No.638955

九番目の熾天使・外伝 ~改~

竜神丸さん

暴走:止まらない憎しみ、非情なる刃

2013-11-22 19:00:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3270   閲覧ユーザー数:812

ウルティムス・ファートゥム・レオーネ・マクダウェル―――ディアーリーズがOTAKU旅団へ加入するよりもかなり過去の時代。

 

時は、そこまで大きく遡る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次元世界、深き森林の奥地にて…

 

 

 

 

 

 

 

「ごは…!?」

 

「しばらく眠ってなさい」

 

一人の人物によって、盗賊らしき男がその場に倒れて気絶する。その周りでも、盗賊一味の男達が全員気絶した状態で倒れていた。

 

「ふぅ」

 

盗賊一味を全滅させた人物―――ウルティムスは首を捻ってゴキゴキ鳴らし、起動していたレオーネを待機状態の指輪に戻す。その後ろでは、草木に隠れてウルティムスの様子を見ている少女の姿があった。

 

「…さて、もう大丈夫です。出てきて良いですよ」

 

「あ…」

 

少女は怯えつつも、草木の中から出てきた。そんな彼女の手を、ウルは優しく握る。

 

「あの……ありがとう、ございます…」

 

「一人で森の中を歩いてたら危ないですよ? 最近は盗賊の活動も盛んになってきてますし、森には危険な生物もいます。何故一人でこんな場所に…?」

 

「えっと、その…」

 

まだ少しビクビクしつつも、少女はその手に持っていた物をウルティムスに見せる。ウルティムスは少女が差し出した物に見覚えがあった。

 

「これは、薬草…?」

 

「はい……私、お母さんが病気で……薬草を取って、治してあげなきゃと思って…」

 

「それでこの森に入った、という事ですか」

 

ウルティムスはハァと溜め息を吐く。

 

「気持ちは分かります。だけど、こんな所まで一人で来たら危ないですよ? もしあなたの身に何かあったりしたら、あなたのお母さんが悲しみます」

 

「うっ……ごめんなさい…」

 

少女は涙目で俯くが、ウルティムスはそんな彼女の頭を優しく撫でる。

 

「え…」

 

「仕方ありませんね。一人だと危険です、僕も一緒に行ってあげますから」

 

「…本当ですか?」

 

「嘘ならこんな事は言いませんよ」

 

ウルティムスの言葉に、少女は顔を上げて彼の顔を見上げる。その表情には多少の戸惑いも残ってはいたが、少しずつ笑顔へ変わっていく。

 

「まずはここから出ましょう。その後の道案内は頼めますか?」

 

「…はい!」

 

少女が明るい笑顔で返事するのを見て、ウルティムスも自然と笑みが零れる。

 

「あぁ、名前を言ってなかったね。僕はウルティムス・ファートゥム・レオーネ・マクダウェル。呼びにくかったらウルで良いですよ」

 

「えっと、じゃあ……ウル、さん?」

 

「はい、それで良いですよ。あなたの名前は?」

 

「はい! 私、美空って言います!」

 

 

 

 

 

 

 

これが、少年と少女の出会いだった。

 

この時はまだ、二人は想像もしていなかっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

お互いに、武器を向け合う状況に陥ってしまう事など…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時空管理局、地上本部…

 

 

 

 

 

「…ほう、これはこれは」

 

とある研究室にて、マウザーは何かを察知していた。

 

「奴等が侵入したか……なるほど、実に面白い…」

 

「一佐殿…?」

 

そう言って笑みを浮かべるマウザーに対して、彼に同行していたクリウスは首を傾げる。そんな彼を他所に、マウザーは手に持っていた携帯端末を操作し、画面上に映った「ENTER」の文字を指で打つ。

 

「OTAKU旅団……果たして、お前達如きに“彼女”を殺せるかな?」

 

彼が持っている携帯端末には…

 

 

 

 

 

 

 

『実験体:No.91 篝美空(カガリミソラ)

 

 

 

 

 

 

No.91のデータが映し出されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…何ですか、この状況は」

 

研究施設最奥部にて、データ回収を終えた竜神丸。彼は他のメンバーに合流すべく、上の階へと上がって来たのだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「おいこらアン娘ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」

