No.640745

真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 十話

XXXさん

魔神編

逃れられない運命

2013-11-28 21:08:36 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2441   閲覧ユーザー数:2271

「…う…あ、なに…これ…っ!?」

 

「ぐ…ぅ…頭が…っ!?」

 

「にゃあぁッ!痛い!痛いのだぁッ!」

 

「桃香様!?」

 

「愛紗さん!?鈴々ちゃんまで…!?」

 

頭を押さえながら急にうずくまる劉備、関羽、張飛。

突然起こった異常事態に周りが一気に騒ぎ出す。

何故こうなったのか、仮面をとった魔神…否、平沢梨斗までも驚いている。

 

「お、おい。どうした…」

 

「貴様ぁ!!桃香様に何をしたぁぁぁぁ!!」

 

「焔耶!待たんか!」

 

劉備達の元へ近づくリトに、魏延は鈍砕骨を持ちながら叫ぶ。

厳顔はそれを止めようとするが、時すでに遅し。

魏延はリトの頭部に殴りかかる。

だが……当たる筈だった鈍砕骨はリトの特殊な構えによって受け流され、最終的には誰もいない床に振り落とされた。

 

「何!?」

 

「壊れた床は弁償しろよ、俺受け流しただけだし!」

 

「今の…」

何をされたのか分からない魏延は床とリトとを交互に見る。

一方、その少し離れた所で楽進は今の光景にもしや…と呟いていた。

そして受け流した本人は劉備達の元へたどり着き、どうしたのかと近くにいた劉備の顔を覗く。

だいぶ楽になったのか、三人は落ち着いてきている。

 

「劉備、さっきのはどうした!?」

 

「分かんない…けど、頭の中に一杯何か流れてきて…あっ!?」

 

「流れて来たのは…記憶…?あ、貴方は!?」

 

「うにゃぁ~…?にゃ!?」

 

除かれた劉備を筆頭に他の二人もリトの顔を見て声を挙げる。

その顔は驚愕の物。

 

「「「平沢(さん/殿/のお兄ちゃん)!?」」」

 

「なっ…!?何で…俺の事…?」

 

「ちょっ、どうしたの劉備ちゃん!?」

 

「まさか、魔神とあった事があるの!?」

 

「あった事は…あるんですけど、でもおかし…」

 

急にリトの名前を呼び上げる三人。

その呼び方は今初めてあったとは思えないぐらい綺麗な発音。

その様子を見て、曹操と孫策はどういう事か声をかけたが、リトの大声でその場にいた全員が目を向けた。

 

「……はい、一旦ストップ!予想は大体ついたから順をおって説明する!」

 

「すとっぷ…?」

「あ、止まれって意味ね?まあ、取り合えず、椅子に座ろうや」

ストップってなんだ…?と思いながら、その場にいた全員は渋々椅子に座る。

だがただひとり、リトは立ったまま。

 

「で、落ち着いたかい三人とも?」

 

「あ、はい…」

 

「なんとか…」

「じゃあ話聞いててくんねぇか?その方が理解しやすいし」

 

「わかったのだ」

 

再度劉備達の安否を確認し、まず何を話すべきかと悩むリト。

数秒すると、リトは決めたのか全員の顔が見える所まで来て、話し出した。

 

「んじゃあ、まずは一つの物語を話すから」

「物語?それを何で今言うのかしら?」

 

「必要だから。それと、今から俺が話すことは全部真実だから」

 

 

 

「――――とある大陸、そこでは王朝が腐廃し各地で暴動が起こる場所があった。人々が嘆き、苦しむ中、菅路と言う占い師が“天の御使い”の降臨を予言した」

 

「天の御使い…?」

 

「まって!菅路…菅路ってまさか!?」

 

「はいそこ話折らないの。んで、その予言のあとに流星が落ちてきて一人の青年が大陸に現れる。その名前を北郷一刀。どこだか分からない場所に来てしまった北郷一刀の前に二人の少女が現れる。その二人の名は関羽雲長、張飛翼徳」

 

「愛紗ちゃんが!?」

「鈴々なのだ!?」

 

