精細桂花が部屋から出て、自分の発言に後悔していた一刀は呟く。
一刀「…皆のことが好きだし、誰が一番とか無かったんだけど…………桂花が一番かも………」
この発言はおそらく一刀の勘違い。
彼は愛する女性に優劣は決められない。皆を平等に愛し、愛を注ぐ男。
────ただ、これはあくまで良い表現。
言い方を変えれば、女性ばかりである魏の上層部を持ち前の優しさと鈍い心で虜にした男。
…それもまだ良い表現。
実際は優柔不断であり、女たらしの能力を発動し、元いた国では認められない一夫多妻状態のハーレム空間を作り出し、周囲が見れば憤りを感じる程の鈍感ぶりを見せ、いつ夜道で刺されてもおかしくない男。
──こんな男でも刺されないのは、女性だけでなく老若男女問わずたらし込む男だからである。
閑話休題。
さて、一刀の勘違いの理由は、『ギャップ』である。
たとえば、
【男勝りの女性が女のコらしい格好をする】
【天才と自慢しているコが実は凄い努力家】
【ヤンキーが電車でお年寄りに席を譲る】
等の『ギャップ』だ。
それが勘違いの理由。
分かりやすく言えば、今の桂花は一刀が元いた世界でいう『ツンデレ』の『デレ』全開状態に『萌え』を感じてしまったため。
ただ、『一番』というのが勘違いとはいえ、好感度が上がっているのは間違いない。
しかし、ここで問題になるのが、なぜ桂花がデレているのかということ。
本来ならば、ありえない。桂花が一刀に、いや『男』にあの態度など。
一刀が桂花に何かをしたのか?と、問われればなにもしていない。なのに、あの態度。
一刀も疑問に思ってもよいのだろうが、まったく疑っていない。
それも、桂花に『萌え』を感じているためだ。
だが、すぐに気づく。
それは、このあと起こる事件の『おかげ』で。
その時に、2つの感情が生まれる。
当然、一つは疑問。
それと…
──────絶望である。
しばらくして…
コンコン
一刀「(ん?誰だろう…)は…」
一刀は来訪者に対し、返答しようとしたが、その来訪者は返事も聞かずに部屋に入ってきた。
???「まったく、ノックがあったらすぐに返事しなさいよね!なんのためのノックよ!こんなのホントに必要な訳!?これだからアンタみたいなのがいる国の作法なんか…」
一刀「いや、しようとしたらお前が聞かず…に…………」
???「なんですって!あんたがすぐ返事しないのを私のせいにする気!?この私にノックされたのならすぐに答えるのが当然でしょう!?そんなことも分からない訳!?ふん、これだから頭に精液しか詰まってない男は!」
一刀「……………………」
突然入ってきた彼女に対する暴言に、一刀は声を出さない。
その一刀に気付かず、彼女の罵倒は続く。
???「だいたい、なんで私があんたの国の作法をしなきゃならないのよ!本当はあんたを見ることだって嫌なのに!」
一刀「……………………」
なおも一刀は声を出さない。
いや、出せないのである。
それは、目の前の彼女がありえないからか。
ありえなくて、声を出せない理由────
それは、彼女が一刀に対し毒舌を吐いているから。
それは、彼女が一刀を忌み嫌うような態度を見せているから。
それは、彼女が一刀を見る目が汚物を見る様な目をしているから。
そして、その彼女が──────
──────流琉であるのだから。
続く!
~あとがき~
あれ?最初と終わり方一緒ちゃう?とか思っている作者のつよしです。
お目汚しホントすみません。
今回は続くにしてみました。
支援や続きを希望して下さる方がいるのに続かせないのは流石にと思いまして…。(結局続けているのですが…)
と、いうことで、次話は早めに書きます。土日がありますからw
それでは次話もよろしくです!
でわでわ~
また、最後に
疲れて眠っていたのに、目が覚めたら病院だったんだ…。ア○アが医者を呼んでくれたらしいんだ…。
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続きましたよ。ええ、続きましてしましたとも。
なんか、もう、ホントすみません。
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