No.639713 英雄伝説~光と闇の軌跡~ 外伝~アルフィン皇女の決意と覚悟~前篇soranoさん 2013-11-25 00:00:01 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1572 閲覧ユーザー数:1484 |
~アルバレア公爵邸~
「そ、そんな…………!?エレボニア帝国が今までそんな事を…………!?それにオズボーン宰相がそんな組織と付き合っていたなんて…………」
「ハルトマン議長の事は知っていましたが、そんな昔からクロスベルはそのような状況だったなんて…………!?しかも”百日戦役”の裏側でそんな……エレボニアが守るべき領民達を犠牲にして、戦争を起こす口実を作っていたなんて…………!?」
ヴァイスとリセルの話を聞いたセドリック皇子とアルフィン皇女は愕然とした表情をし
「そうだ。貴様らエレボニアはリベール欲しさに自国の民を犠牲にした上その事実を世間から隠し、長い年月の間、クロスベルの民達から多くの財産を搾取し、挙句の果てには己の欲を満たす為、守るべき民を犠牲にしたにも関わらず、肝心のエレボニアは謝罪するどころか”権力”で揉み消したか知るまい!?そしてクロスベルの民達が貴様らエレボニア帝国にどれほどの怒りや恨みを抱いているのかも知るまいっ!俺の話が嘘だと思うなら、エレボニア帝国の”権力”に長年煮え湯を飲まされたマクダエル元議長やクロスベル警察関係者にでも聞くがいいっ!そして俺達はそんなクロスベルの民達を救うため、立ち上がったのだ!さらにお前達の兄―――オリヴァルト皇子もエレボニアから”鉄血宰相”という”害虫”を駆除する為にどれほど陰で動いていたかや自分なりに考えてクロスベルを守ろうとしていたかも知るまい!?」
ヴァイスは怒りの表情で二人を睨んで怒鳴った!
「「……………………………………」」
ヴァイスの言葉を聞いた二人は辛そうな表情で黙り込み
「――――貴様らを処刑する事はしない。貴様らの”無知”という”罪”は”死”という単純な”逃げ”で贖える程軽くはない。」
ヴァイスは厳しい表情で二人を見つめて言った。
「……………………僕は……僕達はこれからどうすればいいんですか………………?」
一方セドリック皇子は呆けた表情で呟き
「自分で考えろ。仮にもエレボニア帝国の皇位継承者だろうが。そのぐらいもできんのか?」
「………………………」
厳しい表情で自分を睨んで言ったヴァイスの言葉に何も返さず、悔しそうな表情で黙り込み、両手の拳を握って身体を震わせていた。
「……………………………ヴァイスハイト陛下。提案があります。」
その時黙って考え込んでいたアルフィン皇女は決意の表情でヴァイスを見つめて言った。
「何…………?」
「……………?」
アルフィン皇女の言葉を聞いたヴァイスとリセルは眉を顰め
「ア、アルフィン……?一体何を……」
セドリック皇子は戸惑いの表情でアルフィン皇女を見つめた。
「…………どうか我が弟セドリックを教育して頂き……立派な為政者に育て上げ、今後納める事になるクロスベル帝国の領地――――元エレボニア領の領主にしてください…………!どんな小さな領でも構いません…………!」
「ア、アルフィン!?」
頭を深く下げて言ったアルフィン皇女の言葉を聞いたセドリック皇子は驚き
「…………何故わざわざ反乱の可能性を自分から作る必要がある。万が一セドリック皇子を元エレボニア領の領主にでもすれば、その皇子を旗印にいずれ反乱が起きるぞ。」
「……………………」
ヴァイスは目を細めてアルフィン皇女を見つめ、リセルは警戒した様子でアルフィン皇女を見つめた。
「いいえ!絶対に反乱は起きませんし、起こさせませんわ!」
「…………何故、そんな確信した答えが言えるのか、その理由を聞こうか。」
真剣な表情で言ったアルフィン皇女の言葉を聞いたヴァイスは真剣な表情で促した。
「……何故なら…………セドリックの件を引き受けてくれる代わりに私が貴方の元に嫁ぐからですわ……!」
「ええっ!?」
「なっ!?」
そして若干頬を赤らめて叫んだアルフィン皇女の話を聞いたセドリック皇子とリセルは驚き
「……………………」
ヴァイスは呆けた表情で黙り込み
「――――なるほど。確かにお前を俺の妻の一人にしてしまえば、人質の役割にもなる上、エレボニア帝国の皇家であるアルノール家が俺達に忠誠を誓う証拠にもなり、エレボニアの民達もある程度納得するから、反乱の可能性はある程度潰せるな。」
すぐに気を取り直して納得した表情になった。
「それだけではありませんわ。敗戦国の皇族であるセドリックを立派な為政者へと育て上げる事で元エレボニア帝国の民達に対して、クロスベルが簒奪者の国ではなく慈悲深い国であると印象付けて反乱の可能性を大きく減らす事ができますし、皇族直系の血を引いている私を娶れば”国”としても周辺諸国から認められるはずです……!」
