No.635760

東方氷妖精

ユウヤさん

羽生なのです。
思いついたが吉日と言わんばかりで書きました短編です。
私の短編って・・・別れモノばっかり。
今思うとそれが得意なのかも・・・

2013-11-10 11:25:20 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:5633   閲覧ユーザー数:5074

東方氷妖精

 

 ???『ねえ、人って死ぬとどうなるのかな?』

 

 少女はかつて少年に言われた言葉を思い描く。

 

 ???『僕は、大切な人の中で生き続けると思うな。』

 

 少女は大好きだった少年の笑顔を胸に刻み。

 

 ???「どうしてこんな事をするの!?」

 

 今、対峙している巫女をにらみつける。

 

 ???「私はもう馬鹿で居るわけにはいかない。“一刀”を奪った妖怪どもを必ず見つけ殺す。」

 

 ???「そのために他の妖怪も殺すなんて間違ってるわ!!」

 

 ???「おかしい事を言うね。妖怪が一刀を殺したんだよ。だからそういった妖怪は殺してもいいんじゃないか?“霊夢”」

 

 巫女の名前は博麗霊夢。ここ幻想郷の守護を司る神社博麗神社の巫女である。紅と白を基調としたちょっと露出が高めの巫女服を着ている。

 

 霊夢「そんな訳ないじゃない。それこそ、そんなの一刀は望まないんじゃないの?チルノ!!」

 

 チルノ「・・・・・」

 

 霊夢と対峙してるのはチルノ。かつての氷の妖精、今は氷結妖怪“チルノ・アイシクルフォール”と名乗っている。蒼い服に白い上着を腰に巻き髪は腰まで届くストレートである。

 

 チルノ「私は・・・・」

 

 

 

 チルノ(一刀は紫の所で居候してる人間だった・・・)

 

 ???『まってよ~チルノ~~~』

 

 チルノ『あはは。あたいを捕まえられるものなら捕まえてみろよ。“一刀”』

 

 一刀『む~見てろ~~』

 

 少年は北郷一刀。白い服に身を包み空を飛ぶ氷精を懸命に走って追いかけている。

 

 ???『ふふふ、本当によく笑うようになったわね、一刀は。そう思うでしょう?(らん)。』

 

 少し妙齢の女性が話しかけたのは九つの尾を持つ九尾の妖孤であり、自らの式である“八雲藍”

 

 藍『はい、そうですね。(ゆかり)様。あの時とは比べ物にならないですね。』

 

 紫『ええ、偶然向こう側であの子を見つけた時は正直胸が締め付けられる思いだったわ。向こうであんな悲惨な目にあう人間なんてそう滅多にいるものじゃないから・・・』

 

 藍『他の人間から忘れられかけていたからこそ幻想郷に来る事が出来たんですね。』

 

 紫『ええ。それがあの子の救いなのかもね。』

 

 

 

 チルノ(ずっと一緒に居られると思ってた。)

 

 一刀『チルノ、いい加減飛ぶのを辞めてくれ・・・俺はもう・・・限界だ・・・』

 

 チルノ『一刀はよわっち~な。あたいは最強だからまだ疲れないぞ!!な、大ちゃん』

 

 そう呼ばれたのは大妖精である。一応妖精の中で上位に位置する妖精である。いわいる妖精の中の妖精、と言うやつである。

 

 大妖精『もう、チルノちゃん。一刀君は人間なんだから飛べないの。』

 

 チルノ『え?でも霊夢やメイド長なんかは飛んでるよ?』

 

 大妖精『(きょろきょろ)・・・・あれは人を超えた人だから仕方無いの。』

 

 ちょっと黒いです。でも優しい子ですよ?

 

 一刀『あ~、俺も空を飛ぶ方法教えてもらおうかな~』

 

 

 

 チルノ(けど、それは叶わなかった。)

 

 チルノ『紫、一刀は何処に行ったの!?』

 

 紫『うぅ・・・あぁあ・・・・・』

 

 藍『チルノ・・・一刀は森の中で妖怪に・・・』

 

 チルノ『そ・・・そんな・・・あ、じゃあいつ戻ってくるの?他の妖精もピチュっても戻ってくるよ?』

 

 藍『・・・人間は・・・戻ってこないんですよ、チルノ。』

 

 チルノ『だって・・・今日はかくれんぼするって・・・ずっと一緒だって・・・どもだぢだっで(友達だって)

 

 藍『チルノ・・・・』

 

 

 

 チルノ(私が・・・もっと強かったらなんておこがましいのは分かってる。)

 

 チルノ『あああああああああああああああああああああああああああああ!!』

 

 下級妖怪『ぎゃあああああああああああああああああああああああああ』

 

 チルノ『はぁ、はぁ。何処だ・・・一刀を食った奴は・・・何処だぁぁぁぁ!!』

 

 

 

 チルノ(でも・・・“あたい”は・・・・)

 

 

 チルノ「私は、一刀を殺した妖怪を見つけて殺す!そして、一刀を守れなかった私は・・・死んで一刀の所に行くんだ!!」

 

