No.644915

恋姫†英雄-蝶々戦隊華蝶連者 プロローグ

人の記憶や想いに残る事だけが創作の目的の全てじゃない。自分は人を楽しく幸せにする為の創作を貫く為に、昔生路が考えた物語を恋姫†無双二次創作として再編成!
今はメイン作品の恋姫無双だけだけれど、物語が進むと恋姫無双とは関係無いキャラクターもわんさか出てきますので、そういうのがダメな人は…気合で見てください。

一応、読者の皆様からのリクエストアンケートも募集しております。

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2013-12-13 19:25:32 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1815   閲覧ユーザー数:1766

夜の町

 

 

 寝静まった夜の住宅街、月だけが見守る裏路地に3つの人影があった

 蝶を象った蝶々覆面で顔を隠した若い男がニット帽を被った無精髭を生やした頬の扱けた男に木刀を突きつけ威嚇するように言った

 

「おっと、動くなよ」

 若い男の隣に居た同じく蝶々覆面で顔を隠した若い女が囁く様に口を開く

「隣の那岐宮市から逃げて来たストーカー殺人犯さん、一緒に警察署まで付き合って貰おうか」

「サツじゃねぇ…てめぇら…何者だ…?」

 男は振るえるような声で言う

 

 蝶々覆面の男女は相手を一警すると、名乗りを上げた

「我らは美と正義の使者、華蝶連者!」

 

 

 翌日の朝、華蝶連者が隣町から逃げて来た殺人犯を警察に突き出したというニュースが全国に流れた

 警視庁はこれまでも多くの犯罪者の逮捕に協力してきた華蝶連者に感謝状を送ろうとしたが

 当の華蝶連者はその蝶々覆面の下の素顔も正体も本名も解らないし誰も知らない、何故犯罪者退治をしているのかも。

 

 警視庁の秘密捜査官という噂もあったが、その正体や素顔は誰も知らない、ある種の都市伝説になっていた

 

 

 さて、その華蝶連者の正体とは誰かと言うと…

 

 

通学路

 

 

 桃華町唯一の学校の通学路、春の風が息吹く道中、学生達が華蝶連者の活躍の話題に花を咲かせていた

 

 そんな通学路の雑談が聞こうとするまでも無く耳に入ってきている俺は北郷一刀、巨真聖☆フランチェスカ学園の高等部剣道部のエースだ。

 自分で言うのも何だが、この俺、北郷一刀の人生は戦いの連続だ。

 例えば、小学生の頃、妹が物心ついてすぐに妹がいじめられている処を目撃して、それを助けに入った喧嘩に勝ったり

 中学生の頃も喧嘩無敵として有名になったり、小中学生までは喧嘩と無縁でいられなかった

 

 高校になって俺は喧嘩に嫌気がさしたが、それでも「戦いの感じ」を忘れられず剣道部に入り試合に戦いを求めた

 すると、去年のインターハイ、エースとして抜擢されフランチェスカ高等部は優勝し俺はMVPに選ばれた

 

 しかし、それでも俺は戦いの中で満たされなかった、しかし、それでも戦いを求めた俺は去年の三学期に転校してきた彼女に会った

 

「何を考えているのだ?一刀?」

 俺の背後から女の声が囁いた

 

 水色の髪は本人曰く突然変異だと言うが、見た目で言えばミステリアスな美貌の美少女が俺の隣に並んだ

「星…」

「こうして、華蝶連者の活躍が話題になると、気持ち良いではないか」

 

 そう、俺と星こそが美と正義の使者華蝶連者、桃華町の都市伝説のヒーローだ

 

学園での雑談

 

 

 巨真聖(スーパーセント)☆フランチェスカ学園

 前身である聖フランチェスカ学園の理事長卑弥呼と学園長貂蝉が財力に物を言わせて

 桃華町にあった全ての幼稚園・保育園・孤児院、小・中・高・大全ての学校を合併したマンモス学園だ

 

 割と強引な遣り方だったらしいが、それまでは学校同士の競争や軋轢が激しく時には暴力沙汰になる事も少なくなかった為

 これで平和になってよかったと思う保護者が圧倒的に多い

 

 だが、今日の何気ない華蝶連者の噂でもちきりの昼食時の言葉が引き金だったかは解らないが、その平和は終わりを告げようとしていたとは

 その時に事件を起こした張本人達以外の誰が想像しただろうか

 

 

 

「昨日の殺人犯逮捕、また華蝶連者が大活躍だったみたいね、一刀」

 蓮華が弁当の封を解きながら言う

「その3日前はコンビニ強盗の逮捕でしたっけ」

 愛紗が自分の卵焼きを突きながら言う

「2週間前の空き巣を捕まえた時には私も近くに居たわね」

 華琳が学食のクリームパンを食べながら言う

 

 

 自分の運動能力と身体能力の限界を試したくて、俺と星は華蝶連者として犯罪者退治をしている

 そして、幸い誰も俺達の正体には気が付いていない、まだまだやれそうだ。

 

「でも、華蝶連者って、一体何者でしょうね?」

 桃香が不思議そうに言う

「その正体、その素顔、そして悪人退治をする目的は一体何でしょうかしらね?」

 麗羽がどうしてだろうと言いたそうな顔で言った

「私としては小さいころまでは諍いや犯罪が絶えなかった私達の町の治安が良くなっているから、良い人なのは間違い無いと思います」

 月が嬉しそうに言う

「そうね、月がそう思うなら、私もそう思う」

 詠が口元を微笑ませながら言う

「そうなのだ、人知れず正義の為に悪人と戦うヒーローなんてかっこいいのだ!」

 鈴々が笑顔で言った

 

 皆、華蝶連者の活躍の話題に花を咲かせ、これからの活躍に期待していた

 そう、1人だけ彼女を除いて

「くだらないわ、私は華蝶連者がヒーローだとは思わない」

 桂花がそう言うとあたりの空気が一気に気まずくなる

「どうしてですか!?華蝶連者の活躍で桃華町の治安は昔よりずっと良くなったのに!」

 朱里が肩を怒らせながら言う

「だって、ヒーローって言うのに、戦うべき悪の組織も怪人も居ないんだもの」

 桂花がツンとした態度で言う

「その時もきっと華蝶連者は悪を滅ぼしてくれるだろう、今までも、そしてこれからも」

 星はそう言うと俺と目を合わせて眼と眼で合図した

 

パトロール

 

 

 その日の夜、俺と星は学校の寮に戻った

 

「なあ、星…もし俺達が本当に特撮ヒーローのような悪の組織や怪人を相手にする事に成ったら…」

「その時はその時だ」

 心配そうに言う俺を勇気づけるように星が言った

 

 

 今日は大して平和で、華蝶連者としてパトロールしてみたが、桃華町は平和だった

 

 

 とうとう、華蝶連者としての戦いが終わりを告げようとしていたのかと思った俺達2人だったが

 本当の悪との戦いはこれからが始まりだった

 

戦いの始まり

 

 

 翌日の朝、俺達、寮学生達は皆で一つの部屋でテレビのニュースを見ていた

 

 

 最初は皆、退屈そうに見ていたが、そろそろ皆、テレビを消そうとしていた時…

 

「次の話題です…」

 

 その次の言葉は放送を見ている全ての人々にとっては信じられない物だった

 

「東京23区が禿十字団を名乗る集団によって跡形も無く破壊されました、住民の生存は絶望的…」

 

 

 こうして、華蝶連者という正義のヒーローの本当の最初の戦いの火蓋が切って落とされた

 


 
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