真・恋姫†無双 異伝 ~最後の選択者~
第四章、『連合への叛逆』
劉備との決別を選んだ一刀と朱里。
涿へと赴き、そこで公孫賛及び趙雲の記憶を甦らせ、『計画』を明かす。
二人の覚悟を汲んだ公孫賛軍の将達は、『計画』への参加を決意する。
そして二人は、涿で思わぬ再会を果たす。
かつての朱里の同門・徐庶元直、真名を灯里。
かつての一刀の戦友・典韋、真名を流琉。
新たに出会った諸葛均の説得もあり、二人もまた『計画』への参加を決める。
旅をする中、新たな出会いと共に集うかつての戦友達。
それは孤独な戦いを始めようとする一刀達にとって、この上ない幸福であった。
上洛した一行を待っていたのは、相国の地位にあるかつての仲間・董卓仲頴、真名を月。
董卓と出会えたまでは良かったが、軍師である賈駆、陳宮の主張により、二人は試験に臨むことに。
そして優れた知と圧倒的な武を示し、無事に試験を突破する二人。
その日の夕刻、城壁にて月光に照らされながら、記憶が甦った董卓と結盟を交わす一刀。
董卓は涙を浮かべつつも、気丈にも最後まで一刀を支えていくことを決意するのであった。
そして、後漢王朝最後の皇帝・劉協伯和、真名を才華。
彼女との謁見に臨んだ一刀は、遂に自身の出自を明かす。
果たしてそれを証明するものは洛陽の深奥に封じられ、その封印を解いたことで、一刀は皇帝という
これ以上ない後ろ盾を得る。劉協もまた、一刀に無上の信頼を示し、協力することを約束する。
苦悩しながらも、この道を選んだことで新たな出会いに恵まれたことに、二人の心は救われた。
なればこそ、二人は戦い続けなければならない。その恩に報いるために。世界の崩壊を阻止するために。
二人は最早、かつての『物語』に従うことはない。
懐かしき戦友達、新たな友と共に、一刀と朱里は乱世の胎動に対峙する。
今までならば決して選ぶことができなかった、新たなる選択。
それがきっと、『これから』の物語を紡ぐことになると信じて。二人は今、新たなる物語を紡ぎだす。
今こそ叛逆の狼煙を上げよ。未来のための戦いの火蓋は今、切って落とされたのだから―
人物紹介(その3)
◇北郷軍(『計画』勢力)
◆徐庶 元直 / 灯里(じょしょ げんちょく / あかり)
武器:仕込み杖『虎閃爪(こせんそう)』
水鏡女学院に学んだ軍師。諸葛亮・鳳統・諸葛均らとは同期で、一足先に卒業して旅立ち、大陸中を回っていた。
かなり積極的な性格で、何事にも体当たりで臨むことを好む。それでいて優れた知性を持つため、『突撃軍師』などと呼ばれる。
兗州を旅していた時、人食い熊に襲われていたところをたまたま現れた流琉に助けられたことから真名を預け、友人となる。
その後は同行したいと申し出て来た流琉を伴い、黄巾党と諸侯の戦いを避けながら旅をしていた。連合の檄文が発せられたのに
前後して涿を訪れ、一刀達と出会い、彼らの人柄と覚悟に惚れ込んで同行を決意する。
軍師ではあるが武闘派でもあり、母から譲り受けたという仕込み刀を使う。水鏡塾に入門する以前は武の修業をしていたことも
あり、実力は相当なもの。静里に剣を教えたのも彼女である。朱里が言っていた通り、お菓子作りの腕前はピカイチ。
一刀のことは「一刀さん」と呼んでおり、「惚れている」と公言している。だがそれ以上のことをするつもりはない。
非常に容姿端麗であり、彼女を美人でないとすれば大陸に美人はいないとまで言われるほどの美少女。癖毛で、所々ひどくはねた
長い黒髪をポニーテールに結い、剣を扱うので動きやすいように短めのスカートにスパッツらしきものを着用し、朱色の羽織を
羽織っている。釣り目がちの目は左右で瞳の色が違う(右は翡翠色だが、左は琥珀色)ため、普段は左目を隠すため眼帯を付け、
寝る時も外さない。身長はそれなりに高く、蓮華(孫権)より少し低いくらい(胸は同じくらい)。
朱里との鍛錬の結果、氣を扱えるようになり、縮地を身に付けた。『幻走脚』も連続でなければ使えるようになっている。
