No.637821

【獣機特警K-9ⅡG】ブラッドファミリー、恐怖の計画【交流】

古淵工機さん

またまたスケールのでかい事件でお茶を濁してみる。
さあみんなでご一緒に。「ブラッドファミリーマジ外道!」

■出演
スレイ:http://www.tinami.com/view/553585

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2013-11-18 00:05:14 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:867   閲覧ユーザー数:795

バンブーヒル近郊のとある密林の中から、数台の小型トラックが動き出した。

キャビン部分は黒く塗装されており、周囲に街灯がないこともあって荷主もはっきりわからない。

…トラックはスピードを上げていく。一体彼らは何者なのか?

 

…数時間後。トラックは草原の片隅に停車した。

キャビンの中から黒服のサイボーグが降りてくる。スレイ・ブラッドだ!

「…よし、このあたりにばら撒くんだ。まず実験結果が欲しいからな。急げよ」

スレイの指示で、トラックの荷台に積まれていた物質が、干し草へと混入されていく。

 

「ボス、終わりましたぜ」

「…よし。さっさとズラかれ。グズグズすんじゃねーぞ」

スレイと男たちはトラックに乗り込むと、そのまま走り去っていった。

「たっ!たっ!たっ!大変だ!みんなすぐに起きろォ!!」

 

翌朝、ANCF・自然保護基地にあるマイとナディの部屋に、ブタ形ファンガーの隊員…ネルソンが血相を変えて飛び込んできた!!

「な、なんですかネルソンさん…?」

「ナディ、気持ちよく寝てたのに…一体どうした!?」

「どーしたもこーしたもないぞ!とにかく大変なんだよ!!シマウマが…シマウマが死んでいるんだ!!」

 

それを聞いた途端、マイとナディは勢いよく飛び上がった!

「な、なんだと!?誰だ、シマウマ殺した奴誰だ!!」

「落ち着いてナディさん!…行きましょうネルソンさん、場所は!?」

「ああ、すぐ案内する。急いで車に乗るんだ!!」

マイとナディは、ネルソンの車に乗り込みすぐに現場へと急行した。

「あそこだ!あの北にある食事場の近くで大量に死んでるぞ!!」

すぐに車を止めて駆け出すマイ、ナディ、ネルソン。

「ひどい…一体誰がこんなこと…!」

マイは涙を浮かべてその場に膝をついた。

「シマウマたち、どうして死んだ?ネルソン、何かわかるか?」

「うーむ、キズがないとこを見ると、銃で撃たれたとか他の猛獣に襲われたとかじゃないみたいだ…」

現場にはすでに数名の隊員が駆けつけていた。彼らはネルソンの仲間であった。

 

「おい!死因がわかったぞ!!」

と、ネルソンに声をかけたのはシマウマ形ファンガーの隊員・アッシュだった。

「本当か?」

「アッシュ!シマウマたち、どうして死んだか!?」

「血液を調べてみたが、こいつは強い神経毒をもった薬物だ。摂取したら最後、神経が麻痺して死に至る…」

「そんな…じゃあ、このシマウマさんたちは…!」

「クソッ!シマウマ殺した奴、絶対許せない!」

泣き崩れるマイ、拳を握り歯を食いしばるナディ。

 

ネルソンはアッシュに尋ねる。

「しかしそんな劇薬、今まで見たことも聞いたこともないぞ…」

「ああ。もしかすると、外部から何者かが持ち込んだのかも…」

と、ネルソンとアッシュが話している傍らで、ナディはひたすらに叫んでいた。

「出て来い!シマウマ殺した奴出て来い!!絶対裁き受けさせてやる!!」

ネルソンは叫びまくるナディに声をかける。

「ナディちゃん。気持ちはわかるが落ち着いたらどうだ。…マイちゃんはすぐ警察とレンジャー基地に連絡を」

「了解!」

同じ頃…。

「ふふふ、どうやら実験は成功したみたいだぜ」

と、テレビのニュース映像を見てほくそ笑むスレイ。

その画面には、草原に大量死しているシマウマの姿があった。

 

「スレイ、ホンキでやるつもりなのか?」

と、スレイに声をかけるのはモンド・ユーベル。

「ああホンキだぜ。あのシマウマはちょーっとした実験台。いわばリハってとこだな」

「っていうと…?」

「そうだ。本番はもっともっと恐ろしいことが起こるぜ…!ハハハハハハ!!」

さて、話は再び自然保護区に戻る。

「ひどい…一体、誰がこんなことを…!」

と、惨状を目の当たりにして愕然とするのは生活警備課のミウ・カワグチ。

「シマウマたち何も悪くない!なのに殺された…ナディ、頭来た!!」

「お願いです!犯人を探し出して、なんとしても捕まえてください!」

と、ミウに訴えるナディとマイ。

そんな折、ミウの相棒であるテムナ・ツルハシが何かを発見する。

「ミウ、ちょっとええか…?ヘンなモン見つけたんねやけど」

「ヘンなモン?…ミンスター警部、ちょっといいですか」

と、ミウに呼ばれて捜査課のジース・ミンスターがやってきた。

 

「ああ、これはタイヤの跡ですね…見る限りだとANCFの所有している車ではなさそうです」

「じゃあやっぱり外部犯…」

「その可能性が極めて高いでしょうね…ところでこんなものが落ちていましたが…」

ミンスターがタイヤの跡の付近に落ちていた紙切れを拾う。

 

