No.638871

楽しく逝こうゼ?

piguzam]さん

第36話~懐かしい面子との初対面。あれ?なんかおかしい

2013-11-22 12:58:17 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:22740   閲覧ユーザー数:19715

 

 

前書き

 

 

もうそろそろISも書こうかなぁ……。

 

 

誰かGTA5かCOD一緒に行く人居ないかなぁ?

 

 

作者と一緒に(ゲームを) ヤ ラ な い か ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『急に通信してしまった事は本当に悪かった。そして空気を読まない登場でマジスイマセン』

 

「……今後はこういう事が無い様にしていただきたいです。未来の執務官殿」

 

『おっしゃるとおりですが……僕は今は執務官ではなく提と――』

 

「そのような事、瑣末な事では?」

 

『あっ、はいスイマセン。生意気言いました(何故僕は土下座しているんだ?)』

 

さて、空気を読まず、いや、読めずに登場してしまった未来のクロノさんだが、現在通信越しに土下座してたりする。

それはそれは見事な佇まい、正に年季の入りまくった末に会得したとも言えるパーフェクトスタイルだ。

え?何でクロノが土下座ってるかって?そりゃまぁ……。

 

「判っていただけて良かったです。私も恩人を吹き飛ばしたくはありませんから」

 

今、通信モニター越しに綺麗な笑顔を浮かべつつ青筋を浮かべて仁王立ちという器用なリインの所為では無いのかな?

俺やフェイト、アルフ、そして未来のフェイトさん以外は皆シールドの向こうに避難してるし。

 

「あはは……リインが怖すぎて生きるのが辛いわ……あれ?私リインが生きてて嬉しい筈やのに何ゆうてんのやろ?アハハ……」

 

「は、はやてッ!?しっかりしてッ!?」

 

「お気を確かにッ!!主はやてッ!?」

 

ヤバイ、はやてさんの目が虚ろじゃないッスか。

まぁ昔に消えてしまった家族がこんなに怖いとか、心にダメージ来るんだろうなぁ。

そんな事を考えながらはやてさん達を見ていると、複数の「何とかしてッ!!」って視線を感知。

え?俺がですか?俺があのリインちゃんの機嫌を治すの?

もしやと思ってなのはさん辺りに視線を向ければ、彼女はブンブンと首を縦に振る。

マジかよ……まぁ、このままじゃ話が進まないし、しゃーねぇか。

 

「ま、まぁまぁリイン。クロノさんも悪気があったワケじゃねぇんだし、もう許してあげろって。何か見てて可哀想だからよ。な?」

 

とりあえず軽く説得にかかるつもりでリインに声を掛けるが……振り向いたリインの表情は悲しげだった。

 

「……確かに、八つ当たりの自覚はあるが……お、お前は……私がお前の事を好いていて、それを示そうとした事を止められても……平気、なのか?(ウルウル)」

 

グッハァッ!?な、何て真っ直ぐな気持ちを……ッ!?可愛いじゃないの。

ハートに直接響く訴えを聞いて、俺は胸を抑えながら口を開く。

 

「わ、分かった分かったッ!!後でリインのお願いを聞いてあげるから、とりあえずクロノさんを許してあげなさいってッ!?」

 

「ッ!?ほ、本当か?……私の我侭を……聞いてくれる?」

 

「勿論だってッ!!何でも聞いてやるから、今は怒りを鎮めて話を戻そッ!!なッ!?」

 

「あ、あぁ。取り乱して済まない(何でも……何でも……♪)」

 

もうなんかハートにバシバシ響く様な甘えた声に戸惑いつつある俺だったが、とりあえずリインは怒りを納めてくれた。

逃げ出してた皆にも騒がせて済まないと謝罪を入れて、リインは嬉しそうな表情を浮かべながら俺の隣に座る。

それを見て他の皆さんはデッカイ息を吐きながらシールドを解除し、それぞれが元の位置へと座りなおす。

はやてさんもヴィータとシグナムさんの必死な語りかけの末、何とか元に戻ってる。

良し、これで全部が元通りで――。

 

「……同年代の男の子に、可愛いって……ちゅ、中学の時だって何度も言われてたのに、何でこんなに……はぁぅ」

 