地の文にツッコミを入れるというメタな特技を持つ。
◆典韋 / 流琉(てんい / るる)
武器:巨大ヨーヨー『伝磁葉々(でんじようよう)』
兗州のとある村に生まれ育った少女。曹操軍武将の季衣(許緒)とは同郷で親友同士。『悪来典韋』の異名を持つ。
体格に見合わぬ怪力を持ち、圧倒的な力で敵を粉砕する。ただし、季衣と比べるとどちらかと言えば技巧派でもある。
性格はやはり変わっておらず、明朗活発だが真面目で礼儀正しい。
灯里と出会ってからは互いに真名を呼び合う友人となり、見聞を広めるため彼女の旅に同行することになる。この出会いが後に、
親友の季衣と敵対する道筋となってしまうが、それを知っても自身の正義に従い続ける。一刀達の想いに感銘を受け、ついていく
事を決意する。徐州で記憶を取り戻してからも一刀に従い、かつての戦友達と敵対する道を選ぶ。
一刀と鍛錬を重ねた結果、氣を扱えるようになった。まだ使い所は限られるようだが、攻撃力は飛躍的に向上した。凪によれば
素質では凪を上回っているとのことで、季衣より一歩も二歩も先に行っている。
◆楽進 文謙 / 凪(がくしん ぶんけん / なぎ)
武器:ナックル付き手甲『閻王(えんおう)』
兗州・泰山郡の村に生まれた少女。かつての魏の三羽烏の一人で、氣の扱いに優れた武闘家の少女。
青州のとある邑に籠を売りに訪れていたが、邑が謎の集団に襲撃されたためそれに対抗、途中参戦した一刀達とも共闘し、
謎の集団の撃破に成功。その後は一刀達の目的を聞き、それに賛同し、同行する。記憶が甦り、『計画』について聞かされた
時には「納得できない」と怒りをあらわにするが、地和の励ましにより参加を決意、一刀に従って戦う道を選ぶ。
性格は変わっておらず、相変わらずの生真面目な苦労人。
一刀と鍛錬を重ねた結果、氣の出力が以前の倍近くまで向上した。また、一刀から『武道』の基礎を習っており、柔術をも
身に付けることで戦いに柔軟性を持たせている。
◆李典 曼成 / 真桜(りてん まんせい / まおう)
武器:ドリル槍『螺旋槍(らせんそう)』
兗州・泰山郡の村に生まれた少女。かつての魏の三羽烏の一人で、時代の最先端を行きすぎる天才少女技術者。
凪や沙和と共に謎の集団と戦い、その後は途中参戦した一刀達の目的に賛同し、同行する。記憶が甦り、『計画』について
聞かされた時には主に朱里への憤りをあらわにするが、地和の励ましにより参加を決意、一刀に従って戦う道を選ぶ。
やはり性格は変わっていないが、一刀の途轍もない覚悟に中てられてか、これまでにないやる気を出している。
天界の技術について朱里から色々と教えられたため、元々高すぎる技術力はさらに目覚ましい向上を見せた。武の方は未だに
鍛錬の途中ではあるが、それでも色々できるようにはなったらしい。螺旋槍の石突部にかつて一刀から基礎概念を教えられた
ジェット噴射機構を追加装備して改良。他にも色々と天界の技術を試しているほか、『思抱石』の研究も行っている。
◆于禁 文則 / 沙和(うきん ぶんそく / さわ)
武器:双剣『二天(にてん)』
兗州・泰山郡の村に生まれた少女。かつての魏の三羽烏の一人で、幅広い雑学を持つ少女剣士。
凪や真桜と共に謎の集団と戦い、その後は途中参戦した一刀達の目的に賛同し、同行する。記憶が甦り、『計画』について
聞かされた時には悲しみに打ちひしがれそうになるが、地和の励ましにより参加を決意、一刀に従って戦う道を選ぶ。
やはり性格は変わっていないが、以前よりは真面目にやっている。それも一刀の覚悟を知ったがためである。
一刀と鍛錬を重ねた結果、以前を大きく上回る高速戦闘技術を身に付けた。縮地も体得している。
◆張角 / 天和(ちょうかく / てんほう)
黄巾党の首領・張角本人。張三姉妹の長女。
元はしがない旅芸人であったが、『太平要術の書』を入手し、結果的に黄巾党が興ることとなる。
