No.643700

【獣機特警K-9ⅡG】謎めいた二輪の花(前編)【交流】

古淵工機さん

有名デザイナーの突然の自殺。
それにとって代わるように現れた新たなデザイナー。
果たしてこの二人を結びつけるものとは!?

■出演

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2013-12-08 15:55:33 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:663   閲覧ユーザー数:620

「こ、これは…!!」

ラミナ警察署捜査課のジース・ミンスターとミハエル・アインリヒトは息を呑んだ。

それは今から半年ほど前である。

現場は閑静な住宅地の中にあった低層ビル。

その3階から、ホッキョクグマ形ロボットの女性が転落死したのである。

彼女の名はアビー・アクトン。ラミナ市内でもきってのファッションデザイナーだったという。

 

「一体誰がこんなコトしたんすかね?」

「他殺の線はなさそうですね。彼女の衣服にも機体にも争ったような形跡はなく、また家に何者かが侵入したというわけでもなさそうです…」

「それじゃあ、この人は…」

「自殺と見ていいでしょうね。しかし、もしそうだとするなら、彼女を自殺に追い込んだ要因が一体なんなのか。それを探る必要があります」

 

…結局、犯人の目撃証言はおろか、それらしい人物の手がかりもつかめず、

また、部屋から一丁の電磁拳銃が見つかったものの、彼女以外に使えないようロックがかかっていた。

外部から遠隔操作された可能性も疑われたが、遺体を分解検査した結果それらしい改造も行われた形跡はなく、

この事件はひとまず「自殺」ということで片付けられたのであった。

…そんな事件も忘れ去られようとしていた頃。

9to10Ⅱに、ラミナ署生活警備課所属のテムナ・ツルハシとミウ・カワグチが訪れていた。

「んー!やーっぱ9to10Ⅱは広いなぁ。いろいろありすぎて迷ってまう!」

と、落ち着きがない様子のテムナ。

「たまには息抜き程度にちょっと買い物でもって思ったけど、これは広いなんてもんじゃないね。街だよ」

と、ミウもまた目を白黒させていた。

 

そんな中、エントランスには多数の人だかり。そこではある展示が行われていた。

「『アシュリー・アッカーファッションデザイン展』…?なんだろあれ」

「わからん、けどええもんが見つかるかも知れん!行ってみよか!!」

ミウとテムナはその展示会へと足を運んだ。

「本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます…」

壇上に立っていたのは、白い体毛が特徴のキタキツネ形ロボットの女性…アシュリー・アッカー本人であった。

「あの人がアシュリー・アッカー?」

「聞いた話やねんけど、最近名を挙げ始めたっちゅうイケイケのデザイナーやねんて」

「へー…」

と、感心しているミウとテムナだったが、ふとミウがあることに気がつく。

 

「ねぇテムナ?」

「ん、なんや?」

「そういえばあの服…どこかで見たような」

「言われてみればそうやな。あのデザインは確か…」

ここで二人の記憶に、忘れ去られようとしていたあの人物の名が浮かぶ。

 

「「アビー・アクトン!」」

「じゃああのアシュリーって人はアビー・アクトンのデザインをリスペクトでもしてるのかな?」

「それにしても再現度高いなあ。お弟子さんなんかな?」

と、感心しているとミウとテムナの後ろから一組のカップルが歩いてくる。

ユキヨ・ムーンドロップとタカト・ブラックバーンだ。

「あ、ミウさんにテムナさんこんにちは」

「おう!タカトくんにユキヨちゃんか。あんたらも展示会見に来たん?」

「いやぁ、ユキヨが新しい服欲しいって言うんで買いに来たんですよ。な?」

「は、恥ずかしいから大きな声で言わないでよ…」

「おっとっと、ごめんごめん」

「もう、タカトったら…」

「ユキヨ…///」

「タカト…///」

 

人前でも構わずいちゃつくユキヨとタカトをやや呆れ顔で見つめるテムナ。

「はいはいごちそうさんごちそうさん。ところで二人ともアシュリー・アッカーって知っとるん?」

「知ってるも何も有名じゃないっすか」

「そうそう。彼女のデザインする服って人気なのよねタカトw」

その話に、ミウが質問をぶつける。

「じゃあさ…アビー・アクトンって知ってる?」

「アビー…アクトン…?」

「ああ、半年前に自殺したって噂の」

「似てると思わない?服のデザインセンスとか」

「そう言われてみると、確かにそっくりっすよね…」

 

と、話をしていたタカトに、ユキヨがハンドサインを送る。

「あ、ちょっと俺たち他の店も探してみますんで!そいじゃ!」

「ごゆっくりどうぞ!」

「え!?もう行っちゃうの!?…うん、気をつけてね混んでるから」

ユキヨとタカトはそそくさとその場から立ち去っていった。

階段室。

こんな大商業施設でも、階段室というのはあまり利用する人がおらず、静かな空間である。

「…ねえ、タカトは気づかない?」

「…ああ。アビー・アクトンのデザインに似てるって話か…」

「あまりにも似すぎてない?あれ」

「似すぎているも何も…ほとんどそのままだな…。おかしい、何かがおかしいぜ!」

「アビー・アクトンとアシュリー・アッカー。あの二人の間にはきっと何かあるに違いないわね」

「おし、そうと決まれば…トリッカーズの出番だぜ!」

 

謎が謎を呼ぶ、アビー・アクトンの突然の自殺と、それに代わって現れたアシュリー・アッカー。

果たしてこの二人の間には何があるのか!トリッカーズが謎を暴く!!


 
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