訂正、1人だけ元に戻ってねぇ御人が居たです。

少し俯きながら赤い顔色で何かを考えてるフェイトさん。

19歳のお姉さんだってのにこの恥らう仕草、とても可愛く感じてしまいます。

しかしまぁ、このままじゃ話し合いも進みませんので、元に戻ってもらわねぇとな。

 

「もしもーし、フェイトさん?起きて下さーい」

 

「うぅ……ふぇ?…………あ」

 

ちょっと前後不覚状態のフェイトさんに近づいて、耳の近くで声を掛けると、フェイトさんは何だろうって顔で俺に目を向ける。

そこでやっと自分の状況を思い出したのか、少し呆けた表情を浮かべて、部屋の中を見渡す。

周りの視線が妙に生暖かいのに気付いたのか、再び顔を赤く染めてしまう。

 

「ご、ごめんね?あんまり言われ慣れてなかったから、つい……」

 

フェイトさんは自分の状況を思い出して、俺に謝罪しながら元の位置へ、つまりはやてさんの隣りに座りなおす。

そこではやてさんがニヤニヤとした視線を向けるモンだから、また恥ずかしそうに俯く。

ウホッ、さすが未来のフェイト、成長しても可愛さ抜群過ぎだろ。

 

「むっ……もう(ギュッ)」

 

と、大人フェイトさんを見ていたら、さっきまで離れてくれてたフェイトが俺の腕にしがみ付いてきた。

 

「ダメだよ……一緒に居る私を見て……幾ら未来の私でも、嫉妬しちゃうんだから」

 

ギュッと俺の腕を抱えてちょっとむくれるフェイトちゃん。

うん、俺もう死んでも良いや☆

いや、このフェイトが成長していくまでは死ねんでごわす。

俺の意思とは関係無く、オートで彼女の頭に伸びていく俺の手だが、フェイトはそれを当然の如く受け入れる。

でもやっぱり恥ずかしいのか、俺の腕に顔を押し付けて隠してしまう。

あぁ、可愛いなチクショー……俺の方がフェイトに依存してる気がするな。

まぁ兎に角、話の流れは戻せたので俺はフェイトを撫でつつ、モニターの向こうで疲れた表情を浮かべるクロノさんへと視線を向けた。

 

「あーっと、初めまして、並行世界から来た橘禅と言います。よろしくです」

 

『あぁ。僕はクロノ・ハラオウンだ。彼女を止めてくれて本当にありがとう、よろしく頼むよ……はやてから報告をもらっているが、一応確認させてくれ。君は自分の世界に居る僕と、相棒の様な間柄だとか?』

 

「えぇ。最初はジュエルシード6個が暴走した竜巻の時、二回目は時の庭園への突入、そんで最後は闇の書の防衛プログラムと戦った時も、背中を預けました」

 

クロノさんの質問に、俺はクロノと戦った時の事を思い返しながら答える。

アイツとは何でか知らねぇけど、息が合うんだよな。

俺の言葉を聞いたクロノさんは「そうか」と呟くと、真剣な表情を浮かべて俺達を見る。

 

『まずは報告だ。今回、君達をこの世界へ飛ばしたのはロストロギアの仕業である事は知っていると思う。それを鑑みて僕達はこのロストロギアを回収せずに、君達が元の世界へ戻る時に使うという名目で保管できる様取り計らった』

 

「ゴメンなぁクロノ君。急に大変な事頼んでしもて」

 

『いいさ、はやて。被害者が居て、それが過去の並行世界の人間なら、僕達のするべき事は回収じゃない。彼等を元の世界に返す事だからね』

 

はやてさんの謝罪に、クロノさんは苦笑しながらそう答える。

どうやら話しを聞いてる感じだと、俺達の為にクロノさん、そしてリンディさんが動いてくれたらしい。

俺やフェイト達はその事に頭を下げるも、クロノさんははやてに言ったのと同じで「気にしなくていい」と言ってくれた。

やっぱ別の世界でも、クロノは頼りになんぜ。

 

「本当、色々とありがとう。お義兄ちゃん」

 

うんうん。フェイトさんの言う通り、お義兄ちゃんは頼りに……ゑ?

 

「「「えぇええええええッ!?」」」

 

「へッ!?ど、どうしたのッ!?」

 

余りにも衝撃的な発言に、俺とフェイト、アルフは声を揃えて絶叫し、フェイトさんはそんな俺達を見て驚いた。

いやいやいやッ!?寧ろコッチがどうしたのなんですがッ!?