討伐から逃れ、どうやってか三万人以上もの党員と共に徐州に隠れていた(この党員はほぼ全員が徐州に潜んでいた者たちで、
天和達は一刀が潜入させていた忍者兵と共に徐州まで逃げ延びている)が、一刀達に発見され、保護を受けることとなる。
記憶が甦り、『計画』について聞かされて苦悩するが、地和の励ましにより参加を決意する。
かつて一刀を失った後、半年ほどは失声症を患い声が出なくなり、それが治っても一年ほどは笑うこともできなかった模様。
天然でぽややんとした性格は変わっていないが、妙に鋭い指摘をしたりなど、それなりに重要なポジションにいる。さらに、
黄巾党の経緯が本意ではなかったとはいえ、多くの命を奪ってしまった事に責任を感じており、性格は変わっていなくとも
それを表に出すことはあまりない。姉としての責任感も見受けられ、少々これまでとは違った印象となっている。
才華との謁見の場で才華から赦され、これからも生きて罪を償い続けることを誓う。
◆張宝 / 地和(ちょうほう / ちーほう)
張三姉妹の次女。妖術使い。
性格はあまり変わっていないが、一人で悩んでいた時期が長かったためか、これまでよりも大人びている。
黄巾党と諸侯の決戦時に「生きたい」という本能的な感情で「思抱石」の御守りの力を解放したため記憶が戻りだし、徐州に
着く頃には完全に戻った。姉妹の中で自分一人が記憶が甦ったため当初はそれを隠していた。だが隠れ住んでいた村に一刀達が
現れた時、かつてのこともあってこらえきれずに飛び付く。彼女の記憶が甦っていたことにより、一刀達は『超越者』以外でも
『思抱石』を介して記憶を甦らせられることを知った。
感情を整理する時間があったためか、一刀が外史に戻ってきた理由について、「自分達を愛してくれているから」と言って皆を
説得し、「今度は自分たちの番」とも述べるなど、以前のような我儘さは鳴りを潜めている。
◆張梁 / 人和(ちょうりょう / れんほう)
張三姉妹の三女。経理を担当している頭脳派。
隠れ住んでいた村に一刀達が現れた時は警戒心を顕わにするが、話を聞くうちにそれが解消、保護を受けることとなる。
記憶が甦り、『計画』について「納得がいかない」と怒りをあらわにするも、地和の励ましにより参加を決意する。
物静かな性格は変わっていないものの、姉二人の変化が激しいためか、あまり変化が無い彼女は姉二人に隠れがち。本人は
手がかからなくなったことを喜ぶべきなのか、寂しく思うべきなのかがわからず、複雑な気持ちであるらしい。
戦闘に関係ない立場ではあるが、自分達がするべきことは何かということを常々考えている。情報処理能力に長けているため、
得られた情報を解析するときなどは呼ばれることも。また、本格的に算術などの学問を優秀過ぎる軍師勢から学んでいる。
◇公孫賛軍
◆公孫越 / 水蓮(こうそんえつ / すいれん)
武器:三叉槍『雷(いかずち)』、両刃剣『裂(れつ)』
白蓮の妹(従妹?)。黄巾党出現に前後して白蓮に呼ばれ、遼西郡からやって来た。
外見は白蓮を青基調に変えた、と言えばわかるほど瓜二つだが、髪型は違う(長髪を襟足で纏めているだけ)。
控えめな性格で言葉が頻繁に切れてしまうため、会話が聞き取り辛いという欠点はあるが、とても穏やかな少女。
遼西に天和達が巡業に来た際に知己を得ており、その際に職人に頼み、三人の成功を願って思抱石のお守りを渡していた。
これが後に三人の命を救い、結果として一刀達の『計画』に重大な影響を及ぼすことになる。
白蓮とは対照的に武官としての能力に秀で、三叉槍と剣を巧みに操って戦う。戦いに際しては勇敢そのもの。実力も高く、
五虎将にも迫るほどだという。もちろん、馬術にも長けている。
◆諸葛均 子魚 / 静里(しょかつきん しぎょ / しずり)
武器:刀身が波打っている細身の両刃剣『血焔熾刃(けつえんしじん)』
