No.638550

【真・恋姫†無双】桂花との甘い食事(前編)

南無さんさん

こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。
【お知らせ】
多忙につき投稿が大幅に遅れます。
ご了承の程宜しくお願い致します。
それと、お待たせして申し訳ありませんでした!

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2013-11-21 10:10:03 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:7965   閲覧ユーザー数:6262

漸く料理を作り終え、俺は桂花と共に料理を運んだ。

 

中庭に来てみると、皆が既に集まっており、季衣と流琉が用意してくれた椅子に座っている。

 

俺は手伝ってくれた三人を座らせ、それぞれの前に、麻婆豆腐やご飯、ザーサイなどを置いた。

 

味見をしてくれた桂花に太鼓判を押されたから、出来は問題無いだろうなと思いつつ、

 

料理を出し終え、俺も椅子に座った。そして、華琳に促されて僭越ながら口述する。

 

 

「あー。今回は急に集まってもらって、ゴメンな。

 今日は日頃の感謝から皆に料理を揮いたいなと思っていたんだ」

 

 

…嘘もここまでくれば、大したものだよな。知っての通り当初は、

 

桂花が俺の作った料理が食べたいって言ったのが事の始まりだけど。

 

 

「いっぱい作ったから思う存分食べてくれ」

 

 

俺は椅子に座り、挨拶はもう終わりという意味を込めて、

 

華琳にアイコンタクトをした。華琳は意を汲み取ったようで、

 

首を縦に振り、口を開いた。

 

 

「せっかく、一刀が作ってくれたんだもの。冷めてしまうと

 味が落ちてしまうわ。早速、頂きましょう」

 

「頂きます」

 

「「「頂きます!!!!!!!!」」」

 

 

そして、食事会が開かれた。

 

 

 

 

 

美味しいのです、中々うまいな。おかわりー!

 

料理の評価は上々だった。俺は胸を撫で下ろし息を洩らすと、

 

華琳からの一声。

 

 

「美味しいけど、まだまだね。最後に少量の胡麻油を加えると、

 香りが高まるわ。覚えておきなさい、一刀」

 

 

流石は美食家、簡単に及第点はもらえないな。

 

結構、自信があったんだけど。

 

 

「……でも、一刀が私達の為に料理を振舞ってくれて、凄く嬉しいわ」

 

「…え?」

 

 

思いがけない華琳の台詞に俺は驚いてしまった。華琳は瞬時にそっぽを向き、

 

よく見ると、心なしか顔が赤い様な気がする。

 

 

「……見るんじゃないわよ、ばか」

 

「…あ、ああ。ごめん」

 

 

追求したら、俺にとって良くない事が起こるんだろうなと思っていたら、

 

対面に腰掛けていた桂花と視線があってしまった。

 

その顔は何やら不満顔。どうやら、華琳との一連のやり取りに嫉妬している様子。

 

妬いてくれるのは男冥利に尽きるけど、皆にバレてしまいますよ、桂花さん。

 

ほら、握り締めている箸が今にも悲鳴を上げそうです。

 

 

「おやおや、桂花ちゃん。御箸を力強く握り締めどうしましたかー。

 先程から、お兄さんばかり見てましたが、もしかして嫉妬でもしましたかー?」

 

 

…今、一番関わりたくない人物に絡まれてしまった桂花。

 

我に返ると、平静を装いテーブルに箸を置くが、明らかに動揺しているな。

 

 

「ななな何を言ってるのよ、風!

 わ、私が一刀に嫉妬する訳無いじゃない!!」

 

「…一刀ですか。どうして桂花ちゃんは、お兄さんを名で呼んでいるのですかー?

 私達が知っている桂花ちゃんなら、道端に捨てられている生ゴミの如く、

 お兄さんを見下し、名を発するだけで口を濯ぐと思うのですよ」

 

 

……デレる以前の桂花は、俺をゴミ同然に見てたのか。

 

 

『ふふふ、見て馬鹿がゴミの様だわ!あっはっはっはっは!!』

 

 

…嫌な想像をしてしまった。

 

嫌悪していたのは分かっていたが、まさか、それ程とは、

 

あれ?何だろう、目からしょっぱい水が……。

 

つーかっ!名を呼ぶだけで口を濯ぐとか、俺は病原菌か!!