 

「ちょ、待っ…ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!??」

 

 

 

 

 

 

 

何故かガルムと支配人、げんぶの三人がUnknownを全力全快で追いかけ回していた。

 

「テメェはまたやってくれやがったなぁっ!! 俺達を思いっきり巻き添えにしてくれやがってぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

「魔法使う時は俺達に一言忠告くらいはしろって、何回言わせりゃ気が済むってんだお前はよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

「直接被害を受けるこっちの身にもなれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

「ちょ、悪かったってぬぉう!? 私だってあのポンコツ共を倒そうと思って、おわ!? わざとじゃないんだよ…ってだぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「…はぁ」

 

竜神丸は呆れ顔になり、彼等に声をかける。

 

「そこの四人、何やってるんですか」

 

「あぁ、竜神丸か!! すまん、助けてくれ!!」

 

「はぁ?」

 

「いやふざけるなよアンタ!! 誰の所為で俺達がボロボロになったと思ってんだ!! アンタが仲間の被害も考えずに魔法使うからだろうがぁっ!!!」

 

「いや、ちょ、お願いだ待ってくれ!! 確かに私にも非はあるんだけれども、せめて一言だけ言わせてくれないか!?」

 

「あぁ!?」

 

Unknownがワンテンポ置き、そして告げる。

 

「…本当にごめんちゃい☆」

 

「「「死に去らせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!!!」」」

 

「ありゃ、AMSから光が逆流する…ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

「…勝手にやってなさい」

 

「あ、そうだ。子供達はちゃんと地上に避難させておいたぞ」

 

「はい、監視カメラの映像を見たので知ってます」

 

Unknown達のチャンバラを放置し、竜神丸はタブレットに回収したデータ画面を映し出す。

 

(ナノマシンの実験データに、そしてそのサンプル……一通り、必要なデータは回収が出来たのでそれはそれで良いんですが…)

 

先程までいた部屋のモニターに映っていた、ロキとディアーリーズがNo.91を殺す事なく無力化させている光景。

 

それを思い出し、竜神丸はフンと鼻を鳴らす。

 

「実験体まで助けようとするとは……あの二人、一体どういうつもりなんだか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜神丸に噂されている、二人のいる階では…

 

 

 

 

 

 

 

「よっこいしょっと…」

 

戦闘を終えて一休みしていたロキとディアーリーズだったが、ディアーリーズが一足先に起き上がってズボンの汚れを手で払う。

 

「ん、もう動けるのか?」

 

「はい。いつまでも休んでて、管理局の魔導師に察知されるといけませんし……それに」

 

ディアーリーズは床に寝かされているNo.91の方に振り向く。

 

「いくつか、確認しなければならない事もありますので…」

 

「…ディアーリーズ?」

 

寝転がったままロキが横目で見る中、ディアーリーズはNo.91の下まで歩み寄ってから、彼女の装着しているモノアイを優しく取り外し……そして大きく目を見開く。

 

「…やはり、そういう事でしたか」

 

「ディアーリーズ、その子がどうかしたのか?」

 

「…ロキさん、覚えてますか?」

 

状況がよく理解出来ていないロキがディアーリーズに問いかけるが、逆にディアーリーズがロキに問いかける。

 

「僕が旅団に加わる前は、傭兵として色々な世界で活動していた事を」

 

「? あぁ、お前が施設から脱走したところを俺達が拾ったからな……それがどうかしたか?」

 

「…彼女の名は、篝美空」

 

ディアーリーズはNo.91―――もとい“篝美空(カガリミソラ)”の身体をゆっくり抱き起こす。

 

「僕がこのOTAKU旅団に加入する前……僕が傭兵として活動していた頃に、何度かこの人に会っているんです」

 

「! 傭兵時代にか…?」

 

「はい。僕がかつて巡った事のある世界の一つ……そこで僕は、美空さんが盗賊の一味に襲われているところを助けました」

 

ディアーリーズは美空の長い金色の髪を、靡かせるようにして撫でる。

 

「当時、彼女の母親が病気だったそうで……病気を治してあげたくて、森の奥まで一人で薬草を取りに行こうとしていたんです。流石に女の子一人で森の中を歩かせるのは危険なので、その時は僕も同行してあげました」

