『儂が判定をしよう』
祭がそう言うと
二人は中庭の中心に移動し、構えて向き合いそしてお互い笑った後、真剣な表情になっていた。
一刀はワクワクしていた。
(相手はまだ若いとは言えあの『江東の小覇王』、『江東の麒麟児』と呼ばれる俗に言う天才との対決・・・)
自分の力量が図れる絶好の機会だという事を。
一方、雪蓮もワクワクしていた。
(一見無防備な構えだけど、ゾクゾクするわね。ここまで昂ったのも久しぶりかも・・・)
しかし、その一方で観戦組は、違う意味でゾクゾクしていた
(真剣な顔も素敵ねぇ♪はぁ~可愛い♪ゾクゾクしちゃう♪)
(笑顔も良いけど、あの凛々しい顔はグッっと来るわね♪)
『二人とも良いかの?』
祭は二人に声を掛け、一刀と雪蓮は頷き
『それでは、はじめぃ!!!』
開始の掛け声と共に動いたのは雪蓮であった。
『はぁぁっ!』
上段から一刀に向けて振り落とす。
一刀は受けること無く半歩右に移動しそれを躱す。
今度は遠心力を利用した横薙ぎを繰り出すも
後ろに軽く飛び横薙ぎを躱し、着地した反動を使いそのまま雪蓮に突っ込みながら抜刀連撃。
『ふっ!はぁ!』
キン!!キン!!
雪蓮に防がれ、そのまま数合撃ち合った後、鍔迫り合いのような状態になり
『思ったより、やるわね?お・に・い・さ・ま!』
(剣速が異常だわ…反応するのもやっとだし…受け続けると疲れそうねこれ…)
『あ・り・が・と!、さすがは虎の子だ・な!』
(力では押し負けてるな…短期決戦の方がこれは良いな…)
両者、距離を取り再び立ち合う形になり
外野(蓮音・冥紗)では…
『蓮音?かなりの武力を持っていると思わない?』
『そうね♪太刀筋もかなり速い、けどその分軽そうではあるけれど』
観戦組の2人がじっくり観察している後ろの方から
『中々、面白い事をしておりますねぇ?蓮音様?母上?』
2人は後ろを振り向き、冥紗が
『あら?冥琳?どうしたの?あなたも観戦?』
冥琳と呼ばれた女性は
『はぁ…いや、雪蓮に用があったのですが…雪蓮と立ち合ってるあの男が蓮音様が拾ったと言う御使い殿ですか?』
『う~ん…今は御使いじゃない事になってるけど一応そうよ、そして私の愛しい息子でもあるわ♪』
なぜか身体をクネクネさせ、キャーっと頬を赤くしながら言ってる蓮音(注:江東の虎)である。
『………そ、そうですか。で、どちらが優勢なんです?』
少し困ったような顔しながら2人に聞き
『互角って所かしら?蓮音?』
『う~ん?そう見えるかもね…あの子は、一刀はまだ何か隠してると思うわ』
蓮音は立ち合ってる2人を見ながらそう言い、
冥琳と冥紗の二人は少し理解できなさそうな顔で中庭の中心に視線を戻した。
その頃、中庭の中心では
互角に勝負を続けている2人であったが
中々勝負がつかない事に雪蓮が提案をした。
『次で、最後にしましょうか?お義兄様?』
『そうだな、次で決めるぞ!!』
そして、雪蓮は正眼に構え神経を集中させて構え、一刀は愛刀を鞘に戻し最低限力を抜いた状態で構える。
先に動いたのはやはり雪蓮、靭やかな身体のバネを最大限使い一刀に突進していく。
雪蓮が動き出したが一刀はまだ動かない。
(さて、ぶっつけ本番で成功するかな、居合第一奥義『葬刃』
全身脱力からの抜刀…狙うは武器破壊!!)
そして、雪蓮が目の前まで迫り突進の力を最大限に使った袈裟斬りを放ち
『はぁぁっ!!』
『はっ!』
刀と剣が交差したと思われたが、音もなく雪蓮が、一刀を押し倒していた。
その姿に、観戦していた3人が一斉に
『あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
蓮音は『雪蓮ズルいわ!!私でもまだ抱きついてないのに~!!!(あとで説教ね!)』
冥紗は『雪蓮様、大胆ですね?(実は狙ってやったのかしら…)』
冥琳は『大丈夫なのか?』と普通に心配する声が1つだけしかなかったのは…
そんな3人が言っている中、祭は自分の足元を黙って見ていた。
(これは鍛錬用の剣の刃の部分か…孺子が最後に放った技…鍛錬用の剣と言ってもここまで綺麗に切れるものなのか?)
そう、雪蓮が使っていた剣がほぼ根本から切られていて
衝撃も無く剣の部分が切られたので、勢いが止まらず一刀に抱きつき押し倒す形になったのである。
その頃、激闘を繰り広げた2人は
『ふぅ~負けたわ…お義兄様♪』
『押し倒されたのに勝ったって何か変な感じだな』
苦笑し雪蓮の頭を撫でながら答える一刀。
『お義兄様に私の真名を預けます。これからは雪蓮って呼んでね?お義兄様♪?』
『了解。これから宜しくな雪蓮。それから一刀でいいからな?』
『はぁい♪一刀兄様♪』
(はぁ…これからも、俺の言う事とか聞かないんだろうな絶対…)
なんてことを考えていたら
『い~つ~ま~で~そうしてるのよ!雪蓮!!』『キャン!助けておにいさまああああああぁぁぁ』
と蓮音が助けを求める雪蓮を一刀から引き離し、説教をしに部屋に連れて行き
冥紗が一刀に
『大丈夫?一刀君?』
『はい。なんとか無事です。心配してくれてありがとうございます。』
『///いえ、当然の事よ。』
(ダメよ///そんな、爽やかな顔で言うのは…)
『ゴホン!母上、私の自己紹介をさせていただいてよろしいですかな?』
黒髪で左下に泣き黒子がある綺麗な女性が言った。
『聞いているかもしれんが、私は周瑜 字は公瑾だ 』
『(メガ周瑜…)俺の名前は姓が北郷 名前が一刀 字はないけどよろしく』
冥紗は思った。(また天然のキラースマイル出して…冥琳には…その手は…)
『私の真名は冥琳だ、冥琳とお呼びください、お義兄様♪』
(えぇ~!!あの冥琳がデレたの?私のあの娘が…?あぁ…頭撫でて貰ってっええぇ!?何!あの表情私でも見た事無い位すごい嬉しそう…)
その後、冥琳が周りからイジられまくったのは言うまでも無いだろう・・・
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ども。雪人です!
眠い。そして御免なさい!
最後、眠たすぎてかなり駄文になってますが、そこは
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