※注意！！！

今回の話はいつも以上にキャラ崩壊がヒドイです！　というか最早別物です！？　特に○○！！！　読むと「こんなの○○じゃない！？」「○○の皮を被った別の何かだろ！」という感想を持たれる可能性があります！　実際に自分（作者）がそうでした！　誰ですか、アレ！？　書いた奴出てこい！！！（←お前だ）

……というわけで今回は一部のキャラが変なことになっちゃってますw　「はいはい、外史、外史www」「ギャグだから仕方ないねw」という広い心をお持ちのお方はお読みくださいwww

…………忠告はしましたよ？www

【医務室前】

焔耶「止まれ、星」

蒲公英「えへへ。ゴメンね、星姉さま」

星「焔耶に蒲公英、それに桔梗か。……桃香様の命令だな？」

桔梗「すまんのう。本音を言えば儂としてもこういった闇討ちは好かんのじゃが…………これも桃香様のお許しを得るため。――そして何よりもお館様優先券のためであるからな……！」

焔耶「くっ……！　まさかお前がお館の子供を、に、妊娠しているなんて……。うらやｍ――ずるいぞ！」

星（どこかで聞いた台詞だな……）

蒲公英「（星姉さまの呆れたような顔。……きっとお姉さまも同じようなことを言ってたんだろうなー）ま。そういうわけだから、星姉さまは大人しくベットに戻ってね♪」

ガチャ！　

ガチャ！　

ガチャ！

星「ふっ。武器を構えるか。翠と紫苑の時といっしょだな。……だが、この趙子龍が二度も同じ過ちを繰り返すと思ったか？」

ガチャ！

桔梗「……龍牙か。よいのか？　武器を振るうと失格にされるぞ？」

星「主が言うところの『正当防衛』というやつだ。それに大会関係者の華佗も今はいない。ふっ。存分に我が武を振るえるというものだ」

桔梗「ほう……。儂ら三人を同時に相手取って勝てると、本気で思っておるのか？」

星「桔梗、蒲公英、焔耶。確かにお主達は強い。そのことは仲間として共に戦ってきたこの私が何よりもよく知っておるよ。――だが」

星「私にも五虎大将軍の一人としての！　そして主を慕う一人の女としての意地がある！！　今の私に手を出すことは龍の逆鱗に触れるのも同じだと知れ！！！」

桔梗・蒲公英・焔耶「「「――――っ！？」」」

蒲公英（うわ！　もしかして星姉さま、本気で怒ってる！？）

焔耶（くそっ……なんて気迫だ……！　まるで恋を前にしたときのようだ……！）

桔梗（……これは軍師殿の策がなければ危なかったのう……）

星「……どうした。来ないのか？」

桔梗「ふっ。今のお主を抑え込むにはそれこそ恋か、少なくとも愛紗や鈴々ほどの実力者が三人はいなくては厳しいじゃろう。……残念ながら儂ら三人では力不足。精々時間稼ぎぐらいしかできまい」

星「……通してくれる、ということか？」

桔梗「そうしておったであろうな。…………こちらが三人だけであったならば、な」

蓮華「助太刀に来たわよ、三人とも」

思春「……（チャキリ）」

小蓮「ふふ～ん。逃がさないわよ、星」

星「蓮華殿、思春、小蓮殿！？　な、なぜ、呉のお主たちが……！」

思春「雪蓮様と冥琳様の命令だ」

蓮華「姉さまに『桔梗たちと一緒に身重の星を医務室に連れ戻してくれたら、造反の罪について考えてあげてもいいわよ～♪　ちょうど朱里と雛里からの要請もあったしね♪』って言われてね……」

小蓮「冥琳も『雪蓮や穏、亞莎と協議した結果、この任務に失敗した場合、蓮華様たち三人の優先券は没収の上に三か月の一刀禁止令を出すことが決定されました。ちなみに蓮華様と小蓮様を誑かした張本人の思春には一刀の閨当番からの永久除籍の罰が待っております。無論、あくまで任務に失敗した場合、のみ、ですが』……な～んて言われちゃったからね……」

思春「――っ！（ガタガタ、ブルブル）」

星「あ、あの、腹黒幼女共めえええええええええええ！！！」

蓮華「……星。同情はするけどあなたも悪いのよ？　せっかくあなたも一刀の子供を身ごもれたのに大人しくしないから……。妊娠初期の今が妊婦にも赤ちゃんにも重要な時期なのよ？」

星「ち、ちが……！」

小蓮「ぶーぶー！　なんで妻であるシャオを差し置いて星まで妊娠してるのよ！　納得いかない！」

星「納得していないのは私の方だ！」

思春「黙って縄につけ、星。蓮華様のため、小蓮様のため、お腹の子供のため――そしてこの私のために…………！」

星「本音が漏れておるぞ！？」

桔梗「さて、星よ。いくらお主でも我ら六人を相手にできるとは思うておるまい。思春の言うとおり武器を捨て大人しく投降せい。それができぬのなら……ふむ。儂らが無理やりお主を眠らせるまでじゃな」

星「皆、落ち着け！　これは孔明の罠だ！！！」

桔梗・焔耶・蒲公英・蓮華・思春・小蓮「「「「「「問・答・無・用！！！」」」」」」

星「またこのオチかああああああああああああああああああ！？」

聖「次の対戦方法は――」

♪♪♪テッテレー♪♪♪

『借り物競争』

玉璽戦争第五回戦

対戦方法『借り物競争』

聖「というわけで、続いての対戦方法は借り物競争でーす♪」

月「以前ご主人様がお話されていた天の国のかけっこの一種ですよね」

季衣「あっ。ボクも知ってる！　たしか、かけっこしながら誰かの物を借りてこなくちゃいけないんだよね？」

一刀「そ。普通のかけっこと同じように競技場を走って、その途中でお題の書かれた紙を拾う。そしてその紙に書いてあったモノを友達や観客から借りてこないとゴールできない――っていうのが借り物競争のルール……やり方だな」

聖「ちなみにこの遊戯は君主が強制参加になりまーす。臣下の皆さんは応援席に移動してくださいね。あと、今回は特別『るーる』はありませんので、皆さん安心して全力を出してくださいね♪」

雪蓮「なーんか怪しいわね……。今までと比べてあまりにも普通すぎない？」

桃香「え？　今までの遊びってどこか変でしたっけ？」

雪蓮「……え？」

桃香「？」

華琳「……質問してもいいかしら。借り物競争で指定された物を借りるのはわかったわ。それで、今回の競技で私達は『誰』からお題のモノを借りなくてはいけないのかしら？」

一刀「……さすが華琳。もうそこに気づいたのか」

美羽「むう。どういうことなのじゃ。別に誰から借りても問題ではなかろう？」

月「……いいえ。全然違うかもしれません」

美羽「うみゅ？」

聖「はいはーい。わかっちゃっている人もわかってない人も静粛にー。華琳さんの質問に答えますからねー。……えー、コホン。さっきも言いましたが、借り物競争っていうのは途中で指定されたモノを『誰か』から借りてこないと『ごーる』できませーん！　ただ闇雲にどこぞの誰かさん達みたいに猪の如く突進してるだけじゃダメダメなんですよ♪」