 

「その子一人でか? そりゃ何て母親思いな…」

 

「それから美空さんの住む村まで着いた後は、薬草と僕の治療魔法を使ったおかげで、何とか母親の病気を治してあげる事は出来ました。その時美空さんの母親から「お礼がしたい」と言われて、一時期彼女達の家で寝泊りさせて貰った事もありました。それから先は傭兵として活動しつつ、彼女達の下まで顔を見せに行ったりと、その繰り返しでした……ですが」

 

「ですが、何だ…?」

 

そこまで話したところで、ディアーリーズの表情が少しずつ暗くなる。

 

「ある時、いつものように村を訪れてみたら…………村が、丸々壊滅していました」

 

「!? 何だと…!?」

 

その言葉は想定外だったのか、寝転がるまま休んでいたロキは驚いた表情で起き上がる。

 

「住居は全て燃やし尽くされた上に、住んでいた人達も全員殺されていて……彼女の母親も、血を流して亡くなっているのが見つかりました」

 

「おいおい、嘘だろ…」

 

「…でもその状況の中に、美空さんの姿は確認出来ませんでした。世界中のあちこちをどれだけ探しても見つからず、諦めかけていた時に……管理局の襲撃に遭い、僕は力尽きて捕縛されたんです」

 

「…ん、待てよ?」

 

ディアーリーズの説明を聞いて、ロキはハッと気付く。

 

「その壊滅した村の子が、この施設にいるって事は…」

 

「はい……村の壊滅も、恐らく管理局の仕業でしょう。優秀な人材を確保して、人体実験に有効活用する為に」

 

「なるほどな……悪どい事しやがる。実験の為だけに、そこまでするなんてな」

 

「えぇ。あの管理局の屑共、今すぐこの手で嬲り殺しにしてやりたいぐらいです…!!」

 

沸いて来る怒りを抑え切れず、ディアーリーズは手に持っていた瓦礫をグシャリと握り砕く。

 

「とにかく、その子……美空ちゃん、だっけ? 早く楽園(エデン)まで運んでやろう。地上に避難させたままの子供達も、放って置く訳にいかんからな」

 

「…はい、そうしましょう」

 

二人が話していたその時…

 

「―――ん」

 

気を失っていた美空の目が、少しずつ開き出した。

 

「んぅ……ウ、ル…さん…?」

 

「! 美空さん!」

 

ディアーリーズに抱き抱えられている中、美空は半開きな目で彼の顔を見上げる。

 

「良かった、意識を取り戻したんですね!」

 

先程までの怒りを静め、ディアーリーズが美空に優しく話しかける。

 

「ウル、さん……また、会いに来てくれたんですね…嬉しい…」

 

「無事で良かったです。今、安全な場所まで連れて―――」

 

「私、ウルさんの為に……料理、練習したんですよ…? ウルさんに美味しい料理を食べさせてあげたくて……お母さんも上手だって、褒めてくれました…」

 

「…え?」

 

「そうだ……この前、私とウルさんの絵を描いたんです…私、こう見えて絵を描くは得意で…友達も、おじさんやおばさん達も……お母さんも、上手だって褒めてくれて、凄く嬉しかっなぁ…」

 

「み、美空さん…?」

 

美空の様子がおかしい。先程まではロキやディアーリーズと戦っていたのに、そんな事も覚えてないかのような感じで過去の思い出ばかりを語り続けている。

 

「これは……まさか、美空ちゃんの記憶に混乱が生じてしまっている…?」

 

ロキも美空に異変が起きている事に気付くが、美空は構わず思い出を語り続ける。

 

「私、ずっと待ってました……ウルさんがまた会いに来てくれるのを、ずっとずぅっと……お母さんもウルさんに会いたがってるから…」

 

「美空ちゃん、正気に戻って下さい!! あなたのお母さんはもう―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『すまないねぇお嬢さん、大人しく道具になって貰おうか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、あが、ぁ…うぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

「「!?」」

 

「痛い!! 痛い!! 痛い!! 痛い!! ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

突然美空がディアーリーズを突き飛ばし、自身の頭を押さえて苦しみ始めた。

 

「美空さん!! どうしたんですか!?」

 

