No.64020

軍師✝無双

4989@さん

軍師たちによる会議です。
あんだけ集まればこういうこともあるんじゃないかなーと思って書いてみました。

2009-03-18 23:52:13 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:5333   閲覧ユーザー数:4348

前回とやはりつながってますが、まぁ大丈夫だと思います。

 

便宜上祭が生き残っている設定になってます。

 

 

 

此処は蜀の城のある一室

 

「では、第一回裏軍師会議を始めるぞ」

 

司会進行は年長者の冥琳で進んでいくこの会議ではあるが、今回はあくまでも裏の会議である。

 

「じゃあ、発起人の雛里、挨拶を…」

 

「はい、今日はお集まりいただきありがとうございます。これだけの人材がいれば解けない案件はありませんでした。ですから、その知識で個人の悩みも解決しましょう!」

 

無言でうなずく三国の軍師たち。

 

「では、最初の案件は朱里か…。では述べてくれ」

 

そういうと朱里が立ち上がり発表を始めた。

 

「今回、皆さんで話し合っていただきたいのは…」

 

「艶本の隠し場所です!」

 

普通なら此処で突っ込みが入るところだが、この空気で突っ込むものはいない。

 

この空気はさながら受験前の受験生たちの集まりである。

 

「ふむ、では案件提出の理由を…」

 

「艶本に限った話ではないのですが、隠しものをした場所がすぐにばれることが皆さんなると思います」

 

「蜀では星さんに紫苑さん、魏では秋蘭さん、呉では祭さん。この人たちに何かを見つけられて、いじられることがあったと思います。それをなくすための案件です!」

 

ところどころで賛成と感嘆の声が上がる。

 

「では、この案件を第一回の議題にあげてよろしいか?」

 

「「「「「「「「応っ」」」」」」」」

 

「では、風ちゃんに聞きます…」

 

「なんですか~」

 

「風ちゃんは稟さんの隠し事を見つけるのが得意ということを伺ったのですが、いつもどうやって見つけているのですか?」

 

「なるほど、それがわかれば対策が立てられるということだな…。では、風答えてくれるか?」

 

「そですね~、風の場合は稟ちゃんの部屋へ行った時に怪しそうなところを見つけて、誘導尋問とカマかけ、ときには実際に開けてみて探したりもしますね~」

 

「そ、そんなことをしていたのですか風?」

 

稟が風に対し、説明を求めようとしているが、風はつづけて言う。

 

「稟ちゃんが意識的に体で隠している位置にある机とかが怪しかった場所は稟ちゃんがお茶を入れているときに開けてみたりとかですね~。カマかけは、稟ちゃんなら艶本関連か、華琳さま関連のことで釣れますね~」

 

「なるほど、ということは隙を作らずに自然体でいることが重要ということですねー。参考になりました、風ちゃん」

 

そう言いながら、朱里は必死に木簡に書き写している。

 

「風、あとでゆっくり話は聞かせてもらうわよ」

 

「ぐ~」

 

無視をすることにしたのか、反応が面倒くさくなったのか、風は寝始めた。

 

「いいでしょう、あなたがそのつもりなら私にも考えがありますからね…」

 

「稟、そこまでにしといてもらおう。ではほかに意見がある者はいるか?」

 

「あの~、朱里ちゃんに質問なんですけど、隠す必要ってあるんですかぁ?」

 

ここで、呉のたわわ軍師こと穏の爆弾発言が飛び出した。

 

「どういうことですか、穏さん?」

 

「いえ、隠さずに置いておけばいいんじゃないかな~と思いまして」

 

「どういうことだ穏、私にもわかるように説明してくれ」

 

「はい冥林さま、木を隠すなら森ということです」

 

「つまり、別の場所に隠すから見つかってしまう、だから本棚の中に隠してしまうということか?」

 

「そうですね~、自分だけしか読まないような本の裏ですとか、囮の本をわかりやすい位置に隠しておいて、本命は本棚の中に隠れているということです」

 

「すごいです、穏さん‼」

 

そう言いながらも朱里の手は高速でメモを取っている。

 

「では、この案件はこれでいいか朱里?」

 

「はい、風ちゃんの意見と穏さんの意見を併せてしっかりと防備したいと思います。ありがとうございました。」

 

「では次の案件に移ろうか…」

 

 

「というような話をしていました」

 

ここは、軍師会議の部屋から離れた一室であるが、そこで二人の人物が話をしている。

 

「わかった、朱里もまだまだ甘いな」

 

そう言って不敵に笑うのは蜀の武将の星であった。

 

「では報酬を貰えますか星さん」

 

そう言ったのは呉の忍者?こと明命である。

 

「わかっている、その箱の中にいるから十分に楽しむがいい。猫殿たちのえさもそこにあるからな」

 

「はいっ、ありがとうございます」

 

「では、また頼むかも知れぬから、その時はまたよろしく頼むぞ」

 

「はいっ、私は報酬がもらえればそれでいいですから」

 

「おぬしの猫好きもすさまじいな、この部屋は明日の朝までだれも入れぬようになっているから安心して楽しんでいってくれ」

 

そう言いながら星は部屋を出て行った。

 

「これでまた朱里の慌てふためく姿が見れるというものだ、ふふふふふふふふふふふ」

 

 

~蜀侍女の証言~

 

私がその部屋に入ったのは掃除のためでした。

 

でも、いつもはなんてことのない空き部屋で掃除も短時間で済むはずだったのですが、その日は違ったんです。

 

まず違ったのは匂いでした。

 

すさまじいほどの魚のにおいがしたんです。

 

次に違ったのは床でした。

 

床一面に様々な色の毛が落ちてたんです。

 

あと、壁も違ってました。

 

壁には何個もの縦の傷がついてたんです。

 

何が起こったのか気にはなったのですが、趙雲様から他言無用と言われていたので何も聞きませんでしたが、あれはなんだったのでしょうか、魑魅魍魎のたぐいでないことを祈っています。

 

こうして、蜀では結局艶本を見つけられてしまう朱里や、毛むくじゃらの魑魅魍魎の噂などが蔓延したのであった。

 


 
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