No.638789

【獣機特警K-9ⅡG】驚異の発明?シンカロン銃【交流】

古淵工機さん

自然保護区にドローア研究室の面々が侵入した場合。
…はい。間違いなくカオスになります。

シンディのキャラシは、まあ需要があればってことでw

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2013-11-22 00:55:43 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:894   閲覧ユーザー数:813

「がーはははははは!!完成ぢゃ!完成ぢゃわいっ!!」

ここはドローア研究室。今日も今日とてドローア教授は怪しげな研究を続けていた…。

 

「うっせえなじっちゃん、一体何が出来たってんだよ」

近くで寝ていたタイニーが起き上がる。

「これは世紀の大発明ぢゃぞ…上手いこと活用すれば手下も増やせるってもんぢゃわ!」

「手下ねえ?」

そこへ、ハーピー形ロボットのコルヴォー・ブリアンが飛んでくる。

 

「ねードローアの爺さんよー。発明品できたんだってー?」

「そうぢゃそうぢゃ。これぞ名づけてシンカロン銃!動物に向かって発射すれば凄まじいことが起きるんぢゃ!」

「凄まじいこと?」

「とにかくコイツを…そうぢゃな、どこかでテストせねばなるまいてフッフッフ」

怪しく笑うドローアのモニターに映し出されている『目』が逆三日月形になり、その不気味さをさらに引き立てている。

ラミナ市郊外、自然保護区…。

「こちらコルヴォー、保護区の近くにある木の中からスタンバイなう」

『よぉし、目の前にトラがおるぢゃろ。さっそくそいつらに向かって発射ぢゃ!』

「らじゃー!」

と、コルヴォーは気配を消しながら目の前のトラに近づくと、例の発明品を取り出した。

そしてゆっくりと狙いを定める。

 

「…ふふふ、さーてどーなっちゃうかなー!?そーれ!!」

コルヴォーが撃鉄を引くと、薄青色の光が一頭のトラに襲い掛かる!!

「グアァァァァ!」

強烈な光に驚き、トラは鳴き声を発しながら暴れ回る。

「おー!こいつはすっげえや!うひょひょ!!」

と、コルヴォーは思わず声を上げて笑い出した。

同じ頃、ベースキャンプ付近では、レンジャー隊員のマイが車を走らせてパトロールをしていた。

「!!」

聞こえてきたのはトラのわめき声だった。マイの表情が険しくなる。

「まさか、トラさんが密猟に…?すぐにトラさんを助けなきゃ!!」

マイは急いでハンドルを切り、虎の声が聞こえた方向へと突っ走る!

 

「へっへっへ、そこにもいるなぁ。おし!もう一発浴びせちゃえ☆」

と、コルヴォーが次のトラを撃とうとしたその時だった。

「やめなさーい!!トラさんたちに何してるの!!」

というマイの怒鳴り声とともに一台の車が走ってくる。

「やべっ!見つかったか!!」

「待ちなさいっ!トラさんに何してるの!!」

マイは車から降りると、短銃を取り出して構える。

辺りは煙に包まれておりトラの様子は見えない。

 

「おいおい撃つなよ。別に狩りとかしてるわけじゃねーって。ちょっとした実験だよ実験」

「へえ、実験ね。薬物注射?それとも新兵器のテストかしら?」

「すぐにわかるよんなもん!そいじゃーな!!」

「あっ!待ちなさーい!!」

マイの叫び声も聞かず、コルヴォーは上空へと飛び去っていった。

そしてコルヴォーの巻き起こした風によって煙がゆっくり晴れていく。

そしてその直後にマイが見たのは、衝撃的な光景だった。

「…な、なに、これ……!?」

マイは目が点になっていた。

それもそのはず、なんとそこにいたはずのトラはおらず、代わって現れたのはなんとトラ形のファンガーではないか。

しかも、ここで寝ていたトラはメスの『シンディ』。それが妖艶な身体を持つファンガーに変わってしまっていた。

 

「し、シンディさん…一体何があったの…?」

と、マイが恐る恐る近づくと、ショックで気絶していたシンディが目を開いた。

そして、毛づくろいをしようと前足を顔の前に持っていく…。

 

その途端シンディが叫んだ。

「いやあああああああ!なに!?なに!?なにこれっ!!あたしの!前足!?」

シンディが驚いたのも無理はない、肉球と爪があるだけの前足だったものは『手』に代わっていたのだ。

しかもその直後、シンディはのどの辺りを押さえるしぐさをした。

「声まで変、それに、ニンゲンの言葉しゃべってる!?」

わけがわからず動揺するシンディを、マイはそっと撫でて落ち着かせる。

 

「あ、あなたは確か、マイ…ちゃん?」

「シ、シンディさん…その、一体どうなっちゃったのか知らないけど、とにかくキャンプに連れて行くわね」

マイはすっかり姿が変わってしまったシンディに予備のジャケットを着せ、助手席に座らせると、そのままベースキャンプに連れて行った。

自然保護区、ベースキャンプ。

「うーーーん…」

動物担当の医師であるテラナーのユメジが、シンディの血液を検査していた。

「ユメジ博士、シンディさんはどうなってるんですか?」

マイが心配そうに訊ねる。

「あたしも知りたいです。どうしてこんな姿になっちゃって、どうしてしゃべれるようになったのか」

と、シンディが続く。

 

するとユメジは、衝撃の事実を告げる。

「間違いない。シンディの身体は…遺伝子を完全に組み替えられてしまっている」

「ええっ!?」

マイとシンディは驚愕する。

「一度遺伝子を組み替えられてしまった以上、シンディは元の身体には戻れないだろうな」

「そ、そんな…!」

絶望の表情を浮かべるシンディに、マイは手を置きそっと慰める。

「大丈夫よ。どんな姿でもシンディさんはシンディさんですもの」

「マイちゃん…」

そこに、別の地域へパトロールに行っていたナディが帰ってきた。

「マイ!ナディ、戻ったぞ…なんだその子?」

「あ、ナディさん。実はですね…」

 

ナディはしばらく硬直したあと、腹のそこから声を上げて笑い転げた。

「ハッハッハッハッハッハ、シンディ、ファンガーなってる!なにこれ!!」

「もう!笑い事じゃないんだから!」

シンディは顔を真っ赤にして悪態をつく。

「そうですよ!ただのトラだったのに突然こんな姿にされちゃって…」

と、マイもふくれっつらをする。

「…でも、シンディ生きてる。姿変えられても、シンディ生きてる!!」

「あ、それも…そうか」

「それもそうか、じゃないわよぅ!あーん、もう一生この姿…」

と、泣き出すシンディに、ナディは鏡を持ってきてこう言った。

 

「ほら。今のシンディもカワイイ。だから泣くな。シンディ悲しいと、ナディも悲しい」

「…でも、でも…」

と、涙を浮かべながらシンディは顔を上げると、そこにはファンガーとなった彼女の姿が映し出されている。

その姿を見たシンディがどのような反応をするのかとみんなが心配していたが、次の瞬間、シンディの口からは信じられない言葉が出てきた。

 

「…あ、これはこれで…イケてるかも!!」

「な!」

マイとユメジは大きくずっこけた。

 

…こうして、ANCFのレンジャーに新たな仲間が加わることになるのだが、それはまた後の話である。

一方その頃、ドローア研究室に帰る途中だったコルヴォーは…。

「なあドローアの爺さん」

『んー?なんぢゃ?』

「ホントはこれ、シュミで作っただろ」

『ぎっくぅ!?』


 
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