「ユーズ、彼女に何が起こってる!?」

 

『こちらでも分かりません!! 外部から何者かが、彼女の脳内に電磁波を送っている事しか…!!』

 

「電磁波だと…!?」

 

誰がそんな事を……そんな疑問に囚われたその時だ。

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……ぁ、ぁ」

 

泣き叫ぶ声が途切れ、美空はそのまま俯いて何も言わなくなった。

 

「…美空、さん?」

 

ディアーリーズが彼女の表情を覗き込もうとするが、彼は気付いていなかった……美空の手が、僅かにゴキンと鳴らされた事に。

 

「!! ディアーリーズッ!!」

 

「え―――」

 

 

 

 

 

 

 

-ドシュッ!!-

 

 

 

 

 

 

 

 

「が、は…!?」

 

ディアーリーズの腹部が、美空の手によって貫かれた。貫かれた箇所から、彼の鮮血が飛び散る。

 

「げふ……美空、さん…!?」

 

「敵…敵…敵…敵…」

 

ズボッと血に塗れた手を抜き、美空は少しずつ顔を上げる。

 

「…敵ィッ!!!」

 

「な…ぐほわぁっ!?」

 

両目が赤く発光した途端、美空は瞬時にロキの目の前まで接近し、彼を思い切り蹴り飛ばした。突然の事態に反応出来なかったロキは壁まで吹っ飛ばされる。

 

「やめて下さい!! 美空さん!!」

 

「敵…!! 敵…!! 魔導師は全員……敵ィッ!!」

 

「がぁっ!?」

 

ディアーリーズの言葉も、彼女の耳には届かない。美空はディアーリーズ目掛けて右腕のブレードを振り下ろし、ディアーリーズを斬りつける。

 

「返せ…!! 返せ…!!」

 

美空の光線銃に魔力エネルギーが収束される。

 

「返せ……私のお母さんをっ!!!」

 

憎しみに満ちた目を二人に向けながら、美空は巨大なエネルギー弾を繰り出した。

 

「チィッ!!」

 

ロキは傷を負ったディアーリーズの首元を掴み、その場から退避。それと同時に彼等のいた場所がエネルギー弾で破壊される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

その衝撃は、下の階にいたUnknown達も察知していた。

 

「何だ!?」

 

「上の階…ロキ達だ!!」

 

「……」

 

げんぶとガルムが戸惑う中、竜神丸は静かにその場からテレポートで転移する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「返して!!! ねぇ返してよ!! 私のお母さんをぉっ!!!!!」

 

「くそ…!!」

 

目から涙を流しつつ、美空が再びディアーリーズに斬りかかる。ディアーリーズがすかさず後方に回避すると同時に、ロキが彼女の身体をバインドで封じる。

 

しかし…

 

「うぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「いぃっ!? おいおいマジかよ…げふぁっ!?」

 

縛り付けたバインドが、一瞬で引き千切られてしまった。想定外の状況で焦るロキに対し、美空は右足で彼の鳩尾を容赦なく蹴りつけて吹っ飛ばす。

 

「ロキさん!!」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ッ!? しま…がはぁっ!!?」

 

攻撃を防ごうとしたディアーリーズだったが、美空の蹴りでレオーネを蹴飛ばされ、至近距離で強力なエネルギー弾を喰らってしまう。

 

「ぐ、げほ…!!」

 

「ねぇ……私のお母さん、返してよ…」

 

傷だらけで膝を突くディアーリーズの前に、美空が涙が流れているまま立ち塞がる。

 

「美空さ、ん…!!」

 

「返して…」

 

美空の構えているブレードの刀身に、青白い魔力エネルギーが収束される。

 

「返してよ…!!」

 

そしてディアーリーズを斬るべく、エネルギー充填のされたブレードを振り上げる。

 

「ッ…美空さぁん!!!」

 

「返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貫け、神刃(カミキリ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その場の空気が凍りつく。

 

「―――え」

 

結果として、美空のブレードがディアーリーズを斬る事は無かった。

 

何故なら…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く。何時までそうしてるつもりですか、あなた達は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜神丸の神刃(カミキリ)による一撃が、美空の腹部を容赦なく貫いていたのだから。

 


 
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