 霊夢「・・・チルノ。」

 

 チルノ「邪魔するならさ、霊夢だからって容赦はしない!!!」

 

 霊夢「!?」

 

 その言葉を皮切りにチルノは氷の弾幕を張り巡らせる。

 

 霊夢「くっ。何この弾幕!!避け辛い、と言うより私の動きが・・・何これ!?」

 

 チルノ「そんなの簡単だよ。私は氷結妖怪、あらゆるものを凍りつかせる事が出来る。」

 

 霊夢「答えになって無い!!」

 

 チルノ「気付かない?霊夢の周りの空気、分子とか粒子を完全凍結では無くシャーベット状にする事で動きを鈍らせる事が出来るの。制約があるから上限はあるけどね。」

 

 霊夢「くぅ。」

 

 チルノ「あはははははは。霊夢、最強の巫女が聞いてあきれる。どうしたの?私を止めたければ私を殺すしかないんだよ!別に幻想郷を壊そうとしているわけじゃない。異変を起こしてるわけじゃない。ただ私は・・・殺して殺されるだけ!!その結果は変わらないし変えられない。霊夢、さあ、私を殺s(ドシュゥ)・・・・ぐふぅ・・・」

 

 紫「お望み通り・・・殺してあげる。」

 

 チルノの背後に居たのは八雲紫、幻想郷の守護者であるスキマ妖怪であった。

 

 チルノ「・・・紫・・・はは・・・・それ、私の心臓?・・・・死ぬの?私・・・」

 

 紫「ええ・・・・」

 

 霊夢「ゆ、紫・・・なんて事・・・」

 

 チルノ「・・・・・・ねえ紫・・・・・・あたい・・・強くなった?」

 

 紫「ええ・・・」

 

 チルノ「ははは・・・一刀の仇・・・討てなかったなぁ」

 

 紫「安心なさい。そいつは私が殺しておくから。」

 

 チルノ「・・・・そっか・・・紫なら・・・安心だぁ・・・」

 

 霊夢「チルノ・・・・」

 

 チルノ「・・・・・一刀・・・・今、そっち・・・いく、か、ら・・・・・・・・ね。」

 

 チルノはそのまま息を引き取った。

 

 

 

 

 

 チルノ『か~ずと~~、こっちだよ~~~』

 

 

 

 一刀『待ってよ~飛ぶのは反則だよ~~~』

 

 

 

 チルノ『あははははは!』

 

 

 

 一刀『あははははは!』

 

 

 

 チルノ(ああ・・・・一刀・・・・・あたいは・・・・一刀の事を・・・・)

 

 

 

 

 

 霊夢「紫・・・」

 

 紫「大丈夫よ。チルノは死なないわ。」

 

 霊夢「どう言う事?」

 

 紫「どう言う形であれ、チルノはこの幻想郷の一部。だから・・・記憶を失って妖精としてまた生まれるわ。」

 

 霊夢「な!?」

 

 紫「そう・・・・私が決めたの・・・だから・・・・ね。・・・・ごめんねぇ・・・チルノぉ・・・・」

 

 紫は涙を流し光の粒子になって消えるチルノの体を見送っていた。

 

 

 チルノ「けーねせんせー。出来た~」

 

 慧音「ん?おお、早いなチルノ・・・・・・・すごい。」

 

 チルノ「すごい?」

 

 慧音「すごい。0点です。」

 

 チルノ「orz」

 

 慧音「だが・・・・全部回答欄を埋めてるじゃないか。それは良い事だぞ、チルノ。」

 

 チルノ「へへ、だってあたいは・・・」

 

 慧音(ふ、また最強・・・か)

 

 チルノ「最強“になるんだからね”」

 

 慧音「!?・・・・・・そうか、なれるといいな。」

 

 チルノ「うん!」

 

 妖精は少年の記憶を持ち合わせない。けれど、妖精にも魂の概念があるのなら・・・きっと・・・・

 

 

 

 

 一刀『チルノ。だ~~~いすき!!』

 

 

 

 チルノ『あたいも、だ~~~~いすき!!』

 

 

 そう、きっと・・・・どこかでまた。

 

 

Fin

 

 

 

 

 

 あとがき

 

 と言うわけで短編を書いてみました。

 

 思いついたのはトラックの運転中でした。

 

 これはもう続編後回しにして書かねば!!と思い書きました。(オイ

 

 ちょっと短いですが・・・ご容赦ください。

 

 最後に・・・・続編のあとがきの仕様を此処を借りて報告差し上げます。どうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回!

 

 ???「一刀は大丈夫だろうか」

 

 ???「ここ・・・・何処?」

 

 ???「・・・・誰?・・・・恋は・・・呂布」

 

 ???「・・・・・まさか、三国志?」

 

 

 真・恋姫†無双―二つの呂旗―

 

 第一話「外史」

 

 少年は旅立ち少女と出会う。

 

 

 

 

 このような感じです。あとがきと言うより次回予告ですね。あの時途中で挫折したのが効いてるんですわ。

 

 ではでは皆々様。次回作はもうしばらくお待ちください。

 

 


 
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