『計画』が始動した後、公孫賛軍に加わった軍師。これまでの外史では存在しなかった、諸葛亮の妹。同じく水鏡塾に学んだ。
引っ込み思案な姉と違って積極的に前に出る性格。いわゆる「しっかり者の妹」であり、慌てがちな姉を良く補佐していた。
「ですの」が口癖で、はきはき喋る。口癖のせいか誰に対しても敬語で接しているようだが、本人も仕えている主とは別に、
誰に対しても敬意を持って接しているため、このような話し方をするのだという。ただし、相手が尊敬できる人間かどうかは
また別問題であるらしく、嫌悪感を抱く相手には平然と毒を吐いたりもする。ほとんど噛まないが、たまに噛むのはご愛嬌。
能力的には姉と学友の雛里の中間に位置し、軍略でも政治でもいける。小柄な見た目に反して武闘派でもあり、灯里(徐庶)に
次ぐ剣術の使い手。癒え難い傷を与える造りの剣を持つ事で、自分がそう言う存在であることを常に認識し、戒めている。
精神感応能力を持つ超能力者。テレパシーというよりはサイコメトリーに近く、物に触れて残留思念を感じ取ったり、人に触れて
言葉に頼らず相手の気持ちを理解することもできる。ただし彼女自身が人間に対して使うことを好まないため、基本は残留思念の
読み取りに活用されている。精度はかなり高いという。
かつての朱里よりも若干背が高く、金色のロングヘアの一部を頭の両側で輪にするという特徴的な髪形をしている。瞳は青色。
朱里のことは「もう一人の姉」として慕っており、孔明の選択については否定しないまでも呆れ気味。
◇董卓軍
◆董卓 仲頴 / 月(とうたく ちゅうえい / ゆえ)
武器:『七星剣(しちせいけん)』
董卓軍の長で雍州刺史(黄巾の乱以降は州牧)を務めていた少女。現在は相国の任に就く。
洛陽にやって来た一刀達を迎え入れ、対等の関係として協力関係を結ぼうとするも、軍師二人の反対により止むを得ず試験を
一刀達に課し、自らも剣を握って武を試す。無事試験を突破した一刀達と改めて結盟するが、記憶が甦ると一刀の側近の一人
として自身の立ち位置を見定める。『計画』の果てに一刀との永遠の別れがあると知るも、灯里と同じような考え方に至り、
一刀を支えていくことを決意。将達にその決意を告げ、『計画』に参加する。
かつてよりも若干明るい性格で、物静かではあるが積極的な行動力を持つ。一方で組織の頂点に立つものとして相応の厳しさを
持ち合わせ、締める時はしっかりと締める。また一方では詠をいじって楽しむなど、若干腹黒い一面も覗かせている。
前線に立たないだけで武将としては相当脅威度が高い部類に入り(恋と同等の脅威度とまで言われる)、その見た目とは裏腹に、
戦いに関しては天賦の才がある。武器は剣を使用するが、弓の腕前も高く、両腕どちらでも引ける。馬の扱いにも長ける。
立場が立場なので鍛錬はそう頻繁にやっているわけではないが、一刀によれば、末恐ろしいことにまだ伸び白があるとのこと。
『超越者』の一人。
◆賈駆 文和 / 詠(かく ぶんわ / えい)
董卓軍筆頭軍師を務める少女。月とは幼馴染で親友同士。
洛陽にやって来た一刀達を信用できず、その意志や在り方を散々足蹴にし、試験をするとまで言いだした。そして試験を課し、
これで化けの皮を剥いでくれようと思っていたが、その思惑は完全に裏目に出ることになる。その後は考え直し、一刀達を信用
することに決め、罰のこともあって真名を預ける。記憶が甦ってからは内心かなり後悔したようだが、一刀達の『計画』には
前向きに賛同し、参加を決意する。
性格は変わっていないが、やたら一刀を毛嫌いしていた以前とは異なり、一刀を高く評価している。なんだかんだで慕っている
ことには変わりなく「言ってくれれば協力することは吝かではない」とも言っている。
『超越者』の一人。
◆呂布 奉先 / 恋(りょふ ほうせん / れん)
武器:『方天画戟(ほうてんがげき)』
董卓軍第一師団の師団長を務める少女。三国無双と謳われた飛将軍・呂布奉先その人である。