春蘭「ふむふむ」

猪々子「へー」

華雄「なるほどな」

焔耶「奥が深いんだな」

上記四名以外の恋姫『…………』

秋蘭「姉者……」

斗詩「えーっと……文ちゃん……？」

霞「はぁー……」

桔梗「……どこで教育を間違えたのかのう……」

一刀「は、ははは……。（というか、いつの間にか桔梗や焔耶達も戻ってきてるな……）　ま、まあ、そういうわけで。このゲームでは『誰か』から借り物をしないとダメっていうのはみんなわかったかな？」

麗羽「もう！　さっきから同じ話ばかりでつまらないですわ！」

美羽「そうじゃ、そうじゃ！」

麗羽「何度も聞かされればどんなおバカさんでも理解できますわよ！」

美羽「そうじゃ、そうじゃ！」

聖「……えー、私は空気が読めるいい奥さんですからツッコミませんよー？　では本題でーす。借り物競争では『誰か』からモノを借りないと『ごーる』できません。でも今回は『誰』からモノを借りることになるでしょーか♪」

華琳「やっぱりね……」

白蓮「ああ、なるほど。そういうことか」

月「華琳さんが警戒していた理由がわかりましたね」

雪蓮「うーん……。そういう方面は冥琳のお仕事なんだけど……。ま、仕方ないか」

美羽「？」

麗羽「？？」

桃香「うう……。ごめんなさい、ご主人様。よくわからないんだけど……」

一刀「えーと、つまりね。借り物競争では観客からモノを借りることになるんだけど、この玉璽戦争の観客は競技に参加していない三国の将だろ。だったら、もし自分の仲間以外とモノの貸し借りになったらどうなる？　例えば華琳が愛紗の青竜偃月刀を借りる事になったら」

桃香「あ、そうか！　素直に渡してくれるはずないよね。もし愛紗ちゃんが華琳さんに武器を渡しちゃったらこっちが不利になっちゃうんだし」

聖「ピンポン。ピンポ～ン。正解で～す♪　『誰』から『何』を借りることになるかはあくまで運任せ。つまり都合よく自分にモノを貸してくれる相手に当たるとか限らないってことなんです♪」

凪「しかし、そうなるといつまでも決着がつかないのでは？」

蒲公英「そうだよね。誰だってそんな馬鹿な真似なんかするわけないじゃん。……まあ、どこぞの脳筋はわからないけど」

春蘭「誰が胸まで筋肉の大馬鹿野郎だ！！！」

蒲公英「え、なんで春蘭が反応するの！？　そこは焔耶の番でしょ！！？」

一刀「そう。つまりそれがこの遊戯の最大の特徴なんだ。もし自分の仲間以外の武将や軍師のモノを借りることになった場合、選手は相手を説得させなくちゃいけない。ただ足が速いだけじゃこの競争には勝てない。むしろ相手を説得する交渉力こそがこの戦いの鍵になるな」

聖「ちなみに交渉は一対一で行ってくださいね。選手が軍師の意見を聞いたり、交渉相手が仲間と相談したりするのはナシってことです♪　あ。もちろん観客同士の脅し合いや買収行為も止めてくださいね？　選手がやる分にはむしろ『ばっちこい』ですけど♪」

麗羽「優雅に走って、華麗に奪い取ればいいのでしょう？　なら私にとってはちょちょいのちょいですわ！　おーっほっほっほっほ！」

桃香「こ、これなら足の遅い私でも勝てるかも……？」

雪蓮「ふふ。面白いじゃない。ある意味では私達の君主としての力量を試してるわよ？」

月「参加者が私達で固定されていますし、華琳さんの言うとおりなのかもしれませんね」

美羽「うにゅ？」

白蓮「運動能力だけでも、頭がいいだけでも、君主は務まらない……ってことか？」

華琳「ま、そんなところでしょう。あのバカとしては何よりも部下との信頼関係とかその辺が重要って言いたいのかもしれないけど」

聖「みなさん、もうこの競技の規則は理解できましたね？　それでは君主の皆様は指定の位置について準備してくださーい。あ、臣下の皆さんは前と同じように観客席で応援してくださいね♪」

小蓮「ねえ、ねえ、穏。かけっこだったら雪蓮姉さまが有利だよね？」

穏「んー、どうでしょうか。先程聖様が言ったように、この遊戯の特徴は誰よりも早く指定された物を借りることですからねー。くじ次第では思いのほか苦戦されるかもしれません」

亞莎「で、ですが、身体能力では他の君主の方々と比べても頭一つ飛び抜けていますので、雪蓮様が有利なのはお変わりありません！」

蓮華「あまり心配しなくても大丈夫よ。姉さまは（普段は空気読まないけど）ちゃんと周りの者への気配りもできるし、駆け引きだって（特に一刀が絡むと）上手な人よ。例え他国の者から借りることになっても（最悪武力や権力でいくらでも脅せるし）何の問題もないわ。そもそも（理不尽なくらい）勘の強い姉さまがくじで悪い結果を出すはずがないでしょ？」

明命「さすが蓮華様です！　雪蓮様のことを心から信頼していらっしゃるのですね！」

蓮華「当たり前じゃない♪」

小喬「……ねえ、お姉ちゃん。今、変な声が聞こえなかった？　なんだか色で表したら真っ黒な感じの声が」

大喬「……気にしちゃダメだと思うよ。主に私達の命の保証的な意味で」

風「――まあ、そんな感じで雪蓮様が有利なのは間違いありませんが、いくらでも付け入る隙はあります」

稟「彼女はあの地獄のような『鬼ごっこ』で倒れてしまうほどの体力を使っています。華佗に確認したところ、不公平になるため選手に対する特別な治療はしていないそうです。無論、命に関わる場合は別だと言うことですが」

桂花「つまりいくらあの戦狂いでもこんな短時間で失った体力を完全に回復しているわけがないってこと。だったらそんな相手に華琳様が負けることはないわ！」

真桜「せやな。華琳様もめっちゃ足が速いし」

沙和「交渉だってすっごく得意なの！」

朱里「――というわけでこの二人が要注意でしゅね。はわわ……また噛んじゃった……」

雛里「特に華琳さんは（二回戦ですぐに負けちゃったから）体力も余っていますので、かなり手ごわい相手になりそうです」

紫苑「――でも桃香様が有利なのは変わらないのでしょう？」

朱里「はい！　ただのかけっこでしたら鬼ごっこの二の舞になっていたでしょうが、今回はただ身体能力が高いだけでは勝てませんから！」

桔梗「うむ。桃香様が誰よりも優れていられるのはあの溢れんばかりの魅力であるからな。そしてその魅力は交渉の時にこそ最大限に発揮なされる。……思い出すのう。初めて桃香様と出会った時のことを」