 

「ク、クロノがお兄ちゃんってどういう事ですかッ!?」

 

驚く俺達を代表して、というかその中心人物になるフェイトがフェイトさんに詰めよる。

まぁ別の世界の自分がクロノの事を兄呼ばわりしてんだからそうもなるか。

 

「ど、どうって……あれ?もしかして、ソッチの世界では違うのかな?」

 

「な、何がですか?」

 

「ええっと、私は闇の書事件が始まる少し前から、お義母さん……リンディさんに、養子に来ないかって誘われて……あっ、そっか。そっちの世界では、プレシア母さんが居るから……」

 

「あ……そ、そうですね」

 

自分で話してる間に、俺達の世界との差異に気付いて、少し表情が暗くなってしまうフェイトさん。

それを見てフェイトも察したのか、少し気まずそうな表情を浮かべる。

うあちゃー……そういう事かよ。

プレシアさんが生きてるからコッチのフェイトにはそういう話が無かった訳で、コッチの世界ではプレシアさんが居ないからそんな事態になってたって事か。

そりゃ俺達にとっては寝耳に水な話だわ、っていうか最初にクロノが言ってた妹ってのはこういう事だったのね。

気付けば今の話の所為か、部屋全体の空気が重く……ヤベエ、何とかして話を変えないと――。

 

『はやて、あのロストロギアの詳細が分かったから報告……どうしたの?』

 

と、クロノさんとは違う空間モニターが現れ、そこに眼鏡を掛けた長髪の女っぽい男の人が映っていた。

え?何で男か女か分かるかって?女好き舐めちゃぁいけませんぜ。

 

「あ、ああユーノ君ッ!!もうあのロストロギアの詳細が分かったんか?」

 

『うん。今日は資料請求も少なかったから、直ぐに終わったよ』

 

え?ユーノって……おい、まさか?

俺の呆けた表情を見て察したのか、フェイトさんが微笑みを浮かべながら俺に声を掛ける。

 

「フフ。10年前とは大分違うけど、あの人はユーノ・スクライア。私達の友達のユーノだよ」

 

『どうも。只今ご紹介に預かりました、ユーノ・スクライアです。君とは初対面だけどよろしくね、橘君。って、フェイトの小さい頃かぁ……懐かしいな。それにアルフは今と変わらないし、リインフォースさんも健在みたいで何よりだよ』

 

画面の向こうに映る爽やか系イケメンに進化したユーノが、俺に微笑みながら挨拶してくるけど、俺にはにわかに信じられねぇ。

あれが……あれがッ!?

 

 

 

「僅か9歳にしてイタチに変身したのを良い事に事故を装い、なのはやすずか、アリサッ!!そして桃子さんや忍さんに美由紀さんの裸をじっくり鑑賞しながら身体も洗ってもらったという、あの伝説の美味しい体験者、ユーノ・スケベリアンの未来なのかッ!?イケメンに成りすぎだろッ!?」

 

『お、おいヤメロッ!?あれは本当に事故だったのに、君の言い方じゃ僕がヤバくなるじゃあないかッ!?それとイタチじゃないッ!!フェレットだッ!!』

 

 

 

ヤバく?ヴァカめッ!!俺に抜け駆けして美味しい思いしてっからだドアホッ!!(八つ当たり)

俺の言葉を聞いたユーノさんは画面の向こうでメチャクチャ慌てふためき、こっちの女性陣の温度は急激に下がっていく。

あれ?心なしかなのはさんまでもが冷笑を浮かべてる……あり?ひょーっとして俺等の世界のなのはとユーノみたいな関係では無いと?

 

「うふふ。そうだよね、昔は男の子だなんて知らなかったからなぁー。何の気無しにそのままお風呂に入れてあげてたっけ♪」

 

やっべぇ、恐い。

 

『い、いや違うんだなのはッ!?あの時は本当にスマナイと思ってたけど、ぼ、僕はあの時最後まで嫌だと抵抗してたじゃないかッ!?』

 

「うーん……でもね?思い返すと、何時でも私に『自分は男です』って言えたんじゃないかなぁーって思うんだ。ユーノ君は喋る事は出来たんだし」

 

『た、確かにそうだけど、あの時は君が僕の本当の姿を見ていたと勘違いしてて――』

 

おぉう、笑顔でニコニコとユーノさんを追い詰めていくなのはさんパネェ。

まぁ見られた当人であるからこその怒りだから、妥当っちゃ妥当なんだろうけど。

一応入れた張本人であるなのはさんにも非が無い訳じゃねえが、そこはやはり女の方が立場が強い。

そんな事を考えながらなのはさんを見ていると、妙に頬が赤く染まっているではないか。

これって――ま、まさかッ!?