「…タダの紙切れじゃないか」

と、ネルソンが呟く。

「いえ、タダの紙切れではありません。…見覚えありませんか、この印刷」

ミンスターが持っていた紙切れをよく見ると、そこにはあるものが書かれていた。

ANCFのメンバーが、そしてここにいる警官たちが、そのマークを知らないはずがなかった。

「こ、これは…ブラッドファミリー!!」

と、マイが驚愕する。

「そう、極秘裏に犯行をおこなったつもりだったのでしょうが」

「うっかりこの紙切れを落としてもうた…ちゅうワケですか」

「くそっ!なんて奴らだ!ブラッドファミリー許せない!」

 

そんな状況の中、ミウはミンスターに声をかける。

「でも、ブラッドファミリーはどこへ逃げたんですかね…」

「タイヤの跡を追ってみましょう。行きますよ、ミウさん、テムナさん」

「「はい!!」」

と、警察はトラックのタイヤの跡を追跡に向かった。

 

「…まだ安心はできないぞ」

「どこかに例の薬物が撒かれてるかもしれない…すべての餌場をチェックするんだ!!」

「「ラジャー!!」」

と、ネルソンとアッシュの指示のもと、マイとナディもすぐにチェックへ向かうのだった。

…さて、タイヤの跡を追っている警官たちは…。

「…警部、なんかヘンじゃないですか?」

と、ミウがミンスターに訊ねる。

「何がですか?」

「このタイヤの跡…まっすぐラミナ市内へ向かってるような…」

路面に刻まれたタイヤの跡を見ると、わき道へそれている様子がない。

ラミナ市内を目指し一直線。ミウはそれに気づいたのだ。

 

「妙ですね。先ほど自然保護区のレンジャーからの報告が入りましたが、あのシマウマの餌場以外には薬物反応はなかったと」

「せやけどなんであんな一箇所だけなんですか?保護区の動物を皆殺しにするつもりやったら、全体にばら撒いててもおかしないですって」

「何日かに分けて殺していくとか、そういう魂胆じゃないのかな…?」

考え込むミウとテムナ。その刹那、ミンスターが声を上げる!

 

「待った。タイヤの跡が曲がっています!そこの交差点を左に…」

「交差点を左…?まさか、あの方向は!!」

「イヤな予感がしませんか?…奴らの本当の目的、なんとなく掴めてきましたよ…!」

さて、その頃ラミナ市内、パークヒルズ地区にあるテニスコート。

「ふう…ノドが渇いたわね」

「ホント。激しく動き回ったあとはノドがカラカラだわw」

と、練習を終えていたのは付近にあるサウスウィンド高校の女子テニス部員。

「こういうときにはやっぱり水分補給に限るわよね」

と、ウサギ形ファンガーの少女が水道の蛇口をひねり、水を飲む。

 

「あー、ジェニファーったらずるい!あたしが先ー!!」

「何言ってるのユズナ!わたしが先よ!!」

「もう、ユズナもリディアも落ち着いて。蛇口は他にもあるんだから」

と、それぞれネコ形、イヌ形、キツネ形と続いて水を飲み始める。

練習で火照った身体の渇きを癒す少女たち。

…だが次の瞬間、彼女たちに異変が起きた!

「うっ…!?」

最初に水を飲んだウサギ形ファンガーのジェニファーが、突然苦しみだしたのだ!!

「あぁぁ!うぐっ…うぅ…ぁっ…」

「どうしたのジェニファー!しっかりして!ねぇ…ぐふっ…!?」

と、イヌ形ファンガーのリディアも苦しみだす。

それに続いてネコ形ファンガーのユズナが、キツネ形ファンガーのサチエが、次々に苦しみだした…。

 

「あぁぁぁ!く、くる…し…」

「たすけて…た…す…け……!!」

次々倒れていく部員たち。リディアはそんな中、死力を振り絞って近くにあった通報装置のスイッチを押すと、そのままうつぶせに倒れこんだ…。

それから数分、先ほどまでタイヤのあとを追跡していたミンスターたちは、緊急通報をキャッチしテニスコートに向かった。

だが、到着してみるとそこはまさに地獄絵図であった。

 

「そ、そんな…これって…!」

ミウはその惨状に思わず涙を浮かべていた。

「おい!おい!!しっかりせえ!!」

テムナは近くに倒れていた女子生徒の身体をゆすって起こそうとしたが…。

 

「…あかん。みんな死んどる…!」

「な、なんてひどいことを…!!」

絶望に打ちひしがれているミウとテムナの傍らで、ミンスターは一人の女子生徒の血液を採取し、

持っていた簡易検査セットで死因の特定を行っていた。

…そしてミンスターから、衝撃の事実が告げられた。

「…わかりました。あのシマウマの餌場で検出された劇薬と全く同じものです!!」

「な、なんですって!?」

「恐らくこの飲み水に混入されていたのでしょう。ここの水道は簡易浄水装置に繋がっているタンクから供給されていますが、そのタンクの中からも同じ物質が」

ミンスターの言葉に、テムナが戦慄する!

「じゃ、じゃぁ…奴らの…ブラッドファミリーの本当の狙いっちゅうんは…!!」

「…ラミナ市民への毒物攻撃、でしょうね」

 

…その時、ミウが近くにあった大木を殴りつけて叫んだ!

「くそっ!くそっ!!あろうことかラミナ市民を人質に取られるなんて…!!これ以上やつらの好きにさせてたまるもんですか!!」

「…とにかく奴らがこんな恐ろしい計画を立てているとわかった以上、状況は一刻を争います。テムナさん!大至急K-9隊への出動要請を!!」

「は、はいっ!!」

 

ラミナ市民6500万人の命を狙う、ブラッドファミリーの恐るべき計画!

果たして、プラネットポリスはこの恐ろしい計画を阻止できるのであろうか!!


 
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