鈴々「でもお姉ちゃんは足が遅いのだ」

翠「不安があるとすればやっぱりそこだよな」

朱里「そうですね……。あと華琳さんと雪蓮さん以外に気を付けるべきなのは――」

詠「――つまり、あの三王は全員油断できない相手というわけ。わかった？」

霞「ふーん。大将や雪蓮はともかくこういう遊戯では桃香も結構な相手になるんやな」

華雄「だが月様のお人柄は天下一だぞ。身体能力がずば抜けているあの二人はともかく。他のヤツらは大した問題ではないのではないか？」

詠「その点は僕だって心配してないわ。でも桃香は蜀の王様だから色々と打てる手も多いのよ」

霞「今の月っちはただのメイドやもんな。そういった方面で攻めるのは確かに不利になりそうや」

華雄「ところで残りの三人はどうなんだ？　奴らも月様と同じく今は君主ではないはずだが」

詠「あー。残りは気にしなくていいわよ。麗羽はただのバカだし、美羽も頭良くないから。白蓮は…………くじの結果次第、かしらね。ま。三人ともそこまで足が速いってわけでもないから、月に大差をつけて勝つなんてことは不可能でしょ」

霞「……この遊戯、参加者が君主で本当に良かったわ。これで七乃が参加しとったら……」

詠「……大変なことになってたでしょうね」

華雄「……音々音の奴はどこに行ったんだろうな」

詠「……さぁ」

聖「さーて。皆さん準備できたみたいですね～♪　それでは！　位置について――よ～い……と、言う前に♪　最後に重要なお知らせがありまーす！」

君主一同（まだ何かあるのか……）

聖「『こーす』の途中に大きな長机が見えますよね？　あそこに借り物を指定したくじが置いてあるんですが…………実はそのくじ、全部で十枚あります♪」

美羽「それがどうかしたのじゃ？」

聖「はーい♪　十枚置かれているそのくじの内、半分は一刀様お手製の物です。くじの内容も一刀様だけが知っていまーす♪」

桃香「へえ、ご主人様の手作りなんだ♪」

白蓮「一刀が作ったのか。ならお題も変なのはなさそうだな」

月「そうですね♪」

雪蓮「……ちょっと待って。半分――つまり五枚は一刀が作ったのよね？　だったら残りの五枚を作ったのって……誰なの！？」

聖「残り半分のくじを作ってくださった方は………………この人です！　どうぞ！！！」

于吉「いやー。苦労しましたー（棒）。大変でしたよー（棒）」

恋姫『よりにもよってコイツ！？』

于吉「ふふふ。どうしました？　皆さんずいぶんと顔色が悪いですねえ。そんなに私特製のくじが嫌ですか？」

雪蓮「当たり前じゃない！」

白蓮「お前が作ったとか不安しか感じないんだよ！」

月「へぅ……無印の悪夢が……」

華琳（言えない。漢女製じゃなくて安心したなんて、絶対に言えない）

聖「ふふふ♪　そう。もうわかっていると思いますが、くじの半分は所謂ハズレです！　引いてしまったら何て書いてあるのか……怖いですねー♪　もちろん私も中身を知りませんよ？　どんな結果になるか今からドキドキが止まりません！　……ちなみに一刀様、くじの中身はどんな感じなんでしょうか？」

一刀「えーと……まあ、あまり普通のこと書いても皆すぐに手に入れちゃうだろ？　それじゃゲームの盛り上げに欠けるだろうし、やってる皆もつまらないと思ったから俺なりに頭を捻って難しくした……つもりなんだけど（チラ）」

于吉（ニッコリ）

一刀「確実にコイツよりは簡単だな！　ていうか、お前は一体何を書いたんだよ！？」

于吉「自分の思うままに書きましたが何か問題でも？（キリッ！）」

一刀「問題しかねえよ！　なんだよ『思うままに』って！　絶対に禄でもないことを書いだろ！」

恋姫＋左慈（（（（（全力で同意！！！）））））

聖「本当に怖いですねー♪　……アタリもハズレも五枚ずつ。皆さんの人数は七人。つ・ま・り！　皆さんの運がどれだけあったとしても！　最低でも二人は地獄のような借り物をしないとダメなんです！！！」

君主一同「「「「「「「！！！」」」」」

聖「さー、これで本当にお知らせは終了です！　皆さん、準備はいいですか？」

君主一同（（（（（ザッ！）））））

聖「位置について！　よ～い―――――ドン！！！」

君主一同『うおおおおおおお！！！（ダッシュ！）』

雪蓮「はああああああああ！！！」

華琳（くっ！　速い！？）

聖「おーっと！　一番手に躍り出たのはやはり君主の中で最高の身体能力を誇る雪蓮さんです！　速い！　本当に速い！　二番手の華琳さんとの差がぐんぐん広がっていきます！　武官涙目の脅威の身体能力！　でも本当に君主にそれだけの能力が必要なんでしょうか！？　どう思われますか、一刀様！？」

一刀「まあ、雪蓮だし」

聖「納得！　何でかわかりませんが、すっごく納得してしまいました！」

華琳「くっ――！」

聖「華琳さんも懸命に追い上げを図っていますが、差を広げられないようにするだけで精一杯のようです！　これは少し意外な結果ですね！　元々の身体能力はともかく。今の体力差を考えればこれはちょっとビックリです！」

一刀「うーん……。雪蓮は（色んな外史で）于吉に煮え湯を飲まされているからな。なんとしてでもハズレくじを引きたくなんだろ。で、華琳の方も于吉に色々されているけど、まあどちらかといえば左慈の方を嫌悪しているからな。……それに何と言っても天敵は貂蝉達だし。まあ、そこら辺の精神的な作用が影響しているのかも？」

