No.637688

英雄伝説~光と闇の軌跡~ 851

soranoさん

第851話

2013-11-17 17:58:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1079   閲覧ユーザー数:1018

その後オルキスタワーの攻略を開始したロイド達は数人を待機メンバーに残した後20Fまではエレベーターで行けたが、そこからはセキュリティーによって昇れなくなっていた為、20Fからは徒歩で昇っていく事にし、魔導技術によって創られたタワー内を協力して昇って行き、ついに制御室に到着してタワーの制御をある程度解除できた後、非常階段で36Fへと昇り、フロアに出た。

 

~オルキスタワー~

 

「着いたか……」

「主任の話だと、かなりの人がフロアにいるみたいだけど……」

フロアの周囲を見回したロイドとエリィが呟いたその時

「お、お前達は……!?」

ピエールが研究者と共に部屋を出てロイド達に近づいてきた。

「ふ、副局長!?」

「なんだ。見かけないと思っていたがこんな所にいたのか。」

ピエールを見たロイドは驚き、ヴァイスは目を丸くし

「どうしてここに……」

エリィは不思議そうな表情で尋ねた。

「そ、それはこちらの台詞だ!私はその……昨夜出された戒厳令について長官に問い合わせに来たんだ。そしたらそのまま拘束されてこちらのフロアに………」

「そうだったんですか……」

ピエールの話を聞いたエリィは疲れた表情をし

「ほう?ただの腰巾着かと思っていたが、そんな事をする度胸があるとはな。見直したぜ。」

「フッ……俺の人を見る目もまだまだだな……」

ギュランドロスは興味深そうな表情をし、ヴァイスは静かな笑みを浮かべ

「まあ……副局長さんの事はガイさんから聞いていましたけど、そんな行動を取るとは思いもしませんでした。」

「フム。さすがにそんな行動を取れるとは私も予想していなかった。強い者に媚びるだけしかできない軟弱者ではなかったようだな。」

「いや、なんつーか、ちょっと意外ッスね。」

「この状況で上に問い合わせる度胸を持っているなんて予想外でした。」

「今まで誰かのコシギンチャクだったのに、カッコイイね、ピエール。」

セシルは目を丸くした後微笑み、ツァイトは感心し、ランディとリィンは口元に笑みを浮かべ、キーアは無邪気な笑みを浮かべ

「フフ………皆さん、そんな風には言っては駄目ですよ。」

5人の言葉を聞いたエリゼは微笑みながら言った。

「ど、どういう意味だねっ!?第一君達は、国防軍から指名手配されていたはずだろう?しかも行方不明だった局長や司令どころか、イーリュンの信徒達まで一緒になって…………局長、司令!これは一体どういう事ですか?数日前のあの宣言は本当なんでしょうか!?警察や警備隊の局長や司令はどうされるおつもりなんですか?」

「まあ、色々あってな。」

「俺達が抜けた後の後任については後でちゃんと任命するから安心しておきな。」

ピエールに尋ねられたヴァイスは静かな笑みを浮かべ、ギュランドロスは口元に笑みを浮かべて答えた。

「そちらのあなたは……IBCの技術部にいた?」

一方研究員に気付いたティオは尋ね

「ああ……研究員のダビッドさ。俺も昨日、マリアベルお嬢さんから技術部の解散を伝えられてね。相棒もいないし、呆然としていたらこのフロアに連れてこられて……」

尋ねられた研究員―――ダビッドは答え

「………まずはお互いの状況を確認した方が良さそうですね。」

エリゼはロイド達を見回して提案した。その後ロイド達はピエールたちが待機していた部屋で軽く状況を説明した。

 

「そ、そんな事になっていたとは……独立国の無効宣言や局長達の宣言以来、雲行きが怪しいとは思ったが………」

状況を聞いたピエールは信じられない表情をし

「ど、どうしてこんな事に……」

「何だか悪い夢でも見ているような気分です……」

周囲の人物達は驚きの表情をし

「あ、あの………ヴァイスハイト局長、ギュランドロス司令。ディーター総裁やマリアベルお嬢様を処刑するという宣言は本当なのでしょうか……?」

IBCの受付嬢は心配そうな表情でヴァイス達に尋ね

「当然処刑に決まっているだろう!大陸中を混乱に陥れた上、赤い星座や結社と繋がっていた挙句、大昔からD∴G教団に支援し、影から操っていたあの二人を絶対に生かしておくわけにはいかねえ!」

「クロイス家の財産は”クロスベル帝国”が全て没収、お前達IBCはクロスベル帝国が”管理”する事になる。今後の方針についてはクロスベル帝国を建国した時に連絡する。」

「なお、メンフィル帝国もディーター・クロイス並びにマリアベル・クロイスの討伐は決定事項です。」

「IBCの方達には申し訳ないがIBCの創設者たるクロイス家直系の者達を全員処刑することは決定事項です。」

尋ねられた二人は厳しい表情で答え、二人に続くようにエリゼとリィンも厳しい表情で答え

「そ、そんな………IBCは一体どうなるんですか……?」

「ランフィさん………………………」

二人の答えを聞いた受付嬢は表情を青褪めさせ、その様子をエリィは複雑そうな表情で見つめ

「…………………そういえばクレイのやつはロバーツ主任に協力してるのか。どうりで、2,3日前からタワーへのハッキングの仕方が更に巧妙になってたわけだ。」

複雑そうな表情で黙り込んでいたダビッドは気を取り直して答えた。

「それで………副局長。結局、このフロアに大統領サイドの関係者は?」

「う、うむ……大統領やマリアベル嬢はもちろん、国防長官や猟兵どももいない。それに……君達の所にいたあの娘もな。」

エリィの質問にピエールは重々しい様子を纏って答えた。

「……そうですか………」

「一体どのフロアに……」

(勝てないと判断して逃亡したのかしら?)

ピエールの答えを聞いたロイドは残念そうな表情をし、エリィとルファディエルは考え込み

「キー坊たちが今どこにいるかについても勿論教えてくれないんだよな?」

ランディは真剣な表情でキーアに尋ね

「…………えっとね……………”マリアベル達は”今オルキスタワーにいない事は確実だよ。」

キーアは複雑そうな表情で答え

「一体どこにいるのかしら………?」

「まさか逃亡したのか……?」

キーアの答えを聞いたセシルとツァイトは考え込んだ。

「………とりあえず主任からの連絡を待つべきかと。現在、大急ぎで上層エリアを調べてくれていると思います。」

その時ティオが提案し

「その間にこのフロアにいる人達を確認して行こう。何か知っている人がいるかもしれないし。」

ティオの提案を聞いたリィンも提案し

「………そうだな。一通り回ってみるか。」

二人の提案にロイドは頷いた。

「ピエール。この場は頼めるか?」

「ハッ!お任せ下さい!……その、君達もアレだ。あんまり無茶はしないように。真実を掴む前に倒れてしまったら元も子もないぞ?」

ヴァイスの言葉に敬礼をして答えたピエールはロイド達を見回して忠告し

「………はい。肝に銘じておきます。」

ピエールの忠告にロイドは頷いた。

 

その後ロイド達はフロア内にいる人々の確認を始めた……………

 


 
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