 

「人を精神的に追い詰めてネチネチといやらしく責めつつ頬を染める……ま、魔王だ。アイツは時空管理局の魔王だぁッ!!!」

 

「ひ、人聞きの悪い事言わないでよ橘君ッ!?わ、私はあくまでユーノ君が犯した過去の過ちを、もう二度としないで欲しいって気持ちを込めて仕方なく責めてるだけで――」

 

「あんなに嬉しそうな笑顔浮かべて仕方なくとかそれ無いわー。アレはどう見ても、獲物をジワジワと甚振って悦ぶ狩人の顔だったッス。このサディストめッ!!」

 

「そこまで言うッ!?……ま、まぁ……確かに、ちょっと楽しかったけど――」

 

俺の言葉を聞いて昔を思い返したのか、髪を弄くりながら恥ずかしそうに言うなのはさん。

昔からの付き合いがあるはやてさん以下八神家の面々も「確かに」とか言って頷いてるよ。なのはさんパネェな。

っていうか、こういう時に反論しそうなフェイトさんが妙に静かな気が――。

 

「も、桃色がッ!?桃色が迫ってぇえッ!?」

 

「う、動けないのに、桃色の光で世界がぁあッ!?」

 

「ぶほぇッ!?ちょ、フェイトとフェイトさんッ!?」

 

『なぁあッ!?家の妹に何をしてるんだッ!!子供といえど容赦せんぞッ!!』

 

通信越しに怒鳴ってくるクロノさんに言いたい。俺何もしてなくね?寧ろされてね?

それすらも分からねー程の取り乱し様……貴様シスコンかッ!?

おかしいなと思って目を向けた瞬間、ブルブルと身体を震わせたフェイトとフェイトさんにタックルされた。

って何かトラウマが発症してらっしゃるッ!?

目の色もまるで迷子の子供みたいな不安定なモノになっちまってるじゃないッスかッ!?

これはヤバイと本能的に理解し、俺はすぐさま癒しの波紋を手に篭めて、ゆっくりと落ち着かせる様に撫でていく。

泣きじゃくる子供をあやす様に柔らかく波紋を篭めたお陰か、震えは直ぐに納まった。

 

「だ、大丈夫ッスよ2人とも。桃色なんか襲ってこないし、何も怖くないよ~?」

 

「うぅぅ……ほ、本当?本当に大丈夫?」

 

まるで縋る様な涙目で俺の裾を握るフェイトさんに「ダイジョブダイジョブ」と囁き、撫で続ける。

大人のフェイトさんにここまでのトラウマ植えつけるとは……スターライトェ……。

 

「本当に怖くない?太陽が桃色になったりしない?」

 

それどんな自然現象ですかなフェイトちゃん?

同じく俺の胸辺りにしがみ付くフェイトからの質問にも「ダイジョブ、インディアンウソツカナイ」と言ってあげる俺。

兎に角2人が落ち着ける様最大の注意を払って撫で、あやしながら、俺は呆然とするなのはさんに呆れた視線を向ける。

 

「あぁもうアレっすわ。なのはさんは究極のサディストで、なのはさんの使う業は相手にトラウマを植え付ける事を主としたクレイジーマジックって事で決定っすね」

 

「さすがに酷いよッ!!私にとって魔法は、フェイトちゃんやはやてちゃんっていう掛け替えの無い友達に会った切っ掛けだったんだからッ!!あんまり酷い事言うと私も怒っちゃうからねッ!!」

 

「その掛け替えの無いベストフレンドをココまで怖がらせてる時点で詰んでるって事に気付いて欲しいッスー」

 

「うぐっ!?そ、それはその、あの時の状況じゃ仕方無かったっていうか……」

 