「だから話折るなっつの。……その二人はこの大陸の物とは思えない服装の北郷一刀を見て、彼を天の御使いに祭り上げられ、彼を主として義勇軍を作る。そうされた本人は大陸の人々の希望になるためにそれを了承した。その後、彼らは仲間を増やし、黄巾の乱、反董卓連合に参加し、様々な経験をしながらその大陸を一つにした」

 

「何それ、まるで今までの私達みたい…」

 

「だがしかし、北郷一刀はその大陸の、いやその世界の真実を知った。元々北郷一刀のいた世界はその大陸の1800年ほど先の世界。そして今いる大陸は、作られた世界だった」

 

「作られた世界?」

 

「北郷一刀にとっての関羽や張飛、そして他の仲間や他国の者は全員歴史上の人物。しかもほぼ全員男。つまり、別世界の過去のようなもの。そしてその世界を作ったのは一枚の銅鏡……北郷一刀はそれを割ってしまったためにその別世界…外史に来てしまった」

 

「歴史上の…って僕達が!?」

「だが、その外史は北郷一刀が大陸統一した瞬間、崩壊し始めた。その理由は、中途半端に外史ができていたから。不完全な物は壊れやすい。だからこそ、北郷一刀の妨害をする者達は何回も邪魔をした」

 

「妨害をって…?」

 

「そいつらの名前は左慈と于吉。彼らは外史の管理者であり、否定する者。その一方、北郷一刀の仲間の一人である貂蝉も管理者であり、肯定する者。彼等の役割は、外史の存命、もしくは破壊を唯一の外部からの接触者、北郷一刀に見極めさせること。どのみち放っておくと外史が壊れるようにはなっていたけどな」

「それで…その後は、どうなったのだ?」

 

「北郷一刀がとった選択。それは愛するものと新しい外史で暮らすことだ。それによる選択は幾つかあったが、決めたのは“皆と生きること”。それによって始まった外史の再創造後の世界は、北郷一刀が今まで出会った全員がいた世界。こうして、北郷一刀は皆と平和に暮らしましたとさ。めでたし…と思ってたんだけどさ」

 

「と思ってた?」

 

「別の外史ができたんだよ。今度は完全な外史で、何通りも。内容は北郷一刀が別世界…外史に降り立って行動すること。変わったのは、所属する国だよ」

 

「国って……?」

 

「劉備と共に蜀を建国するか、曹操に拾われて魏を建国するか、または孫策に拾われて呉を独立させるか。極たまに、袁紹御一行の荷物持ちにされるか。いずれも、北郷一刀のいる国が最終的に勝つけど」

 

「荷物持…ッ!?」

 

「扱い酷くね?」

 

「まあ、そんなこんなで似たような外史ができたんだけどさ、流石に増えすぎてもう止めなきゃならないことになったのさ。で、それを止めるための条件は『北郷一刀の所属する国が蜀以外で、北郷一刀が愛する者が全員生きている』こと。そんな外史が必要だった」

 

「何で蜀以外なんですか?」

 

「さっき言った物語で北郷一刀が作った国が蜀に値するからさ。で、選択する国は呉か、魏。確率としてはどっちもどっちだったが、呉の場合は孫策が暗殺されるし、周瑜は病死する。魏は極たまに定軍山で夏候淵が死ぬし、結構な確率で黄蓋が死ぬ」

 

「「ッ!?」」

 

「な、秋蘭は生きているではないか!孫策も周瑜も!」

 

「だから別世界の話だって!……で、最終的にこの条件をクリア…満たしたのは魏の北郷一刀。だが、満たした代償として、北郷一刀は自分がいた世界に強制帰還されたけどな」

 

「帰還ですって?」

 

「作られた外史は北郷一刀の世界で言う歴史…三國志を物語にした、三國志演義を元にした物。三國志演義では赤壁で負けるのは魏なんだけど、それを無理矢理ねじ曲げて勝たせたからな。呉の場合は孫策と周瑜が死んでいることである程度は歴史のまま。だから、呉の北郷一刀は外史に留まれた」

 

「…雪蓮と冥琳がねぇ……」

 

「…話を戻そうか。それによって外史はこれ以上増えずにすんだ。後は他の外史がそれぞれの物語を終えるだけだったが誤算が生じた」

 

「誤算……というのは?」

 