白蓮「あ……あいつら、やっぱり速すぎだろ！？」

桃香「はっ、はっ、はっ……。うう……」

麗羽「ぜぇ、ぜぇ……。ああ、もう！　どうして三国一の名家の当主である私がこんなに走らなくてはいけな――ゴホゴホゴホ……！」

聖「続く三人はそこまで差がないですねー。……麗羽さんが盛大にむせているんですけど大丈夫なんでしょうか？」

月「へう……へう……へう……」

聖「月さんがキツそうです！　すっごく可哀相なんですけど！？」

一刀「よし。今から保護してくる（キリッ！）」

聖「ダメですよ！？　気持ちはわかりますけど！」

美羽「ぴぃ、ぴぃ、ぴぃ……………（泣）」

聖「小鳥です！　なんだかピイピイないてる小鳥が飛んでます！」

一刀「……確かに鳴いてるし、泣いてるね……」

雪蓮「何としてでも一刀の書いたくじを引く！　またあの眼鏡のせいで一刀と引き放されて堪るもんですか！」

聖「おーっと！　先頭を駆け抜ける雪蓮さん！　ついにくじが置いてある机に辿りつきましたー！」

雪蓮「働け！　私の勘！（バシン！）」

聖「そして勢いもそのまま！　くじを引ったくりました！」

一刀「雪蓮お得意の勘！　今まで何度も雪蓮を救ったけど、今回は……！？」

雪蓮「中身は！？（ペラ）」

『――朱里が背中に隠している（吐き気がする）秘蔵の本を借りてくること――』

雪蓮「これは……アタリ？　あの腐れ眼鏡が書いたにしては弱すぎるし……。ていうか、吐き気がする本ってなんなのよ？」

聖「どういうことでしょう！　くじを見た雪蓮さんが微妙な表情で観客席にむかっています！　あれはアタリなんでしょうか？　それともハズレなんでしょうか？」

一刀「蜀の所に向かっているってことは……俺のやつか？」

華琳「はっ！（バシン！）」

聖「は！　余所見をしていたらいつの間にか華琳さんもくじを引いていました！」

華琳「…………（チラ）」

『――ふふふ、残念でした♪　コレは北郷一刀が書いたものではありませんよ？　悔しいですか？　悔しいでしょうね。ふふ。いつもあなた方には辛酸を嘗めさせられますからねえ。たまにはこういう意趣返しをするのも悪くはないですね、本当に♪　いやあ、それにしても。どうして左慈はあんなに魅力的なんでしょうか。彼のほとばしるパトスを感じるだけで――（延々と左慈について書かれているので省略）――お尻の形なんて最高！！！　まさに、彼は私にとっての運命の人ということなんでしょうねえ！　あ、借り物のお題は典韋より特製青椒肉絲のレシピを聞きだしてください。聞き出したレシピはちゃんとメモしておいてくださいね♪♪♪　ちなみにレシピっていうのは作り方のことですからね。ちゃーんと隠し味とかも全部聞き出してくださいよ♪――』

華琳「……………………………………………（ブチッ）」

聖「おおーっと、青筋を立てた華琳さんがくじをバラバラに引き裂いた！？　コレはもしかして、もしかしなくてもはずれを引いてしまったんでしょうか！　というか中身が気になります！」

一刀「于吉、お前何を書いたんだ？」

于吉「おかしいですね。特に変なことを書いたつもりはなかったんですが」

聖「そうこうしている内に雪蓮さんが観客席に到着したようです！　さて、一体誰から何を借りるのでしょうか！」

雪蓮「朱里！　ちょっとコッチに来なさい！」

朱里「はわわ！？　ど、どうしたんでしゅか、雪蓮さん！？」

雪蓮「単刀直入に言うわ。あんたが背中に隠し持ってる本をこちらに寄越しなさい！」

朱里「はわわわわわ！！？　も、も、もうしゅわぇございましぇんがおことわりしゃ、しゃ、しゃしぇていただきましゅ！？　し、しょしょんごの君しゅであるあにゃたに渡しゅたところでん！？　はわわ……わたしゅたところんで、こちらにはにゃんのりゅえきもありましぇん！！！　どどどどどうしてもというのな、にゃら！　しょれしょう応の代しょう……こここ……こうかんじょうけんをにょべるべきではわわわわ！！？（申し訳ございませんがお断りさせていただきます。孫呉の君主である貴方に渡したところでこちらには何の利益もありません。どうしてもというのならそれ相応の代償……交換条件を述べるべきでは？）」

雪蓮「………………ゴメン、朱里。ちょっと何を言ってるのかわからないんだけど……。ほら、落ち着いて。ね？」

朱里「してないでしゅ！　どよんねんてしてにゃいでしゅ！？（してないです。動揺なんてしてないです）」

雪蓮「もう言葉遣いすら危ういじゃない！？　なんなのよ、『どよんねん』って！　ああーっ、もう！　どうしてこんなことになったのよ！？」

蜀勢『……………』

他の恋姫『…………アレが蜀の筆頭軍師（笑）か』

蜀勢『……………………』

雛里（あわわ……。私じゃなくて朱里ちゃんでよかった……）

聖・于吉「「……一刀様（北郷一刀）、何を書いたんですか？」」

一刀「い、いや、まあ……そこまでおかしなことを書いたつもりはなかったんだけど……」

白蓮「よいしょ！」

聖「あ、いつの間にか白蓮さんがくじを引いてます」

白蓮「頼む！　当たりよ、来てくれ！」

『――ハズレです。甘寧の褌（脱ぎたて）を借りてきてください――』

白蓮「なんだよこれはああああああああああああああああああああああああああああああ！？」

一刀「……またお前か」

于吉「みたいですね」

聖「むむ！　華琳さんも観客席に到着！　向かっている先はなんと自分の国である曹魏のところだー！　くじははずれのようでしたが、その実一番の大当たりだったんでしょうか！？」

于吉「……ふふ。それはどうでしょうかねえ……♪」

桂花「華琳様！　もしかして『私』ですか！？」

沙和「……『自分』が借り物かどうか確認するところが桂花様らしいと思うのー」

風「ですねー」

華琳「ふふ。ごめんなさいね、桂花。今回の借り物はあなたじゃないの。代わりに……流琉！　無茶を言ってる事を承知であなたに頼みたいことがあるの！」

流琉「な、なんでしょうか。そ、その私ができることならなんだってやります！」

華琳「……そう、ならあなた特製の青椒肉絲の作り方を教えてほしいわ。できれば『めも』させて――流琉「お断りします」――……まあ、そうよね」

流琉「料理人にとって自分の編み出した料理の調理法は命と同じくらい重いもの。そのことは華琳様が一番ご存知のはずです！」

華琳「ええ。私だって自分の自信作の調理法を（いくら一刀がかかってるとはいえ）こんな遊戯で披露するなんてまっぴらごめんよ。……本当にあの眼鏡は余計なことしかしないわね」

流琉「それに……」

華琳「それに？」

流琉「この青椒肉絲は兄様が私の料理の中でも特に好んでいる一品なんです！　ですから誰にも教えるわけにはいきません！！！」

華琳（あの変態眼鏡……ここまで知っててあのくじを書いたのかしら。だとしたら…………後で絶を振るうことになりそうね）

一刀「おい、このホモ野郎。てめえ、流琉の純情な心を弄びやがったな？」

于吉「はてはて？　なんのことでしょうか♪」

聖「（やっぱり最悪ですね、この人）……おや？　気が付いたら白蓮さんが観客席に辿りついていますね。どうやら思春さんから何かを借りようとしているようですが……様子がおかしいですね」

思春「……さて、公孫賛。死に様ぐらいは選ばせてやる。私に斬り殺されるのと、長江に沈められるのと、鈴音で斬り殺されるのと、長江に突き落とされるのと、私に鈴音で斬り殺されるのと、とにかく斬り殺されるのと……どれが好みだ？」