「っつうか何俺の可愛い可愛いフェイトちゃんを泣かせてくれちゃってんですかこの野郎。あんまりオイタが過ぎると、その頭から横向きに生えてる尻尾切り落としちゃうぞ☆」

 

「し、尻尾じゃないよッ!!っていうかこれは斬らないでッ!!私のトレードマークなんだからッ!!何か背中からうっすらと出てきてるそのゴツイ手は何をするつもりなのかなぁあッ!?」

 

『クレイジー・ダイヤモンド』の手ですが何か?手刀の状態ですが何か?問題は無い筈。

質問には答えずニヤリと笑いながらなのはさんを見ると、なのはさんは自分のサイドポニーを抑えながら距離を取る。

チッ、そのままでいてくれりゃあ、バッサリとイケたってのに。

 

『……あの、もうそろそろ話をしても良いかな?』

 

何やら画面の向こうで意気消沈した表情のユーノさん、どうしたんだ?

 

『アハハ、僕がこんなに疲れてるのは誰の所為だと?』

 

「え?なのはさんに責められた所為っしょ?」

 

何を今更、と画面の向こうで青筋立ててるユーノさんに言い返す俺。

はやてさんとかも「うんうん」って言ってるし。

 

『元はと言えば君が誤解を招く様な発言をしたからなんだけどなぁ?』

 

俺の台詞を聞いて額にピキピキと追加の青筋を浮かべるナイスイケメン。

誤解を招くも何も、風呂をたっぷり覗いたって事実は真実でしょうに。

まぁ俺には被害無かったから別に良いんだけど。

そう思いながら、未だに甘えん坊なフェイトさんとフェイトをあやす様に撫でていると、はやてさんがにんまりとした笑みを浮かべる。

まーた何か要らん事考えてるなこの人は。

 

「ムフ……なぁ、橘君。ちょっと聞きたいんやけど、ええかな?」

 

「はい?何スか?」

 

どうやらターゲットは俺らしい。

この人に付き合うのは結構面倒くせーけど、まぁ答えるぐらいなら良いか。

 

「いや、なぁ。もし、もしもやで?10年前にユーノ君が入ってしまったお風呂の中に、フェイトちゃんとかリインとかアルフさんがおったら、君はどうしとったんかなぁ、と」

 

どうしてた?そんなモン決まってんでしょうに。

 

「俺の料理レシピに、フェレットの素揚げかフェレットの生け作りが加わってただけの話っすよ(純粋な笑顔)」

 

「怖ッ!?」

 

とても綺麗なスマイルを浮かべる俺の言葉を聞いてビビるはやてさんとその他。

俺の天使達を穢す奴ぁ断じて生かしておかん、サーチ&ジェノサイドじゃ。

っていうかユーノさん?何故画面の向こうで顔青くして震えてらっしゃるのかな?

オッカシイナー?例え話しなんだから怖がらなくても良い筈なんだけどなー?

まさか既に前科持ちとか言うまいね?許サンヨ?

 

「……あ、あぅ(ス、スターライトを受けた時の事思い出して、反射的に抱き付いちゃったけど……ど、どどどうしよぉッ!?恥ずかしくて顔上げられないよぉッ!!そ、それに……撫でられると、力抜けちゃう)」

 

「……えへへ♪(やっぱり、ゼンは暖かいなぁ……ポカポカするし、良い匂いもしてて……それに、私を優しく撫でてくれる……もっと抱き付いちゃえ。えい、えい♪)」

 

そして今更ですが、俺の懐がパラダイスです。

俺の顔を盗み見ては恥ずかしそうに俯くあぅあぅ状態のフェイトさん。

その隣りでは幸せいっぱいの笑顔を浮かべつつ、俺の胸にグイグイと顔を擦り付けてくるイケイケなフェイトちゃん。

ここはパラダイスなのだろうか?

