ある夏休みの道場での稽古風景
「はっ!とぅ!せぇぁ!!」
スッ スッ スッ
「腕だけで振るものではありませんよ?一刀・・・」
「朝の稽古のように肩と腰、身体すべての加速も使いなさい」
「!?」
一刀に向けて容赦無い速さの斬撃数回飛んでくる。
自身の目にはほぼ、いや全く見える速度ではない剣速である。
一刀の身体の周りには風が舞いその並大抵の速さではないのが伺える。
「ふぅ~・・・みや兄の剣速とか神業に近いじゃん、俺にはできないよ」
「それはないですよ一刀、あなたもサボらずにしっかり修行すればこの剣速まではいけます。
最近鍛錬サボっていましたからねぇ~か・ず・と・く・ん??」
(バレテル・・みや兄がサディスティックな笑みを浮かべてる時はヤバイんだよなぁ・・)
「では、少したるんでる一刀君?構えからの抜刀連撃を300本を全力でやりましょうかぁ??クスクス」
「えぇ!!ちょっ・・・」
「うん??回数が少ないですか・・・?しょうがないですね一刀君は・・・では500本にしましょうか!」
(・・・今日動けなくなって道場で寝る事だけは決まったな俺・・・)
その後、みや兄の指導で500本やり切った(最後の100本は気合である)
一刀は気絶するように道場で眠りについた。
翌朝、みや兄に起こされて待っていた。
一刀がサボっていない毎朝恒例の徒手空拳の鍛錬。
簡単に言うと、みや兄我流の武術の稽古。
こちらの鍛錬は一刀自身、剣術より武術が好きなため毎朝行っている鍛錬である。
「さて、本日も正拳突きから入り実践形式で締めましょうか」
みや兄の声と共に鍛錬をこなし、実戦形式を終えた後みや兄が突然
「私達、剣闘士は基本武器を携帯してありますが、素手で戦う事になる時もあります。」
「ですので、武術の鍛錬を毎日頑張ってる一刀に私の武術の技を一つ教えましょう。
一刀に使いこなせるかは別ですが」
「技の名前というのは無いのですが、あえて付けるなら『流水』とでも付けましょうか』
みや兄に『流水』の要点を教わったが、使いこなすまでには至らなかった。
それから一刀は憧れの、みや兄の技の為
朝は流水を己の為にするため毎朝鍛錬、剣術の技術向上の為に毎晩鍛錬を行った。
「では私は里帰りしますが・・・」
「一刀君、夏休みが終わりそうで私が帰ったからと言ってサボったらどうなるか・・・わかりますね・・・?」
あのサディスティックな笑みの前に一刀は
「サー、イエッサー。鍛錬を毎日頑張るであります。」
「よろしい。では、また」
敬礼するようにみや兄を見送った一刀であった。
元々、素質がある一刀が夏休みが終わるまで真剣に鍛錬を行ったらどうなるか?
剣速・拳速は速く、鋭く、重く
みや兄と打ち合う事で鍛えられる。動体視力、判断力。
これらを鍛えられた事で一刀は、みや兄には劣るがかなりの武力を身につけていた。
身体つきは細く見えるが、余分な筋肉がなく引き締まった最上級の身体となっていた。
そして、夏休みが終わり。一刀の壮大な物語が始まろうとしていた。
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初めまして!!
たまには小説書いて見たいと思い書きました!
何分、駄文ですが温かい目で見て頂けたらと思います。
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