白蓮「二択しかないじゃないか！？　いや、問題点はそこじゃないけどさ！？」

思春「いいから答えろ……！（ゴゴゴゴゴ）」

白蓮「お、落ち着けえええええ！？」

一刀・聖「「おい、そこの眼鏡野郎。何を書いたんだ？」」

于吉「変なことは書いてませんよ。ただちょっと私のような健全な青年が憧れてしまうような刺激的な内容にはしましたが♪」

聖「（この人に参加してもらったのは失敗でしたね……）さーて、遅れていた後続もどんどん後に続きます！　四番目にくじを引くのは――」

桃香「えい！」

聖「桃香さんです！　さて、気になるくじの中身は！？」

『――ああ……左慈。どうしてあなたはそんなに冷たいのですか？　あなたの永久凍土を思わせるその冷たく、鋭い視線を向けられると私の中にある獣が――（読者の精神に悪影響を与える可能性があるため省略）――まさにマーベラス！　実にファンタスティック！！　左慈、さいっこおおおおおおおおう！！！　……って、おや？　これは一体なんでしたっけ？　ああ、思い出しました。借り物競争のくじでしたね。さっさと済ませるとしましょうか。お題はあの忌々しい天の御使いこと、天の種馬こと、三国一の節操なしこと、さっさと貂蝉と卑弥呼に食われてしまえと全世界の男性特に私と左慈が願ってる生ものこと、北郷一刀の象徴ともいえるあの安物制服………………の下だけを借りてきてください――』

桃香「…………へ？」

聖「むむむ！　桃香さんが固まってしまった！？　あの様子ではくじの中身は当たりだったでしょうか！　それともはずれだったんでしょうか！？　よくわかりません！　と、そんなことを言ってる間に麗羽さんも到着です！」

麗羽「華麗に！（パシン）」

『――左慈のズボンを借りてきてくださいハァハァ――』

麗羽「あら、ずいぶんと簡単ですわね♪　まあ、私にかかればくじを当てることくらい簡単なんですけど♪　おーほほほほ！」

聖「麗羽さんの顔がニコニコだー！　これはもしかして、もしかしなくても当たりだったのでしょうか！？」

一刀「お、月と美羽もそろそろくじ置き場に着きそうだな」

月「へぅ、へぅ……へぅ！」

聖「息も絶え絶えという様子の月ちゃん！　必死に取ったくじの中身は一刀様のものか！　それとも腐れ眼鏡のものか！？」

『――それにしても私も様々な外史に介入してきましたが、どうしてこう扱いが悪いんでしょうかねえ。まったく、こう見えて私も色々と苦労しているんですよ？　いかに確実に、効率よく、簡単に、北郷一刀を抹殺できるか一週間に一度は考えていますし、三国の武将達をどうやって陥れて、嵌めて、操って、北郷一刀と敵対させるか一か月に二、三回は悩んでいますし、あの堅物な左慈を私に振り向かせて、私だけを見て、私だけを考えてもらうようにするか一年に1000回くらいしか考えていないというのに……。これほどの苦労人は他には中々いないと自分でも自負してはいますが、まあ、これもすべては愛しい左慈のためだと思えばいくらでも――（左慈へのラブコール＆一刀への逆怨み言が延々と続いているので省略）――やはりこれは北郷一刀の陰謀としか考えられませんね！　ふう。愚痴を零したら少し楽になりました。ではこの辺で筆を置くとしましょうか――』

月「へぅ！？　あ、あれ……お題は……？　借りる物の内容は……？」

『――それにしても私も様々な外史に――（省略）――ではこの辺で筆を置くとしましょうか――――――――――――――そうそう、お題は劉協の持ってる指輪です。左手につけてあるやつですよ？　ああ、左慈。可愛いよ、左慈。SA☆ZIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII――（長すぎるので省略）――IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII！！！――』

月「………………………………へぅ（ガクリ）」

聖「いきなり膝をついてガクリと項垂れてしまったああああああ！？　どうした、月ちゃん！？　絶対にハズレだったんだろうけど何が書いてあったの！？」

于吉「見事にorzの恰好ですね♪」

一刀「てめえ、本当にいい加減にしろよ。よくも俺の月のSAN値をガリガリ削りやがったな！」

于吉「うー☆　にゃー☆」

一刀「（ぶち）よし、表でろ。久しぶりに本気でやってやる…………！」

桃香「……ええーっと。ご、ご主人様。今、いいかな……？」

一刀「へ？」

于吉「おやおや、ここに来たということは……」

聖「おおーっと！？　月ちゃんに気を取られていたらいつの間にか桃香さんがココに来ていたー！　つまり彼女の借り物は私達が持ってるということでしょうか！」

桃香「そ、そのご主人様……（モジモジ）」

一刀「（ドキ）え、えーっと……桃香？（やべえ、久々のモジモジ桃香すげえ可愛い）」

桃香「お、お、お願いがあるんだけど…………いいかな？（モジモジ）」

一刀「か、借り物のことか？（くっ……！　静まれ、俺の両腕……！　ここで抱きしめたら理性の制御が利かなくなるぞ…………！）」

桃香「う、うん……（モジモジ）」

一刀「と、桃香はラッキーだったなー。俺は誰が勝っても同じだからすぐに渡してあげられるぞー（Be COOL,Be Cool……。そうだ、私は冷静だ。どんなときでもクールに……クールになれ、クールになるんだ、一刀……！）」

桃香「じゃ、じゃあ…………言っても…………いい…………？（モジモジ＋上目使い）」

一刀「な、なんでも言ってくれ！（明鏡止水明鏡止水明鏡止水明鏡止水明鏡止水明鏡止水……！　クリアマインド！　トップクリアマインド！！　オーバートップクリアマインドオオオオオオオオ！！！）」

桃香「じゃ、じゃあ……ご主人様のズボンを貸して――！（ズドオオオオオン）」

一刀「」

恋姫『（ピタリ）』

于吉「おやおや。面白いように皆さん止まりましたね♪　特に見てくださいの劉備以外の武将の目！　ああいうのを目が死んでいるというのでしょうねえ♪」

一刀「ええーっとちょっと待って、桃香。落ち着いて。俺も落ち着くから。ああ、別にこれは下半身を落ち着かせるとかそういう意味じゃないからね。純粋に俺も驚いているだけだから。そう、落ち着こう。落ち着こうか。れれれれ冷静になれ、まだ慌てるような時間じゃない。これは于吉の罠だ（動揺）」

桃香「ええーっと……ゴメンね、ご主人様？」

一刀「ハハハ。どうして私の腕を掴むんですか、桃香サン？　意外と力強いというかどこに連れて行く気なんですか？　そっちの方には更衣室しかアリマセンヨ？　あ、拒否権はないんですね。わかっていましたけど。……………ちょ、ちょっと待って！？　本当に待って！　今の俺色々とヤバイんだけど……！　MA☆TTE！（ズルズル……）」

聖「…………えー。というわけで一刀様が桃娘に連れて行かれちゃいました。……なんなんですか。借り物の内容が一刀のズボンって……。羨ましすぎるんですけど」

于吉「（ドヤア）」

聖「あなたを褒めたわけじゃないですから。いい加減にしてください、本当に。あ、なんか急に速くなった美羽ちゃんがくじを引いてます」

美羽「うりゃあああ！（パシン）」

『――シャオの連れてる周々と善々（小蓮が連れてる虎と大熊猫）を借りてくること――』

美羽「これは主様の字じゃな！？　主様が書いたものであろう！？　そうじゃな！？　そうであろう！　ぬはははは！！！」

聖「どうやら当たりだったようです！　美羽ちゃん、喜んでいます！　すごい喜んでいます！　ものすごいはしゃぎぷっりです！　夢中に飛び跳ねています！　完全に競走のことを忘れています！　やっぱりお花畑蜂蜜姫は健在です！　今回ばかりはその気持ちもよくわかりますがっ！！！」