 

『……もう収拾付きそうに無いから、このまま報告させて……』

 

俺達の様子を見て疲れた様に肩を落とすユーノさんの姿があった様な気がするが、恐らく幻覚でしょう。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

『――とまぁ、以上があのロストロギア、『drエメッ○・ブラウン』の詳細だよ』

 

「なるほどなぁ……うん、ありがとうユーノ君。急な依頼やったのに、ここまで詳しく調べてくれて」

 

ユーノさんが無限書庫で調べてくれた、あのロストロギアの詳細を聞き終わり、はやてさんがお礼を言う。

あっ、ちなみに俺とフェイト達が面識の無い4人は仕事だとかで出て行ってる。

何でもこの機動六課の新人にして、前線で戦う魔導師のフォワードメンバーらしい。

それとクロノさんもうるさいからって理由ではやてさんが通信をブッチ切った。シスコン乙。

 

『気にしないで良いさ。記録のあるロストロギアだったから、調べるのもスムーズだったしね。詳細不明のロストロギアを調べるより遥かに楽だったから』

 

はやてさんの謝罪に対して、ユーノさんは薄く微笑みながら首を横に振る。

それだけの動作でもイケメンオーラが見え隠れしてらっしゃるではないか。

チッ!!爽やか系のイケメンがッ!!滅びろッ!!

 

「でも、依頼してからこんなに早く見つけるなんて、やっぱりユーノ君は探索魔法の天才だね♪」

 

『そんな事無いよ。僕は攻撃系の魔法がからっきしだし、コレぐらいしか取り得が無いから』

 

「ううん。ユーノ君は私が魔法と出会った時も、色々と教えてくれたよ。謂わば私の魔法の先生なんだから、胸を張っても良いと思います」

 

『あはは。ありがとう、なのは』

 

ユーノさんの謙遜に対し、なのはさんは本心からユーノさんの凄さを褒め称える。

それを聞いてまんざらでも無いのか、ユーノさんは少し顔を赤らめながら鼻の頭をポリポリと掻く。

ちょっと照れ気味なユーノさんを見て微笑むなのはさんとユーノさんは、さながら付き合いたてのカップルに見える……ふむ。

 

「お2人共、イチャつくのは人前じゃ無い所でした方が良いッスよー。公衆の面前でイチャイチャするのはどうかと……」

 

「『君がそれを言っちゃうッ!?寧ろ今の君にだけは絶対に言われたくないんだけどッ!?』」

 

何故か2人揃って声を合わせながら「心外だ」とでも言いたそうな表情を浮かべる。失礼な。

ちなみに、さっきまで俺に抱きついてたお2人のフェイトは、今は正気に戻ってそれぞれ椅子に座っている。

 

「あわわわ……は、恥ずかしぃ……」

 

ただまぁ、フェイトさんは恥ずかしさで顔も上げられないのか、ずっと俯いてる。初心だねぇ。

 

「~~♪」

 

こっちのフェイトなんて笑顔で鼻歌を歌ってるってのに……これが経験の差ってヤツか。

 

「きゅーん♪……気持ち良いなぁ~♪」

 

「あぁ……とても心が落ち着く……ゼンに撫でられると、嫌な事が掻き消えてしまう……癖になりそうだ」

 

そして俺は今、フェイト達と入れ替わりで、アルフとリインの頭撫でてます。

まぁ~2人とも満面の笑みを浮かべて喜んでるんだから、俺の波紋も一層気合が入るってなモンだぜ。

しかも、2人とも大人モードで俺に寄り添ってくるんだからもぉ……堪らん。

そんな感じで俺は女の子達との触れ合いを心より楽しんでいる訳だが、一応頭の中ではあのロストロギアの情報も考えてますよ?

 

 

 

――ロストロギア、『drエメッ○・ブラウン』。

 

 

 

これは所謂タイムマシン的な能力を持つ品で、かなりの魔力を持った生命体が近くに居ないと発動しないらしい。

しかも何故か行きつく未来or過去ってのは運が悪いと別の世界の未来とかに飛んじまう事もあるとか。

今回のケースがそれだ。強すぎる魔力の影響で精密な魔力操作が出来ないと、こうなるという、正に使い辛さ抜群の品物。

間の悪い事に、あの時あの像の近くに居たフェイト達は、いずれも高レベル魔導師ばかり。

フェイトやなのはの魔力量で、管理局でもトップクラスレベルなのに、そこに次元世界最強のリインフォースが居るモンだから、発動する条件には充分過ぎたって事だ。

何故、俺達の世界にあったロストロギアの存在が無限書庫にあったかと言えば、どうやら前にもこうやって別世界の住人を連れてきた例があるそうだ。

 

『尤も、前のケースは100年前の出来事だからどうとも言えないけど……記録では10日程で元の世界に戻ったらしい』

 