洛陽にやって来た一刀達を月が対等の関係として迎え入れると言った時には、月を助けに来たということですぐに信頼し、また
少数で大勢に抗うことを困難なことと言い、賛成する。その後無理矢理に行われることとなった試験では武官として朱里の相手を
務めるも、朱里が持つ異次元の高速戦闘技術の前に敗北。朱里に「楽しかった」と笑いかけ、充足感を味わう。
本能で行動しているかのような人物像はそのままで、純真無垢、無口なところも一切変わっていない。ただし口数は増えた。
記憶が甦った後、『計画』の果てに一刀との永遠の別れが待ち受けていると知って取り乱すが、月の決意を聞き、最後まで一刀に
ついていき、ちゃんと見送りたいと思い直したことで「一刀の最強の矛」を自称し、参加を決意する。
実力は当然最強クラス。一刀と鍛錬を繰り返したことで、只でさえ高かった実力がさらに上がっている。ただし殲滅力という
点においては董卓軍最強であるが、純粋な戦闘能力では月と互角で、鍛錬で一騎打ちをすれば、二本に一本は取られる。
『超越者』の一人。
◆陳宮 公大 / 音々音(ちんきゅう こうだい / ねねね)
恋の補佐を担当する董卓軍の補佐軍師。
もはやツッコミどころがないほどいつも通りに恋に付き纏っている。やはり一刀達に対して不信感を抱くが、一刀と朱里が
軍師として優秀であり、武の方でも二人して恋をあっさりと降しすほどの実力を示したためため、いろいろ打ちのめされた挙句、
一周まわって吹っ切った模様。記憶が甦ってからも、さすがに以前のようにはいかないので、敬意を持って一刀達に接する。
やっぱり性格は変わっていないものの、以前と異なり一刀を高く評価している。恋に依存しがちな自分を反省し、変わろうと
決意している。『計画』には恋が参加するということで参加を決めているが、他にも理由はあるらしい。
◆張遼 文遠 / 霞(ちょうりょう ぶんえん / しあ)
武器:『飛龍偃月刀(ひりゅうえんげつとう)』
董卓軍第二師団の師団長を務める少女。『神速の驍将』の異名を持つ。
洛陽にやって来た一刀達を月が対等の関係として迎え入れると言った時には、一刀達の纏うものを見抜いてか、すぐに賛成。
その後無理矢理に行われることになった試験では武官として一刀の相手を務めるも、自分を遥かに上回る高速戦闘を披露した
一刀に敗北。喋るのが億劫なほどに疲労するも、久方ぶりの充足感を味わう。
記憶が甦った時は驚きが一周まわってしまって逆に落ち着き、一刀の首を絞めたりなどはせず、一刀の懸念は杞憂に終わった。
『計画』の果てに一刀との永遠の別れが待つと知った時には苦悩するが、一刀や月の覚悟を聞いて、黙っていることはできない
として参加を決意する。
一刀と鍛錬を繰り返したことで腕を上げ、愛紗を完全に上回るほどとなった。
『超越者』の一人。
◆華雄(かゆう)
武器:大斧『金剛爆斧(こんごうばくふ)』
董卓軍第三師団の師団長を務める女性。猪突猛進の猛将。
洛陽にやって来た一刀達を月が対等の関係として迎え入れると言った時には、一刀達の目を気に入ってすぐに賛成。その後
無理矢理に行われることになった試験では審判役を務め、一刀達の恐るべき力を目にして何か思う所があったようである。
『計画』へは「月に従う」としてそう深く考えることも無く参加を決意する。
卑弥呼が評していたように、修業を積めば管理者にも匹敵する戦闘能力を発揮できる可能性を秘めた逸材であり、一刀との
鍛錬によって少しずつそれが出てきている。また軍師としても優秀な一刀を見習い、自身の性質を改めようと努力する。
真名については頑として語ろうとしない。
◇その他
◆孔融 文挙 / 理穏(こうゆう ぶんきょ / りおん)
武器:宝剣『森羅(しんら)』
青州牧を務める少女。儒学者・孔子の子孫。
黄巾党残党の討伐にあたるため、反董卓連合の檄文には呼応しなかった。たまたま済南郡の邑を訪れていたところに謎の