于吉「おお、アレは！！！」

聖「え……どうしたんですか、腹黒眼鏡さん……？　いきなり立ち上がるとか気持ちわｒ……変態っぽいですよ？」

于吉「これが興奮しないでいられますか！？　アレを見てください、アレを！」

聖（正直見たくないです）

麗羽「おーっほっほっほっ！　見つけましたわよ、左慈さん！」

左慈「……待て。なぜ俺の所に来た？」

麗羽「？　そんなの借り物を貴方が持っているからに決まっているでしょう？　そんなこともわからないなんてお馬鹿さんですのね」

左慈「――っ！！！（馬鹿……？　俺は今、馬鹿って言われたのか……？　よりにもよってあの袁紹に……！？）」

麗羽「まあ、いいですわ。さっさと下を脱ぎなさい」

左慈「…………は？」

麗羽「もう！　本当に頭の悪い人ですわね！　あ・な・た・のズボンがないと私が勝てないでしょう？　いいからさっさとお脱ぎなさい！」

左慈「ふざけるなよ！？　なんでそんなことをしないといけないんだよ！」

麗羽「？　『るーる』だからに決まっているでしょう？　貴方……一度華佗に頭を見てもらった方がいいですわよ？」

左慈（は、ははは……。もういいさっさと殺ってしまおう……）

于吉「左慈～♪　手を出したら反則……つまり北郷一刀をボコる件は無しになってしまいますよ～？」

左慈「ぜってえええにてめえの仕業だろ、うきつううううううううううう！！！（ダッシュ！）」

麗羽「逃げるなんて卑怯ですわよ！？（ダッシュ）」

聖「……………（よし今の光景は無視しよう）。えー、美羽ちゃんも観客席に着いたみたいですねー。お、どうやら因縁のある孫呉組からモノを借りるようです」

美羽「シャオ！　お主の虎と大熊猫を貸してたも！」

小蓮「嫌よ（即答）」

美羽「なぜじゃ！？（ガーン）」

小蓮「いや、なんでって……。あなた、シャオ達と別の勢力――つまり敵じゃない。どうして敵にそんなことしなくちゃいけないのよ」

美羽「妾でもダメなのか……（うるうる）」

小蓮「ある意味他の誰よりもダメじゃない…………」

美羽「は、蜂蜜を分けてやってもよいぞ……？」

小蓮「いらないから」

美羽「わ、妾のとっておきなのじゃぞ……？」

小蓮「うん。いらない」

美羽「い、今なら七乃もつくぞ……？」

小蓮「絶対にいらないわよ！！！」

聖「なんだか、無性に美羽ちゃんを応援したくなりますね……。って、あれ？　そういえば美羽ちゃんよりも先にくじを引いた月ちゃんは？　何処？」

月「へぅ。そ、その聖様……」

聖「月ちゃん、無事に発見しました！　さて月ちゃんは誰からモノを借りるのか――って、もしかして私ですか？」

月「は、はい……（オドオド）」

聖「（わあ、相変わらずすっごい守りたい『おーら』を出している子です。あんまり年齢は変わらないはずなんですけどね）うーん。月ちゃんですか。月ちゃんには反董卓連合とか色々と迷惑をおかけしましたからね。実は引け目を感じてる所があるんですよね、私」

月「へ、へぅ！　そ、そんな恐れ多い……！」

聖「他の人ならちょっとした我儘でも言うとこですけど、あなたなら仕方ありませんね。さあ、借り物の内容を言ってください。お詫びの代わりに何でも貸しちゃいます。あ、もちろん競技が終わったらちゃーんと返してくださいね♪」

月「あ……聖様……あ、ありがとうございます！」

聖「ふふ。これも天の……一刀様のお導きですかね♪　さ、さ。一体何を持っていくんですか？　この皇帝しかかぶることの許されない冠ですか？」

月「へう！？」

聖「それとも私の兄であり前皇帝でもあった小帝からもらったこの筆ですか？　はたまた伯母上が私に贈ってくれたこの首飾りですか？　もしかして……漢王朝の始祖たる高祖から代々受け継がれてきたこの耳飾りですか？」

月「へ、へ、へうぅ～…………（ふらふら）」

聖「むう、どれも違うようですね……。月ちゃん、降参です。一体、何が書いてあったんですか？」

月「そ、その、聖様が左手の薬指にはめていらっしゃるその指輪なんですけど――聖「お断りします」――へう！？」

聖「ふ、ふふふふふ。月ちゃん。ねえ、月ちゃん。この指輪、誰からもらったものか知っていますか？　いえ、知っているわけがないですよね。知っていたらそんな事を言えるはずがないんですから♪」

月「も、もしかして……ごしゅじ――聖「はい、せいか～い♪　花丸です♪　そう、これは一刀様からいただいた私の大事な、大事な宝物なんです♪　ただの指輪じゃないんですよ♪　一刀様が私のために、私のためにだけ意匠を考え、材料を探しだし、贈ってくれたこの世界でただ一つのものなんです♪　それにこれには他にも重要な意味があるんです♪　何かは言いませんけど♪」――あ、あはははは…………」

聖「董卓ちゃん♪　私は確かにあなたに大きな借りがあります♪　ですからあなたに『頼まれたら』、私は断ることはできません♪　ええ、そうです♪　断れません♪♪　ですからただ一言『その指輪をこちらに寄越せ』って言ってくださったら、すぐにでもこの『私の命と同じくらい大事な指輪』をあなたにお渡しますよ♪♪♪」

月「ひ、聖様！　しょ、正気に戻ってくだ――」

聖「私はどこもおかしくないですよ♪♪♪」

月（どうしよう、聖様の目が死んでる！？　詠ちゃん！　助けて、詠ちゃーん！？）

于吉「おやおや。予想以上に楽しい事態になっていますね♪　それにしても司会である北郷一刀と劉協がまともに実況できる事態ではなくなってしまいました♪　では代わりに不肖この于吉が司会をさせていただきます♪　さて、まず一番重要な左慈と袁紹は……」

左慈「くっ……！　放せ、このバカ女！？　何勝手に人のズボンを脱がそうとしているんだ！？」

麗羽「うるさい殿方ですわね。別にズボンの一つや二つくらい無くなってもなんの問題もありませんわ」

左慈「問題あるに決まってるだろ！？　変態集団のお前らと一緒にするんじゃねえ！　ていうか何でそんなに脱がすのに手馴れてるんだよ！？」

麗羽「これくらい皆さんできますわよ？」

左慈「くっ……しまった。こいつらこの手に関してはプロだった――って止めろ！　脱げる！？　本当に脱げる！！！？？」

于吉「（じー）ふう。とりあえず脳内メモリーに保存しました。あの様子なら時間の問題でしょうし、残りは本物をクンカクンカすることで我慢するとしましょう。……さて、一応他も見ておきますか」