「10日ッスか……戻る時に、何が起こるとかは?」

 

俺の質問に、ユーノさんは苦笑を見せてくる。

 

『残念だけど、それは判らない。何せ、別の世界に帰った人にしか分からない事だからね』

 

「あー、そうッスよね。今の質問は俺が馬鹿でした」

 

そりゃそうか、帰った後の事は帰った人達にしか気付く事は出来ないもんな。

そこまで説明を終えて、ユーノさんが通信を切った所で、はやてさんから今後の説明が入る。

俺達はタイムマシンが動くまでの10日間、機動六課でお世話になる事と相成った。

なんと部屋だけで無く、替えの服や食事、果てはお小遣いまで出してくれるとの事。なんて太っぱらなんだはやてさん、GJ。

俺達は全員頭を下げてお礼を言ったんだが、返ってきたはやてさんの言葉は意外なモノだった。

 

「衣食住は私等が面倒見るけど、その代わりに、フェイトちゃんとアルフさん、リインフォースには帰るまでの間だけ仕事の手伝いをお願いしたいんや」

 

「仕事、ですか?」

 

少し首を傾げる発言に、俺達を代表してリインが言葉を返し、はやてさんはそれに頷く。

 

「せや。実は私らは、部隊の魔力保有規定内に納まる様に皆それぞれ自分にリミッターを掛けとる」

 

「魔力保有規定?それって何だい?」

 

「簡単に言うと、1つの部隊に保持できる魔導師の力の規定みたいなモンやね。これは戦力が1つの部隊に集まり過ぎるのを防止するための処置で、当然私らの部隊にも保有制限はある」

 

首を傾げるアルフの質問にはやてさんが答えたのは、要は強い魔導師をバランス良く管理局の色んな課に分散させる為の規定らしい。

しかしこの答えについて、俺達は顔を見合わせて首を傾げてしまう。

えーっと?要はつまり、はやてさん達は規定内に納まらない力を有してるってのは判る。

だから、自分達を1つのチームに纏めるには、その魔力保有規定ってのが邪魔になるわけだ。

それを回避する為に行ったのは、リミッターを付けて自分達の魔力ランクをワザと落とし、規定内に納めるという裏技染みた遣り方。

もしこれから部隊に魔導師を増やす場合、更にリミッターがキツくなってしまうのだ。

 

「でも、これにはもう1つ裏技があるの。それは外部協力者は魔力保有規定に含まれないから、外部協力という形なら何人でも取り込めちゃうんだ」

 

はやてさんの言葉を引き継いでフェイトさんが締め括り、フェイト達に「どうかな?」と視線を向けて問う。

3人はこの問いに対してお世話になるからには、と了承した。

やれやれ、まさか並行世界に来てまで3人とも仕事する羽目になるとは……人気者は辛いな。

まぁ俺は戦力に数えられて無いから、気が楽だし……空いてる時間で、羽を伸ばさせてもらいますか。

折角の並行世界旅行、やっぱやる事は1つ。可愛い女の子を探してゆっくりと愛でるとしますかな、グフフ。

 

 

 

――そんな事を考えたのがそもそもの間違いだったのだろう。

 

 

 

「あっ。それと、ゼンの事もジャンジャン扱き使ってもらって構わないからね♪」

 

「ぶっ!?ちょ、アルフしゃんッ!?」

 

俺の知らぬ間に、俺も働かされそうになってたぜ。

慌てて俺を推薦したアルフに目を向けるが……何だろう、額に十字のピキピキマークが見えるのは幻覚だよね?

ヤバイ、反論しようという気概が封じ込められてしま――。

 

「うん、アルフの言う通りだね♪ゼンの戦闘力は間違い無く役に立ちますよ♪」

 

「えぇ。暴走状態の私とも充分に戦ってましたから♪必ず主のお役に立てるかと♪」

 

あっるぇ?何故かフェイトとリインの額にも同じ様なバッテンマークが刻まれてるんですけど~?

もしかして見透かされてる~?

 

「う~ん……でも禅君はなぁ。正直、そのスタンドとか、波紋って物の力が魔法よりも優れてるとは思えないんやけど……」

 

ナイスはやてさんッ!!そのまま俺は使えないという方面で話しを決定してくれッ!!

