惚れをしたわ。
だって恰好いいんだもの!
そして彼は、死んだわ。
私は神様に願った。
どうか彼を助けてください、
彼を幸せにしてください。
その願いは虚しく空へ響いた・・・
ある日を境に私は変わった。
文字通りに変わったの。
何もかもが変わったの。
私がいつも通りに歩いていると、皆が怯え始めたの。
鏡に映った私は醜かったわ。
見にくい上に、まるで男のようだったわ。
彼に見られなくて良かったって心底思ったわ。
布を被って姿を隠し、色々な所へ旅をしたわ。
誰もが私の正体を知った途端、怯え、恐怖し、去っていった。
たった一人を除いては。
彼女は私と同じく醜かった。
失礼だとは思ったけど、醜かった。
彼女は私と同じように男のようだったわ。
でも彼女は女として生きていたわ。
あまりにも羨ましく思えて声をかけてしまったわ。
気の迷いって怖いわね・・・
そんな姿で女の道を歩んでいて、辛くはないの?
彼女は答えた。
主は自分を偽って生きるのは、辛くないのか?
美しく見えたわ。
彼女のようになりたくて、私は彼女を師匠と呼んだわ。
彼女と同じ道を歩んだわ。
彼女は急に質問をしてきたの。
主は神になる気はないか?
意味がわからないわ。
なれるものならなりたいものね。
もう一度人生をやり直してやるわ。
主は神になる資格がある、なる勇気があるならば着いて来るのだ。
彼女に着いてった先は洞窟のような場所だった。
洞窟の中は仄かに明るかったわ。
主に力を授ける。
まるで神様のような口ぶりだったわ。
授かったこの力は愛する人のために。
師匠からそう教わったわ。
だから力を使うの。
愛する貴方に。
貴方が愛する人々に。
貴方の考える平和な世界に。
神様を侮っちゃ駄目ねぇ。
ちゃんとお願い聞いてくれたのね。
皆楽しそうねぇ~
皆が楽しそうでなによりよん。
あら、どうしたのかしら?
私は遠くから眺めているだけでいいのよ。
あら、私も混ぜてくれるのかしらぁ?
嬉しいわね。
もう一度貴方と話せるなんてね。
Tweet |
|
|
20
|
0
|
追加するフォルダを選択
※タイトルとは関係ありません、決して七日間での出来事ではありません。
まさかの貂蝉
続きを表示