雪蓮「わかったわ。だったら私達がもってる荊州の土地をぜーんぶあなた達に譲り渡すわ。もちろんこの玉璽戦争の勝敗に関わらずね」

朱里「お断りします。玉璽戦争の勝者は新しい統一王朝を開く権利（とご主人様　※ここ重要）がもらえるのですから、そんな半端な土地等に意味はありません」

雪蓮「くっ……！」

華琳「流琉、あなたの主張はよくわかったわ。だからこちらもただで話せとは言わない。交換条件よ」

流琉「な、なんでしょうか……」

華琳「私特製の麻婆豆腐。私の料理の中でも一刀が特に気に入っている一品だけど、その調理方法を特別に教えてあげるわ」

流琉「それじゃあ……！」

華琳「そ。簡単に言えばお互いの調理法の交換ね。さすがに私のまで書き残されたら困るけど、あなただったら一度で覚えられるでしょ？」

流琉「か、華琳様……。ごめんなさい。そしてありがとうございます……」

華琳「いいのよ♪　さあ。時間もないしさっそく始めるわよ！」

流琉「はい！」

思春「……………（ゴゴゴゴゴゴゴゴ！！！）」

白蓮「……………どうしろと？」

桃香（控室）『…………ぅん……ごしゅじんさまぁ………ん………！』

一刀（控室）『……ハァ……ハァ……とう……か…………っ…………！』

美羽「なぜじゃああ……。シャオは妾のことが嫌いなのかぁ……（うるうるうるうる）」

小蓮「ちょ。な、泣かないでよー！？　た、確かに昔は嫌いだったけど今はそうでもないから！　貧入党予備軍だし！」

美羽「だったらなんで貸してくれぬのじゃぁ……（うるうる）」

小蓮「だーかーらー！　何か良い物でもくれたらいいって言ってるじゃない！」

美羽「はｔ」

小蓮「蜂蜜はいらない！」

美羽「お、おっぱいが大きくなるのにか……？」

小蓮「……ナニソレチョットkwsk」

美羽「ぴ！？　眼が怖いのじゃ！？　ま、前にのう。この蜂蜜を飲んだらおっぱいとか背とかがおっきくなったのじゃ。そ、それで七乃に見せたら『うわーん、お嬢様可愛すぎです～☆』と褒められてのう！　それでそのまま主様の所に二人で行ったのじゃ！　すっごく良かったぞ？」

小蓮「美羽～♪　周々達連れってっていいからその蜂蜜ちょうだ～い♪　……ていうか寄越せ」

美羽「およ？　本当に貸してくれるのか？」

小蓮「どうぞ☆」

美羽「ぬ、ぬはははは！　そうか、そうか。ようやく献上する気になったのじゃな！　時間はかかったが大儀であるぞ！　ふふん♪　妾秘蔵の一品じゃから本当は、ほんとーうは渡したくはないのじゃが約束だからのう！　さあ、これがおっぱいの大きくなるはｔ――小蓮「いいからさっさと寄越せ！！！」――ぴいいい！？」

聖「あれですか♪　董卓さんはやっぱり私から何でも奪わないと気が済まないんですか♪　母を奪って♪　兄を奪って♪　力を奪って♪　宝を奪って♪　臣下を奪って♪　家を奪って♪　都を奪って♪　思い出を奪って♪　幸せを奪って♪　…………ああ、これは董卓さんじゃなくて董卓でしたっけ♪」

月（詠ちゃん、へるぷみー！！！）

于吉「あっはっはっはっはっ。愉快なことになってきましたね♪　さて、さて。交渉が上手くいっているところもあれば、何やら物騒なことになってるところもあるようですねー♪　一番乗りは誰になるやら――お？」

美羽「お主ら遅いのう。もっと速く走らぬか！」

周々＆善々（（いいの？））

美羽「む？　なんじゃその顔は。妾をバカにしておるのかー！」

周々＆善々（（いっか））

美羽「ぴいいいいいいいい！？　速い！？　速いのじゃああああああああ！？」

于吉「一番手は意外や意外。あの袁術ですか。まあ、ペットに引き回されていますから、あのままじゃゴールは無理そうですけど。……お、誰かコースに戻ってきましたね。あれは……」

桃香「はぁ……はぁ……はぁ……。えっと。美羽ちゃんだけ？　みんなもしかしてまだ……？」

于吉「ふむ、二番手は『なぜか北郷一刀のズボンをはいた劉備』ですか」

桃香以外の恋姫『！？』

于吉「そして、こそこそ戻ってくる『劉備のスカートをはいた北郷一刀』」

桃香以外の恋姫『！？！？！？』

一刀「言い訳をさせてください！」

于吉「…………ついにあなたもアチラ側ですか？」

貂蝉「うっふ～ん♪」

卑弥呼「ぬっは～ん♪」

一刀「ちげええええよ！？　替えのズボンがないから仕方なく――于吉「お、曹操も走り出しましたねえ」――聞けよ！！！」

桃香「か、華琳さんが来ちゃった？　こ、ここで追いつかれちゃったら――」

華琳「…………桃香。チョット待ちなさい？」

桃香「――なんだか大変な目に遭いそうだよー！？　目に光がないよー！」

于吉「劉備と曹操のデットヒートですか。三国志ファンからしたら胸熱な展開ですね」

一刀「リードしてるのは桃香だけどやっぱり華琳は速いな。……なんだか鬼気迫る感じだし。美羽は……おお、見事に周々達に引きずられてるな。てか七乃さんすっごく良い笑顔」

麗羽「おーっほっほっほっ！　お二人共お待ちなさい！　この私の前を走るなんて許しませんわよ！」

一刀「……え？　麗羽のお題もズボンだったの？　ていうか、あのズボンって…………」

左慈「…………もうお婿に行けない（シクシクシクシクシクシクシクシク）」

一刀「…………俺、初めて左慈に同情したよ」

于吉「左慈、さいっこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！（ブワッシャアアア！）」

一刀「鼻血すげー（棒）」

雪蓮「南海覇王！　南海覇王あげちゃう！　今なら秘蔵のお酒もつけちゃう！」

朱里「いりません」

雪蓮「冥琳も一緒に！」

朱里「これ以上軍師とかいりませんから（私の影が薄くなるし）。ていうか巨乳死すべし」

白蓮「ええ、っと……この『なりきり白馬仮面せっと』をあげるから――（チリーン）――ちくしょおおおおおおおおお！！！」

聖「…………一刀様の使用済み手ぬぐい…………！？」

月「寝台の敷き布もお付けいたします！」

聖「敷き布！？」

月「今なら秘蔵の『てぃーしゃつ』（未洗濯）を手放す覚悟もございます……！」

聖「幻とも呼ばれる一刀様の『てぃーしゃつ』（未洗濯←ここ重要）！？　そ、そんな……。月ちゃんの覚悟は私の想像のはるかに上回るというのですか…………！」

于吉「はぁはぁ……。孫策と公孫賛はビリ争いになりそうですね」

一刀「お前のお題のせいでな」

于吉「そして少し目を離してるうちに董卓と劉協の攻守が逆転していますね。なんだか自分で不正行為を暴露していますが」

一刀「……いや、薄々気がついてはいたよ？　月が洗濯当番の時って妙に物がなくなるよなー、とか自分でも思ってはいたよ？　でも『へぅぅ……。風で洗濯物が飛ばされちゃいました……』とか涙目で言われたら信じるしかないじゃん？　……まさか鍛錬の時に使っていたTシャツまで盗られているとは夢にも思わなかったけどさ！（……こうなると『詠の不幸のせいでなくなった物』もどこかに保管されていそうだ……）」