彼女の隣に座ってるなのはさんとフェイトさんも同意見なのか、2人揃って渋い顔を見せているが、俺に取っちゃ好都合よッ!!

このまま俺には何も仕事が無くなれば、俺はゆっくりと美少女を漁る事が出来――。

 

「大丈夫です♪ゼンは時の庭園で、母さんの魔導人形を1人で何体も倒してましたし、人の傷を治す事も出来ますから」

 

「そうそう♪大体、ゼンの『クレイジーダイヤモンド』と正面切って戦うなんて自殺行為も良い所だしねぇ?ザフィーラなんか、お得意のシールドと一緒に瞬殺。かなりブッ飛ばされてたし♪」

 

「ザフィーラを瞬殺やてッ!?防御に関しては管理局で見てもトップクラスに近いのにッ!?……これはもしかして……」

 

――漁れないッ!?ドンドンと外堀が埋められ――。

 

「一番新しい戦績ではシグナムに勝利を納めてます。それも、スタンドという特殊能力は使わずに、主はやての疑問に思ってる波紋だけで、です」

 

「――ほう?」

 

だぁあああッ!?い、一番興味持たれちゃいけない人ががががががが。

リインの誇らしげな声で語られた、別の世界の自分が負けたという情報に、シグナムさんの口元がニイィと吊り上がる。

どうやらこの世界のシグナムさんも向こうと変わらずバトルジャンキーのご様子。歪みねぇな。

次々に明かされる俺の戦績を聞いて、なのはさんとフェイトさんは驚きに目を見開き、はやてさんはニヤリと笑った。

ヤバイ、この流れだと確実に俺働く事になるんじゃね?くそ。働きたくないで御座る。

 

「それがホンマなら、橘君にもお願いしたい所なんやけど……さすがにこの目で見ん事にはなぁ?」

 

「でしたら主。僭越ながら、私に考えが」

 

「ほほう?言うてみぃシグナム?」

 

あれ?何か目の前で白々しいまでの三文芝居が始まった?

だって目が笑ってるんだもん。絶対本気じゃねぇ。

 

「はい。彼女達の言う事が本当かどうか、模擬戦で確認してみるのがよろしいかと――」

 

「やっぱそうなるのね畜生ッ!!バトルジャンキーぶりはこっちの世界でも健在かいッ!!」

 

「それはええなぁ。あっ、後ついでに、向こうの世界のフェイトちゃん達の実力も知っておきたいし、ちと皆で模擬戦やろか♪」

 

「えぇッ!?み、皆でって……」

 

「はやてッ!?仕事はどうするのッ!?」

 

「大丈夫やッ!!今日は大した仕事も無いし、フォワードの皆にもええ経験になるやろッ!!10年前のあの時は見れなかったけど、リインフォースの実力が今どのぐらいあるのかも見ておきたいんやッ!!」

 

「賛成ですはやてちゃんッ!!けしからんムチムチお姉様に下克上ですよッ!!その贅肉削ぎ落としてやるですぅーッ!!」

 

ツヴァイだけ何やら私怨が混じりまくってるのは気の所為じゃないと思うんだが、どうだろう諸君?

一応その体系も一定の需要とステータスはあると思うんだが。

 

「ぜいにッ!?……フ、フフフ……いいだろう妹よ……姉より優れた妹など存在しないという事を、その『薄くて細い』身体に叩き込んでやろうではないか」

 

「うすッ!?ほ、ほそッ!?……キイィイィッ!!吠え面かかせてやるですぅーーーッ!!」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 

 

 

あっちはあっちで何か盛り上がってるし……こりゃ止めらんない流れか……ハァ。

 

 

 

そんなこんなであっという間に事態は進みンゴ、模擬戦決定。

全員で外の演習所へと移動する事となった。

色々と事態が飛躍し過ぎて混乱してるが、とりあえず幾つか言わせろ。

 

 

 

「リインはムチムチでエロい。 だ が そ れ が い い 」

 

「はうあッ!?そ、そそそんな事をストレートに言うなあぁあああッ!?」

 

俺のセクハラ発言を聞いて、身体を抱きしめて顔を真っ赤にしながら恥らうリインはサイコーです☆

 

 

 

 

 

 

後書き

 

 

あぁ、バキどもえが読みたい……

 

 

 


 
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