 

 

「ち、違うの一刀!確かに、以前の私は口を濯いでいたわ。

 でも、今は貴方を……」

 

 

本当に濯いでいたのかよ!?風が誇張して言ってたんじゃないのかよ!?

 

北郷さんはびっくりだよ!!!?

 

 

「また、一刀と呼びましたねー。それに、お兄さんの顔色を窺ってますし、

 これは、いよいよ以って怪しいのですー」

 

「だ、だから、私はか…北郷何て、別に何とも、思ってないわよ。

 北郷も、そこまで落ち込まない!!」

 

 

……クスン。いいんだ、いいんだ。俺は病原菌なんだ。

 

こうなったら、皆に一刀菌をばら撒いてやるもん。

 

 

「貴女達、静かにしなさい。

 一刀も、いちいち気にしないの。打たれ強いのが貴方の取り柄でしょ」

 

 

…いや、まぁ、それ程気にしてないんだけどね。

 

大事なのは今とこれから、……そう。今と、これから…なんだ。

 

…大事なことなので二回言いました。

 

 

「とはいえ、桂花。風の言う通り、最近の貴方はおかしいわよ。

 特に一刀が関わると拍車がかかるわね」

 

「そ、その様な事は決して、華琳様の気のせいでは…」

 

「私の気のせいね。…皆少し聞いて頂戴。ここ最近の桂花に違和感を覚えなかったかしら?

 どんな些細の事でもいいの、何か思い出さないかしら?」

 

 

風が、華琳が俺と桂花の関係に疑問を抱き怪しんでいる。

 

けど、俺は別段、バレたりしても構わないのだが、

 

桂花は額に汗を掻き落ち着かない様子。

 

そんなに、皆に告白するのが嫌なのかな?

 

 

「あの、華琳様。申し上げます。一月前の出来事なのですが、隊長と桂花様が

 落とし穴に陥った事がございまして、私が救出した際、桂花様が隊長に

 見惚れていた様に感じました」

 

「…私にも心当たりがございます。半月前の事なのですが、たまたま、

 桂花殿と廊下ですれ違いまして、聞いた所、華琳様の命を受け、

 一刀殿を呼びに行く最中との事、華琳様、憶えて御出でですか?」

 

「ええ、憶えているわよ。思えばあの時から桂花に疑念を抱いたわね」

 

「私もその折に、疑念を抱いたのです。あの時の桂花殿は妙に嬉々としていまして、

 丸で一刀殿にお会いになるのを楽しみにしていた。その様に感じました」

 

「…私もございます。まさに今日の出来事なのですが、桂花様が兄様の料理の補助に

 回ってまして驚きました。普段の桂花様なら手伝いをせず、罵り、その場から立ち去る

 と思うのです。しかし、桂花様は嬉しそうな表情を浮かべ、兄様の手伝いに、

 喜びを感じている。その様に見えました」

 

 

凪、稟、流琉の三人が桂花について一様に述べた。華琳は手の甲に頬を乗せ、

 

怪しく笑みを浮かべている。そして…

 

 

「桂花。貴女、一刀を好いているわね。

 そして、既に関係を築いている。…違うかしら」

 

 

…これだけの証言があれば普通に気付くよな。

 

どうするんだ、桂花。誤魔化しが効かないぞ。

 

 

「べべ、(べちゅ)に一刀なんか好いてないでひゅし、

 関係など持ってないでありますですひゃい」

 

 

…色々と突っ込みたいけど一言、もう、バレるのは時間の問題ですね、わかります。

 

 

「そう、あくまでも認めないのね。まぁ、いいわ。…一刀!」

 

 

俺の名を急に呼ぶ華琳。もしかして、アレですか、矛先を私目に向け

 

無理矢理口を割らせる御つもりで御座いましょうか。勘弁して頂きたい。

 

受ける位なら即刻、秘密を洩らしますよ。けど、洩らしたら、洩らしたで、

 

桂花に何を言われるか分からないし、…どうしたらいいんだろう。

 

 

「貴方が作った麻婆豆腐を桂花を除いた全員に食べさせなさい」

 

「え?食べさせる?俺が?」

 

 

……何だか嵐の予感がする。

 

 

                  ~後編に続く~

 

 

 

 

 


 
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