美羽「ま、待つのじゃああああ！　妾を置いていかないでたもおおお！」

麗羽「み、美羽さん！？　なんなんですの、それは！？」

桃香「きゃあああ！？」

華琳「ちょっとそれは反則じゃないの！？」

一刀「……パンダに乗るのはダメだと思うか？」

于吉「いいんじゃないんですか？　借り物競争ですし」

一刀「しっかし、なんでまた善々の方に。どう考えても虎の周々の方が乗りやすいだろ」

美羽「い、一番乗りは妾なのじゃああああああ！」

麗羽「何を寝言を言っているのですか！　一番乗りはこの、わ・た・く・し、ですのよ！」

華琳「桃香？　ちょっと待ちなさい？　何もしないから少し止まりなさい？　…………なんであなたは一刀のズボンをはいているのかしら……！」

桃香「きゃあああああ！？　来ないで！？　みんな来ないでええええ！」

于吉「虎を連れてパンダに乗った幼女や、魅力的なズボンを片手に持ったお馬鹿さん、そして反則なんて知ったことではない！　……とでも言うように鎌を片手に持った目の死んでいる少女……に追いかけられている劉備の図」

一刀「なんというカオス」

于吉「さてそろそろゴールですか。一番は劉備か曹操か袁紹か、それともパンダか？」

一刀「月は……ちょっと間に合わないかな？」

桃香「華琳さん！？　目が！　目が怖いよ～！？」

華琳「大丈夫。私は正常よ。そう、いつも通りの覇王曹孟徳。だからそのズボンをこっちに、YO☆KO☆SE☆」

桃香「こんなの絶対おかしいよおおおおおおお！？」

麗羽「卑怯ですわよ！　早くその獣から降りなさい！」

美羽「だが断るなのじゃ！」

麗羽「美羽さんのくせに生意気な……！　いいから降りなさ（ポロ）――って、あら？」

美羽「およ？　なんか飛んできて（ズッデエエエエンン！）――って、なんじゃああああ！！？」

麗羽「きゃあああああああ！！？（ズッデエエエエンン！）」

桃香「ひいいい……！？　華琳さんがもうすぐそこまで！？」

華琳「あら、知らなかったの？　覇王からは逃げられな――って、なんだか後ろが騒がしいやあああああああ！！？（ズッデエエエエンン！）」

桃香「か、華琳さーーーーーん！？」

一刀「あちゃー」

于吉「おやおや。先頭争いをしていた三人が相次いでクラッシュしましたね」

聖「ふふふ……一刀様の手ぬぐい、敷き布、『てぃーしゃつ』……。（ホクホク）　って、おや？　いつの間にか借り物競争がすごいことになっていますねー？　一刀様、一体何が起こったんですか？」

一刀「お帰り、聖。すっごいホクホク顔だね……。えーっと、簡単に言うと、顔に麗羽の持ってたズボンが張り付いた善々が周りを巻き込んで転倒……って感じかな？　一番前にいた桃香はギリギリ大丈夫みたいだけど」

于吉「まるでお団子ですね。ああなったら簡単には出られませんよ？」

美羽「ぴぃいいいいい！　重いのじゃー！　痛いのじゃー！！！」

麗羽「ど、どきなさい、美羽さん！？」

華琳「れ、麗羽の胸が顔に……！　なにこれイジメなの！？」

桃香「み、みんなが出るまで待った方がいいのかな……？　これで勝ってもなんだかズルイ気もすｒ――華琳「憎い……！　桃香が憎い……！　あの無駄に胸だけデカイ天然桃色胸だけお気楽巨乳娘が憎イイイ！！！」――うん、勝負は非情だよね！」

聖「ごおおおおる！　借り物競争一番は桃香さんで決まりです！　運が良かったですね！」

一刀「二番手は遅れて走ってきた月！　こっちもラッキー！」

于吉「執念で団子から脱出した曹操が三番ですね。続いて（文字通り）転がるようにして袁紹と袁術が同時にゴール。孫策と公孫賛は……まあ、私の知ったことではないですね」

聖「あのお二人は後でなんとかします！　とりあえず、玉璽戦争第五回戦、借り物競争の勝者は桃香さんです！　おめでとうございます♪」

桃香「……勝ったけどなんだか微妙な気分……」

一刀「勝ちは勝ちなんだからいいんじゃないか？」

桃香「あ、ご主人様にズボンを返さないといけないね」

一刀「うん。できるだけ早く頼む。足がスースーしてなんだか新しい世界に旅立ちそうなんだ」

桃香「え、ええーっと……そ、それじゃあ……ここじゃ脱げないから……またさっきの更衣室で……い、いいかな？（ギュッ）」

一刀「あ、ああ……」

桃香「そ、それと勝ったご褒美とか貰えないかなー、とか思っちゃったりして（トテトテ）」

一刀「ご、ご褒美かー。な、ナニがイイのかなー？（スタスタ）」

…………。

恋姫『………………結局こういうオチかあああああああああああ！！！』

おまけ１

于吉「結局、私の用意したクジはみんな引かれたみたいですね。いやー苦労して作った甲斐がありましたー☆」

聖「ヒドイ内容ばかりでしたけどね♪　まったく、あなたに頼んだ私がバカでしたよ♪♪♪」

于吉「HA☆HA☆HA☆　これでも自重した方なんですけどね♪」

恋姫『え？』

于吉「本当は『卑弥呼のブラを自分で脱がして取ってくる』とか『貂蝉の下着（脱ぎたて）を取ってくる』とか入れるつもりだったんですから♪」

恋姫『なんていう発想を！！！？？？』

一刀「お前にはそんなネタしかないのかよ！！！」

おまけ２

左慈「おい、早く俺のズボンを返せ……」

一刀「下着を隠すために上着の裾を引っ張って伸ばす左慈……………誰得？」

于吉「我が一生に一片の悔いなし…………！！！！！（ブシャアアアアアアア！！！）」

一刀「ああ。こいつか」

左慈「いいからさっさと返せ……！」

一刀「いや、お前のズボン。クラッシュに巻き込まれてバラバラになってるぞ？」

左慈「…………………………なんだよこの展開…………（ガクリ）」