「ア、アルフィン………………」
「た、確かに我々にとっても利には適っていますね…………」
アルフィン皇女の答えを聞いたセドリック皇子とリセルは驚きの表情でアルフィン皇女を見つめ
「ほう?弟とは若干違うようだな…………」
ヴァイスは感心した後真剣な表情で考え込みながらアルフィン皇女を見つめ
「しかしお前はその発言に今後お前自身がどれだけ苦しめられる事になるのか気付いているのか…………?――――国を滅ぼした男にその身を蹂躙され、敗戦国の姫君として民に嘲られ続ける肩身の狭い立場で一生を過ごし……挙句の果てには生まれてきた子供、その子の血を引く子孫達もその血の系譜が途絶えるまで永遠に俺達から警戒され、決して良い立場にはなれないのだぞ…………?」
そして厳しい表情でアルフィン皇女を見つめて尋ねた。
「そ、そんな……!?アルフィン!僕の事は気にする必要はないよ!もっと自分を大切にして!」
ヴァイスの説明を聞いたセドリック皇子は表情を青褪めさせて叫んだが
「セドリック、貴方は黙っていなさいっ!!」
「……………………」
アルフィン皇女の一喝を聞いて黙り込んだ。
「…………そこまでの考えには到りませんでした。しかしそれなら貴方方クロスベルにとっても丁度良いのでは?」
「何…………?」
自分を見つめて言ったアルフィン皇女の言葉を聞いたヴァイスは眉を顰め
「実際そうなれば私達エレボニア帝国…………いえ、アルノール家が長年苦しめてきたクロスベルへの”贖罪”になります。」
アルフィン皇女は身体を僅かに震わせながら寂しげな笑みを浮かべて答え
「私はどうなっても構いません………!ですから……どうか弟を…………セドリックを立派に育てて下さい……!そしてできればお父様とお母様、オリヴァルトお兄様の命を奪うのだけは止めてください…………!」
ヴァイスの正面に移動して頭を深く下げた!
「アルフィン………………」
「……………………」
アルフィンの行動を見たセドリックは呆け、リセルは複雑そうな表情で黙り込んだ。
「…………………………」
一方ヴァイスは真剣な表情でアルフィン皇女を見つめ続け
「――――その覚悟、ここで見せてもらおうか。」
「え…………」
「ヴァイス様、まさか……………」
そして立ち上がってアルフィン皇女に近づき、ヴァイスの言葉を聞いたアルフィン皇女は呆け、ヴァイスの行動を見たリセルは真剣な表情になった。
「そこまで言うならば今この場で俺に犯されても良いのだな?」
「………………どうぞ…………お好きになさって下さい…………唯できれば、せめてセドリックはこの場から遠ざけて下さい………………」
ヴァイスに見つめられたアルフィン皇女は必死に震える身体を両手で抱きしめて押さえつけ、青褪めさせながらも決意の表情でヴァイスを見つめて言った。
「アルフィン!」
「―――させません。」
それを見たセドリックは駆けだそうとしたが、リセルに拘束された!
「離して下さい!このままだとアルフィンが……!」
リセルに拘束されたセドリックは喚きながら拘束を解く為に暴れ
「――――貴方の行動はアルフィン皇女の決意と覚悟を侮辱する行為です。真に姉君を想うなら、姉君の決意と覚悟を受け止めなさい。」
「でも、でも……!」
リセルの言葉を聞いた後反論しようとしたが言葉が見つからず答えに詰まりながら涙を流して暴れていた。
「―――――セドリック。」
その時アルフィン皇女が振り向いてセドリック皇子を見つめ
「”アルノール”の名に恥じない為政者になってね…………」
優しげな微笑みを浮かべて言い
「アルフィン………………」
アルフィンの微笑みを見たセドリック皇子は呆けた表情で黙り込んだ。
「さあ…………どうぞ…………好きなだけ私を犯してください……………まだ殿方には肌すら見せた事もありませんゆえ、陛下を喜ばせる事はできないと思われますので…………もしご不満でしたら、私にしてほしい事があれば命じて下さい…………陛下の望むままに奉仕を致します………………」
そしてアルフィン皇女はその場で跪いて静かな表情でヴァイスを見上げて言った。
「…………………………」
一方ヴァイスは真剣な表情でアルフィン皇女を見下ろし続け
「フフ………ハハ………ハハハハハハハハハハハッ!!」
静かな笑みを浮かべた後やがて大声で笑い始めた………………!
なお、アルフィン皇女が提案した時からのBGMはVERITAの”それでも生きる”か全然関係ないゲームですがティアーズ・トゥ・ティアラの”Tears to Tiara-凱歌”か”超えてゆく者”のどれかだと思って下さい…………感想お待ちしております
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