No.642791

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

以前書いていた『真・恋姫無双―道』のリメイク作品です
『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラがでます。

2013-12-05 05:40:49 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2259   閲覧ユーザー数:1967

   序章  『 そして外史へ 』

 

北郷流剣術道場…そこへは月に2、3度足を運んでいる。

 

「翁。元気にしてるか?」

「…なんじゃ、橘んとこのせがれか。」

 

(たちばな) 和輝(かずき)…このあたりでは少しばかり名の知れた極道『立華組』の跡取り息子である。彼がここに足を運ぶのは町内の見廻りもあるがそれ以外にもう一つある。

 

「おう。一刀はいるか?」

「今は居らん。もう少ししたら戻るじゃろう。」

「わぁった。」

 

短いやり取りを済まして、和輝は持ってきた竹刀袋から二本のあるうちから、一振りの真剣を取り出す。黒檀(こくたん)で創られた鞘と柄、鍔の無い合口造りの一品である。するりと抜き放つと群青色の刀身が現れる。それを確認すると鞘に収め、道場の中心に移動する。そして

 

シャッ・・・チン

 

素早く抜き放ち再び鞘へと収める。彼のもっとも得意とする居合いである。

 

「お主また疾くなったな。」

「強くなくちゃ守れねぇモンがあるからな。それより一刀はまだか?せっかく試合に来てんのに。」

 

そう、和輝がここへ足を運ぶ理由は北郷流との他流試合。もっといえば北郷流の師範の孫である北郷一刀との試合のためであった。

 

「はぁ、迎えに行ってやるか。学校か?」

「ああ。そうじゃ、ついでにこいつを渡してやってくれ。」

「ん?」

 

そう言って渡されたのは長い桐箱だった。

 

「分かった。んじゃあ行ってくるか。」

 

桐箱を預かり、和輝は道場を後にした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「はぁ、今日に限って課題を忘れるなんて。和輝はもう来てる頃だよなぁ。」

 

聖フランチェスカ学院の門を潜り抜け、北郷一刀は一人ごちる。今日は月に数回ある和輝との試合がある。が、今日提出の課題を忘れてしまい今まで居残り状態だった。

そんなことがあり全力疾走で道場へと向かっている時だった。道場の方向から歩いてくる人影が見えた。深い藍色の着流しに黒い陣羽織を羽織った人物、しかも煙管(キセル)を咥えている。

 

「和輝!」

 

一刀が声を上げると和輝もこちらに気付いて手を挙げて応える。

 

「てっきり道場で待ってるかと思ってたよ。」

「おめぇがあんまり遅いんで迎えに来たんだよ。」

「あはは・・・」

「それと、お前んとこの翁から預かりもんだ。」

 

そう言って和輝は持っていた桐箱を手渡す。

 

「なんだこれ?」

「さぁな。まあだいたいは検討付くがな。ところでそろそろ出てきたらどうだ?」

 

言いながら和輝は煙管を仕舞い込むと唐突に振り返ると誰もいない通りに向かって問いかけた。

だが、誰もいない。一刀はそう思った、だが、

 

「よくわかったわねん。」

 

そんな言葉と共に路地裏から一人?の『何か』が出てくる。

 

「うわっ、化け物だ。」

「ちょっとそれは酷いわよん。」

 

一刀が思わず洩らした本音に突っ込まれる。

 

「そうだな。確かに化けモンはひでぇな。」

「あらん、あなたは分かるのね。」

「ああ。おめぇを化けモンなんて言ったら化けモンに失礼だ。」

「ちょっとー!」

 

何気に和輝が一番酷い事を言っていた。

 

「んな事より、てめぇは何モンで何しに来た?」

「うふん。私は貂蝉。あなた達にお願いがあってきたの。」

「いいから用件を言え。」

「んもぅ、せっかちね。まあいいわん。用件は簡単よ、あなた達には『外史』に行ってもらいたいの。」

 

自らを貂蝉と名乗った人物はそう切り出した。だが『外史』という聴き慣れない単語に首を傾げる。しかもそこへ行ってくれというのだからますます混乱してくる。

 

「なあ、その『外史』ってなんだ?」

「『外史』とは平たく言えば一種のパラレルワールドね。」

「うん。全然分かんない。」

「つまりなんだ。俺達二人に別世界に往けとそう言いたいのか?」

「話が早くて助かるわん。」

 

話についていけない一刀はパンクしそうな頭でなんとか理解しようと努力する。というかなぜ和輝が話しについていけるのか疑問だった。

 

「一つ訊きたい。」

「あらん、何かしら。」

「その『外史』とやらに行って、その後戻って来れるのか?」

「・・・・・」

「だんまりか。ならそういう事でいいんだな。」

「どういう事だよ。」

「つまり、行ったら帰って来れねぇ片道切符ってこったよ。」

「はぁ?!」

 

あまりの事に一刀は言葉がでない。なにせいきなり現れた人物は帰ってこれない異世界へ行ってくれと言うのだからしかたがないことではあるが。

 

「ちなみに拒否権は?」

「残念ながらないわん。」

 

絶望でしかなかった。

 

「はぁ、条件がある。」

「何?」

「俺の妹も連れて行く。」

「ちょっ、楓ちゃんも巻き込むのか?!」

「当たり前だ。じゃねぇとあいつが泣くからな。」

「…そうだよな。兄貴がいなくなったらさすがにつらいよな。」

 

(おめぇの事なんだがなぁ。)

 

とは口に出さないが一人勝手に納得している一刀を見ながらそんな事を思う。

 

「分かったわ。なら妹さんは後からあなた達の処へ送るわん。」

「そうしてくれ。」

「なら、早速行ってもらうわね。」

「ちょっ、今からかよ。」

 

一刀がそんな悲鳴にも似た声を上げるが時すでに遅く二人は光に包まれてこの世界から姿を消した。

あとがき

 

どうもツナまんです。今回は以前書いていた『真・恋姫無双‐道』をリメイクすることにしました。(以前読んで下さってた方には申し訳ないです)

なお、リメイクに合わせてオリキャラに新しい設定等も盛り込んでいます。

近いうちに投稿作品も一度整理する予定です。

 

と、いうわけでまた次回!


 
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