「誤算って言うのは、各外史からの負の感情が本来の物語の流れを変えてしまったこと。それによって色々と原点と変わったところもあるからな、だからどう転ぶか予測しにくいんだよ。そこで外史達はその歪みを修正するために管理者を増やした。負の感情を静めるために北郷一刀を魏に戻したり、死者を蘇らせたりしてな」

 

「てことは、貴方もその管理者と言う者なのですか?」

 

「いんにゃ?俺も“歪み”を修正すると言う点では同じだけど管理者じゃない。俺はこの『恋姫無双』の世界とは全く別の世界からきて、また別の世界を旅して修正する存在だよ」

 

 

 

次々と語られる真実。

リトを信じていない者は狂言だと思っているが、そうでない者はある程度あることに気が付いていた。

 

「あの……もしかしてここも…」

 

「うんそう。ここも外史の一つ。でもって一番歪みが酷い所なんだよね」

 

「何で酷いの?」

 

「北郷一刀がいないからさ。全ての外史には別世界からの訪問者、もしくは転生者が物語の一部に入っていなくちゃならない。最低でも、北郷一刀以外でもいいんだがな」

 

「でも魔神がおるやないかい」

 

「俺は元々世界を旅する立場だから俺のいた世界以外で物語に組み込まれない。それに俺は立場上、別世界の物語には干渉できない。逃れられない運命を変えることはできないし、死ぬはずの人間を救うことはできない」

 

「だが、孫策と周瑜を助けたではないか。十分干渉しているぞ」

 

「この世界の場合、最初の方に言った大体三通りの外史が混ざっているようなものだからさ。だから、死ぬも生きるも変えられる」

 

「でも……それだとしたら、何故貴方は数日前の戦いを終わらせる必要があったの?しかも、同盟を結ばせるなんて」

話を聞いていた曹操が疑問に思っていた事を口にする。

確かに複数の外史の物語が混ざっているのなら、三国の内どの国が勝利してもいいはずだ。

それなのに何故…

 

「あー、それについてはもうちょっとあとでいいか?今は落ち着いてる三姉妹のことについて話したい」

 

「そうだ!何故桃香様達が貴様の事を知っているのだ!!」

 

先程の怒りを思い出したのか、魏延はリトに対して吠える。

一方のリトはばつが悪そうに頭を掻いていた。

 

「あー、うん。それなんだけどさー…」

 

「?なんだ、はっきりせんか。若者がだらしない」

 

「実は俺………」

 

そういいかけるリトの表情はまるで『やっちゃった☆』とでも言いたげで、

 

 

「この外史、一回破壊しちゃってんだよね」

 

 

そのまま爆弾を投下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

XXX「作者と!」

一刀「一刀の!」

X一「「後書きコーナー!」」

 

XXX「はい、今回は魔神こと平沢梨斗のほぼ説明回ってことです」

一刀「何で桃香達リトのこと知ってたんだ?」

XXX「それはまあ、次回辺りに書こうかと」

一刀「て言うか何だよこの外史の設定。マジで事故解釈だろ」

XXX「それについてはユーザーの皆様に理解できるように努力して書くと」

 

ゲーム『恋姫無双』の世界の一刀が選んだのは真・エンドの選択。ただし、それにより『真・恋姫無双』のパターンの外史スタート。

同じような外史が繰り返される中で外史の増殖を止めるには最初の外史のように全員が生き残る終わり方が必要。それをやったのは魏の一刀。

だけどそこまで行き着くのに時間が掛かりすぎて負の感情が大量発生。それにより管理者増える。

歪みによって外史の物語が変わったので、管理者達はハッピーエンドで終わらせるため暗躍中。

 

XXX「な感じ。ちなみに他の作者様方が書いている恋姫の二次創作がこんな感じだと思うかは画面の前の皆様次第です」

一刀「ずいぶん投げやりな…」

XXX「しゃーねーじゃーん、こんな頭だしー」

 

一刀「いつかメンタル潰れるぞ…。では次回の真・恋姫†無双巡る外史と仮面の魔神十一話は!」

XXX「魔神編 “前隠せ”。次回はある意味リトの過去回みたいなものです。まあ、短い予定ですけど」

一刀「あ、そうだ。桃香達の頭痛…」

XXX「それは後で。ちなみにオリ主設定若干増やしときます」

 

再見ΟωΟノシ


 
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