No.639893

一刀の晋王転生録 最終章六話

k3さん

鐘会は語る。今まで己のして来た事を。そして時は黄巾の乱まで遡る。

2013-11-25 18:59:51 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1802   閲覧ユーザー数:1617

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第六話

   「鐘会の暗躍 黄巾の乱」

 

 

「どうしてお前がそれを持っている! 答えろ!」

 

「そうですねぇ」

 

 鐘会は考えるようなしぐさをした後、人差し指を立てる。

 

「では、まず私の野望から言いましょう。私は天下をこの手で掴む事。そのために色々と情報集めをしました。その結果、貴方達司馬

 

家が尤も障害となるだろうと予測しました。その為私はまず貴方達の排除を考えました。そこで考えたのが、黄巾の乱でのあの無茶な

 

作戦に出陣させる事でした」

 時は黄巾の乱が起こる少し前。

 

「己ぇー! 司馬家め! 忌々しい! 何とか奴等を始末出来ないのか!?」

 

 思わず大声で叫ぶ、十常侍の一人の張譲。

 

 これまで色々な罠を張っていたがそれを司馬家は悉く交わし、それどころかそれを利用し、此方の不正を暴かれる。

 

 何とか他の人間に罪を擦り付けて生き残ったとは言え、それが何度も続くと流石に不味いと分かり、動けなくなってしまう。

 

「くそ! 誰でも良い! 何か案は無いのか!?」

 

「ありますよ」

 

「!?」

 

 張譲は驚き、声のする方向を向く。そこには若く、眼鏡を掛けた男がいた。

 

「き、貴様は」

 

「私は鐘会と言います」

 

「何!? あの鐘家の男か」

 

「ええ」

 

 張譲は噂を聞いていた。鐘家内で神童と言われた男が居ることを。

 

(こいつがそうだと言うのか?)

 

 だが、そうだとしても信用できるのか分からず、警戒を続ける。

 

「案があると言ったな? そうだとしても貴様を信用できないのでは聞き入れる訳にはいかんな」

 

「私がこうして姿を現したのは、貴方が天に選ばれし者であると思ったからです。今の貴方の立場でも十分に天下をその手中に出来ま

 

すしね」

 

「む、私が選ばれし者だと?」

 

 先ほどの警戒は何処へ行ったのか、今はすっかり鐘会の話に乗るつもりになっている。

 

(……流石に愚か過ぎませんか?)

 

 それが分かった鐘会は表情に出すことは無かったが、あまりの簡単さに思わず呆れてしまった。

 

「それで、貴様の言う案とは何かね?」

 

「では……」

 

 鐘会は己の策を説明する。

 

 まず、厳重に保管されている太平要術の書を張譲の権力とつてで取り出し、ある人物達にその力を使わせ、あえて大きな乱を起こす。

 

そして有力候補以外の諸侯を集め、最初は戦下手の何進にやらせ、その補佐的な役割として司馬家の内の誰かを付ける。そうなると司

 

馬家に敵愾心を抱く何進は司馬家の忠告を聞かずに戦をするだろう。当然敗北する。そして補佐し切れなかった司馬家に責任を取らせ、

 

圧倒的不利な状況で勝てと命じておく。そして司馬家が敗北した後、敗戦の責任で斬首にする。然る後、馬騰と言った有力な諸侯を集

 

め、賊を討伐し、張譲の地位を向上させるというものであった。

 

「良かろう! では早速そうしようでは無いか」

 

 張譲はすぐさま鐘会の策に従い、行動を開始した。こうして黄巾の乱は起こったのであった。

 そして時は鐘会の策どうりにならず、黄巾の乱が司馬家を中心に討伐されようとしていた時まで進む。

 

 この時鐘会は、今にも火があがろうとしている黄巾党の本陣に乗り込み、戦を観察していた。

 

(成程……やはりこの程度では司馬家は潰せませんか……)

 

 鐘会に落胆や怒りは無い。ある程度はこの結末が予想出来たからだ。この策はあくまで司馬家の力をこの目で見ることともう一つ。

 

(さて、今の内にあれを回収しましょう)

 

 太平要術の書を、誰にも悟られず回収することだった。

 

 もし司馬家が敗北したならばそれはそれで良し。後は十常侍を潰して漢でのし上がるだけ、そんな程度の認識である。

 

 書を回収した鐘会はすぐにその場から離れ、張譲の所に向かう。次の一手はすでに考えてあったからだ。

 

(さて、次は無理やりでも司馬家を失脚させましょうか)


 
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