集団の襲撃に遭遇し、追撃に向かう一刀達を送り出す。その後は身分を明かし、一刀達に厚く礼を述べる。また一刀達を
純粋に戦友として誘うが、目的があった一刀達には断られる。それでも信頼を示し、真名を預ける。
穏やかな性格で仁義を重んじる名君として民や臣からよく慕われており、史実とは異なり実務でも活躍している。また、
同じ青州にある平原国の相である桃香のことがあまり伝わってこず、一刀達のことばかりが伝わってきていたことから
ある程度劉備陣営の実情を推察していたが、一刀から教えられたことで確信を持つ。その上反董卓連合の真相を見抜くなど、
非常に洞察力が鋭い。
勢力拡大の野心など持ちようもないが、守るためなら剣を取る覚悟はある。本人は「武芸の心得などまるでない」と言うが、
実際には一通りの武芸は嗜んでおり、腕は立つ。
膝裏まで届く青色の長髪を二つに分けて纏め、大き目の羽飾りの付いた帽子を被った少女。
◆陶謙 恭祖 / (不明)(とうけん きょうそ)
武器:手甲『鉄鬼(てっき)』
徐州牧を務める老婆。かつては幽州で刺史を務めていたこともある有能な政治家。
東海郡に村を作って隠れ住んでいた黄巾党残党を発見し、自ら潜入調査に乗り出す。その後は知恵者として村の営みを
助けていたが、一刀達が現れたことにより、動けない自分に代わって月を助けてくれるように頼む。
性格は一言で言えば偏屈で天邪鬼だが面倒見が良く、張三姉妹にとっては母親のような存在となっていた。
子がいないため徐州を託せる人材を探し、桃香を選んだが、それは「根性を叩き直す」という教育的な目的も兼ねている。
劉備陣営の実情を、少ない情報から的確に見抜いていたところはさすがに百戦錬磨の老将。友人の慮植から一刀達のことは
聞いて知っており、期待を寄せている。
かつては武闘家としてならし、知にも優れた正に猛将。今でもその頭脳と実力は衰えておらず、特に武力では夏侯姉妹さえ
腕一本で簡単にねじ伏せるほどのものを誇る。全盛期はもっとすごかったらしい。指揮官としても非常に有能である。
◆劉協 伯和 / 才華(りゅうきょう はくわ / さいふぁ)
武器:宝剣『太平十字・陽(たいへいじゅうじ・よう)』
後漢王朝第十四代皇帝・献帝その人。劉弁の異母妹であり、外見はそっくり(髪の色は違い、彼女は白銀色)。
一人称は「私」で、丁寧な口調で話すが、素の口調はごく普通の少女のそれである。道理に重きを置くが、人情も忘れない。
謙虚な性格で少々内罰的なところはあるが、自立心は強い。また気性は姉と違って激しい方であり、洛陽に残って諸侯を相手に
芝居を演じる役目を頼まれた時には「そのくらいの腹芸はやってみせる」と獰猛な笑みを以て承諾している。『計画』について
詳しくは聞いていないが、一刀への全面的な信頼を示し、尽力することを誓う。
家事全般が得意であり、宮殿専属の料理人すら唸らせる腕前の持ち主。芸術の才能もあるなど、様々な方面に才能を発揮する。
剣の腕前は姉には劣るが、それでも一般兵では敵わない。
あとがき(必要か?)
中幕です。
とりあえず今まで出て来た人たちを紹介するだけの回です。あらすじもあるけど。
予告編が予想以上の反応だったので(というか本編に反応してくれた人があんまりいない…(^^;))
いまさらあらすじなんて意味ないかもしれませんが、様式美ということで。
ここで紹介した面々は、理穏と陶謙を除いて『北郷軍』と解釈してもらって構いません。
公孫賛軍はもう『計画』勢力ですからね。
さて、次回からはいよいよ反董卓連合との戦いが始まります。
といっても、第四章は第三章ほど長くない予定ですが。
雛里と白蓮の活躍にご期待ください。きっと予想できそうでできなかった事態が起こるはずです。
ではでは。
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中幕です。
今回もあらすじと人物紹介です。どうぞ。